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中学校の技術教育が面白い 情報の技術に関する中学校実践の最新情報

中学校の技術教育が面白い 情報の技術に関する中学校実践の最新情報

2020年8月22日高等学校「プログラミング教育実践事例研究会」信州大学教育学部 村松 浩幸教授の講演資料

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  1. 新学習指導要領の技術分野 • 技術の見方・考え方を働かせ,ものづくりなどの技術に関する実践 的・体験的な活動を通して,技術によってよりよい生活や持続可能 な社会を構築する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 • (1) 生活や社会で利用されている材料,加工,生物育成,エネルギー変 換及び情報の技術についての基礎的な理解を図るとともに,それら に係る技能を身に付け,技術と生活や社会,環境との関わりについて

    理解を深める。 • (2) 生活や社会の中から技術に関わる問題を見いだして課題を設定 し,解決策を構想し,製作図等に表現し,試作等を通じて具体化し,実践 を評価・改善するなど,課題を解決する力を養う。 • (3) よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて,適切かつ 誠実に技術を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。 引用:文部科学省2018:中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 技術・家庭編
  2. 新学習指導要領の情報科 • 情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して 問題の発見・解決を行う学習活動を通して,問題の発見・解決に向 けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的 に参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 • (1 ) 情報と情報技術及びこれらを活用して問題を発見・解決す

    る方法について理解を深め技能を習得するとともに,情報社会と人 との関わりについての理解を深めるようにする。 • (2 ) 様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見 ・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養 う。 • (3 ) 情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に主 体的に参画する態度を養う。 引用:文部科学省2018:高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 情報編
  3. 中高の接続について •共通教科情報科の学習内容は,中学校技術・家庭科技術分 野の内容「D 情報の技術」との系統性を重視している •従前からの計測・制御に加えて,ネットワークを利用した 双方向性のあるコンテンツのプログラミングについても取 り上げるなどの内容の改善を図っている。 •共通教科情報科の指導を行うためには,これらの中学校技 術・家庭科技術分野の改善内容を十分踏まえることが重要 である。

    •中学校までの発達の段階に応じた情報活用能力(情報モラ ルを含む)を身に付けて高等学校に入学してくる。生徒が 義務教育段階において,どのような情報活用能力を身に付 けてきたか,その内容と程度を的確に把握して,共通教科 情報科の指導に生かす必要がある。 引用:文部科学省2018:高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 情報編
  4. A 材料と加工に関する技術 ※ガイダンス B エネルギー変換に関する技術 C 生物育成に関する技術 D 情報に関する技術 ・デジタル作品の設計・制作

    ・プログラムによる計測・制御 A 材料と加工の技術 ※ガイダンス(より広く) B 生物育成の技術 C エネルギー変換の技術 D 情報の技術 ・コンテンツのプログラミング ・計測・制御のプログラミング ※3年生では総合的な問題を 旧 新 Keyword 技術の評価・活用 社会や環境と の関わり 知的財産 技術倫理 職業観 文化や伝統 技術の選択・管理・運用 課題を見いだし 解決する力 技術の概念 評価と改善 改良と応用 注目 注目 注目 注目 「技術・家庭科」技術分野の改訂の要点
  5. 時代の流れと情報技術の学び H元年情報基礎 インターネットと つながるPC 情報システムとネット でつながるPC スタンドアロンの PC H20年D情報に関する技術 H30年D情報の技術

    BASIC オフィスアプリ アプリ活用 インターネット Webページ デジタル作品 ネットワークを利 用したコンテンツ AI・クラウド IoT,ブロック チェーン 情報の蓄積と検索 蓄積された情報 の分析と活用 ネット+制御 IoT
  6. 情報の技術に関する改訂の要点 • 計測・制御に関するプログラミングに加えて,コンピュータやスマート フォン等の画面等で利用されているコンテンツを新たに取り上げる。 • 従前の「ディジタル作品の設計・制作」ではソフトウェアを用いる例が多 かったが,これをプログラミングにより学ぶ。 • 小学校では音,画像など1種類の入力情報に対し,片方向の定められた動 きをくりかえす場合が多いと考えられるが,技術分野においては,複数の

