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2024年最新版_オンライン診療完全ガイドブック

CLINICS
April 28, 2023
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 2024年最新版_オンライン診療完全ガイドブック

CLINICS

April 28, 2023
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  1. はじめに この度は、「オンライン診療完全ガイドブック」をご請求いただき誠にありがとうございます。 新型コロナウイルス感染症拡大の危機が世界中で広がる中、2020年4月10日に厚労省から発出され た通知によって、時限的・特例的な措置ではあるものの「電話や情報通信機器を使った診療」いわゆる 「オンライン診療」が幅広く初診から認められることとなり、またそれにともなって診療報酬も新設されま した。 令和4年度診療報酬改定では、初診・再診・外来診療料(情報通信機器を用いた場合)が新設されまし た。それぞれ、251点・73点・73点との評価がなされ、これまで対面診療と差のあった点数水準の引き 上げが行われました。 さらに令和6年度診療報酬改定では、基本料自体の算定点数変更にともない情報通信機器を用いた

    場合の初診・再診・外来診療料も点数UPが行われ、それぞれ、253点・75点・75点と点数水準の引き 上げが行われました。加えて生活習慣病管理料を始めとする情報通信機器を用いて算定できる医学 管理料が複数新設される予定となっております。 2018年4月の診療報酬改訂以来、ビデオチャットなどを通じたオンライン診療は、初診を対象とせず、 一部の慢性疾患に対象を絞って適用されるものであると定義されてきましたが、2020年4月10日の通 知および令和4年度診療報酬改定によって、それが根本から覆ることとなる非常に大きな変化を伴うも のとなりました。 本ガイドブックでは、今後さらに活用が期待されるオンライン診療の実施フローから、実際の活用事例 までを記載しております。本資料が皆様の情報収集の一助になれますと幸いです。 ※本資料は2024年3月31日時点の公表データを元に作成された資料となっております。当資 料に掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証す るものではありません。オンライン診療を実施される際は、必ずご自身で厚生労働省のHPを ご確認頂いた上で実施くださいませ。 令和6年度診療報酬改定【全体概要版】 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238898.pdf 1
  2. オンライン診療に関する見解・環境の変遷 我が国におけるオンライン診療の歴史は1997年から始まりました。本項では今までオンライン診療が どのような解釈・環境の変化があったかについて簡単にまとめさせていただきます。 (なお、2018年3月末までは、「遠隔診療」という呼称が使われていたこともあり、本資料において、過 去の通知等のことを説明する際は「遠隔診療」という呼称を使わせていただいております) 遠隔診療・オンライン診療に関する規制変化のイメージ 1997年12月厚生省(当時)による遠隔診療の「条件付き解禁通知」 「離島・へき地の患者」「特定の慢性疾患の患者」「原則初診対面」という条件及び解釈の下に おいて遠隔診療が認可される。 2015年6月

    経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太の方針) 「医療資源を効率的・効果的に活用するための遠隔医療の推進」が明記される。 2015年8月 厚生労働省による事実上の「遠隔診療解禁通知」 「離島・へき地などの特定の状況や、特定の疾患に限らず一般的に遠隔診療を活用可能」「対 面診療との組み合わせを前提のうえ、対面と遠隔の順番は制限しない」という解釈が通知され る。 2016年11月第2回未来投資会議(議長:安倍総理) 4
  3. 安倍総理が「ビッグデータや人工知能を最大限活用し、予防、健康管理や遠隔診療を進め質の 高い医療を実現していきます」と遠隔診療の普及を明言。 2018年3月 診療報酬改定を告示 平成30年度診療報酬改定において、遠隔診療を「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」 として新たに評価することが決定。 2018年3月 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の策定 「オンライン診療」について定められた初の指針。急速な普及が見込まれることから医師、患者 がともに安心してオンライン診療に関われるように厚生労働省が策定。

