Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

SLOは何を実現するのか / What does SLO achieve?

SLOは何を実現するのか / What does SLO achieve?

ymotongpoo

July 27, 2023
Tweet

More Decks by ymotongpoo

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 信頼性(Reliability) The probability that [a system] an item will perform

    a required function without failure under stated conditions for a stated period of time. (システムが)求められる機能を、定められた条件の下で、定められた期間に わたり、障害を起こす ことなく実⾏する確率 P. O'Connor and A. Kleyner, Practical Reliability Engineering, 5th edition: Wiley, 2012. 8
  2. 信頼性指標の元データ サービスの性質による典型的な信頼性指標の元データ • リクエスト/レスポンス 可用性、レイテンシー、品質 • データ処理 カバレッジ、正確性、鮮度、スループット • ストレージ

    スループット、レイテンシー 監視システムは、多くの潜在的な SLI を捉える可能性がありますし、そうあるべきです が、ほとんどはそのままでは SLO を定義するのには使えません。 10
  3. サービスレベル指標(SLI)の共有 組織内で共通認識を持つために⾔語化する 12 SLI の種類: 可⽤性 SLI の仕様: CheckoutService へのリクエストに対するすべてのレスポンスのうち、

    HTTP レスポンスコード 2xx、3xx、4xx を返すもの (=良いレスポンス) の割合。 ただし 429 を除く。 SLI の実装: Web アクセスログから HTTP レスポンスコードを特定する
  4. サービスレベル目標(SLO)の共有 SLIと合わせてSLOも共有する 14 SLI の種類 : 可⽤性 SLI の仕様 :

    CheckoutService へのリクエストに対するすべてのレスポンスのうち、 HTTP レスポンスコード 2xx、3xx、4xx を返すもの (=良いレスポンス) の割合。 ただし 429 を除く。 SLI の実装 : Web ログから HTTP レスポンスコードを特定する SLO : 過去 28 ⽇間の CheckoutService のレスポンスのうち 99.9% が 良いレスポンスでなければならない 根拠 : 過去に0.1%までのエラーであれば顧客問い合わせがなかった
  5. バーンレートアラート バーンレートが急な場合ほど早く知らせる 16 エラーバジェット 時間 EB 100% (SLI 0.1%) 28

    d 想定通りの EB の消費 =バーンレート 1 想定の 2 倍速の EB の消費 =バーンレート 2 14 d 想定の 7 倍速の EB の消費 =バーンレート 7 4 d
  6. ポリシーを設定し更にEBを活用 ➔ しきい値 1: ⾃動アラートが SLO の危険を SRE に通知します ➔

    … ➔ しきい値 3: SRE が、SLO を守るためには助けが必要と結論付け、開発者に エスカレーションします ➔ しきい値 4: 30 ⽇間のエラーバジェットを使い切っても根本原因は⾒つかっ ていません。機能リリースは停⽌され、開発チームはより多くのリソースを 割り当てます ➔ しきい値 5: 90 ⽇間のエラーバジェットを使い切っても根本原因は⾒つかっ ていません。SRE は経営陣にエスカレーションを⾏い、安定性のためのエン ジニアリング業務により多くの時間を確保します 17
  7. エラーバジェット:何を優先させるか? 24 バジェットを消費した場合 信頼性を優先する • ポストモーテムアイテムの優先順位付け • デプロイメントパイプラインの⾃動化 • モニタリングと可観測性の向上

    • SRE のコンサルテーションが必要 バジェットが⼗分な場合 ベロシティを優先する • 予想されるシステムの変更 • ハードウェア、ネットワークなどの不可避的 な障害 • 計画的ダウンタイム • 危険な実験
  8. 運用パフォーマンスとしての信頼性 障害〜復旧 運⽤ 開発〜デプロイ • デプロイ頻度 • 変更リードタイム • 変更障害率

    • サービス復旧時間 エラーバジェットに基づき運⽤ • 信頼性 SLO エラーバジェット バーンレート