プロダクトオペレーション マネージャー（POM）の仕事

"プロダクトオペレーションマネージャー"を略してPOM。
アメリカなどでは、求人も多く出されておりポピュラーな職種になりつつあります。

しかし、日本では馴染みがないPOMというポジションは、どんな仕事なのか。
　・どういった役割をするのか？
　・エン・ジャパンは、なぜPOM組織を作ったのか？
　・どんな仕事でどういった価値を生むのか？
といったことについて、
営業からの異動でスキルゼロの運用担当だった私が、
POMになるまでのプロセスを元にご紹介します。

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Transcript

1. "業務プロセスの設計"で事業成長を加速させる プロダクトオペレーション マネージャー（POM）の仕事 プロダクトオペレーションマネージャー：福永 大喜
2. 2 海外では一般的なPOM 海外では、求人も多く専門性が確立されたポジション TikTok Uber Netflix stripe プロダクトオペレーションマネージャー（POM）
3. 3 今日お伝えしたいこと POMというポジションはどんな仕事なのか。 ・どういった役割をするのか？ ・エン・ジャパンは、なぜPOM組織を作ったのか？ ・どんな仕事でどういった価値を生むのか？
4. 4 FUKUNAGA DAIKI 福永 大喜 デジタルプロダクト開発本部 プロダクトオペレーションマネージャー 新卒でエン・ジャパンに入社 名古屋・東京で営業を経験 社内公募で異動 プロダクト開発の キャリアスタート POM組織の立ち上げ マネージャーとして POM組織の職域を拡大中 経歴 2015年 2018年 2021年 現在
5. 5 プロダクトオペレーションマネージャー （POM）とはなにか。
6. 6 エン・ジャパンにおけるPOMの定義 プロダクトオペレーションマネージャー（POM） 広義のプロダクトの視点で、 デジタル×人で行なう業務プロセスを設計して ユーザー体験を良くする人
7. 7 PMとPOMの違い POM PM 目的・責任 アプローチ先 主な施策 ユーザー体験の向上 機能 業務プロセス （デジタル×人） ソフトウェア 開発 オペレーションの設計 ＋補助ツールの作成
8. 8 POMの仕事の領域 プロダクト開発チーム プロダクト戦略立案 機能検討 開発ディレクション ユーザーサポート コンテンツ作成 運用業務 認知拡大 会員獲得 運用・保守 開発 マーケティング デジタルと人が 共存しやすい領域
9. 9 POMの仕事の領域 エン・ジャパンのプロダクト開発チーム プロダクト戦略立案 機能検討 開発ディレクション ユーザーサポート コンテンツ作成 運用業務 認知拡大 会員獲得 運用・保守 開発 マーケティング PMM PM POM
10. 10 POM導入後のエン・ジャパンの変化 売上規模： 3.7倍 取扱い求人数： 1.8倍 （約 280万求人増加） 求人の掲載待ち時間： 70％ 減少 売上対比運用コスト： 10%以上 減少 プロダクト・事業の成長 ※2021年→2024年比較
11. 11 エン・ジャパンは、 なぜPOM組織を作ったのか？
12. 12 プロダクト開発チームの問題意識 運用担当のCareerがない問題
13. 13 POM導入前の開発体制 プロダクト戦略立案 機能検討 開発ディレクション ユーザーサポート コンテンツ作成 運用業務 認知拡大 会員獲得 運用・保守 開発 マーケティング PMM PM PdM ？？？ 人気が得にくい役割 担当者が固定され属人化
14. 14 POM導入前の開発体制 プロダクト戦略立案 機能検討 開発ディレクション ユーザーサポート コンテンツ作成 運用業務 認知拡大 会員獲得 運用・保守 開発 マーケティング PMM PM PdM ？？？ ポジション数は限りがある やることが幅広く育成難しい
15. 15 POM導入前の開発体制 プロダクト戦略立案 機能検討 開発ディレクション ユーザーサポート コンテンツ作成 運用業務 認知拡大 会員獲得 運用・保守 開発 マーケティング PMM PM 専門スキル0の自分 世の中に役に立つ プロダクトつくりたい！ 定型業務化・OS化
16. 16 プロダクト開発チームの問題意識 自分の仕事は、 どうユーザーに影響を 与えているのだろうか…。 運用の仕事に 慣れてきた私 未経験から遅れてスタートした自分が 開発の仕事を勝ち取って PdMになるのは難しいのでは…。 「運用担当」がプロダクトやユーザーへ貢献実感を ガンガンに感じられるキャリアを作ろう！
17. 17 POMの仕事と成長過程 ～ 事例 エンゲージ ～
