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はじまりの クエスチョンブック —余暇と豊かさにあふれた社会とは?

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はじまりの クエスチョンブック —余暇と豊かさにあふれた社会とは?

「走り続ける社会」から「立ち止まれる社会」へ。便利や効率だけでなく、遊びや余白も享受できる「心の豊かさ」を探究するプロジェクト。そのはじまりの資料です。「クエスチョンブック」と名付け、さまざまな問いかけを散りばめました。みなさまと共に、この問いに向き合っていきたいと考えています。ぜひご覧いただき、この旅路にご一緒いただければと思っています。

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立ち止まれる社会 PRO

March 11, 2026

Other Decks in Research

Transcript

  1. この資料の読み方 2 本プロジェクトについて 6 Part 0. はじまりの問いかけ 8 Part 1.

    なぜ「豊かさ」は遠いのか 18 Part 2.「欠乏 OS」に飲み込まれないために 30 Part 3.「立ち止まれる社会」へのトランジション 47 4
  2. 私 たちは「余白」を 求 めているのに、 「豊かに 生きる」 って、何だろう? な ぜ、 「便

    利」や「効率」を 「欠乏」を前提に動く 追ってしまうのだろう? 社会システム(= 欠乏OS)に、 心当たりは ありませんか? みなさんにとっての 「豊かさ」とは どのようなもの ですか? 「豊かさ」を実 現する 社会に向けて、 私 たちがやるべきことは何 だろう? 私たちは、 「 便 利 」や「効率」から 遠ざかると 「豊かさ」を 感じる? か つ てなく便利な 時代、 生産 性 は 飛 躍 的に向上している。では、 「豊 かさ」を 感じる時間 が 毎日の中に なぜ、 「豊かさ」にあふれた 社会は もっとたくさん あっても 良いのでは? なかなか 訪 れないのだろう? 5
  3. 「立ち止まれる社会へのトランジション」と 名付 けたこのプロジェクトは、 JT(日本たばこ産業株式会社)内のコーポレート R & D 組 織である「D -

    L AB」から 生まれました。 D - L AB は、長期視点で、JT グル ープのまだ見ぬ「心の 豊かさ」の 研究・探索・創造を推進する組織です。 私たちは、歴史上かつてなく、経 済的・物質的に豊かな時代を生きています。 ですが、同時に、̶̶誰もが 何となく気づいている通り̶̶ 言葉でうまく言い表すことのできないような閉 塞 感を抱えています。 時代の要請か、 エシカル、サステナブル、ウェルビーイング、マインドフルネス、リジェネラティブ...。 さまざまなキーワードが 生まれ 、その閉塞感の解決に向かう人々も 増えています。 ですが、まだまだ 解決には 至りません。 そこで 私たちは、その 閉塞 感 の 根本的な原因を、 「アプリケーション」では なく「O S」に あると 仮定し、探求と実践を進めています。 J Tグループのパーパス「心の豊かさを、もっと。」を 体 現するために。 そして、その 豊かさ があふれた社会 を実 現するために。 7
  4. これまでの 取り組み 2025 年 春 自主的な探求スタート 2025 年 夏 トランジションデザインワークショップ

    2025 年 秋 京都フィールドワーク のぞましい未来へのステップ 1. Observe 観察 現状の「行動や状況が変わりづらい」 構造的要因を観察し、可視化する 2. Vision 想像 課題が解決された未来像を、共有ビジョンとして描く 3. Transform 変容 人々の行動が変わり、自分たちも変わるミクロなモデルを発見する 2025 年 冬 2026 年 2月 イベント 「余暇と豊かさにあふれた社会のデザイン」 メディア配信スタート、本資料 ver.1 公開 4. Transition 移行 変容をマクロに拡大し、持続させる戦略とストーリーを組み立てる 5. Align & Activate 始動 プランと目標を具体化し、ステークホルダーの賛同を得て始動する 10
  5. 「余白」を大 切にしたいと思っている私たち 非常にあてはまる ややあてはまる 成果や評価よりも心身の 安定を優先したい どちらともいえない あまりあてはまらない 29.4% 立ち止まる時間は自分に

    とって必要だと感じる 41.2% 24.8% もっと生活のペースを ゆっくりにしたい 24.7% 4.8% 3.1% 36.4% 18.0% 0.0% 22.3% 22.3% 4.3% 2.8% 42.7% 20.6% 自分や家族との時間を もっと増やしたい 全くあてはまらない 33.4% 25.0% 50.0% 27.8% 10.6% 4.5% 33.3% 9.3% 75.0% 6.0% 100.0% 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 15
  6. 豊かさ 豊かさのために必要な領域 「あったらうれしい」例)嗜好品・遊び =新しい OS が必要な領域 便利・効率 (膨張し続ける) 「なくてはならない」 例)最新の道具、流行のファッション

