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学術情報デジタル化の40年

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November 08, 2026

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  1. 私について  1956年生 中西印刷株式会社代表取締役社長(8代目) https://www.youtube.com/watch?v=WsHLdcrjkhU  1980年代 活版から電子組版への転換を主導  1990年代

    初期SNS Nfty-Serveの「文字情報と印刷DTPフォ ーラム」主宰  「活字が消えた日」(晶文社 1994)上梓  Oxford University Pressと提携 電子ジャーナル事業(1999)  日本出版学会理事副会長(2020-2026)  学術情報XML推進協議会設立発起人(2013) 同会会長 (2024-)  詳しくは http://hide.nacos.com/hidehiko/  https://www.youtube.com/watch?v=WsH LdcrjkhU 2
  2. 本日のアジェンダ 1.学術情報デジタル化と電子ジャーナル 2.印刷の電子組版とその再利用 3.電子ジャーナルの萌芽 4.NACSIS ELS 5.J-STAGEの誕生と展開 6.PDF帝国 7.XML電子ジャーナル 8.J-STAGE

    全文XML必須化 9.AI印刷業への道 10. シリアルズクライシスとオープンアクセス 11.オープンアクセスの本義 12.オープンアクセス義務化 3
  3. 学術情報のデジタル化と電子ジャーナル 学術情報とは  学術情報とは何か?  論文と言われる一連の文書とそれに関連する文書群  体系化された知識に新たな知識を付け加える文書  あなたは論文を書きましたか?

     教授の容赦ない言葉「既存研究の探索が甘い」  論文の本質 特定の分野で既存の知識を全部知る必要がある  世界中で似た研究が行われている可能性   先取権という世界  盗用に狙われた日本の英文学術誌 4
  4. 学術情報のデジタル化と電子ジャーナル 論文数の爆発  論文数の増加 1970年代 年間 40万報→ 2020年代 400万報 

    近年はAIでさらに爆発的増加  日本の学会 2000-3000 それぞれが論文誌を発行   紙雑誌の限界 図書館を占領する学術雑誌  購入・整理などの事務手間の増大   膨大な論文から既存研究をさがす方法  1980年代まで 地獄の図書館巡り  研究室になく、学部の図書館になく、総合図書館になく、近隣の大学図書館に紹 介状もってさがしにいって、貸し出し中でない 5
  5. 学術情報のデジタル化と電子ジャーナル 論文を電子化するメリット  どこでもいつでも論文が手元に  研究室から、自宅から24時間閲覧可能  手術と手術の合間に最新論文をチェック  書架の節約

     潜水艦の中のような研究室から、パソコン1台のがらんどう研究室へ  発行費用の削減  学会運営の変化 印刷費・発送費の削減  印刷屋の悲劇  引用文献ネットワーク  必要なのは電子データ  しかしそんなものは1980年までなかった 6
  6. 印刷の電子組版とその再利用 活版からの転換  1985 実家に就職して目にした 工場の実態。 情報とは紙の上にしかない  その大元は鉛活字 

    完璧な職人芸ながらも、未来の印 刷業たりうるかどうか   コンピュータ組版という未来 1970年代 アポロ計画より難しい と言われた日本語の電子組版  1978 日本語ワープロで一気に  1980年代 電子化の進展 
  7. 電子ジャーナルの萌芽  物理媒体型電子ジャーナル  Elsevier  Tulip (1990) 論文雑誌の画像データをCD-ROMで配布する 

    医学中央雑誌 医学誌の書誌と抄録を収録(1903-) 検索に広く利用される  電子データの蓄積からCD-ROM版の販売(1992)   Web版(2000)  紙版終了(2002)  CD-ROM版終了(2006) 10
  8. 電子ジャーナルの萌芽 WWWの登場 1994 画面に画像やテキストが一体化表 示  Windows95でインターネット標準化  中西印刷ホームページ開始 

    1996 たぶん京都印刷業界で初  論文掲載ビジネスの発想  学会ホームページへの抄録掲載 中西印刷ホームページ1996
  9. NACSIS ELS NACSIS ELS  学術情報センター(現、国立情報学研究所)の電子ジャーナル  日本で初の本格的なネット配信(1997-)  データは各学協会から、紙の雑誌の提供をうけ、それをスキャンし

    て基礎データとする  学会にとっては既存の冊子体発行システムを変えることなく電子 化できるメリット  反面 電子化して変わるべき学会の冊子体発行システムが旧来 のまま温存されてしまった  2017年 J-STAGEに統合 12
  10. J-STAGEの誕生と展開 J-STAGEの誕生と展開  1998年発足(NACSIS-ELSより1年遅い)  2003年掲載100誌突破  2012年1,000誌、2016年には2,000誌  2017年

