Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
推し書籍📚 / Books and a QA Engineer
Search
akihisa1210
July 11, 2025
Technology
0
170
推し書籍📚 / Books and a QA Engineer
QAブリッジ初主催「推しLT会」
https://qabridge.connpass.com/event/359035/
QAエンジニアの仕事とからめて、好きな本を紹介しました。
akihisa1210
July 11, 2025
Tweet
Share
More Decks by akihisa1210
See All by akihisa1210
アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? / Who Talks About Test Strategy?
ak1210
2
1.2k
Four Keysに基づくリリースプロセス改善とその成果 / Release process improvement based on the Four Keys and its results
ak1210
0
1.5k
独立したQA担当者か開発チームか? あるプロダクトチームのQA体制の変遷 / Independent QA or Dev Team
ak1210
0
1.6k
ソフトウェアテスト 2022 / Software Testing 2022
ak1210
1
8.4k
E2E自動テスト導入・運用をめぐる先入観と実際に起きたこと / Preconceptions and What Happened with E2E Testing
ak1210
7
3.1k
テストコードを書きたいけどテスト対象がない。どうする? / What to do to write test?
ak1210
2
1.1k
ここからはじめるスクラムQA(増補改訂版) / Getting started with QA in Scrum (revised)
ak1210
2
1k
ここからはじめるスクラムQA / Getting started with QA in Scrum
ak1210
2
1.3k
「開発チーム」とQA /"Development Team" and QA
ak1210
1
8.8k
Other Decks in Technology
See All in Technology
MCPサーバーを活用したAWSコスト管理
arie0703
0
130
LLM 機能を支える Langfuse / ClickHouse のサーバレス化
yuu26
9
2.6k
AIは変更差分からユニットテスト_結合テスト_システムテストでテストすべきことが出せるのか?
mineo_matsuya
5
2.5k
自治体職員がガバクラの AWS 閉域ネットワークを理解するのにやって良かった個人検証環境
takeda_h
0
320
結局QUICで通信は速くなるの?
kota_yata
8
7.5k
AI時代の大規模データ活用とセキュリティ戦略
ken5scal
1
260
サービスロボット最前線:ugoが挑むPhysical AI活用
kmatsuiugo
0
130
AIに目を奪われすぎて、周りの困っている人間が見えなくなっていませんか?
cap120
1
710
EKS Pod Identity における推移的な session tags
z63d
1
150
いかにして命令の入れ替わりについて心配するのをやめ、メモリモデルを愛するようになったか(改)
nullpo_head
7
2.7k
Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure セキュリティ、ネットワーク、および管理について
oracle4engineer
PRO
1
330
コミュニティと計画的偶発性理論 - 出会いが人生を変える / Life-Changing Encounters
soudai
PRO
7
690
Featured
See All Featured
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
110
20k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
160
23k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
184
22k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
268
13k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
4k
The Language of Interfaces
destraynor
159
25k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
15
1.6k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
64
7.8k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
126
53k
Practical Orchestrator
shlominoach
190
11k
Transcript
推し書籍📚 2025-07-11 QAブリッジ初主催「推しLT会」 ⼩⼭ 晃久(@akihisa1210)
⾃⼰紹介 • ⼩⼭ 晃久(@akihisa1210) • スクラムチームのQAエンジニア→CI/CD改善→QAマネージャー • 好きな出版社: 勁草書房 •
好きな⽂庫: ちくま学芸⽂庫 • 好きな新書: 中公新書
推し書籍📚を紹介する • QAエンジニアの仕事に関連する書籍 • 直接的にソフトウェアテストに関わる書籍はあえてスコープ外とした(スライ ドの最後におまけとしてちょっとだけ含めた)
QAエンジニアの仕事を始めたころに思ったこと • ⾃然⾔語を読み書きする機会が思っていたよりも多い!
