Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
R言語とGo言語 / R and Go
Search
松村優哉
July 03, 2021
Programming
1
880
R言語とGo言語 / R and Go
松村優哉
July 03, 2021
Tweet
Share
More Decks by 松村優哉
See All by 松村優哉
はじめての機械学習 / entrance-to-machine-learning2022
y__mattu
2
1.1k
validateパッケージでデータを検証する / Data Validation with validate package
y__mattu
0
510
rstanの環境構築 / Set Up rstan
y__mattu
1
1k
はじめての機械学習 / Entrance to Machine Learning
y__mattu
0
680
平均値と中央値の違いについて
y__mattu
1
820
dplyr 1.0.0の新機能 / dplyr 1.0.0
y__mattu
2
9.7k
Other Decks in Programming
See All in Programming
Generative AI Use Cases JP (略称:GenU)奮闘記
hideg
1
290
PHP でアセンブリ言語のように書く技術
memory1994
PRO
1
170
Amazon Bedrock Agentsを用いてアプリ開発してみた!
har1101
0
330
Jakarta Concurrencyによる並行処理プログラミングの始め方 (JJUG CCC 2024 Fall)
tnagao7
1
290
役立つログに取り組もう
irof
28
9.6k
ペアーズにおけるAmazon Bedrockを⽤いた障害対応⽀援 ⽣成AIツールの導⼊事例 @ 20241115配信AWSウェビナー登壇
fukubaka0825
6
1.8k
Duckdb-Wasmでローカルダッシュボードを作ってみた
nkforwork
0
120
Pinia Colada が実現するスマートな非同期処理
naokihaba
4
220
ふかぼれ!CSSセレクターモジュール / Fukabore! CSS Selectors Module
petamoriken
0
150
アジャイルを支えるテストアーキテクチャ設計/Test Architecting for Agile
goyoki
9
3.3k
型付き API リクエストを実現するいくつかの手法とその選択 / Typed API Request
euxn23
8
2.2k
Streams APIとTCPフロー制御 / Web Streams API and TCP flow control
tasshi
2
350
Featured
See All Featured
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
6
410
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2.1k
Designing for Performance
lara
604
68k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
50
2.9k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
52
13k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
654
59k
Navigating Team Friction
lara
183
14k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
27
3.5k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
73
9.1k
What's new in Ruby 2.0
geeforr
343
31k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
42
9.2k
Side Projects
sachag
452
42k
Transcript
R⾔語と Go⾔語 @y__mattu 2021-07-03 Tokyo.R #93 応⽤セッション
誰︖ • 松村優哉 • 出⾝: 計量経済、ベイズ統計、 因果推論 • お仕事: データサイエンティストと
データエンジニア in HR Tech企業 • ⾔語: R, Python, Go←New! • Tokyo.R運営(初⼼者セッションとか) • 近況: useR! 2021のお⼿伝い (7/5-9)
宣伝 Rユーザのための RStudio[実践]⼊⾨ 第2版 好評発売中!!
