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2024/06/18 博物館概論

2024/06/18 博物館概論

和歌山大学の「博物館概論」にて使用したスライドです。
※一部削除

発表内容は報告者個人の見解に基づくものであり、発表者が所属する組織の公式見解ではございません。
また、内容に誤りがある可能性があります。ご了承の上閲覧ください。

Tatsuki Yonezawa

June 18, 2024
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Transcript

  1. 米澤 樹(よねざわ たつき) • みさと天文台 研究員 • 紀美野町教育委員会 主事 •

    学芸員資格取得済み(学部の時) • 和歌山大学観光学部9期生※2019年卒業 • 和歌山大学観光学研究科(専門職)観光地域 マネジメント専攻 専門職学位課程 • クリエ 星空継続観測プロジェクト • 日本公開天文台協会 理事 • 調査研究委員会 • サーバー維持管理委員会 • 公開公開天文台100周年記念事業委員会 • 公開公開天文台100周年史編纂WG • 米沢市観光大使(おしょうしな観光大使) 3
  2. 取得時と現在の違い 1. まじめな学生が増えた? 2. MoodleやTeamsなどオンラインを活用している 1. レポートの提出(昔は紙で提出があった) 2. 活動のMTG 3.

    授業スライドをPDFで公開している(TeamsかMoodleどっちやねん) 3. クリエのプロジェクトが大幅に増えた 4. 先生たちは大きくは変わっていない 4
  3. 採用試験(みさと天文台の場合) • 公開天文台の専門職員として必要な知識を有し、子どもたちや一般住民への天文教育普及 活動に熱意があり、星空や望遠鏡等設備を利用した町の観光事業にも真摯に取り組める方 • 視野を広く持ち、天文台や星空が、町の発展にどのように寄与できるかを常に考え積極的 に行動できる方 • 天文台や科学館等において星空観望会やプラネタリウム解説などの実務経験(アルバイト 等を含む)を有する方が望ましい

    • 大学等において天文学その他関連科目を履修している方が望ましい (1)第1次試験 • 論文試験:文書による表現力、課題に対する理解力及び伝達能力等についての記述試験論文のテーマは試験 会場で発表。(60分800字) • 口述試験:集団討論テーマは試験会場で発表。 (2)第2次試験(第1次試験に合格した方) • 口述試験:プレゼンテーション及び面接試験 10 別の施設の例
  4. タイムスケジュール 予約 開始時間 月 火 水 木 金 土 日・祝

    プラネタリウム・ライブ解説 要 14:30 休館日 〇 〇 3Dによる宇宙の旅 ※1 15:30 〇 〇 全天周映画 要 16:30 〇 〇 星空ツアーNeXT 1回目 要 19:30 〇 〇 〇 〇 星空ツアーNeXT 2回目 要 20:30 〇 〇 ※1「プラネタリウム・ライブ解説」か「全天周映画」のどちらかへ参加のお客様のみ、「3Dシアター宇宙の旅」 (無料)にご参加頂けます。 ※6・7月は全ての時間が上記より30分遅くなります。 16
  5. 料金について プラネタリウム 全天周映画 星空ツアーNeXT 一般 500円 500円 1,500円 小学生・中学生・高校生 100円

    100円 200円 未就学児(乳幼児) 無料 無料 無料 ※12-2月は星空ツアーNeXTの一般価格は1000円 2021年のリニューアルにより価格を変更。リニューアル前は「大人200円」だった。 18
  6. 星空ツアー観望会の料金 n=39 0 200 400 600 800 1000 1200 1400

    1600 平均367円 21 日本公開天文台協会(2023)「公開天文台白書2018」 公開天文台(望遠鏡のある施設のため科 学博物館や公民館なども含む)の夜の観 望会の料金は右図の通り。 平均367円 <参考> 博物館 入館料 平均 ¥434 中央値 ¥310 公益財団法人日本博物館協会(2020)「日本の博物館総合調査報告書」 公開天文台の観望会の料金
  7. 観望会の料金について 長野県阿智村 浪合パーク 1,800円 長野県阿智村 スタービレッジアチ 2,600円-3,400円 石垣島 体験工房コーラルブルー 2,200円

