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SmartHRの全社AI推進は、どう始まったか

Avatar for Yoshiki Konishi Yoshiki Konishi
September 28, 2026

 SmartHRの全社AI推進は、どう始まったか

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Yoshiki Konishi

September 28, 2026

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Transcript

  1. 00 | Introduction ⾃⼰紹介 株式会社SmartHR AIオペレーション室 室⻑ / CFO室 /

    ⼈事統括本部 ⼩⻄ 芳樹 / Yoshiki Konishi • ⼤学院卒業後、SEとしてNTTデータに⼊社。その後、リク ルート、kubell(旧Chatwork)などで、営業、マーケティン グ、PdM、事業開発、経営企画などを幅広く務める。 • 2025年にSmartHRに⼊社。CFO室として、全社横断型プロ ジェクトの企画‧推進を担当。 @y_cony • 2026年4⽉にAIオペレーション室を設⽴、室⻑を務める。 全社のAI活⽤推進を役割とし、戦略策定から基盤‧ガバナン ス整備、現場への浸透までを担当。 2
  2. 00 | Introduction about SmartHR 会社概要 社 名 所在地 株式会社SmartHR

    本社 東京都港区六本⽊3-2-1 住友不動産六本⽊グランドタワー 8階‧17階 関⻄⽀社 ⼤阪府⼤阪市北区⼤深町4-20 グランフロント⼤阪タワーA 34階 九州⽀社 福岡県福岡市中央区天神2-4-38 NTT-KFビル9階 東海⽀社 愛知県名古屋市⻄区⽜島町6-1 名古屋ルーセントタワー 8階 中国⽀社 広島県広島市中区基町11-10 合⼈社広島紙屋町ビル8階 代表者 芹澤 雅⼈ 設 2013年1⽉23⽇ ⽴ 従業員 1,652名(2026年4月末時点)※正社員、契約社員、アルバイト・パートの在籍者総数 グループ会社 株式会社Smart相談室 株式会社CloudBrains KICK ZA ISSUE株式会社 SUNITED株式会社 株式会社クロスビット 3
  3. 00 | Introduction about SmartHR 職種構成:約75%が⾮開発組織 主な利⽤ツール 全社導⼊環境 Corporateなど 全正社員が利⽤可能なツール

    205名 Gemini Product Business 375名 917名 Notion AI 開発‧特定⽬的利⽤ ⼀部の組織‧個⼈が⽬的に応じて利⽤可能なツール Claude ChatGPT Cursor Devin GitHub Copilot Figma AI ※2025年末時点の正社員、契約社員、アルバイト‧パートの在籍者総数より算出 4
  4. 01|何を⽬指し、どこから始めたか AIオペレーション室の設⽴背景 • 現場主導でAI活⽤が広がる⼀⽅で、全社共通のルールと運営体制がなかった 設⽴の流れ 設⽴時の状況‧起こっていた問題 2026年3⽉中旬 AI活⽤状況 NotionとGeminiを全社基盤に、AI活⽤は⽇常業務に浸透。 現場主導でAI導⼊が進み、利⽤の裾野は拡⼤。

    導⼊の⻑期化 新しいツールのたびに各組織から個別に相談が届き、 使い始めるまで時間がかかっていた。 また、AI利⽤に関わるガバナンス体制も整っていなかった。 個別最適化 全社を横断して推進する役割がなかった。 そのため、組織ごとにツール選定やルール整備が進み、 統制も運⽤コストも悪化しやすかった。 情報の分散 施策‧費⽤‧利⽤状況は、計測されていないか、 されていても各所に散らばっていた。 CFOからSlackでDMが届く 「⼀個相談です」 2026年4⽉ AIオペレーション室を設⽴ 設⽴時の状態 • • • • 体制 経験 役割 情報 室⻑1名(兼務) AI‧DX推進の専任経験なし 未定義 全社の施策‧費⽤‧利⽤状況が まとまっていない 8
  5. 01|何を⽬指し、どこから始めたか 組織変⾰としてのAI推進 • ⼤規模な組織変⾰を成功させるための段階(5As)を参考に、AI推進を5つの要素で設計 • 最初の1ヶ⽉はAspire‧Assessを優先し、現状把握、⽬指す状態の設計、課題の特定を⾏う 6ヶ⽉で⾏ったこと 1. Aspire どこを⽬指すのか?

    ⽬指す状態、中期⽬標 2. Assess どれほどの準備ができているか? 社内外ヒアリング、ツール‧費⽤‧施策の棚卸、 推進体制の確認 3. Architect そこにどう到達するのか? AIオペレーション室の役割定義、推進‧ガバナンスの設計、 ロードマップ策定 4. Act 変⾰のプロセスをどう管理するか? モニタリング設計、各施策の実⾏ 5. Advance どう改善し続けるのか? ⽉次の経営報告、優先順位と⽀援の⾒直し 出典:McKinsey & Company「A better way to lead large-scale change」 10
  6. 02|何を整え、どう動かしたか 推進‧ガバナンス‧現場の運営体制(試⾏中) • • 最終的なオーナーシップを経営が持ち、経営アジェンダとしてAI推進を取り扱う 推進‧ガバナンスのWGで全社⽅針をつくり、各組織とAIリードが現場主導で推進する体制を志向 PO 経営 経営会議報告 PM

