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エージェント時代の UIとAPI、CLI戦略
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coincheck
May 04, 2026
Technology
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エージェント時代の UIとAPI、CLI戦略
登壇者:コインチェック株式会社 執行役員CPO 澤村 周平
coincheck
May 04, 2026
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Transcript
エージェント時代の UIとAPI、CLI戦略 広げるべきは画面ではなく、チャネル ©2026 Coincheck Inc.
©2026 Coincheck Inc. “ プロダクトマネージャーに必要な素養とは?
©2026 Coincheck Inc. プロダクトマネージャーの仕事 技術 (デザイン・エンジニアリン グ) 法律・会計 マーケット (データ分析・Webマーケ)
異なる分野の専門性をインテグレートして、プロダクトという表現物をビジネス的成果に 仕上げることが仕事の1つです。
©2026 Coincheck Inc. 2010年代〜現在:専門分野が細分化されていく時代 2008年のiPhone 3G登場以降のモバイルシフト〜現代までは、モバイルアプリという面と デジタルマーケという武器を使っていかに既存産業を最適化するかという時代でした。 • 家計簿 •
銀行 • 金融取引 • アルバム • 地図 …etc
©2026 Coincheck Inc. 最適化時代の職能分化 その過程で様々な職業が生まれてきました。分業化は、各レイヤの職能的不確実性を吸収 し、ノウハウを職業領域で蓄積した上で、最適化をしていくには悪くない選択肢でした。 ユーザー (ユーザー企業) CS /
Sales PMM PdM Dev Designer Analyst …… 外部 内部
©2026 Coincheck Inc. 職能分化の功罪 ソフトウェア開発のいわゆるQCDを担保する、いわゆる”プロジェクトマネジメント”理論 は、内部生産性を高めますが、顧客不在の開発文化を生みやすい構造でもあります。
©2026 Coincheck Inc. 職能分化の功罪 分業が生んだ本当の問題は情報の断絶ではなく、越境しない文化。
©2026 Coincheck Inc. 職能分化はなぜ進行し、なぜ今それが最適ではないのか ゴールが大きく動かない時代には、そのゴールに向かって役割を分担し、各職能が専門性 を高めることがプロダクトの価値を高めることと強く相関していました。
©2026 Coincheck Inc. 現在起きていること:スマホから次のデバイスへのシフト 現在、「スマホの次」が現れようとしています。その本命はスマートグラスや音声操作と いった、より人間の脳に近いセンサー・出力装置(音声)を使ったデバイスでしょう。
©2026 Coincheck Inc. みんなスマホに疲れている 人間の情報処理能力は数万年前から変わっておらず、スマホ疲れに苦しんでいます。その ペインが、ポストスマホデバイスを生み出す原動力です。
©2026 Coincheck Inc. “ではUIは不要になるのか? 逆。より狭く、より深くなる。 チャネルが増えるからこそ、 残されたUIの面は少ない状態空間で深く磨き込む必要がある。 ただし、UIの本質的な複雑性を理解していなければ、この判断はできない。
©2026 Coincheck Inc. 狭く深いUI・UXとは何か 機能を全部並べるのが広く浅いUI・UXであり、必要な機能だけを必要な見せ方で、必要な 順番で提示するのが狭く深いUI・UXです。
©2026 Coincheck Inc. 狭く深いUI・UXが高コストな理由 「そのユーザーにだけそのタイミングで必要な情報」を狭い画面で実現することが、複数 の変数に依存する状態管理をUIに要求し、掛け算の爆発を生むためです。
©2026 Coincheck Inc. 広く浅いUIはなぜ低コストなのか 広く浅いUIがサービス提供サイドから見て低コストなのは、状態管理の責務をユーザーに 押し付けているからです。
”機能をたくさん詰め込んだアプリは使いにくい”の正体は、 状態管理の責務をユーザーに押し付けたアプリは認知コストが高い ということ ©2026 Coincheck Inc. “ では機能とは何か?
©2026 Coincheck Inc. 機能とは何か 入力が決まれば出力が決まる関数。それが「機能」。
©2026 Coincheck Inc. UIはなぜテストできないのか:入力の不確実性 テスタブルかどうかは、入力を列挙できるかどうかで決まる。 APIは列挙できる。UIはできない。
©2026 Coincheck Inc. UIはなぜテストできないのか:”正しい”出力の不確実性 出力の正しさの検証も、ユーザーを知らなければできない。
©2026 Coincheck Inc. 「正しいUI」を定義できるのは誰か テスタブルかどうかは、入力・出力を事前に明示的に定義し、入力に対する出力を検証で きるかどうかで決まる。APIは列挙できる。UIはできない。
©2026 Coincheck Inc. 自分たちのユーザーにとって「正しいUI」は何か すべてのセグメントにアプローチしようとすると、すべての人にとって微妙な体験ができ あがる。
©2026 Coincheck Inc. 自社チャネルは深く理解できる層に集中する 顧客セグメントを決めているのは、単にプロダクトの性質だけではなく、かなり複合的な 要素。ゆえに簡単に変えられない。
1 ©2026 Coincheck Inc.
