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捨てる、という判断 — エンジニアの役割の変化に向き合うConference

捨てる、という判断 — エンジニアの役割の変化に向き合うConference

ファインディ株式会社主催オンラインカンファレンス「エンジニアの役割の変化に向き合うConference 2026」Day1(2026年6月17日)12:00〜12:30
約30年の歴史を持つアップルワールドには、レガシーな体制やシステムが多く残っています。海外展開の新プロジェクトでは、PoCのシステムを捨てる大きな判断をしました。失敗の本質は、課題が曖昧なまま実装が決まっていたこと。本セッションでは、この経験を起点に、「課題を考える組織」へのスクラム導入、課題の解像度を上げる承認プロセス、事業と開発がワンチームになるプロダクトレビューへと変えてきた過程を話します。AIで変わったエンジニアの視点と、今後エンジニアが考えるべき問いも共有します。
株式会社アップルワールド プロダクト開発部開発戦略グループ エグゼクティブマネージャー

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June 17, 2026

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Transcript

  1. 捨てる、 という判断 課題が曖昧なまま、実装を決めてはいけない AIで「速く作れる」時代だからこそ、素早く正しい判断をすることがチームの成否を 分ける。 S P E A K

    E R 高丸 翔英 Shoei Takamaru 株式会社アップルワールド プロダクト開発部 開発戦略グループ エグゼクティブマネージャー 2026.06.17
  2. SPEAKER 高丸 翔英 株式会社アップルワールド プロダクト開発部 開発戦略グループ エグゼクティブマネージャー AI推進・レガシー刷新・生産性・セキュリティ・採用まで、開発組織全体の戦略を見 る。技術だけでなく組織や事業も自分の力で変えたい、領域を越えて動きたいタイ プ。

    CAREER 楽天 ポータルサービス、国際市場PFのエンジニアチームをリード note サービス立ち上げ時のエンジニア リクルート テックリードとしてサロン予約サービスの技術品質をリード 共同創業・CTO 技術組織を立ち上げ、技術と組織の両面に責任を持つ アップルワールド 2025年3月入社。開発組織全体の戦略を統括 Speaker — 自己紹介 02
  3. カンファレンスの問い — 広がった責任範囲の中で、何を軸に決めるべきか 海外展開プロジェクトで、 重要な判断を何度も迫られた。 2025.08 参画 入社して半年も経たないうちに参画 1年3か月 入社からの期間

    変化のスピードは、本当に早かった 何度も 迫られた判断 広がった責任範囲の中で、何を軸に決 めるか スピード感を持って開発を進めるためには、捨てなければならないものも、数多くあった。 Chapter 01 — 海外展開プロジェクト 06
  4. 出発点は、 "楽に見える道" だった。 参画時、すでにPoCは進行。社内には、非常にレガシーな予約基幹システム。 前提 APIを一から開発せず、 ノーコードツールで レガシーな予約基幹システムにつなぐ。 ≈ 期待

    「これで簡易的に 実現できるだろう」 この判断をしたのは私が入る前。前任者を批判したいわけではない。リソースが限られた当時としては、 合理的な判断だった。 Chapter 01 — 出発点 — PoC 07 ——一見、楽に見えた。
  5. 立て直しで、何を捨てたか? プロジェクト半ばで、上長と二人で立て直しに入った。それまで使ってきた技術を、すべて即座に 捨てると決めた。 Chapter 01 — 立て直し 10 01 ノーコードツール

    既存システムの制限を、そのまま運用 に固定してしまう ✕ 02 会計パッケージ 要件と合っていない、既製の会計シス テム ✕ 03 変則的なDB設計 メンテナンス性を損なう、変則的な STI ✕
  6. 何を軸に、捨てると決めたか? Q Quality 取る C Cost かかる D Delivery 遅れる

    メンテナンス性とオペレーターの負荷を考えれば、品質を取るべきだ。サンクコストを断ち切るのは重い が、捨てなければ制限がそのまま運用に固定されていた。 Chapter 01 — 判断の軸 11
  7. 開発プロジェクトの健全性は、 何で決まるか? レガシーなビジネスでも、開発は会社にとって大きな投資。経営はROIで健全性を判断する。だが ——健全性は、開発生産性だけでは語れない。 顧客の負を捉える → 仮説・課題設定 → 開発 →

    どう売るか戦略 すべてつながった "連鎖" で決まる Four Keysのような生産性指標はアウトプットの量を測っているにすぎず、この連鎖の一部を見ているだ け。 Chapter 03 — 健全性とは 15
  8. 仕組み 01 — ROIを判断する委員会 なぜ、議論のフォーマット 自体を変えたか? これまでの傾向 スコープが大きく、 遅延や予算超過が多々。 課題の解像度が低いまま進めていた。

    変えたこと 本来スラスラ書けるはずの 「課題」の項目を必須に。 書けないなら、まだ課題が見えていない——と判断できるようにした。 Chapter 03 — 予算委員会 16
  9. 予算委員会のフォーマットを、こう変えた。 BEFORE 「やること」+ ざっくり事業影響 (+ROI計算) AFTER — 課題を書き切る 7項目 1

    課題 対象ユーザー/状況・トリガー/摩擦 2 現状の影響 範囲・件数・頻度/時間・金額換算 3 根拠・エビデンス ログ/ユーザーIV/問合せ/失注 4 目指す状態 KPI現状値→目標値/判定タイミング 5 検討した解決策 案1/2/3+採用案と却下理由 6 検証の進め方 仮説/検証指標/撤退基準 7 想定リスク 価値/ユーザビリティ/実現性/事業性 Chapter 03 — フォーマット改善の実物 17
  10. LinearとAIは、 何を残してくれるか? 01 Slack同期 開発中の重要な会話はSlackで起き る。issueと同期すれば、いつも通り 話すだけで「判断の履歴」が残る。 02 自動プロジェクト報告 Projectに紐づくissueの進捗を、

    LinearのAIが読み、プロジェクトのア ップデートを自動で更新する。 03 健全性確認へ その自動プロジェクト報告を、経営 層による健全性確認の一つとして使え るようにする。 Chapter 03 — LinearとAI 20
  11. 手戻りは、すべて "悪" か? ウォーターフォールの世界観 手戻り = 悪 すべて避けるべきもの → アジャイル

    修正込みで受け入れ、 フィードバックループが極めて速い 手戻りが仮説を検証するステップなら、それは必要なもの。AIの時代は、そちらに寄っていく。 Chapter 05 — 手戻りの捉え方 27
  12. W E ' R E H I R I N

    G あらゆる旅の ベストパートナーへ。 Link your destination 旅の新しい価値を生み出すクルーを募集しています。 CAREERS https://herp.careers/careers/companies/appleworld/jobs
  13. Appendix — 参考リンク 01 Linear Slack Integration https://linear.app/integrations/slack 02 UberのCOOは「AIの過剰利用」への支出を正当化するのが難しくなっていると明かした

    https://www.businessinsider.jp/article/2605-uber-coo-andrew-macdonald-ai-token-spending-harder-justify/ 03 トークンマキシングからトークンマネジメントへ https://note.com/fukkyy/n/n2a6a68814e72 04 Bun's unreleased Rust port has 13,365 unsafe blocks. Most can be removed. https://bun.com/bun-unsafe-audit 05 Stripe: Claude Fable 5 Compressed Months of Engineering into Days on a 50-Million-Line Migration https://claude5.ai/en/news/stripe-claude-fable-5-50-million-line-migration-one-day Appendix — 参考リンク