    AI オペレーション室 AIガバナンスWG AI推進WG AIリード(試⾏中) セキュリティ‧法務 AIオペレーション室‧情シス 各組織からアサイン AI活⽤の統制‧ガバナンス • ルール整備‧更新 • ガードレール基準の策定 • 利⽤申請の受付‧審査‧可否判断 • AI推進委員会に並⾛して助⾔や補助を担う AI活⽤の推進‧イネーブルメント • AI導⼊プロジェクト等の推進 • 技術的ガードレールの実装 • 重要案件の申請とりまとめ • AIリードの⽀援‧現場伴⾛ 各組織の⼀次窓⼝‧現場推進 • ユースケースの発掘‧実⾏ • ルール‧活⽤ナレッジの現場浸透 • 申請‧相談の⼀次窓⼝ • 現場の声のフィードバック ※WG:ワーキンググループ(バーチャル組織) 13
  7. 02|何を整え、どう動かしたか モニタリング設計 • AI投資が成果を⽣むまでのプロセスを5段階に分け、どの段階で価値転換が詰まっているかを計測 • なお、成果は複合的な要因で変化するため、1指標に頼らず、ガードレールで効果の健全性も監視 1. 費⽤ 2. 活⽤

    3. 施策成果 どこに、いくら投資しているか ツール別‧組織別の費⽤予実 誰がどれだけ使い、 ツール別ダッシュボード(定量) AI活⽤サーベイ(定性) 何が活⽤を阻害しているか 現場でどれだけの 施策‧成果が⽣まれたか AI施策の報告‧集計 ナレッジシェアへの転換 4. 組織成果 組織の⽣産性は上がっているか 組織全体の成果指標を検討中 スループット、リードタイムなど 5. 事業成果 事業の資本効率に効いているか 事業KPI‧財務指標と接続 ⼈件費‧AI費⽤‧業務委託費等をあわせて指標化 X. ガードレール 成果は品質/健全性を犠牲にせず、費⽤に⾒ 合って⽣まれているか 投資の⾜切り(効果が明らかに費⽤を下回る等) QCDや安定性などの健全性 14
  8. 02|何を整え、どう動かしたか モニタリング例:活⽤ • システムログによるツール別ダッシュボードとAI活⽤サーベイで、定量‧定性をモニタリング • サーベイの設計にあたっては、kubell ⾓⽥さんの取り組みを⼤いに参考にさせていただきました 参考:ツールを⼊れても浸透しない—AI推進を「組織変⾰」として設計する6つの要素|⾓⽥ 剛史 (Takeshi

    Sumida) / kubell ダッシュボード(イメージ) AI活⽤サーベイの設問(全て5段階) 1. あなたは今後のAIの重要性についてどのように思いますか? 2. あなたはAIの情報についてどの程度インプットを⾏っていますか? 3. あなたの業務におけるAIの活⽤頻度を教えてください 4. あなたの部署では、AIの活⽤に対して積極的に取り組んでいますか? 5. AIを使わない場合と⽐べて、⾃⾝の業務時間を⽉何時間ほど削減でき ていると感じますか? 6. あなたのAI活⽤レベルはどれにあたりますか? 7. AIの活⽤により、あなたの業務は良くなったと思いますか? 8. SmartHRのAI環境について満⾜していますか? 15
  9. 02|何を整え、どう動かしたか モニタリング例:施策成果 • どの組織で、どのような業務にAIが活⽤され、どのような効果が報告されているかの可視化を開始 • 各組織から⽉次で施策報告を受け、成果レポートとして経営‧全社に展開 AI施策報告の運⽤ 報告フォーマット 1. 運⽤設計

    経営会議で定めた運⽤⽅針‧報告ルール 2. 現場実装‧伴⾛ ユースケースの発掘‧実装 勉強会‧個別相談 3. ⽉次報告 ⾃⼰申告ベースでSlack報告 4. レポート 成果レポートとして経営‧全社に展開 報告を横展開できる知⾒に 16
  10. 03|⾮開発組織のAI推進で⾒えてきたこと ⾮開発組織におけるAI推進の壁 • AIツールを使う⼈が増えても、それだけでは組織の仕事は変わらない • 開発組織には、AIを試して業務に組み込むための仕組み(検証環境、テスト‧レビュー、バージョ ン管理等)がもともとある。⾮開発組織では、その前提から整える必要がある 3つの壁 つくる壁 AIを使う

    ≠ 動くものをつくる 実装の壁 動く ≠ 実務で使える 組織化の壁 1⼈で使える≠ 組織で使い続けられる 課題 打ち⼿の例 AI活⽤のイメージを持ちにくい AIの使いどころを特定しにくい 安全に⼩さく試せる環境がない 事例共有‧学習⽀援、業務分解、試⾏環境 必要な情報が不⾜‧分散している 判断基準が暗黙知で、正しさを確かめにくい AIが業務システムや前後⼯程につながっていない 情報整備、品質基準‧確認⼿順、システム連携 知⾒が個⼈に閉じている 新しい業務フローへ移⾏する時間‧余⼒がない 成果指標が定まっていない 標準化、オーナー‧運⽤設計、効果測定 ※社内サーベイ‧現場伴⾛で観測した課題を構造化 18
  11. 04|まとめ 6ヶ⽉で⾒えたこと • 組織変⾰として捉える ツール導⼊で終わらせず、⽬指す状態から役割‧体制‧ルールを設計する • 1⼈で抱えず、組織で動かす AI推進担当だけは限界がある。経営がオーナーシップを持ち、役割を分けて推進する • 成果までの流れを測る

    利⽤者数‧利⽤量を最終成果にせず、費⽤から事業成果までの詰まりを段階的に測る • 前提を整える ⾮開発組織の壁は、スキルだけの問題ではない。試す場‧確かめる⼿順‧共有の仕組みを整える 20