    与論島 アークトゥルス 3,300円 ※各HPより、2023/05調査 ※内容、所要時間が異なるため単純な比較はできないことに留意 22 ※スマスイ 3,100円
  8. みさと天文台の料金 • 一般的に観覧料、入館料が安すぎて、維持管理ができないところもある →持続可能でない。幅広い業界に一石を投じる • 町の歳入(=収入)を一定程度確保 • 街の人に星でお金が取れることを示す。 山内台長 •

    決して安くない1,500円はスタッフにとってプレッシャー • 面白いもの、楽しいものにしないといけない →結果的に天文台の品質向上に役立っているのでは。 • なお、今のところ料金が「高い」と言う声はない。 • ちなみに、この料金でも黒字にはならない。 • 一方で業界内、組織内で、教育でお金を取ってよいのか、観光に力を入れ ないといけないのかとの声もある。 そもそも観光と教育は本当に違うのか。教育でお金を取るのは良くないのか、、 天文教育とアストロツーリズムの垣根を越えて ~鹿児島県与論島における星文化普及の取り組み~ (澤田ほか、2021) 23
  9. 来館者数の推移 2014年を境に増えている。 理由:ターゲット「女性」にした。 キーワードを変更! 「望遠鏡」から「天の川」へ ブランドイメージが変わり、天の川スポットへ 吉田芽生(2023)「星空観光に求められるもの」令和2年度和歌 山大学観光学部卒業論文 0.00 0.50

    1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 楽 し み 癒 し ロ マ ン テ ィ ッ ク 天 文 知 識 文 化 綺 麗 な 星 空 自 然 望 遠 鏡 ブ ロ グ ・S N S ふ れ あ い 写 真 ・撮 影 山内千里(2022)「みさと天文台の “令和の大 改修” に至るまで」 図1 みさと天文台に何を期待していたか 25 図2 みさと天文台の来館者数の推移
  10. • 請求書の処理 • ものを買ったり、使ったりしたら請求書がくる。 • 支払いができるように処理 • 各種調査への回答 • 社会教育調査や議会、町、県の実施している調査へ回答

    • 凛議 • 何かを実行する前に、それをしていいか上司にやっていいか聞く • 予算、決算 • 来年度どんなことをして、どれにいくら使うのか計画する • 各種契約の締結 • 保守点検や工事、購入契約を締結する 36
  11. • 星空ツアーの実施 • 天文ニュースの収集 • 天文について勉強 • 各種催し実施にあたり、予約ページの作成 • ツアーで使う機器のメンテナンス

    • 無くしたネジやハズレそうな部品がないか確認 • レンズのクリーニング • ツアーで使う、器具や写真、スライドを作成 • 科学が面白く感じられるように! 38
  12. • 主にHPを表示する目的 • お客さんにわかりやすくなるように日々改良 • 可能な限り省人化できるように使用 • 例えば、営業カレンダーを自動で作るプログラム • 給与計算を自動化

    • 展示物が自動で起動するようにプログラム作成 • プラネタリウムなどの展示物を作成する時にも役に立つ • 観測機器の運用にも使用 44
  13. 50 日々の掃除 • お客さんの来館があれば、次の日は必ず清掃 • 施設の点検にもなる • お客さんが快適に過ごせるように日々きれいにする グッズ関係 •

    グッズの販売、在庫管理、仕入れを友の会と共同で行う • 特に「双眼鏡」 (2-3万円)はよく売れている • 自動販売機の管理もしている • グッズの陳列方法も大事
  14. 地域との協業 • 和歌山大学生の受入 • インターンシップ(和歌山未来学) • 博物館実習 • 和歌山大学にて講義 •

    博物館概論 • 博物館資料論 • 地域の幼稚園、小中高生の来館 • 観光協会(産業課、宿泊施設、飲食業)とイベント実施 • 地域の飲食業とコラボし、カフェ付き観望会の実施 • みさと天文台友の会(主に地元の人)とグッズ開発 53
  15. 研究員の一日(土日祝の例) 8 時 13 時 22 時 23 時 25

