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ロジックモデル入門ゼミ【全4回】_第2期_Special Mail Magazine

Blkswn_ebi
October 19, 2021

ロジックモデル入門ゼミ【全4回】_第2期_Special Mail Magazine

※資料提供:清水潤子さん(武蔵野大学人間科学部社会福祉学科助教)
【日時】
全4回・120分オンライン開催
・第1回:10月25日(月)19:00 - 21:00
・第2回:11月1日(月)19:00 - 21:00
・第3回:11月8日(月)19:00 - 21:00
・第4回:11月15日(月)19:00 - 21:00

会場  |オンライン(Zoomウェビナー)
配信URL|お申し込みいたいだいた方に、peatixメールにてお知らせ致します。
参加費 |22000円(税込) ※全4回通し
定員  |25名
主催  |黒鳥社

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October 19, 2021
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Transcript

  1. ロジックモデルとは „ ロジックモデルとは、事業が成果を上げるために必要な要素を体系的に図示化したもので、事業の戦略図に例えられ ます。[1] „ 体系を織りなすのは、「インプット(資源)」「活動」「アウトプット」「アウトカム(成果)」という4つの要素です。 „ 事業が成果(アウトカム)を生みだすために、「もしこういう事業をすれば、こういう変化が生まれ、アウトカムにたどり着く だろう」という仮説のもと、これらの4つの要素を繋ぎ合わせて図示したものがロジックモデルとなります。 „

    一般的なロジックモデルはこれらの要素を矢印で繋げたツリー型で表現されますが、図示する形式は厳密には決まってい ません。 „ また、論者や実践家によって少しずつ異なるタイプが使われているため、どのタイプが「正しい」というものではなく、基本要 素を押さえて、目的に合致した使い方をすることが重要です。[2] ©Junko Shimizu 出所:JANPIA実行団体向け社会的インパクト評価の基本ー事前評価編ーより 出所:JANPIA実行団体向け社会的インパクト評価の基本ー事前評価編ーより 3
  2. ロジックモデル概説 なぜロジックモデルが必要とされているのか?ー起源と発展の経緯 „ ロジックモデルのツールとしての起源は新しくない(1960年代後半~) „ もともとはプログラム評価(評価学)のエリアから生まれたもの。 „ 評価 Evaluation ⇒

    Ex (引き出す)Valu(e) (価値)tion :評価自体のもともとの意味は対象(プログラム) から価値を引き出すこと „ 価値は必ずしも金銭価値だけではなく、社会的価値、文化的価値…など様々 „ 米国の非営利組織であるKellogg Foundationが2000年代初頭にモデルをアップデート(今日使われているスタイ ル)した。 „ その背景として、それまではプログラムで「何を何回提供した、何人きた、何枚配った」というアウトプットが着目されていた ⇒so what?(だから何?) „ そもそも、社会課題の解決等といった社会的価値を生み出していく非営利セクターにおいて、アウトプットだけの評価では、 活動の結果、社会の、受益者の、コミュニティの何が変わったのかが見えない。 „ そもそも、社会的価値を生み出すためには、目指すべきアウトカムを据えて、そこに繋がるプログラム(事業・活動)を デザインする必要があり、事業の結果、そのアウトカムが達成されたのかが評価されなければ意味がない。 „ このような考えから、2000年代初頭から、米国の助成プログラム等でロジックモデルを活用した事業計画の策定や評価 が主流になっていった。 ©Junko Shimizu 6
  3. ロジックモデル概説 なぜロジックモデルが必要とされているのか?ー現代において 企業を取り巻く状況から考えると… „ 2010年代~民間企業の社会課題解決の役割への期待:CSV(共通価値)の追求「経済的価値を創造しながら、 社会的ニーズに対応することで社会的価値も創造する」(マイケル・ポーター) „ 2006年、国連責任投資原則(PRI)が提唱後、欧州を中心に機関投資家から企業へESGの要請(主にネガティ ブ・インパクトの軽減)の動きが活発化し、その後、インパクト投資への流れ(主にポジティブインパクトの可視化、測定、 増大)

    „ そして持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)へのコミットメントの養成 ©Junko Shimizu ‡ 社会的価値や社会的・環境的なインパクト(アウトカム)を事業活動を通して生み出していくこと、達成していくことが求 められてきている。 ‡ インパクトを本業を通じて創出・マネジメントしていくために(事業が成果を上げるために)必要な要素を体系的に図示 するロジックモデルが活用できる 7
  4. 補足:社会的インパクト・マネジメント „ 社会的インパクトとは、「短期、長期の変化を含め、当該事業 や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム」のこと。 „ インパクトは空から降ってこない⇒インパクトはintention(意 図)を伴う。 „ 自分たちの事業や活動がどのようなインパクトを生んでいくの かを定義し、そのインパクトの創出に向けて事業をマネジメン

    トしていく方法を社会的インパクト・マネジメントと言う。 „ サイクルは4つのステージから構成されており、計画(Plan)→ 実行(Do)→効果の把握(Assess)→報告・活用 (Report&Utilize)という流れになります „ いわゆるPDCA(Plan, Do, Check, Action)のサイクル(ある いはOODA(Observe, Orient, Decide, Act))をインパクト の創出を目的にまわす。 „ ただサイクルではなく、図のようにスパイラルになっているのは、サイ クルを回していく中で、場合によっては単一事業の枠を超えて複 数事業を単位として考えたり、関わる組織・人々を広げたりして、 より本質的な事業や取り組みを発見・展開させることが期待さ れている背景がある。 インパクト・マネジメント・サイクル 出所:社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ「社会的インパクト・マネジメント ガイドライン(Ver.2) 8 ©Junko Shimizu
  5. ロジックモデルを作る前に:言葉の定義 ©Junko Shimizu W.K. Kellogg Foundation Logic Model Development Guideより

    事業やプロジェク トの実施主体の こと 事業やプロジェクトから便益を得 て、変化する主体 12
  6. ロジックモデルの作る前に:Quiz ©Junko Shimizu ‡ 「開発途上国における学習機会に恵まれない人々が、夢や想いを実現し、自分に誇りを持って生きていけるようにな る世界を実現する」プロジェクトのロジックモデルを考えた時、以下のそれぞれの要素が、インプット・活動・アウトプット・初 期アウトカム・中期アウトカム・長期アウトカムのどれに該当するでしょう? 活動資金 インターン 職員

    etc. 学習機会に恵まれな い人々が希望する職 業へ就くことができる 学習機会に恵まれない人々が 経済的に自立する 学習機会に恵まれない人々が 高校の卒業試験に合格できる ようになる 学習機会に恵まれない人々が 学力を身につける 学習機会に恵まれない 人々が苦手科目を攻略 できるようになる 学習機会に恵まれ ない人々の学習習 慣が定着する 学習用映像コン テンツの作成数 映像コンテンツを届け た人数や地域数 教育機会に恵まれない子ども たちに映像教育を届ける キャリア教育に関する コーチングの実施 キャリア教育に関 するコーチングの提 供回数 学習機会に恵ま れない子どもたちが キャリア教育によっ 希望する職業につ くためのプロセスを 知ることができてい る 14