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バスロケ世直し隊決起集会 オープニング ~なぜ今、バスロケか~

 バスロケ世直し隊決起集会 オープニング ~なぜ今、バスロケか~

この度、神戸市「Urban Innovation KOBE」に「神戸から日本のバス情報を立て直す」が採択されたことを機に「バスロケ世直し隊」が発足し、日本モビリティ・マネジメント会議(JCOMM)に合わせた決起集会を開催しました。

本スライドは、そのオープニングです。

イベント開催レポート:
http://t-brain.jp/project/bus_loc_yonaoshi/kick_off_report/

動画:https://youtu.be/qc6jaP-Qk3c

Traffic Brain

July 28, 2018
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Transcript

  1. 8 自己紹介 太田 恒平(おおた こうへい) 1983年11月06日生 34歳 Traffic Brain 代表取締役社長

    • 交通データ分析・コンサルティングをしています • 東大交通(家田)研卒、ナビタイムから昨年独立
  2. 9 バスロケと私 両備バスカンパニー 岡山電気軌道 井笠バスカンパニー 中国バス 両備グループ バス会社 リオス (バスロケーションシステム)

    地域公共交通総合研究所 (プロジェクト運営) トラフィックブレイン (ダイヤ改正支援システム開発) 東京大学 伊藤昌毅助教 (テクニカルアドバイザー) 両備グループ「バス事業改善プロジェクト」体制図 グループの技術・知見を集結 最先端の技術者とのオープンイノベーション 両備グループでバスロケ活用中 1.遅延が少ないダイヤの実現 2.路面電車乗継のためのバス所要時間案内 3.Googleマップ掲載・ 標準的オープンデータ提供 神戸市のバスロケを統合中 無敵な(失うモノが無い) 3人チーム!
  3. 本日のメニュー 10 ◼ オープニング • バスロケ世直し隊の決起 ~なぜ今、バスロケか~ (トラフィックブレイン 代表取締役社長 太田恒平)

    ◼ 地域を悩ませるバスロケ • Urban Innovation KOBE 地域統合バスロケの整備実 証実験 (神戸市役所 住宅都市局 公共交通課 厚海尚哉) • GTFSを構築した事務員が考える バスロケーションシステムの導入に関する考え方 -同情するなら運転士くれ- (永井運輸株式会社 バス事業部 水野 羊平) • 討議 ◼ バスロケメーカー、標準的オープンデータへの 覚悟 • Bus-Visionのオープンデータ戦略 ~開発現場の苦悩~ (リオス 移動体ビジネス事業部 リーダー 平田康之) • オープンデータ元年のバスロケシステム (国際興業株式会社商事部 課長 塩路久人) • 利用者を意識した動的データ活用 (ヴァル研究所 諸星賢治) • 討議 ◼ IT学識、満を持しての挑戦 • バス運行データの可視化と分析の変遷 (名古屋大学 未来社会創造機構 教授 河口信夫) • 日本におけるバス情報の標準化・オープンデータ化 (東京大学 生産技術研究所 助教 伊藤昌毅) ◼ バスロケ世直し隊の決起 • バスロケ世直し隊の決起~標準的オープンデータから 始めるバスの文明開化~ (トラフィックブレイン 代表取締役社長 太田恒平) • 討議 • さいごに
  4. 13 バラバラ 乗換検 索 バスロ ケが出 ない 神戸市バス (乗換検索は別サイト) 神姫バス

    山陽バス 阪急・阪神バス (見た目同じ別サイト) みなと観光 (PC用のみ、テスト中) 神戸交通振興 (要アプリインストール) 機能も使い勝手もバラバラな神戸市のバスロケ バスロケ戦隊 爆誕!?
  5. ◼よくある光景 • QRを撮っている人を見たことが無い • ボタン操作しているうちにバスが来る • ★2.3 • 最終更新2年前、インストール数千 使えない

    14 ◼呆れるほど低機能・低品質 • 地図にプロットされるだけ • 地域別のアプリ • 「バス停名」を知ってる前提で入力 • 経路検索できない • 鉄道や徒歩経路が出ない • スマホ版が無い ちなみに
  6. 26 数億円はかかる 両備バス・岡電バスの例 「路線バス位置情報 スマホで把 握 両備グループが4月から導入」 岡山、倉敷、玉野、瀬戸内市内の 路線で使える。英語表示もできる。 総投資額は約2億円。

