私たちが提供している金融系のサービスでは、既存動作を最大限に担保しながら品質を向上させることが強く求められます。サービス開始以来10年以上運用されているRailsアプリケーションはモノリシックな構造となっており、サイロ化による弊害が顕在化していました。例えば、複雑なロジックがアプリケーションの各所に散在していることが、品質向上の妨げとなっていました。
そうした背景の中で、複雑なロジックの共通化を行う際に、今後の改善に繋がるフレーム検討を行いました。検討の末、モジュラーモノリス構造を採用し、packwerk を使って段階的に移行を進めることとしました。結果として、無事故でリファクタリングを達成しています。
本セッションではサイロ化した金融システムをリファクタリングした事例を基に、安全な手段としてpackwerkを採用した経緯、packwerkだけでは防ぎきれない観点とその対策、現在検討している今後の展望についてお話ししたいと思います。
この資料は以下イベントで発表した内容です。
https://kaigionrails.org/2024/talks/cc-kusama/
発表者
Kota Kusama / https://github.com/cc-kusama
2022年にコインチェック株式会社に入社。2023年9月よりアプリケーション基盤グループのメンバーとして、共通部品のパッケージ化などの、各事業部の開発速度、品質、生産性の向上につながる基盤作りの仕事をしています。