    NII ELS(旧NACSIS ELS)と統合  現在では4,000誌掲載  事実上、日本の学協会電子ジャーナルのほとんどがJ-STAGE発  電子ジャーナルの国際水準を達成 引用文献リンクの提供(2002-)  DOI(世界統一規格の文献番号)対応  14
  11. PDF帝国 電子ジャーナルと言えばPDF  PDFは紙の誌面のイメージをそのまま 画面上に映し出す  プリントアウト前提  画面でも紙に似ていて親しみやすい 

    印刷会社としては、作りやすい 紙の雑誌の途中工程で電子ファイルに  今までの組版ノウハウを全く変える必要 がない  16
  12. PDF帝国 PDFの問題点  画面で(人間が)読みにくい スクロールして読めない  画面におさまらない 2段組では致命的に面倒  デバイスの違いで読みにくさがます

    スマホでA4は読めない  2段組  機械(コンピュータ)が読みにくい 構造化されていないので、本文とタイトルなどの区別が(機械に)つきにくい  脚注やキャプションなどと本文の関係がわかりにくい   2次利用しにくい 表抽出、テキスト展開は難しい  障がい者向け対応ができにくい  17
  13. XML電子ジャーナル 電子ジャーナルの波にのれない印刷会社  数年だった日本での英文雑誌XML組み版 とめられないインド流出 安価で英語力抜群  日本では印刷するだけ。ハイテクインド ローテク日本 

     紙の雑誌の廃止・削減  学会会員の紙の雑誌不要オプションの設定  →ほとんど紙継続なし  最初は紙と電子並列だが数年で紙版廃止
  14. XML電子ジャーナル 日本語XML電子ジャーナルへ  英文電子ジャーナルは国際的競争の舞台  中小企業でインドの大手に勝てない  日本語XML電子ジャーナル 日本語誌の電子化の重要性 

    日本語誌はPDFにとどまっている  学術情報XML推進協議会XSPAの活動   すべての論文はXMLで記載されるべき  ただし、日本語の規格ができていない 21
  15. J-STAGE 全文XML必須化 J-STAGEにおける全文XML登載必須化 • 資料種別「ジャーナル」で、令和 11 年度中(2030年3月)にカ レント公開記事を全文 XML 形式で登載すること

    • PDF登載を任意化 • XML登載とPDF登載の時間差(6ヶ月まで)を許容 • →強制的にでもPDFからの脱却を図る 26
  16. AI印刷業への道 機械可読性の壁 SNSS レビュ- 書評 論文は人間より先 に機械が読む AI 紙論文・PDF 過去の検索

    結果 内容評価 XML化で機械が読 みやすいように整 える →結果として人間 が読むことになる 27
  17. AI印刷業への道 AI時代だからこそXML推進を  AI時代には、まず機械が読む (データ検索) 機械が読んで、人間に提示する  機械が読みやすいことを優先すべき  PDFの方が読み易いのは人間の目だけ

      XML HTMLの方が洗練した情報提示 XMLによる発表こそ未来を拓く  紙という呪縛から逃れろ 今は良くても未来はない  物語型構造から、ネットワーク構造へ  OAの真の進展はXML抜きには有り得ない 
  18. シリアルズクライシスとオープンアクセス オープンアクセスの経緯  1990年代 電子化進行とシリアルズクライシス 欧米出版社の寡占 マタイ効果  ビッグディールなどの販売方法 

    雑誌価格の高騰 研究雑誌が購入できない問題   2001年 PLOS などの APC OA誌の発刊  2002年 ブダペスト・オープンアクセス・ イニシャティブ  2004年 NIH Public Access Policy  研究成果は納税者みんなのもの  2013年 G8 の科学大臣会合が,公的助成による研究成果への アクセ ス向上を支持する共同声明  2017年 日本学術振興会(JSPS)オープンアクセス推進方針
  19. オープンアクセス義務化 オープンアクセス義務化  内閣府(文部科学省)は,2025 年度以降 公的資金による研究費 の対象となる電子ジャーナルに掲載された研究論文 に関して,即 時公開を義務付けた 

    2025年研究費からなので今年から来年にかけて即時公開が本 格化  主に科学研究費助成事業がターゲット  納税者の金を使った研究結果はオープンにという思想  オープンにすることによるメリットが多大  学協会運営にかなりの影響が出る(学会誌購読の必要性がない) 36