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中学校におけるプログラミング教育の実践事例~附属長岡校園の授業実践から~
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アシアル情報教育研究所
February 20, 2020
Education
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中学校におけるプログラミング教育の実践事例~附属長岡校園の授業実践から~
2022年高等学校プログラミング必修化に向けたプログラミング教育実践事例研究会発表資料
アシアル情報教育研究所
February 20, 2020
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Transcript
中学校における プログラミング教育の実践事例 ~附属長岡校園の授業実践から~ 1 保坂 恵 (新潟大学教育学部附属長岡中)
[email protected]
2022年高等学校プログラミング必修化に向けた プログラミング教育実践事例研究会
2020.2.23
2 アプリを制作したあとの生徒の感想から・・・ この生徒の感想には,授業の中で学んだ技術を対象のためにどう生かすか, そのためにどのような構成にするかということを考えて活動を進めた姿が あらわれていると考えます。 対象のため,課題の解決のために考えたことを実現させようと努力して,悩んだ り,仲間と協力したりしながら,少し高い壁を越えたときの達成感やおもしろさを 味わうことができる・・・そんなことがプログラミングの授業にはあると感じます。 幼児のためだったのでひらがなを多くしたり,ボタンを画像にしたり して,楽しんでもらえるように工夫しました。思った通りに進められる
ようになってよかったです。 時間が短い中で,問題をつくったり,画像を探したり,分担してやる ことでうまくいきました。いろいろファイルやフォルダをつくってどこに 何があるのか分からなくなったり,画像の拡張子を消してしまって 表示されなくなったりもして,少し難しさも感じたけれど,完成できた 時はうれしかったです。 (中3女子)
3 お伝えする内容 ①本校園の特徴 ②以前の授業から ・プログラミンの活用 ・キットを活用したプログラミング ③今年度を含む最近の授業から ・センサタグを利用した幼児向けおもちゃ制作 ・ アプリ制作
④小中高との連携を意識 技術分野で大切にしたいこと
①本校園の特徴~学校の特性から~ 4 現任校の特性 ・同一敷地内に幼稚園・小学校・中学校が併設 園児・児童・生徒・教職員で900名程度 ・授業で交流がある→新たな交流を模索 小学校からの依頼で出張授業をしたり,小学校の 教諭と共同したりしながら授業 ・学校行事 運動会・・・一緒に幼稚園児とダンス
音楽発表会 生徒会選挙の見学 など
5 〇当校のハード面の整備 ・校内のWi-fi環境の導入(ほぼ全棟OK) ・タブレット端末(75台) ・コンピュータ室(Windows10 44台) 現状1台あたり3人 〇ある日常のひとコマの内訳 技術・・・情報の技術 コンピュータ室での授業
社会・・・地理分野でタブレット端末(20台)を教室で活用 保体・・・ダンスでタブレット端末(10台)を体育館で使用 美術・・・制作活動でタブレット端末(10台)を美術室で使用 ①本校園の特徴~学校の環境整備~
6 〇提示装置 実物投影機 プロジェクター 大型TV 電子黒板 生徒が発表用として使用するのはもちろん, 教師も伝わりやすい授業のツールとして活用 ①本校園の特徴~学校の環境整備~
7 ② 技術分野の授業 以前に取り組んでいたもの 「プログラミン」の活用 https://www.mext.go.jp/programin/ ベースはScratch 小学校でも取り入れられている事例は多数 以前は中学校1年生の初めの段階で活用 流れを考えてそれを具現化できたときの
おもしろさを実感
8 ② 技術分野の授業 以前に取り組んでいたもの 市販キットの活用 センサの効果を実感できる市販のキットを活用した実践 音センサ,光センサ せっかくのプログラムを実機に転送してその通りに動作する ことのダイナミクスさ,実生活に近い部分を考えさせるような実践
センサタグ×幼児 幼児が楽しむことのできる おもちゃをプログラミング! (7時間) 9 次(時) 学習活動 1次 (2) センサタグの基本的な使い方を知って,
幼児が楽しむおもちゃ作りを構想しよう。 2次 (4) 幼児が楽しむおもちゃを製作して,幼稚園訪問 しよう。(家庭分野との共同も含む) 3次 (1) 製作(制作)したおもちゃやプログラムについて 振り返り,活動をまとめよう。 ③ 技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
10 グループに一台 タブレットPC端末 (OS;Android)を配布 ③ 技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
11 家庭分野教員, 幼稚園職員の協力の もと,3クラス計118名が授 業時間内で幼稚園 にて交流 ③ 技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
12 Aさんを含むグループ コンセプト 近づいたり,息を吹きか けたりすると話す人形 ダンボール,ガムテープ 温度・湿度センサ 人感センサ など ③
