サイボウズの開発組織(開発本部)には、私を含め約300名が所属しています。本部内には主要なプロダクト開発チームの他、専門家による支援チームが複数存在しています(参考:組織体制)。
これまでも各プロダクト・チームでそれぞれ価値を届けるためにアジャイルなやり方を模索し、私もスクラムマスターとして一緒に取り組んできました。チームレベルでの実践から、チームが自律的に活動しやすいマネジメントラインの整備など数年間の実践を経て、最近では次のような新たな課題も見えてきました。
組織として達成したい目標が見えるところにない
各目標に到達するための実行責任者が曖昧
どの活動にどの程度のリソースを割くべきかの判断基準がない
各チームの目標や活動の透明性が低い
チーム横断の動きを取りづらい
上記の問題を解決し、組織として生み出す価値を最大化し素早く進化するために、2024年は本部全体のレベルで組織編成やプロセスの最適化を模索しています。
主な取り組みとして次のようなものがあります。
本部を価値提供の単位で3つのラインに分割
各ラインに責任者を配置
毎年開催する自社カンファレンスでの主要講演をもとにした戦略目標・ロードマップ表現
Bets Board:目標と実行責任者の明確化
アラインメントMTG:各レベルでの目標共有とシンク
レポーティング:目標の各項目の実施内容と状況の報告
クォーターごとの活動のふりかえりと目標の見直し
本セッションでは、300人規模の開発組織でアラインメントと自律性を両立させるアジャイルな組織運営の事例として、上記の活動と得られた学びを共有します。