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SmartHRの複数のチームにおけるMCPサーバーの活用事例と課題
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Yuki Horikoshi
May 28, 2025
Technology
2
1.5k
SmartHRの複数のチームにおけるMCPサーバーの活用事例と課題
開発チームでどう活かす? MCPでできたこと・できなかったこと
https://levtechlab.connpass.com/event/354309/
こちらのイベントで発表したスライドです。
Yuki Horikoshi
May 28, 2025
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Transcript
ほりゆう SmartHR PdE SmartHR の複数のチームにおける MCP サーバーの活用事例と課題 1
自己紹介 名前: ほりゆう 所属: 技術統括本部/ タレントマネジメントプロダクト開発本部/PdE 経歴: 元高等学校の国語科教師→Rails エンジニア 趣味:
マジック 好きなエディタ: Cursor,Windsurf 2
今日お話しすること 複数チームごとのMCP サーバーの活用事例 できたことやできなかったこと できたけどハマったこと スクラム開発での活用事例 3
お話しするMCP Jira DocBase Design System Sentry GitHub UX Writing 4
活用方法 Jira :チケットの起票と設計書の作成 DocBase :チケットの起票 Design System :フロントエンド実装時のサポート Sentry :エラー調査
GitHub :コードレビュー UX Writing :ドキュメントの作成 5
⚠️ 注意:コードはサンプルです MCP Server をMCP と省略することがあります 6
Jira MCP の活用 https://github.com/sooperset/mcp-atlassian 7
Jira MCP 活用事例 設計書からチケット自動生成 親チケットからサブチケット作成 チケット内容が変更された際に設計書に反映 8
設計書からチケット自動生成 9
設計書の形式 PRD (Product Requirements Document )へのリンク tl;dr (概要) 、仕様 設計、DB
データ移行 Model 、API 、Worker 、フロントエンド 既存機能への影響 チケット案←この詳細をMCP を使って作ってもらう 10
設計書サンプル① PRD ブログ機能PRD の「ブログ記事」に関する部分の開発(例) tl;dr ブログ投稿機能、コメント機能が追加される 仕様 記事の投稿ができる 記事に対してコメントができる 11
設計書サンプル② DB articles: 記事テーブル comments: コメントテーブル Mermaid 記法でER 図 Model
Article: 記事モデル Comment: コメントモデル 12
設計書サンプル③ API GET /api/articles GET /api/articles/:id POST /api/articles POST /api/articles/:id/comments
Request/Response 13
設計書サンプル:チケット案④ (1) テーブル追加のマイグレーション (3) 記事投稿機能の実装 (2) 記事一覧画面の実装 (3) 記事詳細画面の実装 (2)
コメント投稿機能の実装 (1) コメント承認機能の実装 合計ポイント: 12 14
この設計書をどうしていたか? 15
課題 設計書からJira のチケットを記載 時間がかかる 16
解決策:MCP を使って一括チケット生成 @20250418_blogs.md の設計まとめのチケット案に基づき、 PROJ-123のエピック配下にチケットを 作成してください。 ルールは @create-issue-workflow.mdc を厳守してください。 ※
前提:設計書はリポジトリ内に置いてある 17
create-issue-workflow.mdc (一部) ## 基本 - チケットのテンプレートに関する指定 - チケットのパラメータに関する指定 - チケットの実装コードに関する指定
- 設計にかかれているサンプルコードに関する指定 ### `create_issue`のMCP Toolのパラメータの指定例 ## バックエンドの注意 ## フロントエンドの注意 18
19
ハマったポイント① MCP のパラメータ設定 { "project_key": "PROJ", "summary": "機能:設定を削除できる", "issue_type": "タスク",
"description": "...", "additional_fields": { "customfield_10613": 1.5, "parent": "PROJ-123" } } 20
ハマったポイント② テンプレート管理 Jira のテンプレートはMCP 経由で取得不可 GitHub でテンプレートも管理 Jira の独特な記法に注意 見出しは
h2. など 21
ハマったポイント③ 暴走制御 AI が過剰にコード詳細を書いてしまう ルールでコード記述を最小限に制限 チーム固有のお作法も事前に登録 22
チケット内容が変更された際に設計書に反映 23