宣伝2 WEB+DB PRESS vol.123 好評発売中!! Nob Data(株)の⼤城さんとの インタビューが掲載されました
今⽇のお話 • Go⾔語とは • 私とGo⾔語 • RでGoの関数を呼び出す⽅法 • ⼩話
今⽇話さないこと • Go⾔語の何が素晴らしいか • Go⾔語の⽂法 • Rパッケージ内にGo⾔語の関数を組み込む⽅法 • Go⾔語からRを呼ぶ⽅法
Go⾔語とは • Google が開発したプログラミング⾔語 • 「Go⾔語」や「Golang」と表記される • コンパイル型の⾔語 • 並列処理に強いと⾔われている
• ⼀節では「進化したC⾔語」 • 環境依存が少ない • Gopherくんかわいい
私とGo⾔語 • お仕事: データエンジニアリングで「使えたら幅が広がりそう」と 思う場⾯があった • 趣味: とあるC++製のライブラリを使ってみようと思ったらMacだ とビルドでコケる •
C++ライブラリならRから呼べる • Linuxの特定の環境下でしか動かなかった →もう少しいろんな環境で動く⾔語に移植しよう • 昔々、こんな記事を書いたことも
はじめてのGo⾔語 • インストール • 公式Webページから • Go⾔語のざっくり実⾏⼿順 • .goファイルにプログラムを書く •
go build コマンドでバイナリを作成 • バイナリを直接コンソールに⼊⼒
Hello Worldしてみる • hellowrold.go デモ mainパッケージであることの宣⾔ (Go特有の書き⽅なのでここでは気にしなくて良い) パッケージの読み込み 関数の定義
これをRから呼びたい • RからGoを呼ぶ⽅法 1. Goのコードを書く 2. Goの関数を呼び出すコードをC⾔語で書く 3. そのCの関数をRで呼び出す •
Rustはextendrという便利なものがあるので楽そう︖ですが、Goは 今の所愚直にやるしかなさそうです。 • C++を避けるのがスタートだったのになぜか結局Cを書いているというツッコミはなしで。 • Goの関数を呼ぶだけならぶっちゃけそんなに難しくないし…
やってみよう • 数値で試してみる(./calc/main.go) Cパッケージをインポート (Cから呼び出すのに必要) 数値に2を×関数 フィボナッチ数列を計算する関数 (ただしこの書き⽅だと遅い) コメントアウトで //export
関数名 を書く ファイル名がmain.goなら、お約束的に書く
この時点でのファイル構成 ・ calc main.go
ビルドして、共有オブジェクトを作る C⾔語で扱う「共有オブジェクト」と呼ばれるファイル。 UNIX系OS(macOSやLinux)ではso、 Windowsではdll拡張⼦を使う
この時点でのファイル構成 ・ calc main.go libcalc.h libcalc.so
C⾔語で、Go⾔語の関数を呼ぶ関数を書く • 数値で試してみる(./rgo.c) Rから呼ぶのに必要な ヘッダーファイルの読み込み 外部から呼び出す関数を宣⾔ 関数の定義 関数⾃体はGoで書いているので、 Rから⼊ってくる⼊⼒とRへの出⼒だけ 整合性が取れるように書けばOK
この時点でのファイル構成 ・ calc main.go libcalc.h libcalc.so rgo.c
Cプログラムをコンパイルする このとき、 UNIX系OSではgccが、 WindowsではRtoolsが必要
この時点でのファイル構成 ・ calc main.go libcalc.h libcalc.so rgo.c rgo.o rgo.so Rから呼ぶのに必要なのはこれ
いよいよRから実⾏︕︕︕
まとめ • RからGoの関数を呼ぶことができた • 結局Cを書いてコンパイルしたけど気にしない • 逆に⾔えば、C系の⾔語に慣れている⼈ならすぐにやれそう • ただしGo⾔語の壁… •
Rcppから呼べると楽しそう(Go製のプログラムをRcppで呼ぶ前例はある) • Goの強みを活かすような解析(並列実⾏とか︖)や、プロダクショ ンレベルでRを使いたいといったニーズに応えられる…かも • これからいろいろ開発がんばります • フィードバックお待ちしています︕
⼩話1 • RとGo⾔語の関係 • 普通にRを使っているとGoを意識することは基本ないけど、裏側で は実は結構使われていたりする 例: • RStudioサーバーのバックエンドはGo実装 •
Dockerはそれ⾃体Go製のプログラム
⼩話2 • 実はR×Goの話は、プロジェクトとして進みそうな雰囲気があった 時期もある • RStudio社のRomain Francois • dplyrなどtidyverse系の多くの パッケージのコミッター
• ただし、2018年以降は特に進展が ないっぽい https://speakerdeck.com/romainfrancois/arrow-plus-ergo-1?slide=8