    情報を扱い,使用者の働きかけ(入力)によって異なる応答(出力)を 返す仕組みをもち,さらに,コンピュータ間の情報通信を処理の一部に 含むプログラミングを扱うこととする。 • 計測・制御に関しては,小学校では,既存の計測・制御のシステムを動作 させる場合が多い • 技術分野では,問題を解決するために,どのようなセンサやアクチュエ ータが必要か,それをどのように組み合わせるかといった計測・制御シ ステムの構想
  7. 技術の見方・考え方 引用:文部科学省2018:中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 技術・家庭編 •生活や社会における事象を,技術との関わりの視点で捉え, 社会からの要求,安全性,環境負荷や経済性などに着目して 技術を最適化すること。 「技術の見方・考え方」 •生活や社会における事象を,情報の技術との関わりの視点

    で捉え,社会からの要求,使用時の安全性,システム,経 済性,情報の倫理やセキュリティ等に着目し,情報の表現 ,記録,計算,通信などの特性にも配慮し,情報のデジタ ル化や処理の自動化,システム化による処理の方法等を最 適化 「情報技術の見方・考え方」
  8. 情報の技術の内容で育成すべき資質・能力 引用:文部科学省2018:中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 技術・家庭編 • 小学校において育成された資質・能力を土台に,生活や社会の中から プログラムに関わる問題を見いだして課題を設定する力 • プログラミング的思考等を発揮して解決策を構想する力

    • 処理の流れを図などに表し試行等を通じて解決策を具体化する力 • 順次,分岐,反復といったプログラムの構造を支える要素等の理解 「育成すべき資質・能力」 •小学校,他教科との関連 •生活や社会と技術のつながりを意識させる •民間企業や科学博物館,高等学校等との連携 「留意点」
  9. D(1)について (1)生活や社会を支える情報の技術について調べる活動などを通し て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 情報の表現,記録,計算,通信の特性等の原理・法則と,情報のデジ タル化や処理の自動化,システム化,情報セキュリティ等に関わる基礎 的な技術の仕組み及び情報モラルの必要性について理解すること。 イ 技術に込められた問題解決の工夫について考えること。 ポイント

    ①生活や社会を支える情報技術に対する興味・関心の喚起 ②生活や社会を支える情報技術の役割や影響に関する社会的な認 識の形成 ③生活や社会を支える情報技術の仕組み,原理・法則に関する科 学的な理解 ④情報に関する技術の見方・考え方への気づき 引用 文部科学省(2020)中学校技術・家庭科(技術分野)におけるプログラミング教育実践事例集
  10. D(2)について 2) 生活や社会における問題を,ネットワークを利用した双方向性のあ るコンテンツのプログラミングによって解決する活動を通して,次の事 項を身に付けることができるよう指導する。 ア 情報通信ネットワークの構成と,情報を利用するための基本的な 仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバ ッグ等ができること。 イ

    問題を見いだして課題を設定し,使用するメディアを複合する方法 とその効果的な利用方法等を構想して情報処理の手順を具体化すると ともに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。 ポイント ①メディアを複合したコンテンツの構成 ②情報通信ネットワークの利用に関する配慮 ③適切なプログラミング言語の選択 引用 文部科学省(2020)中学校技術・家庭科(技術分野)におけるプログラミング教育実践事例集
  11. D(2)の例示 • 学校紹介の Web ページにQ&A方式のクイズといった双方向性の あるコンテンツのプログラムを作成する学習活動。 • 簡易なチャットを教室内で再現し,更に利便性や安全性を高めるた めの機能を追加するプログラムを作成する学習活動。 •

    家庭生活や学校生活における情報の表現や交流に関わる身近な不 便さについて考えたり,既存のコンテンツの改善の余地を考えたり して,利便性,安全性などに関する問題を見いだし,必要な機能をもつ コンテンツのプログラムの設計・制作などの課題を設定・解決す る学習活動。 • アクティビティ図のような統一モデリング言語等を適切に用いる 学習活動。 引用:文部科学省2018:中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 技術・家庭編
  12. D(3)について 3)生活や社会における問題を,計測・制御のプログラミングによって 解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導 する。 ア 計測・制御システムの仕組みを理解し,安全・適切なプログラム の制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。 イ 問題を見いだして課題を設定し,入出力されるデータの流れを元 に計測・制御システムを構想して情報処理の手順を具体化するととも

