弥生株式会社 もくテク もう戻りたくない!業務効率化のあれこれ Vol.2(2022/08/18) https://mokuteku.connpass.com/event/249454/
対応時間9割削減!?入金消込業務の自動化をがんばりましたいっしー
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自己紹介• いっしー• エンジニア歴10年目• 情報システム部 新課金チーム• 課金システムの開発・運用・保守
課金システムとは?• クラウドサービスの販売管理を行うシステム• 契約• 請求• 回収• 支払方法
入金消込業務とは?• お客さまからの入金により回収できた請求書を消し込む業務• お客さまを特定する• 請求書(売掛金)の残高を0にする• 請求書のステータスを「入金済み」にする【お客さま】●●さんですね請求書Aに対する入金を確認しました
入金消込業務のツラさ• ユーザー数が増えるほどに煩雑になる• 請求データと入金データの紐づけに手間がかかる
弥生での入金消込業務
これまで(1年半ほど前)①弥生の銀振用口座に入金 【お客さま】【CS本部】③対象のお客さまを特定し、入金明細リスト(Excel)を作成課金システム④依頼をもとに、各システムを手動でデータメンテナンス【開発本部】関連システム②入金情報を手動取得④チケットを起票し、開発本部へ消込依頼
問題点• ユーザー数の増加に伴い、他の業務をひっ迫• そしてこれからもどんどん増える・・・• 手動での作業が多いため、ミスをするリスクが常にある• なにそれこわい・・・• データメンテナンス時に個人情報に触れざるを得ない• 自動化されてれば負わなくてもいいリスクを負っていてこわい・・・
いま①弥生の仮想口座に入金 【お客さま】【CS本部】課金システム関連システム②入金情報ファイルをダウンロード【課金システム】入金情報③入金情報ファイルを手動配置④入金情報を自動取得 ⑤入金情報をもとに自動消込⑥エラーになったものだけ確認・対応
1件あたりの対応時間が50分→5分に!CS本部30分開発本部20分5分Before After
自動化するとき意識した3つのポイント
全体最適をめざす開発メンバーのデータメンテナンス負荷だけでなくCS本部メンバーの負荷も下げる大前提
これまで(1年半ほど前) ※再掲①弥生の銀振用口座に入金 【お客さま】【CS本部】③対象のお客さまを特定し、入金明細リスト(Excel)を作成新課金④依頼をもとに、各システムを手動でデータメンテナンス【開発本部】⑤対応結果を連絡関連システム②入金情報を手動取得④チケットを起票し、開発本部へ消込依頼
これまで(1年半ほど前) ※再掲①弥生の銀振用口座に入金 【お客さま】【CS本部】③対象のお客さまを特定し、入金明細リスト(Excel)を作成新課金④依頼をもとに、各システムを手動でデータメンテナンス【開発本部】⑤対応結果を連絡関連システム②入金情報を手動取得④チケットを起票し、開発本部へ消込依頼?
1. 丁寧なヒアリングでAS-ISを明確に• 開発に消込依頼がくるまで、CS本部の方は何をしているのか?• どんな作業があるのか?• どこに時間がかかっているのか?• すぐになくせる作業はないか?• 方法• 実際に作業を見せてもらう• 運用手順書を確認させてもらう• 対面でヒアリングをする
1. 丁寧なヒアリングでAS-ISを明確に• 開発に消込依頼がくるまで、CS本部の方は何をしているのか?• どんな作業があるのか?• どこに時間がかかっているのか?• すぐになくせる作業はないか?• 方法• 実際に作業を見せてもらう• 運用手順書を確認させてもらう• 対面でヒアリングをする明確にするだけでシステムに依らない改善点が見つかるかも
2. できる範囲からすこしずつ• カスタマーセンターの繁忙期(1~3月)• この時期は業務フローの変更はできない• この時期までにはできるだけ負荷を減らしたい• 日々のデータメンテナンスに時間が奪われて開発が進まない今回は段階を分けてリリースしよう!
2. できる範囲からすこしずつ• STEP1(2021年1月)• 入金消込ツールを作成し、消込を実行(一部消込できないデータ有り)• 【CS本部】チケット起票がなくなる• 【開発本部】手動でのデータメンテナンスが減る• STEP2(2021年4月)• STEP1で消込できなかったデータを消込できるようにする• 【CS本部】あらゆる入金情報を、入金消込ツールで消込できるようになる• 【開発本部】手動でのデータメンテナンスがなくなる• STEP3(2022年1月)• バーチャル口座を導入し、自動消込がエラーになった入金のみ確認・対応• 【CS本部】お客さま特定作業が減る
3. システムに苦手なことはさせない• 入金消込エラーとなった場合の原因調査は人間の方が得意• 設計や実装が複雑になり、保守しにくくなる懸念もあるどこまでをシステムで対応し、どこからを人間が対応するのかを明確にする
まとめ• 入金消込業務を自動化して、対応工数を9割削減!• 自動化するときに意識したポイント前提 全体最適をめざす1. 丁寧なヒアリングでAS-ISを明確に2. できる範囲からすこしずつ3. システムに苦手なことはさせない
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