    (本指針は今後のオンライン診療の普及、技術革新等の状況を踏まえ、定期的に内容が見直さ れる予定) 2019年7月 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の一部改定 2019年1月〜6月に行われた「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検 討会」を経て、初めてガイドラインが改定される。 初診対面診療の例外の追加、同一医師による診療原則の例外の追加、研修の必修化、セキュ リティ要件の定義などが追加。 2020年4月 新型コロナウイルス感染症に係る時限的・特例的な措置についての事務連絡の発出 4月10日に厚生労働省より発出された事務連絡(通称0410通知)により、「オンライン診療」が 疾患を問わず初診から認められ、その診療報酬も定義されることとなる。 2022年4月 令和4年度診療報酬改定 現行のオンライン診療料を廃止し、「初診料(情報通信機器を用いた場合)」「再診料(情報通信 機器を用いた場合)」「外来診療料(情報通信機器を用いた場合)」が新設されることとなる。これ まで対面診療と差のあった点数水準の引き上げが行われた。 2024年6月 令和6年度診療報酬改定 基本料自体の算定点数変更にともない、情報通信機器を用いた場合の「初診料」「再診料」「外 来診療料」も点数引き上げが行われた。 また、小児特定疾患カウンセリング料・生活習慣病管理料・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料・ 通院・在宅精神療法・慢性腎臓病透析予防指導管理料などの医学管理料で、オンライン診療を 用いた場合の新たな評価が設定された。 5
  4. オンライン診療に関する調査結果 [医師]保険診療での活用が広がる 2020年4月の規制緩和後はCLINICSオンライン診療を利用した診察のうち約74%が保険診療 での利用となっており、それまでは規制によって利用が叶わなかった臨床現場の潜在的ニーズ の高さが明らかになりました。 また、診療科については内科領域、小児科、皮膚科、歯科領域や産婦人科領域などを中心に、 幅広い診療科での利用が進んでいます。 CLINICSオンライン診療を利用した 診察のうち、保険診療が占める割合 CLINICSオンライン診療を利用する

    医療機関の診療科の内訳 [医師]8割以上の医師が「患者の利便性向上」を感じる オンライン診療を活用している医師へアンケート(※)を実施したところ、8割以上の医師が「患者 の利便性向上」を感じています。通院継続率の向上を感じる医療機関は約5割、かかりつけ機能 の強化については4割となっていますが、オンライン診療の適切な普及とともにこれらの数字が 上がっていくことが予想されます。 6
  5. オンライン診療の実施フローについて ここでは、CLINICSオンライン診療を活用したオンライン診療を実施する場合、患者と医療機関がそれぞれど のようなフローでオンライン診療を行うかを記載します。(CLINICSオンライン診療の様な専用システムを使わ ずに、電話や汎用ビデオチャットシステムを活用することも可能ですが、予約/問診/ビデオチャット/クレジット決 済/患者情報管理など、オンライン診療を実施する際の一連の流れをスムーズに実施出来るという点に専用 システムを活用することのメリットがあります。) CLINICSオンライン診療を活用したオンライン診療の流れ 1. 【患者】スマートフォンのアプリやパソコンからオンライン診療アプリCLINICSにアクセスし医療機関と診療メ ニューを選択する。

    2. 【患者】医療機関側が事前にオンライン診療の予約を許可した時間枠の中から予約を行う。保険診療の予 約を行う際には、必ず保険証の画像データをCLINICSアカウントにアップロードし、医療機関側が確認可 能な状況とする。 3. 【患者】予約完了後に事前問診機能を使って、医療機関に問診内容を送付する。 4. 【医療機関】医療機関側の管理画面に予約済の患者が表示されるので事前に問診票等を確認した上で患 者が予約した時間帯になったら、診察開始ボタンを押しビデオチャットを接続する。 5. 【患者】スマートフォンのアプリに医療機関側からのプッシュ通知が来るので、患者側がそれを受ける形で ビデオチャットによる診察が開始される。 6. 【患者&医療機関】ビデオチャットによる診察が行われる。 7. 【医療機関】診察完了後、レセコンで計算された患者負担金額をCLINICSオンライン診療上で入力すると、 患者が予め登録したクレジットカードカードへその金額がチャージされる。 8. 【医療機関】(処方が行われる場合)院内処方であれば、CLINICSオンライン診療の管理画面から患者の住 所を確認し、医療機関から患者に薬を直接送付。院外処方の場合は、上記4.の流れにそって医療機関か ら薬局に処方箋をFAX等で送付し、薬局の薬剤師が患者に「オンライン服薬指導」を行った上、患者宛に 薬を郵送する。 9. 【患者】医療機関または薬局から送付された薬を受け取る。 10
  6. CLINICSオンライン診療の活用事例  全国3,200以上の医療機関様(2024年3月時点)にオンライン診療システムCLINICSをご契約 いただいております。このセクションでは実際にオンライン診療を活用されているクリニック様の インタビューを下記の通りいくつかご紹介させていただきます。 1. 大林クリニック(栃木県) 2. ただともひろ胃腸科肛門科(埼玉県) 3. 外房こどもクリニック(千葉県)

