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これまでと、これからのPerlコミュニティ
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ybrliiu
November 25, 2023
Technology
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これまでと、これからのPerlコミュニティ
ybrliiu
November 25, 2023
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Transcript
これまでと、これからのPerlコミュニティ LOCAL Community Summit 2023 id: ybrliiu
自己紹介 • id: (ybr|mp0)liiu • Japan Perl Association 理事 •
株式会社モバイルファクトリー ソフトウェアエンジニア • 普段はWebアプリケーションの開発・運用全般をしています
アジェンダ • Perl Mongers と Japan Perl Association • どのようにしてコロナ禍を乗り越えたか
• 現在抱えている課題 • これからどうしていきたいか ※本日お話する内容はJPAの公式見解ではなく、あくまで自分個人の見解です
Perl Mongers
Perl Mongers • 世界中の様々な都市に存在するPerlのユーザーグループ ◦ Perl Monger = Perlユーザー •
日本中の様々な都市・地域でも作られている • 略称: pm ◦ Perl Module の拡張子とかけている
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日本の代表的なpm • 有名なpm ◦ Shibuya.pm, Gotanda.pm, Kansai.pm, Hokkaido.pm, Okinawa.pm •
近年活発に活動しているpm ◦ 吉祥寺.pm, 湘南.pm, Hachioji.pm
雰囲気 • 不定期で周辺地域のエンジニアが主に集まってトークや懇親会を実 施してワイワイ! • Perlユーザーが多いが話題はPerlに限定されているわけではない ◦ 他言語ユーザーでも興味があればウェルカム • pmによって特色があり、もっとカジュアルなところも
Japan Perl Association
Japan Perl Association (JPA) • 日本におけるPerlの普及活動、開発の支援、Perl Monger同士のコ ミュニケーション活性化などを行う組織 • 最近の主な活動はPerl入学式の開催、Perl関連のドキュメントの整
備、YAPC::Japanの開催など
Perl入学式 • プログラミング未経験者からPerl初心者を対象としたワークショップ • 有志の講師とサポーターがPerlの学習をサポート • オンライン上で講義資料も公開し、誰でもPerlが学習できる環境を提 供
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ドキュメントの整備 • 有志からなるドキュメントワーキンググループにより、Perl公式ドキュ メントの翻訳が行われている • perldoc.jp で公開中
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YAPC::Japan の開催
YAPC::Japan • YAPC = Yet Another Perl Conferenceの略 • Perlを軸としたITに関わる全ての人のためのカンファレンス
• 2015年に完結したYAPC::Asiaの後継イベント • 日本各地で開催してPerl Mongerが大集合! ◦ 各地のPerlコミュニティを活性化
YAPC::Japan • Perl Monger にとってとても大事なイベント • かつてPerlで活躍したエンジニアの同窓会としての側面も • 2016年の毎年開催してきたが、コロナ禍により2020年から中断 •
今年、3年ぶりに京都で開催(YAPC::Kyoto 2023)
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Next…
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どのようにしてコロナ禍を乗り越えたか
コロナ禍で変わったこと • 対面でコミュニケーションをとれる場の消滅 ◦ 各地域でコミュニティが形成されていたメリットが薄まった • オンライン化によるコミュニケーション難易度の上昇 ◦ 多対多での会話や発話タイミングなどが難しい •
仕事とプライベートの関係が見直された