©2026 Coincheck Inc. 2つの戦略と、その持続条件
©2026 Coincheck Inc. チャネルを独占する戦略
©2026 Coincheck Inc. チャネルを解放する戦略
©2026 Coincheck Inc. すでに巨大企業も動いている
©2026 Coincheck Inc. あなたのサービスのコアバリューはUIに宿っていますか?
©2026 Coincheck Inc. SaaSの価値は何になるのか
©2026 Coincheck Inc. エージェント時代のソフトウェアの3層構造
©2026 Coincheck Inc. 判断と単なるデータストアを区別する
©2026 Coincheck Inc. なぜ”信頼”が価値の源泉になるのか SaaSに課金する企業・その選定者には説明責任があり、説明性のうちの重要な要素を”継続 性”が占める。
©2026 Coincheck Inc. PdMが取るべき3つのアクション 01 複雑性を経営に翻訳する UI変更コストをコスト・リスク ・ディストリビューションやセ グメンテーション戦略に基づい て説明し、経営判断の精度を上
げる 02 1つの面で全部取らない 自社UIは旗艦店として磨き、残りは API・CLIで外部チャネルに展開する 03 APIをエージェント前提で 設計する CRUDではなく、判定・最適化・自動 化の知恵を外に出す設計にする
©2026 Coincheck Inc. 現在起きていること:スマホから次のデバイスへのシフト 現在、「スマホの次」が現れようとしています。その本命はスマートグラスや音声操作と いった、より人間の脳に近いセンサー・出力装置(音声)を使ったデバイスでしょう。
©2026 Coincheck Inc. 最適化時代の職能分化 その過程で様々な職業が生まれてきました。分業化は、各レイヤの職能的不確実性を吸収 し、ノウハウを職業領域で蓄積した上で、最適化をしていくには悪くない選択肢でした。 ユーザー (ユーザー企業) CS /
Sales PMM PdM Dev Designer Analyst …… 外部 内部 ユーザーに価値を届ける。
©2026 Coincheck Inc. “ プロダクトマネージャーに必要な素養とは? 自分が何者でもないことを受け入れられること
1 ©2026 Coincheck Inc. “ あなたは自身の職能を「道具」として持って いますか?「自分」として持っていますか?
2 ©2026 Coincheck Inc. 安定解周辺の変化への適応と、安定解そのものの変化への適応 ただしその悪くなさは、安定解周辺の変化への適応に対してのみ有効でした。
1 ©2026 Coincheck Inc. “見た目は小さな変更に見えるのに、なぜ時間がかかるのか? これはコミュニケーション不足ではなく、UI複雑性の認識ギャップである
UIは画面ではなく 状態空間の射影 UIを「関数」として理解する ©2026 Coincheck Inc.
2 ©2026 Coincheck Inc. UIが射影する多次元の状態空間
断層の解消 AIが変えたこと ©2026 Coincheck Inc.
3 ©2026 Coincheck Inc. デザイナーとエンジニアの「断層」 デザイナー:「面」を見る • レイアウト・色・タイポグラフィ • ユーザーの感情体験
• 完成形のビジョン エンジニア:「状態遷移」を見る • データフロー・イベント処理 • エッジケース・エラー状態 • 状態空間の全組み合わせ
経営判断への影響 UI複雑性を経営課題として扱えるか ©2026 Coincheck Inc.
4 ©2026 Coincheck Inc. ホーム画面は社内意思決定の化石 複雑性の指数的膨張 小さな変更に見える機能追加でも、状態 空間は指数関数的に膨張する。この無理 解が経営判断を歪める 均等分割
= 先送り 各部署の要望を均等に配置したホーム画 面は、優先順位決定の先送りそのもの PdMの真の仕事 散らかった画面はデザイン能力ではな く、組織の意思決定構造の問題。「何を 隠すか」を決めきること
UX向上の逆説 良いUXは密結合を増やすこと ©2026 Coincheck Inc.
5 ©2026 Coincheck Inc. 結合度とUXのトレードオフ
6 ©2026 Coincheck Inc. 強い体験は「狭い面」で作れる 逆説 広い万能画面ではなく、狭い面のほう が深く刺さる体験を生みやすい 証左 ChatGPT・Claudeはシンプルなチャッ
ト体験だけで世界を変えた 戦略 初期段階の狭さは未熟さではなく戦 略。強いUXは「何を捨てるか」で決ま る
プロダクトの流通戦略 自社UIは旗艦店、APIはフランチャイズ ©2026 Coincheck Inc.
7 ©2026 Coincheck Inc. UI・API・CLIの位置づけ 自社UI API CLI メタファー 旗艦店
フランチャイズ 開発者チャネル 対象 コアセグメント サードパーティ 開発者・エージェント 戦略 深く磨き込む 知恵を外に出す 自動化の入口 設計方針 密結合で体験最適化 疎結合で拡張性重視 コンポーザブル
8 ©2026 Coincheck Inc. 価値あるAPIが外に出す「知恵」
すべてのAPIは サブエージェントになる AI時代のディストリビューション ©2026 Coincheck Inc.
9 ©2026 Coincheck Inc. 3つのディストリビューションチャネル
良いUIとは、その調整を 逃げずにやり切った結果。 理論ではなく実行力が結果を決める。 澤村 周平 / @shuhei_sawamura