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The future from software technology

The future from software technology

FastGrowイベント用資料

y_matsuwitter

May 26, 2020
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Transcript

  1. © DMM.com
    技術から考える未来
    これまでの振り返りと予測
    DMM.com CTO 松本 勇気
    2020/05/26

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  2. © DMM.com
    自分とDMMについて
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  3. © DMM.com
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  4. © DMM.com
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  5. © DMM.com
    • 松本 勇気 (@y_matsuwitter)
    • DMM.com CTO
    • 担当:技術・人事・総務・情シス・経営管理・マーケ
    ティング
    • 経歴
    • 東京大学在学中に3社のスタートアップの立ち上げ・支

    • 2013年 Gunosy入社しその後執行役員、CTO、新規事
    業担当を経てDMM.comへ
    • 高負荷環境のシステム設計や機械学習、VR、
    Blockchainなど新技術領域担当を歴任
    • 未来を感じる技術が好きです。
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    自己紹介

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  6. © DMM.com
    • 1000人弱の開発組織における採用・育成・マネジメント
    • DMMユーザーを支えるPlatformの開発
    • レコメンドエンジンによる売上改善
    • BigData基盤からの管理会計用Dashboard整備
    • 事業・子会社各種モニタリングの手法整備
    • 100億規模のCVC投資担当
    • 事業買収に向けた月数本のDD
    • Fintech 関連新規事業立ち上げに向けたリサーチ
    • Gaming関連新規事業
    • VRおよびBlockchainのR&Dチーム推進
    • 大企業等のDX貢献に向けた日本CTO協会立ち上げ
    • プログラミング教育での事業と社会貢献プロジェクト
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    CTO、こんなことやってます(一例)

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  7. © DMM.com
    本題
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  8. © DMM.com
    本日の主題:歴史の延長に5年後を考える
    2000年代
    インターネットの10年
    情報空間が生まれ、誰もがそこにアクセスする道が生まれた。
    2010年代
    データの10年
    データ処理・機械学習の台頭から、情報空間上のビジネスにおける価値の作り
    方、経営におけるOSが刷新され体系化された。
    2020年代
    仮想化の10年
    物理空間を情報空間に写像し、既存のシステムを大きく刷新する 10年。
    2030年代
    情報の次の10年
    量子コンピュータなど現状のパラダイムと異なる破壊的技術の実用化がこの年
    代に大きく進むだろうと予想している。シミュレーションの進化。

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  9. © DMM.com
    インターネットの
    2000年代
    インターネットでスケーラブルな情報産業へ
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  10. © DMM.com
    情報空間の誕生
    物理空間
    情報 情報 情報
    情報空間(インターネット)
    物理空間
    情報 情報 情報
    情報流通は元々物理空間に制約さ
    れていた。(紙や各種のマスメディ
    ア)
    インターネットにより、物理制約から
    情報が分離される。

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  11. © DMM.com 11
    インターネットがもたらした変化
    情報流通が物理的制約から解き放たれ、新たな空間を得た。
    すべての人間が同じ仕組み、情報・サービスを共有可能な空間
    永遠のベータ版、常に改善しリリースされる製品
    計算機リソースに比例したスケーラビリティ
    情報量の記録的爆発
    情報空間の誕生がもたらしたもの

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  12. © DMM.com
    データの2010年代
    新たな経営OSの確立とモバイルによる市場転換
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  13. © DMM.com
    データの話:BigData時代の到来
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    1台のマシンで処理できるデータを大きく超えるものを扱う時代へ。 

    2000年代半ば以降、Google筆頭に大規模データ
    処理基盤が普及し始める。 

    ● Hadoopなどの大規模並列処理基盤 

    — それまで処理不可能だったTB単位以上
    のデータを扱える時代へ。 


    クラウド化進展で計算資源が豊富に 

    ● 大規模な処理基盤構築にあたり、AWS等で
    さっとCPUなどを確保可能 

    ● また大量のデータ、それを扱うネットワークも
    クラウドにより利用が簡便化 

    背景 何ができるのか
    大量のデータを集め保存する(ETL処理) 

