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夜空の暗さの定量的計測とツーリストの星空評価の比較分析~ みさと天文台における予備調査と今後の...

夜空の暗さの定量的計測とツーリストの星空評価の比較分析~ みさと天文台における予備調査と今後の展望 ~

夜空の暗さの定量的計測とツーリストの星空評価の比較分析 ~ みさと天文台における予備調査と今後の展望 ~

発表内容は報告者個人の見解に基づくものであり、発表者が所属する組織の公式見解ではございません。
また、内容に誤りがある可能性があります。ご了承の上閲覧ください。

発表詳細
http://www.sti-jpn.org/conf/sti2022/program.html

Tatsuki Yonezawa

October 03, 2023
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Transcript

  1. 調査地:みさと天文台 • 町立天文台(教育課) • 大人1,500円 子ども200 円 • プラネタリウムもあり •

    2021年リニューアル • 「天の川」を前面に売り出した 観光施設(山内,2022)
  2. SQM-LE • Unihedron 社が開発 • 夜空の表面輝度(以下 NSB)を計測 する機器 • 天頂20度の単位立体角あたりの等

    級値 (mag/arcsec2) の計測可能 • 簡単に継続観測が可能、安価である ため国内外で広く使用されている (Sánchez,2017) • 雲や霧の影響を受けていることを考 慮する必要がある(山本ほ か,2017)
  3. 計測例:月齢7.3-9.3 0 1 2 3 4 5 6 7 8

    9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 18:20 18:30 18:40 18:50 19:00 19:10 19:20 19:30 19:40 19:50 20:00 20:10 20:20 20:30 20:40 20:50 21:00 21:10 21:20 21:30 21:40 21:50 22:00 22:10 22:20 22:30 22:40 22:50 23:00 23:10 23:20 23:30 23:40 23:50 0:00 0:10 0:20 0:30 0:40 0:50 1:00 1:10 1:20 1:30 1:40 1:50 2:00 2:10 2:20 2:30 2:40 2:50 3:00 3:10 3:20 3:30 3:40 3:50 4:00 4:10 4:20 4:30 4:40 4:50 5:00 5:10 5:20 5:30 NSB(mag/arcsec2) 時刻 5月3日 5月4日 5月5日
  4. 18.80 19.00 19.20 19.40 19.60 19.80 20.00 20.20 20.40 20.60

    20.80 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 NSB(mag/arcsec2) 参加者評価 相関係数:0.658(p<0.001) 仮説1観光客の星空評価は、空の暗さと相関がある 結果:参加者評価の平均とNSBは正の相関がある
  5. NSB 気温 雲量 月の等級 相関係数 .658*** .058 -0.486*** .383* ※p

    値 ***p<.001, **p<.01, *p<.05 NSBだけでなく、月の等級と正の相関あり 雲量と負の相関あり 来館者評価とNSB、雲量、月の等級それぞれの相関係数の差を検定したとこ ろ、有意な結果とはならず →仮説2は棄却された 仮説2:観光客の星空評価は、気温や雲量、月明かりな ど個別事象よりも総合的な事象である空の暗さと相関 がある ※月の等級は『天文年鑑2022』を参照
  6. まとめ・今後の展望 1. 星空ツアー実施中に行なったため、属性を踏まえた分析ができ なった。 2. 評価の際に周りの意見に同調して答える例が見られた。 3. ツアーガイドに配慮しているのか、極端に悪い評価をする例が 少なかった。 4.

    調査時期に見られる春の星空は明るい星の少ない季節であり、 評価に影響を 与えた可能性がある。 みさと天文台以外の星空体験での調査や属性を含めて分析など、今 後も継続して調査する必要がある 結果:参加者評価の平均とNSBは正の相関がある →5等から6等の夜空の違いは認知
  7. 参考文献 • 澤田幸輝・尾久土正己ほか(2021)「アストロツーリズムに対する日中間の認識ギャップに注目した 意識調査」 『2021年日本天文教育普及研究会年会集録』 • Sánchez de Miguel, A.,

    et al. "Sky Quality Meter measurements in a colour- changing world." Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 467.3 (2017): 2966-2979. • 山内千里(2022)「みさと天文台の”令和の大改修”に至るまで」『21世紀WAKAYAMA』100, 9- 16. • 小野間(2017)「星空環境の評価指標の比較」 • 澤田幸輝・米澤樹・尾久土正己(2022)「アストロツーリストの夜空評価をめぐ る予備的考察― Sky Quality Meter」『観光学術学会第 11 回大会要旨集』pp. 31-32. • 山本・小林・藤井(2017)SQMで福井の夜空の明るさを測る : 測定方法とその 問題点『福井大学地 域環境研究教育センター研究紀要 「日本海地域の自然と環境」』 • 田村・安藤(2018)徳島の星空:定点観測による光害の時間的変化