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平均値と中央値の違いについて

松村優哉
November 15, 2020

 平均値と中央値の違いについて

統計学勉強会(仮)#1 での発表資料です。

松村優哉

November 15, 2020
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Transcript

  1. 本⽇の発表について • レベル: ⼊⾨ • 前提知識: ⼩〜中学⽣レベル • 具体的には、「以下の数字の平均値を求めてください」、と⾔われて計算が できるレベル

    3 ※細かいことが気になる中上級者へ - 本発表での「平均」はすべて相加平均を指すこととします - ⾼校⽣でも理解できるレベルの内容にするため、統計学的な専⾨⽤語は避けて説明します 例1: A, B, C, D, Eさんに対して、 あるテスト(100点満点)を実施しときの点数データ A→45点 B→58点 C→95点 D→60点 E→100点
  2. 平均値とは • データを⾜し合わせ、個数で割った数 • もしAさんが0点だったら…? →極端な数字がある場合、平均値はそれに引っ張られてしまう(この場合、 他の4⼈の点数が同じでも平均点はだいぶ下がっている) 7 例1の場合: (45

    + 58 + 95 + 60 + 100) ÷5 = 71.6 例1の場合: (0 + 58 + 95 + 60 + 100) ÷5 = 62.6 すべての数字を⾜す、ということは 「順序」や「平均より上(下)の点数の⼈数」とかは関係ありません
  3. 中央値とは • データを⼩さい(⼤きい)順に並べ替えて順位をつけた際の「真ん中」 • もしAさんが0点だったら…? 8 偶数個の場合は︖ 例2: 別のクラスのテストの点数データ A

    B D C E 45 58 60 95 100 中央値 上位 下位 A B D C E 0 58 60 95 100 中央値 上位 下位 Aさんが0点でも順序は変わらないので、 中央値は60点のまま。 →中央値は極端な数字に引っ張られにくい 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 点数 10 22 25 57 59 60 63 65 68 73 77 79 80 82 上位 中央値 (63 + 65)÷2=64 下位
  4. 平均値と中央値の違いまとめ どちらもデータを要約した「代表値」 • 平均値︓全データの総和をデータの個数で割った値。数量的な意味での真ん中。 • 中央値︓全データを⼤きさの順に並べて中央にくる値。順序的な意味での真ん中。 • 先程の問題について 9 ◦

    × × 平均値だけでは順序・⼈数はわからないので 50⼈ずついるかもしれないし、いないかもしれない 平均値は「総和÷個数」なので、正しい 「最頻値」という概念の理解が必要ですが、 今⽇は扱いません
  5. (やや発展)中央値をもう少し掘り下げてみる: 四分位数 • 下位データと上位データで、さらに中央値をとったものを四分位数 という • 下位データの中央値→第⼀四分位数 • 上位データの中央値→第三四分位数 →四分位数を基準に、⼈数が等分されていることが分かる

    →中央値や四分位数は、順序や範囲内のデータの個数を把握するのに役⽴つ 10 下位 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 点数 10 22 25 57 59 60 63 65 68 73 77 79 80 82 上位 中央値 (63 + 65)÷2=64 第⼀四分位数 第三四分位数
  6. (やや発展)箱ひげ図 第⼀〜第三四分位数と、最⼩・最⼤値を表したグラフを「箱ひげ図」 という 11 第⼀四分位数 中央値 第三四分位数 最⼩値 最⼤値 0

    10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 テストの点数 • 箱ひげ図を使うと、データの範囲や偏りが 読み取れる! • ※1, 2: ひげの両端は、すごく極端な数字がある場合は、 「最⼤値」「最⼩値」でない場合もある ※参考: 外れ値検出のある箱ひげ図 ※1 ※2