    ● 毎秒数万件、数十万件という入力を捌き、安
    定してデータベースに保存する。 


    大量のデータから知見を得る 

    ● 数十億、数百億というオーダーのデータから
    複雑な集計を数分で実行する。 


    大量のデータから自動化につなげる 

    ● 集まったデータを機械学習処理に持ち込むこ
    とで高精度な予測エンジンなどを構築可能 


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  14. © DMM.com
    データが生み出したもの
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    事業をより詳細に理解し、より多くの領域にソフトウェアを活用可能にした。
    収集されたログデータから事業状況を把握する
    ● 科学的態度 = 測定可能性、定量性、再現性、
    統計的有意性、論理的整合性
    — 事業スケールの肝となる Unit Economics
    の理解
    — 事業改善の結果の正確な把握
    ABテストによる実験主義的な事業改善
    ● 施策の成果を比較により定量的に把握
    — 失敗影響を最小化することで実験のス
    ピードも飛躍的に向上
    — 確実な成長の提供
    事業への科学的態度 機械学習による曖昧なスケーラビリティ
    ソフトウェアの適用範囲が大きく広がった。
    ● 厳密でなく、確率的なモデルの運用
    — クラウド化も大きく寄与
    — Deep Learningの登場で応用範囲は更に
    大きく拡大
    ● 情報空間が最適化される。
    — 必要な人に必要な情報を届ける
    ● レコメンド
    ● 需給予測やリソースのマッチング

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  15. © DMM.com
    新たな経営のOS
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    ソフトウェア
    データ関連技術
    より多くの価値を生み出す
    Agility
    ログにより多くの
    データを生み出す
    機械学習により高度な自動
    化を提供する
    ・スケーラビリティ の獲得
    ・レジリエンスの獲得
    ・客観指標の獲得
    ・科学的な事業推進 の提供

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  16. © DMM.com 16
    2010年代以降強まった流れ
    科学的事業推進とソフトウェアによるスケーラビリティが情報空間での産業を大きく成長させる。
    モバイルの普及によるインターネット人口の爆発的増加
    経済性の理解による事業成長の再現性向上
    世界的金融緩和によるスタートアップへの資金流入
    Data is the new oil.
    迅速なスケーリングの勝負

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  17. © DMM.com
    仮想化の2020年代
    現実と仮想の境界が無くなる
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  18. © DMM.com
    情報空間への再構築
    なめらかなデータフロー、デジタルツイン
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  19. © DMM.com
    物理空間が情報空間に複製される
    物理空間 情報空間
    時刻、位置、速度、車種、走
    行距離、残電力…etc
    記録
    操作
    例:物理空間の自動車

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  20. © DMM.com
    物理空間の状態をログに残す
    ● 様々なハードウェアやソフト
    ウェアを駆使し人や物の状
    態を数値化する。
    モデル化する
    ● その事業の目的を、各種の
    計測数値から、全体が整合
    した数値モデルに落し込ん
    でいく。
    ● 情報空間への再構築。
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    仮想化において重要な3つのポイント
    記録、操作、規格化により物理空間の事象をソフトウェア経営の文脈に乗せる。
    状態を記録できる
    動きをプログラムする
    ● ロボットやBlockchainなど
    を駆使し、その挙動をソフト
    ウェアから制御できるよう
    にする。
    規格化しスケールさせる
    ● 画一的なモジュールにする
    ことで、投下した資本の分
    だけ拡大可能にする。
    振る舞いを記述できる
    ABテストの導入
    ● 実行環境を分離し、複数の
    施策を独立して適用可能に
    する。
    — 振る舞いの記述により
    可能になる。
    ● 施策の結果を数値で評価
    可能にする。
    — 状態の記録
    実験可能である

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  21. © DMM.com
    事例:倉庫物流

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  22. © DMM.com
    倉庫の役目とは
    入荷
    ピッキング 梱包 出庫・出荷
    倉庫におけるワークフロー
    仕分け 入庫・保管
    適切に品物を保管し、注文に応じて迅速に出荷し商品を届ける。