各地のPerl Mongersの動向 • 各地域でコミュニティが形成されていたメリットが薄まったことにより、 実施できないPerl Mongersも増えた • オンライン上での実施を頑張っていたPerl Mongersも ◦
吉祥寺.pm: Zoomで開催 ◦ Hachioji.pm, Gotanda.pm: Discordで開催
YAPC::Japanはどうなったか
どのようにして乗り越えたか? • オンラインでの課題を克服するよう工夫した実験的なカンファレンス、 Japan.pm 2021を開催 • 前年得た知見をもとに本格的なオンラインカンファレンス YAPC::Japan::Online 2022 を開催
• そしてYAPC::Kyoto 2023へ
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YAPC::Japanへの影響 • 2020年3月に予定していたYAPC::Kyotoは延期に • 各地のPerlコミュニティを活性化するという、本来の目的を果たしづら くなった
コミュニティは生き物 • なぜコミュニティが生まれるか ◦ 好きなトピック(たとえばPerl)について交流したいから • 集まって話せないと興味も下火になる ◦ コミュニティに参加するモチベが減り、コミュニティが衰退する (「Japan.pm
2021開催まで至る道」より引用)
コミュニティの衰退を止めるために • YAPC::Japanも1つのコミュニティ • YAPC::Japanに代わる場所をオンラインで作りたい ◦ 「お祭り」だから人は集まる • しかしオンラインでYAPCと同じクオリティ、価値を提供するイベントを するのは難しい
オンラインカンファレンスの課題 • 「会場の雰囲気」がない • 「参加」ではなく「観てる」になりがち • 質疑応答や野次などのインタラクティブなやりとりができない • テックトークをネタに生まれる交流が発生しにくい
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Japan.pm 2021の開催 • YAPCは実施せず、YAPCに参加していた人が違和感なく参加できる ことを目指した実験的なカンファレンスを開催することに • オンラインカンファレンスの課題を解決するため、様々な工夫を行っ た
Japan.pm 2021でしたこと • YouTube Live での配信 ◦ 無料で誰でも見れるように ◦ 参加のハードルを下げる
• Discord Server の整備 ◦ その場で閉じて盛り上がれるバーチャルな場所を提供
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Japan.pm 2021でしたこと • 発表を観ながら喋る副音声チャンネルの作成 ◦ 地域pmの方々にお願いして喋っていただいた ◦ Discord上で喋っているので乱入が可能 ◦ インタラクティブなやりとりや参加している感の向上に繋がった
Japan.pm 2021でしたこと • トーク終了後Discord上で懇親会を実施 ◦ トピックごとにボイスチャットチャンネルを作成 ◦ ある程度盛り上がったが、特定のチャンネルに一極集中して他が 過疎化 ◦
あまり話せなくて早期に離脱する人も多かった
それなりに「参加した感」のある オンラインカンファレンスは実施できた
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YAPC::Japan::Online 2022の開催 • Japan.pm 2021 で配信やオンラインでのインタラクティブなコミュニ ケーションを取る方法の知見が得られたため、それをもとにYAPCの 名を冠するイベントを開催 • Japan.pm
2021 で行ったことを改良しつつ、より大規模なイベントに
YAPC::Japan::Online 2022でした事 • 前回したことは好評だったので引き続き実施 • 懇親会は反省点があったのでさらに工夫する
YAPC::Japan::Online 2022でした事 • 懇親会参加者に飲食メニューを提供 ◦ 当日飲食メニューを自宅に配送 ◦ みんなで同じ物を食べて盛り上がる
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YAPC::Japan::Online 2022でした事 • 懇親会にあらかじめコンテンツを用意 ◦ ライブコーディング大会とアンカンファレンスを実施 ◦ 懇親会の参加者が参加するボイスチャンネルを集約して過疎化 を防ぐ ◦
共通の話題を提供し、より長く盛り上がれるように
YAPC::Japan::Online 2022でした事 • アンカンファレンスの実施 ◦ 飛び入りLTもしくは何らかの話題でカジュアルにワイワイする場 ◦ 当日スプレッドシートを用意し、話したいことがある人に記入して もらい順番に話してもらう