チケット内容が変更された際に設計書に反映 課題 リファインメントでチケットの詳細化を行う際に、チケットで変更 した内容の設計書への転記漏れが発生する これにより、設計書とチケットどちらが最新の情報かわからなくな り、開発時に混乱が生まれる 24
解決策:MCP で同期 ## 前提 INS-1111の子チケットは @20250418_blogs.md の設計書から生成したチケットです。 これらのチケットはチームのリファインメントで細かく修正が行われましたが、 修正を @20250418_blogs.md
に取り込めていなくて困っています ## やってほしいこと INS-1111の子チケットを全て確認し、 @20250418_blogs.md の設計書と記載がズレてそうな箇所があれば、 チケットを正として設計書を修正してください 25
まとめ:Jira MCP 活用の効果 チケット作成時間が大幅削減(2 時間→数分) チケットからサブチケットを作成できる 設計書とチケットの一貫性確保 26
TIPS :β 版が公式から提供された https://www.atlassian.com/ja/blog/remote-mcp-server 27
Jira DocBase Design System Sentry GitHub UX Writing 28
DocBase MCP の活用 https://github.com/f440/DocBase-mcp-server 29
DocBase MCP 活用事例 Cursor のルールにチケットのテンプレを事前登録 起票判断会などの議事録からチケットを自動起票 30
できたこと・できなかったこと 31
できたこと 議事録からのチケット自動生成 チケット作成時間の短縮 32
できなかったこと 検索機能はDocBase 本体に依存 検索の精度が低い(自然言語での検索が困難) API の制限(1 分あたり5 リクエスト)が厳しいので、情報の取得周 りは難しそう 33
Jira DocBase Design System Sentry GitHub UX Writing 34
Design System MCP の活用 非公開リポジトリ 35
動作フロー 1. ユーザーがFigma のURL を入力 2. Figma MCP でデザイン解析 3.
SmartHR UI のコンポーネント一覧取得 4. 必要なコンポーネントの詳細取得 5. SmartHR UI を使って実装 36
37
できたこと URL からざっくりとしたデザイン作成 38
39
できなかったこと 基本原則やアクセシビリティを守る Figma と完全に同じ実装にする 本番環境で利用できるレベルの実装にする 40
今後の活用方針 大きく分けて3 種類 本番で利用できるコードを実装させる 実装前のモックを高速で作る Lint 的な役割で利用する 41
TIPS: コンポーネント取得の際はGitHub のMCP を活用 42
Jira DocBase Design System Sentry GitHub UX Writing 43
Sentry MCP の活用 https://github.com/codyde/mcp-sentry-ts 44
Sentry MCP 活用事例 URL を渡してissue を調査 コードが同じ場所にあるので問題の箇所までアテをつけられる 45
46
できなかったこと 難しいissue の解決 ドメインの理解が必要なものなど 解決方法が力任せ... 47
TIPS: Cursor のMCP tools の上限 オンオフを切り替えて対応しています。 48
TIPS: Cursor のMCP tools の上限 クリックで個別に利用しない設定にもできます。 49
Jira DocBase Design System Sentry GitHub UX Writing 50
GitHub MCP の活用 https://github.com/github/github-mcp-server 51
GitHub MCP 活用事例 PR のレビュー テックブログのレビューの抽出 SmartHR Design System MCP
server の内部で利用 52
PR のレビュー 事前にレビューのガイドをまとめてドキュメントにする それに沿ってMCP でレビュー依頼をする 53
54
テックブログのレビューの抽出 テックブログレビューの課題感 文言修正はできる 過去の具体的なレビューが反映できない 55
AI による記事のレビュー これは指摘できる プロクラミンクについての記事を書きました!(濁音漏れ) これはうまく指摘できない VSCode についての記事を書きました!(正式名称にしてほしい) 56
対策方針 これまでの具体的なレビューをmd ファイルにして、AI エディタ等で レビュー依頼することにした この経緯はまたテックブログなどで記事にします 57
テックブログのレビューの抽出 MCP の活用 そのmd ファイルを作成する際に利用 GitHub MCP を利用してレビュワーのコメントを取得 それを期待するフォーマットにする 58
## PR https://github.com/hogehoge/techblog/pull/36#discussion_r1111111 ## レビュー前 - 1日以内に実装が完了できる粒度に、PBIやタスクが詳細化できている ## レビューの内容 PBIは2回しか登場しないので、カタカナにしたほうが読みやすい
## レビュー後 - 1日以内に実装が完了できる粒度に、プロダクトバックログアイテムやタスクが詳細化できている 59
60