    大林クリニック 頭痛外来とオンライン診療は相性抜群! 患者・クリニック双方にとってオンライン診療は有効   「必要最小限のお薬で頭痛に悩まされないようにする服薬の仕方、生活のリズムを患者さんと一緒にみつけ ていく」。栃木県宇都宮市にある大林クリニックの院長である大林克巳先生はこのような治療方針を掲げてい る。 12
  7. 大林クリニックでは、脳神経外科専門医・頭痛専門医として頭痛外来を中心に、生活習慣病の患者の診察も 行っており、遠方の患者なども気軽に通院を継続できるようにと、2016年11月よりCLINICSを導入したオンラ イン診療を開始している。 まるでネットで買い物をした時のようなユーザー体験を医療でも 「もともとパソコンを自作するくらいITに明るくインターネットの最新情報にも詳しい大林先生は、「医療でもイン ターネットが有効活用できればと、ずっと考えていました。」と語る。 また同時に「症状が安定した患者さんの診察は短時間で済んでしまうことがほとんどですが、通院するとなる と移動時間や待ち時間など多くの時間を割かざるを得ません。 医療の現場はそのような患者負担はある意 味当たり前とみなされており、なんとかこれを解消できないものかという思いがありました。」

    と語る。そんな時 に日本頭痛学会にメドレーが出展していたブースでオンライン診療に出会い、「まさにこれが探していたもの だ」と衝撃が走ったという。 CLINICSを活用し対面診察と同等のクオリティでオンライン診療を実現 大林クリニックが専門とする 頭痛外来はオンライン診療と非常に相性が良い。 MRIやCTでの検査が必要な 際は必ず来院しなければならないが、状態が安定していれば診察は頭痛ダイアリーを活用して問診を中心に 進んでいくからだ。大林クリニックではCLINICS上で頭痛外来を提供しており、大林先生からは「ビデオチャッ トでの診察については、患者さんの顔色や雰囲気などから、声だけでは気づけない頭痛治療に対する満足・ 不満足なども確認でき、文句のないクオリティーにまでになっています。実際に患者さんが来院してくれる時の ように、違和感のない診療が可能です。」というコメントをいただいている。 遠方の患者、多忙な患者から、次々に感謝の声が 遠方に住んでいる場合や長期休暇を利用しないと来院できない等の事情を抱えている患者にとって、オンラ イン診療を通じた頭痛外来は非常に重宝されているという。頭痛外来は定期的な通院が必要になるケースが 多いためだ。 「大林先生のところで診察を受けたいのだが、いつでもクリニックまで行くことができるわけではない。そんな時 にオンライン診療が使えるのはとても助かります。」 患者からはこのような声があがっているという。また、遠 方の患者ではなくても、診療やその後の会計、処方などの待ち時間が短縮することで、オンライン診療を活用 した患者の満足度は非常に高いものになっているという。 オンライン診療を今このタイミングで導入すべき理由 「2018年の診療報酬改定でオンライン診療がしっかりと評価されることが決まれば、オンライン診療に取り組 む医療機関の数は急増するでしょう。そうなると、各々のクリニック間の競争が激しくなることが予想されます。 そのため、 診療報酬が変わってから取り組むのでは遅く、いつでもオンライン診療に対応できるようにしておく 必要があり、 改定前からオンライン診療に取り組んでおくことで、さまざまな成功体験や失敗体験を積んでお くことはクリニックにとっても有益です。」 大林先生からは最後にそのような金言をいただいた。 13
  8. ただともひろ胃腸科肛門科 CLINICSを導入することで「医療の質の向上」を実感! 今後は実力があるドクターこそオンライン診療に取り組む時代へ   ただともひろ胃腸科肛門科は、無痛大腸内視鏡・経鼻胃内視鏡検査に強みを持つクリニックだ。院長の多田 智裕先生は東京大学卒業後、東京大学大腸肛門外科や東葛辻仲病院などで研鑽を積んだのち、開業。「世 界最高レベルの胃腸科・肛門科診療」を目指している。 実際に多田先生の腕を求めて遠方から来院する患者も多く、そのような患者の通院負担を少しでも減らすた めに、2016年8月よりCLINICSを導入し積極的にオンライン診療に取り組んでいる。 オンライン診療を取り入れることで「医療の質の向上」につながる