    山陽新聞社 http://www.sanyonews.jp/sp/article/510450/1/ しずてつジャストラインの例 「しずてつジャスト、全線にバス 位置システム 運行情報正確に」 2018年4月から順次導入し、20 年3月に完成する。総投資額は約 4億円。 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2247099 019102017L61000/
  7. 宇野バス(岡山県) フリーのダイヤ編成システム「その筋屋」をコラ ボレーション開発し、GTFSデータとGTFS Realtimeデータを公開。Google Mapsからリアル タイム位置を加味した検索が可能に。 31 静的データの標準化・オープン化の広がり 石川県能美市「のみバス」 2017年1月からGTFS形式でオー

    プンデータ公開。Google Maps から検索も可能に。 福岡県新宮町 九州産業大学の協力で、 2016年末からGTFS形式でバ ス、渡船のデータ整備。 Google Mapsから検索を可 能に。 山梨県 山梨大学などの協力によ り、主要2事業者(山梨交 通、富士急行)及び一部 のコミュニティバスデー タを2017年2月よりGTFS 形式で公開。 静岡県島田市・焼津市 OpenTrans.itによって2016年から GTFS形式でコミュニティバスの データ公開。Google Mapsから検 索も可能に。 北海道室蘭市 独自形式で公開していたオープン データをCode for MuroranがGTFS 化、公式にも反映。 青森市営バス 職員が自ら「その筋屋」を用いデータ整 備、2018年4月にオープンデータ化と Google Mapsでの検索を可能に。 愛知県日進市「くるりんバス」 2018年1月に名城大学の協力でコミュニ ティバスデータを整備しオープンデータ 公開。Google Mapsから検索可能に。 福井県鯖江市「つつじバス」 2018年1月にオープンデータプラッ トフォームのGTFS対応に伴い実現。 Google Maps検索も可能に。 石川県野々市市「のっティ」 2018年3月バスデータをGTFS形式 でオープンデータ化。 群馬県 永井運輸 県内バス情報のオープ ンデータ化事業をきっ かけに自らデータ整備。 2018年5月よりGoogle Maps掲載。 福岡市営渡船 2017年7月に福岡市が 公開。Google Maps での検索も可能に。 津エアポートライン 2018年5月にGoogle Mapsでの検索を実現。 公共交通オープンデータマップ ( 2018年5月現在)
  8. 交通情報インフラとしての標準的オープンデータ 33 標準的オープンデータを介して統合的に幅広く活用 A社バスロケシステム B社バスロケシステム a行 10:24発 5分遅れ b行 10:30発

    3分遅れ c行 10:48発 定刻 d行 11:00発 未発車 A社情報サイト A社サイネージ r行 10:29発 2分遅れ x行 10:35発 5分遅れ y行 10:53発 定刻 z行 11:05発 未発車 B社情報サイト B社サイネージ A社標準的バスロケデータ B社標準的バスロケデータ 統合 サイネージ 印刷 システム 勝手 サービス Google, Yahoo!等の検索 (鉄道・多言語対応) 統合的に幅広く 情報提供 地域を俯瞰し 共通ツールで分析 地域交通分析 運転改善 ダイヤ改善 標準的 オープンデータ 会社別情報提供 (従来通り) 会社別バスロケ (標準データ出力対応) …… …… …… 地域での 統合的活用 事業者別 のシステム
  9. 37 ダイヤ改善 1 2 3 4 5 6 7 8

    9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 8:00 8:10 8:20 8:30 8:40 8:50 9:00 西大寺 自動車 学校入口 東山 天満屋 岡山駅 時間調整 降車専用 旧ダイヤ 新ダイヤ 実績(2018年1~3月) 新旧ダイヤとバスロケ運行実績 (両備バス 平日8:00西大寺発 岡山駅行) 時間調整 時間調整 実績に合わせて 便ごとにダイヤを 自動修正 路線 行先 年 朝(7-10) 昼(10-16) 夜(16-19) 2017 10.7 7.0 10.3 2018 4.6 4.5 4.9 2017 8.3 10.2 13.9 2018 5.2 5.7 5.1 2017 9.3 6.8 7.9 2018 5.4 3.7 4.4 2017 3.4 9.1 11.3 2018 2.4 5.5 3.7 2017 9.9 8.5 13.4 2018 6.2 4.7 4.5 2017 9.8 9.3 11.1 2018 5.4 4.5 5.1 2017 7.8 8.8 2018 5.3 5.1 2017 4.2 7.4 10.8 2018 4.9 6.8 5.0 2017 22.0 10.1 12.8 2018 9.9 5.4 8.1 2017 13.7 11.6 16.0 2018 6.5 6.2 6.0 2017 25.8 11.9 17.5 2018 9.8 5.4 8.1 2017 10.3 11.0 17.6 2018 4.4 5.3 8.9 西大寺線 (天満屋 経由) 岡山駅 西大寺 西大寺線 (千日前 経由) 岡山駅 西大寺 倉敷駅 倉敷 循環線 右回り 左回り 小溝線 倉敷 芸科大線 吉岡線 霞橋車庫 倉敷駅 霞橋車庫 倉敷駅 倉敷芸科大 バスロケを基に自動ダイヤ改正 バスの遅延が半減! 太田が開発
  10. ワンソース・マルチユース サイネージ ダイヤ改善 乗換検索 マップ 標準的 オープン データ 1 2

