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AI基礎講座 第2話 人工知能の誕生

AI基礎講座 第2話 人工知能の誕生

株式会社Ridge-i内の2019年度インターンシッププログラムで行った基礎講座。

第2話は人工知能の定義とその誕生を扱います。「そもそもAIって何?」と思ってこの動画をご覧下さっている方も多いと思いますが、実はAI研究者の多くも「そもそもAIって何?」と思っています。

対応する動画が https://youtu.be/C2hrxPr3y2c にアップロードされておりますので、ご興味があればご覧ください。

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Yoshitaka Ushiku

May 01, 2020
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Transcript

  1. Ridge-i インターンシッププログラム 人工知能・機械学習(AI/ML)基礎講座 第2話 人工知能の誕生 Chief Research Officer 牛久 祥孝

  2. 1. AI史・AI概論

  3. 1.1. 第1次AIブーム

  4. Take Home Message • 人工知能は非常に広い分野 • 人工知能の誕生は半世紀前 – 人工知能技術=タマネギの皮 –

    AI効果 • 第1次AIブーム(1950年代~1960年代) – 推論 – 探索 • 現在も続く推論と探索による人工知能への取り組み – チェス、将棋、囲碁 – ロボットや車にとっての「探索」
  5. 1.1.1. AIの誕生

  6. 人工知能って何だろう • そもそも知能とは何か? – 知能を備えていないとできないことは何か? – 人間はいつから知能を持つか?新生児は知能を持つか? – 人間以外の動物は知能を持っているか?昆虫や植物はどうか? •

    知っている「人工知能」を挙げてください (3分) – 実際に存在する商品やサービス – フィクション上の存在
  7. 人工知能の専門家でも 1/2 研究者 所属 定義 中島 秀之 公立はこだて 未来大学 人工的につくられた、知能を持つ実態。あるいは

    それをつくろうとすることによって知能自体を研 究する分野である 武田 英明 国立情報学 研究所 西田 豊明 京都大学 「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」で ある 溝口 理一郎 北陸先端科学 技術大学院 人工的につくった知的な振る舞いをするためのも の(システム)である 長尾 真 京都大学 人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシス テムである 堀 浩一 東京大学 人工的に作る新しい知能の世界である 浅田 稔 大阪大学 知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に 定義できない [松尾豊, 人工知能は人間を超えるか, KADOKAWA, 2015]
  8. 人工知能の専門家でも 2/2 研究者 所属 定義 松原仁 公立はこだて 未来大学 究極には人間と区別が付かない人工的な知能のこと 池上高志

    東京大学 自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に 満ちた相互作用を、物理法則に関係なく、あるいは逆らっ て、 人工的につくり出せるシステム 山口高平 慶應義塾大学 人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的シス テム 栗原聡 電気通信大学 人工的につくられる知能であるが、その知能のレベルは人を超 えているものを想像している 山川宏 ドワンゴ人工知 能研究所 計算機知能のうちで、人間が直接・間接に設計する場合を人工 知能と呼んで良いのではないかと思う 松尾豊 東京大学 人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる 技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」 コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し現象を モデル化することのできるコンピュータという意味である [松尾豊, 人工知能は人間を超えるか, KADOKAWA, 2015]
  9. 学問領域としての人工知能:基礎系 • ソフトウェア的観点 – アルゴリズム – 信号処理、画像処理、自然言語処理 – 脳科学 •

    ハードウェア的観点 – 機械工学 – 制御工学 – 電子工学
  10. 学問領域としての人工知能:応用系 すべての研究/産業に応用可能 • 研究としての応用:XXX informatics – 生物へ応用すると Bioinformatics – 化学へ応用すると

    Cheminformatics – 材料へ応用すると Materials Informatics – … • 産業としての応用:YYYtech – 教育へ応用すると EdTech – 農業へ応用すると AgriTech – 金融へ応用すると FinTech – 広告へ応用すると AdTech – … あらゆる既存分野で 情報技術の応用が 期待されている 数ある情報技術の 有力な選択肢 →人工知能技術
  11. 人工知能の誕生 1920 R.U.R. (Rossum’s Universal Robots) • カレル・チャペックの戯曲 • ロボットという単語が創られる