## 依頼 Github MCPを活用して、 @https://github.com/hogehoge/techblog/pulls を1つずつ見てほしい。 まず、#35から順に行ってほしい。 ## 具体的な内容 プルリクエストを開いたら、テックブログのやり取りがされていると思います。
そのやり取りを見て、 inao という方がレビューをしていることを確認してください。 そのレビュー内容を記録して、1個のレビューにつき1つのマークダウンファイルを作りたいです。 61
## マークダウンの形式 レビューの概要の名前.md ## PR PRのコメントのURL ## レビュー前 hoge ##
レビューの内容 fuga ## レビュー後 piyo ## 補足 レビューの概要の名前.mdは、実際のレビューの概要を20文字前後でまとめてください レビューは解決していたらoutdatedやresolvedになっている可能性もあります。 ## しないこと suggestionみたいなgithubの英文字は不要 inaoさんのレビュー:とかも不要 端的に提案内容と修正前と修正後を載せてください ## 命令 ではまず #35をやってみてください。 62
それっぽいものは完成。しかし... 63
課題 API 制限などで取得できない場合、無限リトライ Cursor のRequest 上限に引っかかり、開発業務に影響 他の作業ができない 64
解決策 Devin に依頼すると一発でできた............. 65
ここからの学び 作業を小分けにする 小分けにして一気に進めるならDevin もいい 66
Jira DocBase Design System Sentry GitHub UX Writing 67
UX Writing MCP の活用 非公開リポジトリ 68
やろうとしたこと リリースノート作成の自動化 ヘルプページ作成の自動化 69
リリースノートとは 製品の新機能や修正点をまとめたドキュメント ▶︎ リリースノート 70
ヘルプページとは 機能の使い方や手順を案内するガイド ▶︎ ヘルプページ 71
課題 リポジトリ内情報だけではAI でのリリースノート作成精度が不十分 各プロダクトにルール・ガイドを分散配置するのは非効率 開発用のrules とリリースノート用のrules が混在するとノイズになる リリースノート自動化の仕組みを共通化・抽象化する必要がある 72
解決策:SmartHR UX Writing MCP Server 73
用意されているtools create-release-note: リリースノートをAI で作成 search-writing-guideline: Design System 内ドキュメント検索 search-release-notes: 既存リリースノート実例検索
search-help-page: SmartHR ヘルプページ検索 74
SmartHR UX Writing MCP Server 利用例:リリースノートを書かせる MCP Server「ux-writing」のtool「create-release-note」を使ってリリースノートを作成してください。 「スキル管理・学習管理」機能の以下のPRをもとに書いてください。 https://github.com/hogehoge/fugafuga/pull/2686
75
SmartHR UX Writing MCP Server 利用例:リリースノートを調べさせる MCP Server「ux-writing」のtool「search_release_notes」を使って、 採用管理の2025年1〜3月のリリースノートを検索し、そのサマリーをまとめてください。 76
SmartHR UX Writing MCP Server 利用例:ヘルプページを調査させる MCP Server「ux-writing」のtool「search_help_page」を使って、 スキル管理・学習管理機能に申請の承認機能が追加される予定の際、修正が必要なヘルプページがあるか調査してください。 77
SmartHR UX Writing MCP Server 利用例:ガイドラインを調べさせる MCP Server「ux-writing」のtool「search_writing_guideline」を使って、 敬語に関するガイドラインをまとめてください。 78
UX Writing MCP でできたこと PR 内容から要点を抽出しリリースノートを作成 画面構成をもとにヘルプページのガイド文を作成 独立した統一ルールに沿った書式を自動整形 他のリポジトリでも再利用 79
UX Writing MCP でできなかったこと スクリーンショットの自動取得・配置 80
まとめ Jira :チケットの起票と設計書の作成 DocBase :チケットの起票 Design System :フロントエンド実装時のサポート Sentry :エラー調査
GitHub :コードレビュー UX Writing :ドキュメントの作成 81
まとめ 活用できる場面が非常に多い 1 つ1 つの課題はあるが、総合的に見れば効果は高い 独自のMCP Server をぜひ作っていきましょう 82
We Are Hiring! SmartHR では一緒に SmartHR を作りあげていく仲間を募集中です! フルリモートで働く環境も整っています。 少しでも興味を持っていただけたら、カジュアル面談でざっくばらんにお話ししましょ う!
https://hello-world.smarthr.co.jp/ 83
本発表のことで何かお気づきのことがあればX にご連絡ください ありがとうございました! https://x.com/yuki82511988 84