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  23. © DMM.com
    物流において目指すこと
    より多品目を扱う
    より迅速な出荷
    在庫の滞留を最小化
    顧客の多様なニーズに即座に応え、事
    業リスクを最小化する

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  24. © DMM.com
    倉庫物流の継続的改善
    倉庫内の状態の可視化
    オーダーに対する出荷の自動化
    IoT/センサー
    Robotics
    倉庫内レイアウト
    の最適化
    出荷までの時間
    可視化
    需給予測
    拠点毎傾向への
    最適化運用
    出荷の高速化
    運用の規格化
    迅速な拡大
    継続的・定量的
    改善活動
    倉庫のAPI化
    SaaS化
    得られたデータの活用
    データ分析
    などなど…

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  25. © DMM.com
    事例:農業、新しい植物工場

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  26. © DMM.com
    農業の継続的改善
    農作物や環境状態を記録。
    作物の収穫などの効率改善
    IoT/センサー
    Robotics
    継続的な作物の
    品質改良
    面積あたり
    収穫量の向上
    省エネルギー化
    品質の安定化
    時間あたり
    収穫量の向上
    収穫量の安定化
    運用の規格化
    迅速な拡大
    作物の多様化
    新商品化
    品質と環境状態などの分析。
    データ分析
    などなど…

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  27. © DMM.com
    Realityの新しい時代
    VR,ARやその先の世界
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  28. © DMM.com
    人の存在が情報空間にシフトする
    物理空間
    情報空間
    移動
    コミュニケーションの場のソフ
    トウェア化
    音声や映像だけでなく、存在そのも
    のも仮想化される。

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  29. © DMM.com 29
    存在の仮想化による変化
    VR/ARやビデオ・音声通話などのツールの興隆から様々な変化が生まれる。
    物理的な空間とその中での位置・時間の意味の変化。
    空間自体の計測・改善サイクルの確立。
    誰とでもいつでも会えることによる所属の変化。
    生物以外の存在と暮らす可能性の増加。
    ソフトウェアを介したコミュニケーションの先

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  30. © DMM.com 30
    仮想化による様々なシフトの例
    物理的制約を減らすことで人の動き方が変化する。
    項目
    働き方
    共同体
    空間設計
    スポーツ
    ファッション
    今 今後
    ■ 一つの会社に毎日出社する。
    ■ 物理空間を飾る。
    ■ 対面の人間関係中心に。
    ■ 1度作ったら長く使う。
    ■ 物理的なスポーツが中心
    ■ 複数の会社に所属し、自由に働き成果を提供する。
    ■ 情報空間での見え方も飾る。
    ■ 仮想的な空間での人間関係が大きくなる。
    ■ 仮想的な空間を日々改善する。
    ■ e-Sportsとして参加も観戦も多様化する。
    ...etc

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  31. © DMM.com
    最後に

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  32. © DMM.com
    突破すべき課題を理解する
    ● 何が達成されれば実用化
    されるのか。
    ● その課題はどれくらいの期
    間取り組まれてきたのか。
    普及前に取り組む
    ● 普及してからでは勝てな
    い。成長産業になる直前が
    一番重要。
    技術が何を変えうるのか
    ● 技術そのものより達成され
    るものがなにか理解してい
    く。
    適用される領域の事業を知る
    ● どれほどの利益インパクト
    が出せるか、コレ抜きに実
    用化はない。
    ● 実際のところ需要がない領
    域であることも多い。
    正しい情報に触れる
    ● 取り組んでいる人や論文、
    ソースコード。
    ● キャッチーな技術ほどズレ
    た二次資料が多い。
    実際に使ってみる
    ● 実際にコードを書く、動か
    すことでインパクトを理解す
    る。
    32
    技術から未来を考えるために
    変化を先導するために大切にすべき 3点。
    1次情報を集める・触れる 自分なりに解釈する 時間軸に意見を持つ

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