    一般的に、慢性期の患者の診察は数分とかからない。しかし、いざ通院するとなると移動時間や待ち時間な ど多くの時間を割かざるを得ない。オンライン診療を取り入れることで、そのような患者が感じる不便さを本質 的に解消することができる。実際にオンライン診療を受けた患者からは「これほどありがたいことはない。」と 喜びの声をもらうことがあるという。 「オンライン診療に取り組むことで、 患者さんの満足度と通院継続率を共に向上させ、『医療の質の向上』に つなげられる ということを確信しています。」多田先生はそのように語る。 14
  9. 患者の負担を最低限にし、最高の医療を広く届けるために 内視鏡検査を多数実施する同院では、その際の事前診察や検査結果の説明においてCLINICSを使ったオン ライン診療が積極的に活用されている。それらは 問診や口頭での説明となるため、オンライン診療との相性 が非常によく、患者の通院負担を大きく軽減することができる ようになる。 また医療機関としてもそのような患者を積極的にオンライン診療に促していくことで、クリニック全体の待ち時 間の軽減や、診療の最適化・効率化を実現できており、まさに患者・医療機関の双方が導入メリットを実感し ているという。 「患者さんとしては、数分間の診察のために半日を割くというのが何よりも負担です。今までこれは仕方のな

    い問題として患者さんも医療機関側も諦めていました。しかしCLINICSを導入することでその問題を根本的に 解決することができるようになりました。 患者さんからは『これなら続けて通える。』『次もぜひオンラインでお願いします。』といった声を多くいただいて おり、 オンライン診療が予想以上に患者さんに受け入れられている ということを実感しています。」 CLINICSは常に進化するシステム。優れた操作性でマニュアルいらず CLINICSのサポート体制については、「システムが更新されるたびに操作性が向上しており、ユーザーの声が システムにしっかりと反映されているのを感じる。また、そのように機能が豊富になる中でも、決して操作の簡 易さを損なわず、マニュアルなしでも十分に使えてしまうのは流石の一言。」と多田先生。 導入の際には担当コンサルタントから事務スタッフなどへの説明がしっかりとあり、「スムーズな導入と運用が 可能でとても感謝しています。」との言葉をいただいた。 実力があるドクターこそオンライン診療に取り組む時代へ 時代の流れを考えると 今後オンライン診療が普及していくのは誰が見ても明らか だと考えている多田先生。 「今後の診療報酬改定でしっかり評価されることになれば、オンライン診療は当たり前のものになっていきま す。そういった環境の中で自信を持って取り組むためには、ドクターとして明確な得意分野や感度を磨いてい く必要があると考えています。今後は実力がある医師のもとに遠隔地から患者が訪れるといった動きがより加 速していき、医療機関同士の競争はより激化していくと思います。」 ただ、それは「患者さんの視点でみると、結果として質の高い医療を受ける機会が増えるということで、そう いった意味での医療の質の向上にも寄与するインフラとなって来ることが予想できる。今後は、 実力のあるド クターこそオンライン診療に取り組む時代が必ず来る でしょう。」と話した。 15
  10. 外房こどもクリニック 患者の家族からは続々と喜びの声が! 新しい技術が地域医療に変革をもたらす可能性を感じCLINICSを導入   2005年に千葉県いすみ市で開業された外房こどもクリニックは、二次医療施設まで半径50kmという小児医療 の過疎地域にあり、黒木春郎院長を含む3名の常勤医師と数名の非常勤医師で、地域の子どもたちとその家 族の健康を支えている。 外房こどもクリニックには物理的、時間的に通院の困難な患者も多く通っており、そういった患者の通院負担 を軽減し、医療へのアクセスを高めるために、2016年6月よりCLINICSを導入。積極的にオンライン診療に取 り組んでいる。