    3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 西大寺 自動車 学校入口 東山 天満屋 岡山駅 時間調整 降車専用 旧ダイヤ 新ダイヤ 実績(2018年1~3月) 新旧ダイヤとバスロケ運行実績 (両備バス 平日8:00西大寺発 岡山駅行) 時間調整 時間調整 実績に合わせて 便ごとにダイヤを 自動修正
  11. 公共交通オープンデータ最先端都市 岡山 40 事例は全て岡山での私たちの実績 バス会社 バス ロケ 時刻表 オープン化 バスロケ

    オープン化 宇野バス バス まだ? 済 済 下電バス 済 試験提供 岡電バス 両備バス Bus- Vision 済 済 中鉄バス β版 試験提供 八晃運輸 - - - 太田・伊藤が支援・開発 高野が 開発 岡山都市圏のオープンデータ整備状況 先行入手データを用いた運行頻度路線図 岡山県・市はノータッチ バス会社とシステム会社の投資で実現
  12. 41 岡山で進むバス×ITのオープンイノベーション 太田・伊藤 with 両備グループ 両備バスカンパニー 岡山電気軌道 井笠バスカンパニー 中国バス 両備グループ

    バス会社 リオス (バスロケーションシステム) 地域公共交通総合研究所 (プロジェクト運営) トラフィックブレイン (ダイヤ改正支援システム開発) 東京大学 伊藤昌毅助教 (テクニカルアドバイザー) 両備グループ「バス事業改善プロジェクト」体制図 グループの技術・知見を集結 最先端の技術者とのオープンイノベーション 高野 with 宇野バス
  13. 全国の地域バスロケ標準化・オープン化状況 44 エリ ア 主体 取組 静的 形式 動的 形式

    オープン 化 バスロケ メーカー 地域バスロ ケサイト チームメンバーの関 わり 神戸 市 神戸市 バスロケの標準 化・オープン化 GTF S-JP GTFS -RT ◦ モバクリ 等4社 なし 太田・伊藤・高野 岡山 都市 圏 バスロケ・ バス事業者 バスロケの標準 化・オープン化 GTF S-JP GTFS -RT ◦ 高野・リ オス なし 高野(宇野バス) 伊藤・太田(両備G) 佐賀 県 佐賀県 県主導による新 規導入 GTF S-JP GTFS -RT △(バスロ ケ不明) ユニ・ト ランド あり(兼用) 高野(アドバイザー) 富山 県 富山県 県主導による導 入実証実験 GTF S-JP 未定 △(将来 的) 未公開 あり(兼用) 伊藤が2017/04に講演 大分 県 県バス協会 委員会 事業者共同の新 規導入 不明 不明 不明 モバクリ あり - 首都 圏 公共交オー プンデータ 協議会 アプリコンテス ト 独自 独自 △(商用不 可・臨時) 多数 なし 伊藤がクローリングに よりデータ評価 その他、沖縄県、群馬県にて2018年度にGTFS-JPのオープン化予定、次年度以降のバスロケ対応を検討中。 各地で標準化・オープン化を意識しながら手探りで進行中
  14. 45 神戸市 Urban Innovation KOBE ▪Urban Innovation KOBE(UIK)とは スタートアップと神戸市の行政職員が協働する、 新たな地域課題解決のプロジェクト。

    ▪地域統合バスロケの整備実証実験 UIKの募集テーマの1つ。地域内のバスロケ情報 を統合し情報提供と分析に活用する。 ▪採択チーム 太田・伊藤・高野(Sujiya Systems)のチーム 全応募60、バスロケ応募4チームから採択 ▪提案内容 バスデータの標準化・オープンデータ化を バスロケ会社の投資として進めることで 日本のバス情報を立て直しつつ 神戸を公共交通で元気にする
  15. 実施スキーム 46 エコシステムを作り、システム会社の投資を引き出す 項目 よくある失敗 私たちの挑戦 データ形式 地域・メディア独自 都度調整、開発が必要 GTFSベースで標準化