    時 起 床 就 寝 始 業 12 時 出 勤 ( 海 南 → 天 文 台 ) 帰 宅 ( 天 文 台 → 海 南 ) 終 業 休 憩 ( 晩 ご は ん ) 18 時 19 時 星 空 ツ ア ー 1 回 目 星 空 ツ ア ー 2 回 目 片 付 け 打 合 せ ・ 準 備 プ ラ ネ タ リ ウ ム 3 D シ ア タ ー 全 天 周 映 画 14 時 15 時 16 時 朝 ご は ん 、 昼 ご は ん 、 晩 ご は ん の 用 意 20 時 空き時間 事務作業・催し準備・展示整備 54
  16. やりがい、うれしいこと • 「楽しかったです」「また来ます」など声をかけてくれること • 非常に満足した様子で帰ってくれること、また来てくれること • すごくきれいな星空、天体、天文現象が見られること。 しんどいこと ・繁忙期(GW、お盆、流星群) ・公務員として公平な対応をしないといけないこと

    例)特定の旅行会社とコラボツアーを作りにくい ・天候によって、見せられる天体が変わるので、事前にスケジュールを立てられ ない。臨機応変に対応しないといけないこと。 ・ツアーの参加者に1,500円の価値を出すこと 55
  17. 56 お客様に星空を通して「学びの楽しさ」を伝える 月•惑星 望遠鏡 星団・星雲 星座案内 属性・要望 天気 双眼鏡 教育・知識

    何をどれだけみて、 何を話すのか、組み合わせ、順番を 編集する(=キュレーション)
  18. 大学時代にやってよかったこと • いろんなことに挑戦した • 本をたくさん読んだ • ブラインドタッチを練習した。 • ExcelやGISなどのソフトウェアを勉強 した

    • 海外旅行に行った • 趣味を見つけた(スキー、天文) • 無駄に時間を過ごす(ぐうたらする) • YouTubeやアニメ、映画をたくさん見た 大学4年生の読書量 59
  19. 大学時代にやっておけばよかったこと • もっと授業を真面目に受ける • もっと本を読めばよかった • もっといろんな所へ行けばよかった • もっといろんなことを挑戦しておけばよかった。特に大学生の方 がしやすいことも多い

    • 資格は取るに越したことはない 社会人も意外と時間はある。※サラリーマンなら土日祝+有給5日/年 しかも、お金もある。※平均給与17万円/月 本当に大学生にしかできないのは何でしょうか。 60
  20. 学芸員は将来AIに職を奪われる可能性もあるのでは • AIに「価値判断」はできるのか。ものの価値はわかるの?? • AIは過去の資料に基づき回答している=>新しい価値観はわからない • 上手く付き合えるのでは • プラネタリウム等の音楽を生成系AIで作る •

    事務仕事を手伝ってもらう(書類作成など) • デザインを手伝ってもらう • 資料保存、整理等は人手が必要 • 解説/講演(サービス業)はAIに置き換えるメリットは少ないのでは • 本物の人が解説していることが価値
  21. • 望遠鏡の説明 • 望遠鏡の仕組みを説明。屈折望遠鏡と反射望遠鏡の違いなどを虫 眼鏡や凹面鏡を用いて説明する。 • 遠くにノートPCを置いて、それを望遠鏡で観察してもらう。 • 大型望遠鏡の見学 •

    動く姿を見てもらう。迫力があるので、意外と好評。 • 鏡を見てもらう。どちらかと言うとあまり受けが良くない。個人的 にはもう少し伝え方を考えたい。 • 望遠鏡の仕組みを知った後だとより満足してもらえる。 • プラネタリウム • その日に見るはずだった星座について解説。可能ならば次に来る ときにいつが良いか伝える(季節による違いや月齢、惑星の見える 時期について案内) 雨天時などの観測が困難な場合に、 満足してもらうためにしている工夫はありますか。 米澤樹(2024)「星が見えない時の星空案内 -公開天文台を例に-」,『星のソムリエ何でも情報交換会(06月)』