    1946 ENIAC 1947 ロンドン数学学会 • アラン・チューリングによって人工知能の概念が提唱される 1955 鉄腕アトム 1956 ダートマス会議 • 人工知能(Artificial Intelligence)という単語が創られる
  12. ダートマス会議 • 1956年7月から8月にかけて開催されたワークショップ • ダートマス大学(当時)のジョン・マッカーシーが主催 – ジョン・マッカーシー プログラミング言語LISPの設計 – マービン・ミンスキー

    ニューラルネットワークの研究 – ネイサン・ロチェスター IBMの人工知能研究を牽引 – クロード・シャノン デジタル回路や情報理論の創始者 • 目的は“how to make machines use language, form abstractions and concepts, solve kinds of problems now served for humans, and improve themselves” [提案書より引用] • Logic Theorist – 「数学原論」の定理をAIが証明するデモ
  13. アラン・チューリングの「タマネギの皮」 • たまねぎの皮 精神や脳の機能で、計算機が再現できたもの – 音声認識、機械翻訳、画像認識 – これらは真実の精神だろうか? – また、皮をむき(機能を再現し)続けて

    最後に残るものはあるか? • AI効果 – 最初「◦◦が人工知能技術で実現できた!」 – そのうち「◦◦って知能じゃないじゃん」 – 強いAIと弱いAI
  14. タマネギの皮=最適化 • タマネギの皮(脳や精神における何らかの機能)の実現 • つまり、何らかの要求に対する最適化 – 音声認識 音声を入力として、出力を認識結果とする関数を、認識のエラー 率を下げるように学習 –

    機械翻訳 自然言語の文を入力として、出力を別の言語の文とする関数を、 誤訳率を下げるように学習 – 画像認識 画像を入力として、出力を認識結果と する関数を、認識のエラー率を下げる ように学習 1. baseball player 2. unicycle 3. racket 4. rugby ball 5. basketball
  15. ノー・フリーランチ定理 • 最適化を行う任意のアルゴリズムは、すべての問題で性能を 評価した結果を平均すると同じ性能になる – つまり、ある予測問題に対してアルゴリズムAがアルゴリズムBよ り高性能だったとしても、優劣が逆転する問題が存在する • どんな問題でも一番性能がよくなるようなAIは存在しない –

    多くのAI技術が考案され、改善され続けている理由 – それぞれの問題に対して、その問題の定性的な情報を活用したア ルゴリズムの設計や選択が重要
  16. どうすれば知能が実現されたと言えるか 今日は人工知能の 講義を受講しています ユーザーの発言 AIは最近だと囲碁で 人間に勝てますよね PC①の応答 PC②の応答 人工知能はあなたの 計画なのですね

  17. どちらの応答が不自然だと思いますか? PC②の応答は何だか 不自然ですね PC②の応答=実はAI AIは最近だと囲碁で 人間に勝てますよね PC①の応答=実は人間 人工知能はあなたの 計画なのですね

  18. チューリングテストと中国人の部屋 • チューリングテスト – ある人間が、「別の人間」と「機械」と文字のみで交信したとき に、会話から「別の人間」と「機械」を見分けられるか? – 見分けられれば…その機械はテストに不合格 – 見分けられなければ…その機械は知能をもつ

    • 中国語の部屋 – 哲学者ジョン・サールによる反論 – 真に会話を理解していなくてもチューリングテストは合格できる – チューリングテストの様な環境で「中国語の辞書があれば、中国 語を理解していなくても中国語でメッセージを返せる。会話は成 立するが、単にマニュアル通りの作業を繰り返しているだけ。」
  19. None
  20. ELIZA • 1966年にジョセフ・ワイゼンバウムによって発表される • 心理カウンセラーがおこなう来談者中心療法を参考に作成し た対話システム – キーワードがシステムに登録済みであれば、ユーザーの発話を変 換して応答するルールを実行する –

    キーワードがシステムでは未登録であれば、一般的な返事をする か、単純に繰り返す • 支離滅裂な返答になる場合もあるが… – ユーザーは多少不自然な返答でも可能な 解釈を考えてしまう傾向 – ユーザーによってはELIZAを実在の人間と認識