    これまでの社会が拡張し続けてきた領域 =欠乏 OS が生み出す領域 当たり前 (生きるための) 「なくてはならない」 例)衣・食・住 26
  7. 「なくてはならない」を作り続ける社会 時代区分 特徴的なキャッチコピー 消費者に持たせたい感情 1. 抑制期 欲しがりません勝つまでは ( 大政翼賛会ほか )

    昭和 17 年 我慢・抑制を美とする信念の構築 2. モノの獲得期 大きいことはいいことだ ( 森永製菓 ) 昭和 42 年 モノの豊かさへの直接的な渇望 3. 個性・質の追求期 違いがわかる男のゴールドブレンド ( ネッスル日本 ) 昭和 44 年 豊かさの中での個性・自己顕示欲 おいしい生活 ( 西武百貨店 ) 昭和 58 年 ライフスタイルへの憧れ・感性の消費 ほしいものが、ほしいわ(西武百貨店)平成元年 大衆消費からの脱却・本質的な欲望の追求 消費者に持たせたい感情 愛国心を高めることで、買わない・持たない ことを欲望させる。 欲望をストレートに肯定し消費を大きく加速 させる。 「違いがわかる自分」というアイデンティティ を売り、より高価な商品への切り替えを加速。 「幸福な生き方」という抽象的な欲望を刺激 し、その理想を具現化するためのあらゆる分 野の消費を広げる。 4. 成熟・内面回帰期 やがて、いのちに変わるもの ( ミツカン酢 ) 平成 16 年 健康・安全への不安と内面的な安心 私だけの特別な商品を求める、より複雑な消費 回路を開く。 消費を「未来の自分の身体への投資」へと変 換し、「健康になるための商品」への継続的 な購買を促す。 エコロジークラスでいきましょう ( シャープ ) 平成 17 年 環境への配慮を「社会的な善行」や「賢い 環境意識・社会貢献への倫理観 人」の証明として売り込み、結果的に、高性能 で高価な最新のエコ家電への買い替えを促す。 広告のキャッチフレーズ 110 年間の変遷 , 大脇錠ー(流通研究 18 号 , P101-P120)をもとに本プロジェクトで作図。 27
  8. いくら新しいアプリケーションを作っても、 OS を変えなければ、社 会は変わらない 制約 影響・ Fa s h i

    on 流行り・Follow・インフルエンス・情報 消費 ル ・ 働き 方 ・ア テ ンシ ョ ジ ネ ス モデ ン エ コノ e rce ビ ミー Co m m 社 会 制度 ・ 都 市環 境 ・ メ デ ィア プ ラ ットフ ォー ム t ruc t u r e I nf r a s 成 長 ・ 経 済 化 e c n ・ GD P Go v e r n a Culture 社会 OS・欠乏↔豊かさ 自 然 観 ・ 世 界 観 宗 教 ・ 科学 観 ) ( Nature 本能・大自然・季節 欠乏 OS 上で 動く無限ループ このレイヤーで活動を続けた場合、 「豊かさ」に向き合うための取り組みすらも 消費構 造(欠乏 OS)に 絡 め取られてしまう 「豊かさ」に 向かうために このレイヤーを 変えていく必 要 がある Brand Stewart, The Clock Of The Long Now: Time and Responsibility をもとに本プロジェクトで作図。 28
  9. 「立ち止まる」ことについての 印象は 、多くの 人にとってポジティブ 「立ち止まる」ことの印象に最も近いものを選択ください それ以外の人 立ち止まれている人 80.0% 70.6% 60.0%

    40.0% 39.2% 20.0% 18.2% 0.0% 6.2% 悪い (やや+非常にネガティブ) 良い (やや+非常にポジティブ) (リサーチタイトル、リサーチ日、リサーチ手法、N 数、要掲載) 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 38
  10. 多くの人 が、 「立ち止まる時間を必要としている」と回 答 立ち止まる時間は自分にとって必要だと感じる (やや+非常にあてはまる) 58.2% 20代 30代 25.7%

    67.0% 23.0% 68.4% 24.1% 年代 40代 実際に、立ち止まる時間が多い (ほぼ毎日+週2-3回) 50代 70.9% 22.3% 72.7% 60代 32.0% 67.0% 70歳以上 0% 48.5% 20% 40% 60% 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 39
  11. すでに立ち止まれている人は 、その時間に 対して 非常に満足している 過去1ヶ月の「立ち止まる/ペースをゆるめる」時間 多い 立ち止まれた 時間の満足度 高い (やや+非常に満足)

    それ以外 それ以外 (週に2回以上) (週に1回以下) 16.2% 20.8% 11.2% 51.8% N=2400 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 40
  12. 立ち止まれるかどうかを分けるのは時間不足と多忙 普段の生活の中で、以下の状況はどの程度あてはまりますか それ以外の人 立ち止まれている人 45.3% 物理的に時間が足りない 14.7% やること・情報が多く、 頭が休まらない 42.8%

