Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
アプリ開発でアイディアを形に〜情報Ⅱ「(4)情報システムとプログラミング」を見据えた授業実践〜
Search
アシアル情報教育研究所
February 19, 2022
Education
0
2.2k
アプリ開発でアイディアを形に〜情報Ⅱ「(4)情報システムとプログラミング」を見据えた授業実践〜
2022年2月19日開催のMonaca Education 活用事例セミナーでの広島大学附属福山中・高等学校の平田篤史先生の発表資料。
アシアル情報教育研究所
February 19, 2022
Tweet
Share
More Decks by アシアル情報教育研究所
See All by アシアル情報教育研究所
Monaca Educationコースガイド
asial_edu
0
240
MonacaEducation2025機能アップデート情報
asial_edu
0
120
くだもの図鑑で研修2025
asial_edu
0
140
生徒のアイディア実現のために生成AIを活用したプログラミング授業実践
asial_edu
0
370
系統性を意識したプログラミング教育~ガチャを実装しよう~
asial_edu
0
400
女子商アプリ開発の軌跡
asial_edu
0
400
探究的な学び:Monaca Educationで学ぶプログラミングとちょっとした課題解決
asial_edu
0
380
Monaca Education 活用事例セミナー:「年間通してMonaca Educationを活用する授業実践のご報告」
asial_edu
0
270
令和7年度無料トライアルキャンペーン説明会
asial_edu
0
3.9k
Other Decks in Education
See All in Education
America and the World
oripsolob
0
510
検索/ディスプレイ/SNS
takenawa
0
5.6k
Virtual and Augmented Reality - Lecture 8 - Next Generation User Interfaces (4018166FNR)
signer
PRO
0
1.7k
Gaps in Therapy in IBD - IBDInnovate 2025 CCF
higgi13425
0
490
2025年度春学期 統計学 第3回 クロス集計と感度・特異度,データの可視化 (2025. 4. 24)
akiraasano
PRO
0
130
Education-JAWS #3 ~教育現場に、AWSのチカラを~
masakiokuda
0
170
Info Session MSc Computer Science & MSc Applied Informatics
signer
PRO
0
190
郷土教育モデル事業(香川県小豆島町).pdf
bandg
0
190
SkimaTalk Introduction for Students
skimatalk
0
380
OpenRobomaster 中国のロボットコンテスト 日本連携の可能性
takasumasakazu
0
450
AIの時代こそ、考える知的学習術
yum3
2
170
Design Guidelines and Principles - Lecture 7 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
0
2.4k
Featured
See All Featured
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
29
1.8k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.6k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
26k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
246
12k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
331
24k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
8
800
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
45
7.5k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
138
34k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
173
14k
Transcript
アプリ開発でアイディアを形に 〜情報Ⅱ「⑷情報システムとプログラミング」を見据えた授業実践〜 広島県 広島大学附属福山中・高等学校 平田 篤史
自己紹介 ❏ 広島大学大学院教育学研究科科学文化教育学専攻技術・情報教育学専修博士課程前 期修了 ❏ 修士(教育学) ❏ 2017年,情報科教諭として大阪府に採用 ❏ 2019年より広島大学附属福山中・高等学校教諭(情報科)
❏ 情報処理学会、日本情報科教育学会、教育システム情報学会 ❏ 共著「『コロナ』から学校教育をリデザインする」(溪水社,2021) ❏ GEG Hiroshima City、ローカルナレッジ研究会
目次 1. はじめに 2. アプリの開発環境と教材 3. 授業実践 3.1. HTML,CSSの学習 3.2.
JavaScriptの学習 3.3. チーム開発の流れ 3.4. アプリの設計 3.5. チーム開発(前半)と中間発表 3.6. チーム開発(後半)と最終発表 4. 振り返りと今後の展望
1. はじめに
平成29年度 内閣府の調査 https://www8.cao.go.jp/youth/y outh-harm/chousa/h29/jittai_ht ml/2_1_1.html
高校生のスマートフォン所有率:9割以上 スマートフォン向けモバイルアプリの利用頻度は高いと考えられる モバイルアプリの利用者から開発者へ サービスの消費者から生産者へ
2.アプリの開発環境と教材
主に活用した教材 • 開発環境 ◦ ブラウザで開発 ◦ データはクラウドに保存 ◦ Monacaデバッガー •
補助教材 ◦ あんこエデュケーション ◦ きのくにICT
3.授業実践
• アプリ開発に必要な 基礎的プログラミング 技能の育成 • サンプルアプリの カスタマイズ • あんこエデュケーション ×
きのくにICT ①個人 ②チーム 展示する 展示する 複数回提出する 複数回提出する 批評する 批評する
はじめてのプロジェクト〜ブロック崩し〜
None
ボールの数を100にしよう!
レベル 内容 1 ボールの数を100にする 2 ボールのx,y方向の加速度を変えてみる 3 ブロックの色を変えてみる 4 ブロックの配置を変えてみる
5 レベル1~4以外のアレンジを加える 「ブロック崩し」をカスタマイズしよう!