    に,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。 ポイント ①計測・制御システムの仕組みの理解とプログラミングの技能 ②問題の発見と適切な課題の設定 ③計測・制御システムの構想 引用 文部科学省(2020)中学校技術・家庭科(技術分野)におけるプログラミング教育実践事例集
  13. D(3)の例示 • 気温や湿度の計測結果に基づき,灌水などの管理作業を自動的に行 う栽培ロボットのモデルを製作する学習活動。 • 買物の際に,高齢者の方を目的の売り場に誘導しながら荷物を運搬 したり,障害物や路面状況などをセンサで確認し,危険な状況となっ た場合には注意を促したりする生活サポートロボットのモデルを 製作する学習活動。 •

    家庭生活や学校生活における計測・制御に関わる身近な不便さに ついて考えたり,既存の計測・制御システムの改善の余地を考えた り,自然環境の保全や防災等に関わる社会的な問題について考えた りして,利便性,環境負荷,安全性などに関する問題を見いだし,必要な 機能をもつ計測・制御システムの設計・製作などの課題を設定・ 解決する学習活動。 • アクティビティ図のような統一モデリング言語や製作図等を適切 に用いる学習活動。 引用:文部科学省2018:中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 技術・家庭編
  14. D(4)について (4) これからの社会の発展と情報の技術の在り方を考える活動な どを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解する こと。 イ 技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想 に基づく改良と応用について考えること。

    ポイント ①どのような視点で折り合いを付け,どのように最適化したのかを 考える ②既存の情報の技術の評価・選択,管理・運用や新たな改良,応用 ③情報の技術が生活の向上や社会の発展に貢献していることへの理 解 引用 文部科学省(2020)中学校技術・家庭科(技術分野)におけるプログラミング教育実践事例集
  15. D(4)の例示 • (2)や(3)の学習活動を振り返らせ,自らの問題解決の工夫を 情報の技術の見方・考え方に照らして捉えさせ,それらと(1)で 取り上げた既存の技術に込められた工夫との共通点を見いださせる • 生活や社会における人工知能の活用について,人間の労働環境や安 • 全性,経済性の視点から,その利用方法を検討する •

    利用者と開発者の両方の立場から技術の将来展望について意思決定 させて発表させたり,提言をまとめさせたりする活動 • 技術の在り方について統合的に考えさせ,提言させる活動 引用:文部科学省2018:中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 技術・家庭編
  16. 事例集の掲載事例 D(1)に関わる実践事例 合計4件 ①映像やWeb等のデジタルコンテンツを活用した実践(1件) ②IT系の企業と連携した実践(1件) ③モデル的なプログラムを用いた実践(2件) D(2)に関わる実践事例 合計6件 ①ブロック型系 「Scratch」およびその改良言語を用いた実践(1件)

    ②日本語プログラミング言語系 「ドリトル」,「なでしこ」などを用いた実践 (3件) ③汎用言語 「JavaScript」などを用いた実践(1件) ④専用言語 アプリ開発等専用簡易言語を用いた実践(1件) D(3)に関わる実践事例 合計7件 ①ハードウェア改良型 ロボットカー,LEDクロックなどを用いた実践(2件) ②ブロック組立型 ブロック型教材を用いた実践(1件) ③部品組立型 マイコンボードの制御教材を元に,部品を組み合わせ(3件) ④IoT試行型 IoT機能を持った制御教材を用いた実践(1件)
  17. ユーザー プログラムのキャラクター プログラムがユーザーとやり取り ユーザーの入力 選択結果の 条件分岐処理 回答文データ ベースの検索 Web情報への 接続

    ユーザーによる 使用評価 分析に基づきプログラム改良 ユーザーとのやり取りを最適化する工夫 テキスト 画像 音声 動画 表示 ユーザーの使用履歴 のデータ記録・分析 チャットボット