    新しい技術が地域医療に変革をもたらす可能性を感じ、導入を決意 外房こどもクリニックでは、遠方から時間をかけて患者である子どもたちを連れてくる家族も多く、黒木先生は かねてよりこの通院に対するハードルをなんとか解消できないものかという課題を感じていた。 そんな中オンライン診療解禁のニュースと、メドレーからのCLINICSの案内を受け、問診と視診で診察が可能 な患者に対しては有意義なものになり得ると感じ、黒木先生はオンライン診療の導入を決める。黒木先生は 16
  11. 導入当時を振り返り、「 新しい技術が地域医療に大きな変革をもたらす可能性がある と直感で感じました。」 と語る。 患者の家族から喜びの声が、またオンライン診療ならではの新しい発見も 外房こどもクリニックでは、基本的には定期的な通院が必要な症状があり信頼関係が構築できている患者 に、対面診療と適切に組み合わせてオンライン診察を実施している。具体的な疾患の内容としては、重度心 身障害をはじめ慢性蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、発達障害、喘息といった定期的な服薬や検査が必要なもの が挙げられ、検査結果の説明や、毎月の経過観察と服薬指導などに活用しているという。 例えば重度心身障害の子どもを連れて通院することは、家族にとっても非常に負担が大きいものであるた

    め、そのようなケースでオンライン診療を体験した患者の家族からは喜びの声をもらうことが多いのだそうだ。 また オンライン診療を活用することで患者さんとの接触頻度があがるため、一度築いた信頼関係を維持しや すい という効果もあるようだ。 さらに、「診察室に来てもらう場合と、家庭にいる場合では患者さんの様子が少し違います。自宅にいる時は よりリラックスした、患者さん本来の姿を確認することができるので、こういったことも オンライン診療ならでは の新しい発見 です。」と黒木先生は話す。 オンライン診療に取り組んだからこそ見えてきた課題も 「オンライン診療を導入し、患者さんに案内してみて意外だったのは、必ずしも全員が『すぐにでもやりたい』と 飛びついてくるわけではない、ということです。実際には『先生のところに行きたい』、『スマートフォン等の操作 に慣れておらずあまりピンとこない』、『クレジットカードを持っていないのでやりたくでもできない』というように 患者さんの状況もさまざまで、それによってオンライン診療が受け入れられる状況も変わってきます。」と黒木 先生。 「 メドレーさんからはしっかりとした患者さん向けのマニュアルも提供してもらっています が、マニュアルがなく てもどんな人でも簡単に使うことのできるシステム、ここを目指してさらなるシステムの進化に期待したいで す。」黒木先生からはそのような言葉をいただいた。 今後の本格普及に向けて診療報酬面での評価は必須 「実際にオンライン診療を行ってみると、対面診療とは微妙に違う部分があると感じます。この微妙な違いが 医学的にどのような影響をもたらすのかというポイントについては今後の研究テーマとして取り組んでいきた い領域です。また、オンライン診療は、 患者さんには非常に大きなメリットがある ものですが、どうしても現時 点の診療報酬体系では医療機関側が積極的にオンライン診療に取り組む動機につながりにくい実情があり ます。政府として今後このオンライン診療を積極的に後押しするのであれば、診療報酬上の適切な評価が必 須になってくる。ここに関しては 2018年4月の診療報酬改定をしっかりと見極めていきたい ところですね。」と 黒木院長は語る。 17
  12. 参考資料 • 厚生労働省医政局医事課厚生労働省医薬・生活衛生局総務課発出事務連絡(令和2年4月10 日)「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限 的・特例的な取扱いについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf • 厚生労働省保険局医療課発出事務連絡(令和2年4月10日)「新型コロナウイルス感染症に係る 診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その10)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000620873.pdf

    • 厚生労働省 令和2年度診療報酬改定について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html • 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・ 病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」 https://www.primary-care.or.jp/imp_news/pdf/20200311.pdf • 令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項II(情報通信機器を用いた診療) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911810.pdf • 厚生労働省 オンライン診療の適切な実施に関する指針 平成30年3月(令和4年1月一部改訂) https://www.mhlw.go.jp/content/000889114.pdf • 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A 平成30年12月作成 (令和4年1月改訂) https://www.mhlw.go.jp/content/000903640.pdf • 一般社団法人⽇本医学会連合 オンライン診療の初診に関する提⾔ https://www.jmsf.or.jp/uploads/media/2021/06/20210603172150.pdf • 令和6年度診療報酬改定【全体概要版】 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238898.pdf 18