め、そのようなケースでオンライン診療を体験した患者の家族からは喜びの声をもらうことが多いのだそうだ。 また オンライン診療を活用することで患者さんとの接触頻度があがるため、一度築いた信頼関係を維持しや すい という効果もあるようだ。 さらに、「診察室に来てもらう場合と、家庭にいる場合では患者さんの様子が少し違います。自宅にいる時は よりリラックスした、患者さん本来の姿を確認することができるので、こういったことも オンライン診療ならでは の新しい発見 です。」と黒木先生は話す。 オンライン診療に取り組んだからこそ見えてきた課題も 「オンライン診療を導入し、患者さんに案内してみて意外だったのは、必ずしも全員が『すぐにでもやりたい』と 飛びついてくるわけではない、ということです。実際には『先生のところに行きたい』、『スマートフォン等の操作 に慣れておらずあまりピンとこない』、『クレジットカードを持っていないのでやりたくでもできない』というように 患者さんの状況もさまざまで、それによってオンライン診療が受け入れられる状況も変わってきます。」と黒木 先生。 「 メドレーさんからはしっかりとした患者さん向けのマニュアルも提供してもらっています が、マニュアルがなく てもどんな人でも簡単に使うことのできるシステム、ここを目指してさらなるシステムの進化に期待したいで す。」黒木先生からはそのような言葉をいただいた。 今後の本格普及に向けて診療報酬面での評価は必須 「実際にオンライン診療を行ってみると、対面診療とは微妙に違う部分があると感じます。この微妙な違いが 医学的にどのような影響をもたらすのかというポイントについては今後の研究テーマとして取り組んでいきた い領域です。また、オンライン診療は、 患者さんには非常に大きなメリットがある ものですが、どうしても現時 点の診療報酬体系では医療機関側が積極的にオンライン診療に取り組む動機につながりにくい実情があり ます。政府として今後このオンライン診療を積極的に後押しするのであれば、診療報酬上の適切な評価が必 須になってくる。ここに関しては 2018年4月の診療報酬改定をしっかりと見極めていきたい ところですね。」と 黒木院長は語る。 17