1. 論理的思考 • 野⽮茂樹『新版 論理トレーニン グ』産業図書、2006年 • ⾔葉と⾔葉の関係を捉える技術を深 く学べる •
⽇本語、わかっていたつもりが全然 わかっていなかったな、という体験 ができる • 仕様を正確に読み取ったり、懸念点 を的確に伝えたり
しかし…… • 論理だけでは⼈は動かない • 仕事は⼀⼈だけでやるものではない
2. 信頼関係構築 • 筒井淳也『社会を知るためには』筑 摩書房、2020年 • 社会(学)の⼊⾨書 • ⼈間が集団になると、個々⼈の振る 舞いからは予測できないような事態
が発⽣する(⾏為の意図せざる結 果) • 組織で仕事をすることの複雑さを味 わおう
しかし…… • 個⼈の側⾯も集団の側⾯も考慮しつつ仕事をしていると、やることが増えてい く
3. ⾃動化、スケーリング1 • Mike Gancarz著、芳尾桂訳『UNIX という考え⽅』オーム社、2001年 • UNIX(OS)開発の背後にある考え ⽅を紹介している •
⼀つのことを上⼿くやる⼩さなプロ グラムを組み合わせるとか、他の⼈ の成果を借りてくるとか • QAエンジニアがテストを⾃動化し たりツールを作ったりするときも気 を付けたい
スケーリング • ダニエル‧C‧デネット著、吉成真 由美訳「世界は「理解していないけ れど能⼒がある」現象で回ってい る」『嘘と孤独とテクノロジー』集 英社、2020年、第3章 • 意識や進化を最先端の科学をベース に論じる哲学者へのインタビュー
• 例えばコンピューターは計算がどう いうことか理解していないが、計算 はできる • 組織や活動をスケーリングさせてい くためにも重要な観点
しかし…… • まずは触ってみる、⾃動化してみる、というのは前提として • 部分最適化の罠 • 例: QAエンジニアが作成したE2Eテストは、CI/CDパイプラインに組み込まれ ていない
4. 全体最適化1 • エリヤフ‧ゴールドラット著、三本 ⽊亮訳『ザ‧ゴール』ダイヤモンド 社、2001年 • 会社の⽬的達成のための全体最適化 を紹介するビジネス⼩説 •
プロセス内でバラバラに改善を⾏っ ても、ボトルネックにアプローチで きなければ効果は薄い • ⾃分のやっている仕事は他のどの仕 事と関係があるのか? 価値の流れ を妨げているものは何か?
4. 全体最適化2 • マシュー‧スケルトン、マニュエル ‧パイス著、原⽥騎郎、永瀬美穂、 吉⽻⿓太郎訳『チームトポロジー』 ⽇本能率協会マネジメントセン ター、2021年 • チーム設計がソフトウェアに影響を
与える • 集団に適切な構造をもたらすこと で、スケールと全体最適を実現させ る戦略 • ⽬標を達成するのに適したチームと コミュニケーションの構造を作れて いるか?
しかし... • (⾃分の現在の課題)全体最適化を考慮しつつ⾃動化やプロセス改善に注⼒し てきたが、これらは⼤きく⾒るとコストを減らす活動 • これに対して、⽣み出される価値を増やす活動に貢献できているか?
• ⾊々読んではいるが、推しは未定 • しばらくは経営学の古典にあたって みようと思っている (未定)
紹介した本
最後に(1) • ⾯⽩い本を紹介できて満⾜ • ⾯⽩い本を知っている⼈はぜひ紹介してください
最後に(2) • あえて複数の分野から書籍をピックアップしてみました(本当はもっと⼈⽂‧ 社会科学からピックアップしたかったけど、それはまたの機会に) • それぞれの領域に、それぞれの考え⽅や合理性があり、どれか⼀つで全てを説 明できるわけではない • そのことをポジティブに考えたい
以下、おまけ(時間があれば)
おまけ1 • Cem Kaner、James Bach、Bret Pettichord著、テスト技術者交流会 訳『ソフトウェアテスト293の鉄 則』⽇経BP、2003年 • ソフトウェア開発の現場での著者ら
の経験から得られた教訓がまとめら れている • 役職名やプロセスのフェーズ名では なく、⼀⼈の⼈間の具体的な活動と してのソフトウェアテストが描かれ ていると思った
おまけ2 • G.M.ワインバーグ著、⼤野徇郎訳 『ワインバーグのシステム思考法』 共⽴出版、1994年 • 品質の測定や改善をシステム思考で とらえる • 「品質は誰かにとっての価値であ
る」が出てくる(7ページ⽬に!) が、その後が本番
おまけ3 • 牟⽥都⼦『⽂にあたる』亜紀書房、 2022年 • 校正の仕事とソフトウェアテストの 仕事が重なって⾒える • 「校正を⼊れることの意義は⽬に⾒ えにくい。なぜなら何も問題がない
といえるのが校正が⼗全に機能した 結果だからです。」(p.98)→ では どうするか?