技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
13 Aさんを含むグループ コンセプト 近づいたり,息を吹きか けたりすると話す人形 ダンボール,ガムテープ 温度・湿度センサ 人感センサ など ③
技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
14 息を吹きかけたり,人が近くに来たのを感じたり したらセンサタグが反応して近くに設置した タブレットから録音してある声が出たり, 音が出たりする仕組み ③ 技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
15 Aさんの学習の振り返り 3hの製作後,実際に幼稚園へ 製作 1h 製作 2h 製作 3h ③
技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
16 班員との協働, 対象への配慮が 感じられる 幼児の反応を考え 条件による変化を 加えようと模索 幼児への意識を増し ていく様子,製品を 変化させていく様子
③ 技術分野 最近の実践 センサタグを使用したおもちゃ制作
幼児が夢中になるアプリって? (9時間) 17 次(時) 学習活動 1次 (1) これまでに生活を豊かにしてきた技術について まとめよう 2次
(6) 日常的に使っているアプリについて制作者側に なって考えてみよう。 幼稚園の先生方のリクエストに応えて幼稚園児 が夢中になりそうなアプリを制作しよう。 3次 (2) 幼児の姿から得た情報をもとにアプリを完成さ せよう。技術の果たす役割についても考えよう。 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
中学生が実際に制作したアプリ① 18 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
19 中学生が実際に制作したアプリ② ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
20 サンプルアプリを まずは試す。 右は画像を変えてみよう! プリントで示した説明 HTMLの簡単な紹介と 語句の説明 ここで自分の表示させたい 画像や文字,色などが思い どおりに変更させることが
できたら歓声が・・・。 「〇〇はどうするの?」と どんどんと質問したり,思 いどおりにサンプルを改変 したりしていく生徒たち ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
21 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作 こんな感じでできるんだという 感覚をつかんだ生徒に対して・・・ 「幼児(対象)が喜ぶ,満足する アプリって,どういうものが 考えられるだろう?」
題材を貫く問いを投げかけ, いよいよ本格的にスタート ペーパープロトタイプから 構想・設計を開始
22 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作 ペーパープロトタイピング クイズ選択式アプリ 追究チーム 一問一答タイプ 追究チーム
同じ方向性をもった生徒で グルーピング
23 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
24 クイズ選択式アプリ (Aさんを含む3名のグループ) の場合 チームでタイトルを考え, どのような構想にするか 流れを描いて検討する ③ 技術分野 最近の実践
「monaca」を活用したアプリ制作
25 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作 制作しながら・・・ どんな問題がいいか? 何問くらいが妥当な 問題数か? などの疑問
班で役割を分担しながら、 調べたり、幼稚園の先生に 聞いたりしながらより精査 されて具体的になった つくりたいアプリの流れ
26 Aさん サンプルアプリの制作から題材の楽しさを感じ, そこから自由度を高めての制作への興味・関心が 増している様子 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
27 Bさん アプリの使用者としての視点から,制作者としての 視点の変化(追加) 実社会の実態に目を向けている様子 ③ 技術分野 最近の実践 「monaca」を活用したアプリ制作
28 ④ 小中高との連携 技術分野で大切にしたいこと
29 ④ 小中高との連携 技術分野で大切にしたいこと
30 ④ 小中高との連携 技術分野で大切にしたいこと 中 センサ・コンピュータ・アクチュエータで構成 この計測・制御の技術はなぜ生まれた? そして未来はどうなっていく? 社会や生活をつくっている仕組みをブラックボックス化にしない 表面でなく中身にまで目を向ける“学び”の実現
ビジュアルプログラミング, 限定的にコーディングも アクティビティ図などで表現 小 プログラミング的思考(論理的思考) 機器の操作技能 ビジュアルプログラミングの実践多数 高 現行の「社会と情報」「情報の科学」を再編 →情報Ⅰを新設 すべての生徒がプログラミング ネットワーク データベース を学ぶ プログラミングなど発展的に学ぶ情報Ⅱ