YAPC::Japan::Online 2022の結果 • 課題だった懇親会はオフラインに引けをとらないくらいの盛り上がりを 見せた • オンラインカンファレンスの課題をかなりの部分で克服 • インタラクティブにコミュニケーションを取れる、「参加している感」があ るオンラインカンファレンスに
‘自分たちの考える最高のオンラインカ ンファレンスはこれだ!という1つの形 を見つけられた’ https://blog.yapcjapan.org/entry/2022/03/22/104524
そしてYAPC::Kyoto 2023へ • 2回のオンラインカンファレンスをコミュニティの命をつなぎ、3年ぶり のオフラインカンファレンスの開催へ • オンラインカンファレンスで好評だった点も取り入れ素晴らしいYAPC を開催できた
現在抱えている課題
新規参入者の減少 • 新しくPerlコミュニティに入ってくる人があまりいない • Perlという言語にあまりいいイメージを持たれていない ◦ 他言語と比較して開発体験で劣る部分がある ◦ 外部ライブラリの開発も低調化 ◦
近年言語本体の開発は活発になっているのだが・・・
地域pmの活動が低調 • コロナ禍を経て活動が低調になってしまった地域pmが多い ◦ 草の根のボランティアイベント自体減少している ◦ 一方で採用目的で業務として運営される企業カンファレンスが増 加 • Perlユーザーの減少も影響していそう
Perlユーザーの減少 • 昔はWebアプリケーションの開発でよく採用されていた • 近年の新規開発で採用されることは稀な上、既存のサービスでもリプ レイスするサービスが多い • 結果Perlが書けるエンジニアが減少し既存のサービスの保守も難しく なり、更に他言語にリプレイスされていくという悪循環
YAPC::Japanの課題
スタッフへの負担 • YAPCは開催毎に特色のある良いイベントになっている一方で、毎回 新規の作業が発生するので作業の効率化が難しい • 毎年開催しようとするとどうしても負担が大きくなってしまう • 過去にイベント会社を入れたことがあったが、うまく行かなかった
スタッフへの負担 • 参加者やスポンサーからお金は頂いているものの、そこで動いている 人たちには報酬は発生しない • カンファレンス運営に携わっているとトラブルが起きることも • やりがいだけで動いている人たちをどう守るか
ライブ配信の継続 • 新たな参加者の窓口の拡大にはなるが、配信があることでチケットを 買ってもらえない可能性がある • オフラインで実施するからこそ生まれる価値があるのでできれば会場 に来てほしい • 配信するための費用や工数もそれなりにかかってしまう
これからどうしていきたいか
新規参入者を増やすために • Perl入学式のリニューアル ◦ 近年参加者が減少しているのでなにか施策を考えたい • YAPC::Japanを開催し続ける ◦ Perlに触れる、使い始めるきっかけを作る •
YAPC::Japanと同時にワークショップを開催する、等
地域pmを盛り上げるために • YAPCの地方開催は継続し、地方のコミュニティが活性化するきっか けを作る • 今回のイベントで北海道のITコミュニティの皆さんの意見も聞いてみ たい • Perlユーザーを増やしたり、コミュニティを盛り上げる
Perlユーザーを増やすために
開発体験の改善 • コンテキストなどのPerl特有の機能が理解されやすくなるような環境 を作る • わかりにくい構文を禁止する方法の周知 • 型をつけて実行前にチェックする仕組みを作れないか模索してみる
時代に合った使い方の提案 • awkやsedと同じくらいには様々な環境にインストールされているperl がもっと使われるようにしていきたい • better shellとしてのPerlをより広く知らしめたい
P言語コミュニティ同士手を取り合う • 同じ動的型無しforkモデルの言語なのでとりまく環境が似ている点が ある • P言語コミュニティ同士生き残るためにやっていることを参考にした り、手を取り合うことで活路を見出すこともできるかもしれない
これからのYAPC::Japan
魅力をより磨いていく • ミドル・シニアのエンジニアが多く集まる、ディープなトークが聞ける場 として • Perlと他の技術トピックが共にある場として • そして運営に興味を持つ人やコミュニティの新規参入者を増やす
運営の効率化 • 運営を効率化するノウハウやツールを取り入れる • 作業のルーチン化 ◦ イベントごとに特色を出すといったところとトレードオフにはなって しまう
常連も新規も楽しく、 関わる人すべてが楽しめるテックカン ファレンスでありたい
最後に宣伝
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YAPC::Hiroshima 2024 • 2024年2月10日、広島国際会議場で開催します! • Perlに触れたことがない方でもIT技術に興味がある方なら楽しめるよ うなカンファレンスです! • 興味のある方はぜひ!
超豪華なゲストをお呼びしています!
ありがとうございました!