    関係者と実現性相談中 アプリ 独自アプリで囲い込み 高価な上に使われない オープンデータを既存サービスで取込 ユーザが多い、来訪者や外国人に便利 開発対象 バスロケシステム外で変換 密結合、継続的に保守が必要 バスロケシステム内で出力 外部連携は標準形式 費用負担 自治体・バス事業者が負担 会社数だけ費用がかかる 主に システム会社の投資 各地への横展開を前提 動機付け システム会社判断 ついてこない会社が発生 補助金の要件化 関係者と実現性相談中 今後各社と意見交換の上、役割分担や成立条件を整理する
  16. 配信 システム バスオープンデータ・エコシステム 標準的オープンデータを介して各分野の優良技術が連携 バスロケ車載器 案内/運賃/運行 車載器 ダイヤ編成システム GTFS-JP (路線/時刻/運賃)

    -要定義- (バスロケ蓄積) オープンデータ配信サーバ 印刷システム 勝手サービス 経路検索 サイネージ バスロケシステム 標準 形式 管理 システム 車載器 情報 提供 地域交通改善 ダイヤ改善 交通 改善 データ オーサリング GTFS-RT (バスロケ配信) 既存のバス事業者サイ トに加えて、Google, Yahoo!等の経路検索、 その他媒体にて多様に 活用。 標準化により共通ツー ルが利用可能、地域で 俯瞰可能。オープン化 により市民目線で交通 を改善できる。 各社別に配信、または 共有リポジトリを利用。 情報提供はGTFSベー ス。分析用蓄積データ については配信と要件 が異なるため要定義。 データをどのシステム から出すかは構成次第 経路検索のためには、 時刻表、運賃との紐づ けが望ましい。 GTFS-JP:標準的バス情報フォーマット(GTFS拡張)、GTFS-RT:GTFS Realtime
  17. データに基づくバス事業の近代化 49 バス事業の近代化に各種データの整備・標準化が必要 利用者用 観点 利用データ • 供給 時刻表、バス停、運賃… 需要

    人口、流動、検索… 利用/収支 乗降、ICカード、現金… • 運行 バスロケ 運転 デジタコ 仕業 運転手、車両、回送… 競合 自動車、他公共交通 標準的バス情報 フォーマット (地域振興室) ビッグデータの活用等 による地方路線バス事 業の経営革新支援 (情報政策課) 許認可 輸送実績報告 安全対策 地域交通計画 総合的 に利用 1便、1人 ごとの状況 各種データ 情報提供 許認可・安全対策 地域交通計画 バス事業経営 標準・オープン化しやすい ・既に導入が進んでいる ・利用者向け →ニーズが明確 →オープンにしやすい ・ツールや形式が整備 →実現性が高い 今回のテーマ
  18. 50 省内連携の必要性 政策 部署 バスロケに関連する今後の方向性 GTFS標準化 総合政策局 地域振興室 継続的な仕様改善、普及・活用促進、動的情報の標準化 オープンデータ

    総合政策局 情報政策課 標準化、コンテストを脱した運用、地方・鉄道以外への展開 バス事業経営革新 同上 標準データ活用、適用性向上、バス事業行政のデジタル化 地域公共交通 確保維持改善事業 総合政策局 交通支援課 補助金支給要件の詳細化 ・標準化、オープンデータ化 ・情報提供、ダイヤ改善などの活用 受入環境整備事業 観光庁 外客受入担当参事官 自動車局 旅客課 XML標準化(過去) 自動車局 総務課 GTFS標準化への統合 準天頂バスロケ 総合政策局 技術政策課 都市部での普及 ETC2.0バスロケ 道路局 企画課 位置づけの見直し 統合・連携が必要(実は、連携しているとのこと)
  19. 提言 51 提言①バスロケデータの標準化・ オープンデータ化推進 ◼具体的な方法 • GTFS-Realtimeを「標準的なバス情報 フォーマット」と同様に標準に策定 • データ格納仕様、追加仕様、配信方法

    等のルールやノウハウを順次整備 ◼既存取組の次段階として実施 • 交通計画課 地域振興室: 2018年度にバスロケ標準化 • 情報政策課: データ標準化とセットで バスのオープンデータ化を推進 提言②バスロケ補助金要件に標準的 オープンデータと活用を追加 ◼補助金支給要件の追加案 1. 静的・動的情報の標準フォーマット によるオープンデータ提供 2. 他交通と連携した 経路検索などの情報提供 3. 遅延対策、早発対策の実施 ◼観光庁施策としての親和性 • 現在、バスロケ補助金は訪日客受入環 境整備事業として実施中 • Googleでの多言語案内などを実現する 本提案は事業目的とも合致