3.1.HTML,CSSの学習 図鑑アプリのカスタマイズを通した、ハイパーリンク・ページの装飾の理解
図鑑アプリ
参照: きのくにICT
参照: きのくにICT
生徒作品例①:地元を紹介する図鑑アプリ
生徒作品例②:好きな音楽を紹介する図鑑アプリ
3.2.JavaScriptの学習 おみくじアプリのカスタマイズを通した、乱数発生・条件分岐・DOMの理解
おみくじアプリ
参照: きのくにICT
参照: きのくにICT
生徒作品例①:野球盤ゲームアプリ
生徒作品例②:今日のご飯提案アプリ
Googleスプレッドシートにおける生徒同士の質疑応答
3.3. チーム開発の流れ
• アプリ開発に必要な 基礎的プログラミング 技能の育成 • サンプルアプリの カスタマイズ • あんこエデュケーション ×
きのくにICT ①個人 ②チーム 展示する 展示する 複数回提出する 複数回提出する 批評する 批評する
展示する 参照 :https://www.innovationunit.org/wp-content/uploads/2017/04/Work-That -Matters-Teachers-Guide-to-Project-based-Learning.pdf
複数回提出する 批評する 参照 :https://www.innovationunit.org/wp-content/uploads/2017/04/Work-That -Matters-Teachers-Guide-to-Project-based-Learning.pdf
• アプリ開発に必要な 基礎的プログラミング 技能の育成 • サンプルアプリの カスタマイズ • あんこエデュケーション ×
きのくにICT ①個人 ②チーム 展示する 展示する 複数回提出する 複数回提出する 批評する 批評する
3.4. アプリの設計
アジャイル開発思考を意識したチーム開発の流れ 2h 3h 3h 2h 2h
ゴールデンサークル理論 https://blog-assets.freshworks.com/freshsales-crm/wp-content/uploads/2018/08/Screen-Shot-2018-08-31-at-11.46.12-PM.png Why:目的 何をしたいか, 解決したい課題は何か How:目標 どんなサービスが必要か
What:手段 どんな機能のあるアプリが必要か
None
None
アジャイル開発思考を意識したチーム開発の流れ 2h 2h 3h 3h 2h 代表プロジェクトの選出 所属プロジェクトの決定
None
3.5. チーム開発(前半)と中間発表
アジャイル開発思考を意識したチーム開発の流れ 2h 3h 3h 2h 2h
チームでの役割分担 No. 役割 意図 1 画面遷移図 • チームでアプリの全体像を捉える • 開発途上におけるシステム変更を容易にする
• プロジェクトの企画者とフローチャート担当をつなぐ 2 フローチャート • 実装するシステムを明確にする • 画面遷移図担当とアプリの実装担当をつなぐ 3 ライトニングトーク • アプリの目的,目標,手段を他者に伝える • 他の役割全員をつなぐ 4 アプリの実装 • フローチャートをもとに実装する
アジャイル開発思考を意識したチーム開発の流れ 2h 3h 3h 2h 2h
Q.良いアプリの特徴って 何だろう? 使いやすい? おもしろい? 便利? 気づいたら 見てる!?
ユーザビリティ ◦ 有効性:アプリを使うことの効果 ⇒予め決めた目的を実現する手段になっているか? ◦ 効率性:アプリの使いやすさ ⇒操作方法はわかりやすいか? ◦ 満足度:アプリを使って感じるワクワク ⇒そのアプリをもう一度使いたいと思えるか?
None
None
None
None
「作る立場」から「使う立場」を考える 使う 作る
3.6. チーム開発(後半)と最終発表
今後の学習 2h 3h 3h 2h 2h
最終発表 2h 3h 3h 2h 2h
None
4.振り返りと今後の展望
振り返り • 実践全体を通して,生徒各自が持つ興味・関心や問題意識を起点 にアプリ開発をさせたことで,楽し みながら活動する様子が伺えた • 開発したアプリを各自のスマートフォンなどで動かせたという体験 が,学びと実生活を結びつけたの ではないか •
プログラミングを手段とした問題解決学習の一例とすることができた 今後の展望 • アプリの要件定義段階の活動に関する教材開発と授業実践を実施する • アプリのアクセシビリティについて分析することができていない ◦ 開発されたアプリには,画面の配色や文字の大きさなどに配慮の欠けるものがあった ◦ ユニバーサルデザインの実現に向けて,ユーザビリティとアクセシビリティの双方の視点 からアプリを分析する必要性を感じた
本研究に関する発表・掲載履歴 • 広島大学附属福山中・高等学校公開研究会(2020/11/27) • 神奈川情研「情報科実践事例報告会」(2020/12/28) • 河合塾「キミのミライ発見」事例177(2021/02/12) • 全国高等学校情報教育研究会(2021/08/10) •
情報処理学会誌「情報処理」(2021/08/15)
アプリ開発でアイディアを形に 〜情報Ⅱ「⑷情報システムとプログラミング」を見据えた授業実践〜 広島県 広島大学附属福山中・高等学校 平田 篤史