    20.4% 31.1% 周りが忙しく、 自分だけペースを落としにくい 13.9% 32.4% 休むと仕事や評価に影響が出そう 17.3% 57.8% 収入や将来への不安がある 48.2% 忙しさを肯定する空気が 社会にあると感じる 42.2% 34.3% 0% 20% 40% 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 60% 41
  13. 立ち止まれる人を増やすことが 嗜好や遊びの市場の拡大に寄与する可能性 1 ヶ月で「自由に使えるお金」はどのくらいですか それ以外の人 60.0% 立ち止まれている人 直近 1 ヶ月で、日常の中で落ち着いたり、

    じっくり味わって過ごすための時間に関連する支出はどのくらいありましたか それ以外の人 59.8% 55.7% 60.0% 40.0% 40.0% 立ち止まれている人 59.1% 44.6% 29.4% 20.0% 20.0% 16.6% 6.1% 6.2% 0.0% 0〜3万円 10万円以上 0.0% 1000円未満 5000円以上 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 可処分所得は大きく変わらないが、嗜好への支出額に差が見られる 42
  14. 豊かさ OS あったらうれしい (遊び・余白・余暇) 「 なくては ならない」と「あったらうれしい」は、 どちらも必要な存在。 ただ、 「走り続ける

    社会」は 「 なくては ならない」に 偏り過ぎている。 欠乏OS なくてはならない (便利・安心・安全) 「立ち止まれる社会」を実現することで、 人それぞれ のタイミングで「なくてはならない」と 「あったらうれしい」の 行き来 することが できるのではないか。 43
  15. 「立ち止まれる 社会」に向 けて大切な のは、 「技 術 」だけでなく、 「文 化・価値観 」が

    変わっていくことなの では 技術的革新 文化的変容 Technological Cultural Breakthrough Breakthrough AI等の登場によって、 「技術的革 新」はすでに到来し、加速し続けている。 しかし、 「立ち止まれる社会」のためには、 「文化的変容」が必要。 「豊かさ」のために、いま、ここに向き合わなければ、失われてしまうかもしれない。 44
  16. ここまでの仮説のサマリーと、本プロジェクトで目指す変容 ⑤ 両輪が回る 「立ち止まれる社会」 技術 革新 ② 立ち止まる 機会の減少 ①

    技術革新の 強化 欠乏 OS ④ 豊かさ 豊かさOS の 文化 再発見 OS 変容 立ち止まれる 機会のデザイン ③ 文化変容の 促進 46
  17. 社会をトランジションさせるために越えるべき3つの壁(仮説 ) 個 人:同 調圧力とライフスタイルの壁 社会には「こうあるべき」という暗黙の基準が存在し、 多くの人がその基準に合わせて生きようとしてしまいます。 その結果、自分自身の価値観や本音の気持ちを押し殺し、社会の期待を内面化してしまうことが少なくありません。 企業・組織 :効率主義とワークスタイルの壁

    企業や組織では、成果を重視するあまり、 効率化で生まれた時間さえもさらなる成果を求める競争に吸収されてしまいます。 本来は余白や休息に充てられるはずの時間が成果圧力に取り込まれ、 働く人々の心身にゆとりが生まれにくい状況となっています。 社会 :経済偏重 な政策とルールの壁 社会は長らく経済成長を最優先とする政策やルールのもとで進んできました。 しかしその一方で、人々の暮らしや心の豊かさは軽視され、 数値的な成長があっても幸福感が高まらないという課題が残っています。 50
  18. トランジションの兆し 1: 可処分所得・職業に関わらず、「立ち止まれている人」は一定数現れている 現在の主な就業状態をお選びください 1 ヶ月で「自由に使えるお金」はどのくらいですか 立ち止まれている人 それ以外の人 立ち止まれている人 それ以外の人

    会社員・公務員(一般職) 〜1万円 会社員・公務員(管理職) 1〜3万円 自営業・フリーランス 3〜5万円 パート・アルバイト 5〜10万円 専業主婦(主夫) 10〜20万円 学生 20万円以上 無職(求職中を含む) 0% 25% 50% 75% 100% 0% 25% 50% 75% 100% 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 51
  19. トランジションの兆し 3: 個人としての本音と、周囲の希望のズレは少ない 自分は「もっと生活や仕事のペースをゆっくりにしたい」vs 周囲は「もっとゆっくりにしたい」と思っている 自分 周囲 会社員・公務員(一般職) 54.6% 46.5%

    会社員・公務員(管理職) 54.1% 41.2% 自営業・フリーランス 40.1% 50.4% 41.5% パート・アルバイト 42.4% 専業主婦(主夫) 38.5% 42.8% 48.9% 51.1% 学生 32.3% 32.6% 無職(求職中を含む) 0% 20% 40% 立ち止まれる社会に関する意識調査(2025年)、オンラインアンケート調査(定量調査)、N=2400 60% 53
  20. 58