18. 18 運用担当者からPOMまでの道のり 運用担当 POM 1. 属人化の闇 2. 人による運用回避の誘惑 3. 鉄壁の守り病 4. 林を見て、森を見ず プロダクトオペレーションマネージャー（POM） 広義のプロダクトの視点で、 デジタル×人力で行なう業務プロセスを設計してユーザー体験を良くする人。
19. 19 前提：エンゲージについて 利用社数： 60万社 公開求人数： 165万件 求職者数： 374万人 全国で多様な雇用形態の求人のマッチングを生む 採用プラットフォーム サイト規模 CS ↓ ココが題材 ↓ ※2024年3月時点
20. 20 第1の壁：属人化の闇 まずは、業務プロセスの管理ができるように。 マニュアル 業務フロー図 を作成 ↓ 情報の流れに注目して ムダのないプロセスに 組み立て直す アクション 武器 成果 ビジネスフレームワーク QCDF ／ ECRS ／ 業務フロー図など 正確なプロセス管理 仕事の流動性向上 アカウント 審査 求人 審査 求人 作成 有料 審査 掲載 アカウント 審査 求人審査 (有料審査含) 求人 作成 掲載 O K の み Before After
21. 21 第2の壁：人による運用回避の誘惑 つぎに、デジタルを組み入れて改良する。 補助ツールを活用して 業務の自動化を行なうなど、 デジタル×人の オペレーションを最適化する アクション 武器 成果 ローコードツール PowerAutomate ／ kintone Office365 ／ GAS ／ Python など 業務の品質向上 コスト削減 審査対象を抽出 求人審査フロー 対応者に共有 対象画面を開く 審査項目1 審査項目2 審査項目3 NG理由を登録 ⋮ 審査結果を登録 Pythonで自動化 JSで自動判定 1件あたりの審査時間を、30％以上削減
22. 22 第3の壁：鉄壁の守り病 さらに、成果指標をユーザー体験に影響するものに！ 業務の先にいる ユーザーの解像度を上げて どんな体験を提供したいか 考えてKPIを設定し オペレーションを最適化する アクション 武器 成果 ユーザーファースト主義 ユーザー体験の変化 プロダクトKPIへの影響 KPI Before After 1件あたり審査工数 掲載までの待ち時間 KPI 審査結果と NG項目のみ 通知 審査結果と NG項目に加えて 該当箇所を 通知
23. 23 第4の壁：林を見て、森を見ず ソフトウェア カスタマーサポート コンテンツ制作 マーケティング 営業 広義のプロダクト 狭義のプロダクト サイト運用 さいごに、担当に囚われず理想を求める！ 担当領域をはみ出して デジタル×人の オペレーション最適化が 必要なプロセスを見つけ 改善する アクション 武器 成果 広義のプロダクト視点 大きな ユーザー体験の変化
24. 24 POMに進化後の仕事 AIをオペレーションに組み込むプログラムをPythonで自作 → 求人掲載待ち時間を1／3に短縮 & 年間数千時間の業務削減 スピード 早 スピード 遅 インパクト 大 インパクト 小 システム 開発 手動 オペレーション マネジメント コスト 低 コスト 高 変化 易 変化 難 システム 開発 オペレーション マネジメント 手動 POM
25. 25 POM導入のメリット ユーザー体験の向上に有効な手段が ソフトウェア開発以外も増える 運用の品質・コスト改善が進む 変化への対応スピードが上がる 対 プロダクト・事業 対 組織 運用担当のキャリアを示せる PMの育成難易度が下がる
26. 26 導入期～成長初期（0 → 1～5） POMのアンチケース 0→1フェーズでは、活躍タイミングが少ない スピード 早 スピード 遅 インパクト 大 インパクト 小 ソフトウェア 開発 人的 リソース 投下 コスト 低 コスト 高 変化 易 変化 難 ソフトウェア 開発 人的 リソース 投下 成長中期～ スピード 早 スピード 遅 インパクト 大 インパクト 小 ソフトウェア 開発 人的 リソース 投下 オペレーション マネジメント コスト 低 コスト 高 変化 易 変化 難 ソフトウェア 開発 オペレーション マネジメント 人的 リソース 投下
27. 27 POMの仕事まとめ プロダクトオペレーションマネージャー（POM） 広義のプロダクトの視点で、 デジタル×人力で行なう業務プロセスを設計してユーザー体験を良くする人。 運用担当→POMになるための4つの壁と武器 1. 属人化の闇 2. 人による運用回避の誘惑 3. 鉄壁の守り病 4. 林を見て、森を見ず 1. 業務プロセスの可視化 2. ローコードツール 3. ユーザーファースト主義 4. 広義のプロダクト視点 POM PM 目的・責任 アプローチ先 主な施策 ユーザー体験の向上 機能 業務プロセス （デジタル×人） ソフトウェア 開発 オペレーションの設計 ＋補助ツールの作成 壁 突破するための武器
28. ご清聴ありがとうございました