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歯科電子カルテシステム:その本質と法的要件

 歯科電子カルテシステム:その本質と法的要件

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  1. はじめに 2 ©MEDLEY, INC. この度は本資料をダウンロードいただき、誠にありがとうございます。 近年、⻭科領域でも「電⼦カルテ」という⾔葉を⽿にする機会が増える⼀⽅で、「そもそも電⼦カルテとは何か」 「紙カルテやレセコンと何が違うのか」といった基本的な仕組みや法的要件について、正しく理解する機会が少ない というお声を多数いただいておりました。そうしたご相談やご質問を受け、本資料の作成に⾄りました。 本ホワイトペーパーは、⻭科医院における「電⼦カルテ」の定義や法的要件、構造‧機能、さらには国の医療DX政 策との関係性までを、体系的に整理したものです。

    「電⼦カルテを導⼊すべきか迷っている」「法的な要件に対応できているか不安」「医療DXが⻭科にどう関わるのか 知りたい」⸺そういったお声にお応えすべく、医療情報の根幹をなす電⼦カルテについて、様々な観点から網羅的 にまとめております。 本資料が、電⼦カルテに関する正しい理解と、将来を⾒据えた医院運営の⼀助となれば幸いです。 なお、本資料は公開情報や公的ガイドライン等に基づき作成しておりますが、法令や制度の詳細な解釈については、 必ず関係省庁‧各種ガイドラインをご確認いただくようお願いいたします。
  2. ©2025 MEDLEY, INC. ⽬次 3 1. 電⼦カルテの「定義」と「法的要件」 2. 電⼦カルテの「構造」と「機能」 3.

    責任の所在とガイドライン準拠 4. 正しい運⽤管理規定とはなにか 5. 国の⽬指す未来像「医療DX令和ビジョン2030」と電⼦カルテ 6. クラウド⻭科業務⽀援システム「Dentis」について
  3. ©2025 MEDLEY, INC. 電⼦カルテの「定義」と「法的要件」 5 電⼦カルテは厚⽣労働省のガイドラインに基づき、いつ、誰が、何を記録したかが明確に証明され、後から不正な改ざんができな い仕組みを持っています。 ⼀般的な誤解 ‧カルテ1号‧2号紙の形に印刷できるワープロソフト ‧レセプトコンピューターに付随する機能の延⻑線

    ‧ワープロの⽬的は「⽂書作成」 ‧⾃由に内容を上書き‧削除可能 ‧記憶の責任の所在が曖昧 ‧法的要件を満たす仕組みはない 電⼦カルテ ‧法的効⼒を持つ電⼦的に作成‧保存された診療録 ‧医療情報システムの中核を担う ‧電⼦カルテの⽬的は「診療⾏為の記録」 ‧医師法‧⻭科医師法で定められた「診療録」 ‧記録者と記録時間が明確に証明される ‧変更履歴が全て保存されている 電⼦カルテとは「法的効⼒を持つ、電⼦的に作成‧保存された診療録」を指します。
  4. ©2025 MEDLEY, INC. 法的効⼒の根幹をなす「電⼦保存の三原則」 6 真正性(Authenticity) ‧記録された情報に、故意‧過失による虚 偽の⼊⼒、書き換え、消去などがなされて いないことを保証する仕組みです。 ‧利⽤者識別:

    スタッフ⼀⼈ひとりに固有 のIDとパスワードを発⾏し、「誰が」操作 したかを明確にします。 ‧タイムスタンプ: 「いつ」操作が⾏われ たかを、システムが⾃動的に記録します。 ‧変更履歴の保存: ⼀度確定した記録は削 除できず、すべての修正‧追記が履歴として 保存され、改ざんを防ぎます。*1 ⾒読性(Readability) ‧保存された情報を、必要に応じて、⼈の ⽬で⾒て明瞭に理解できる形で表⽰‧印刷 できることを保証する仕組みです。 ‧PCやタブレットの画⾯上で、常にカルテ 情報をクリアに表⽰できること。 ‧「電⼦媒体に保存された内容を、「診 療」、「患者への説明」、「監査」、「訴 訟」等の要求に応じて、それぞれの⽬的に 対し⽀障のない応答時間やスループット、操 作⽅法で、⾁眼で⾒読可能な状態にできる こと」*2 保存性(Integrity) ‧法律で定められた期間、記録情報が消失 ‧破損なく安全に保護‧保管されることを 保証する仕組みです。 ‧データセンターや院内サーバーへの定期 的な⾃動バックアップ。 ‧不正アクセスやウイルスからデータを守 るための、厳重なセキュリティ対策。 *1 操作記録の取得は、医療機関の利⽤者だけが対象ではありません。例えば「Dentis」では、システムを運営している内部の管理者であっても、そ の操作記録はすべてログとして取得されており、内部の⼈間によって秘密裏に不正な書き換えを実⾏することも困難な仕組みになっています。 *2 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版」に関するQ&A (https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001145860.pdf)のP13をご確認ください。また個別指導の際には1号‧2号⽤紙での持参を求められ ますが、原本は電⼦保存されたデータであり、印刷を⾏ったデータは「電⼦保存されたデータのコピー」となります。個別指導の際に技官が読み慣 れた形に出⼒する機能となります。
  5. ©2025 MEDLEY, INC. 情報の構造:本質的な違い 8 紙カルテ:「書類の束(ファイル)」 情報は時系列に沿って物理的に綴じられているだけで、そ れぞれの情報(所⾒、処置、検査結果など)の関連性は希 薄です。 電⼦カルテ

    所⾒、処置、投薬、レントゲン画像、検査結果、会計情報 といった情報が個別の「データ」として構造的に格納さ れ、互いに関連付けられています。 この「データベース」という構造が、紙カルテでは実現不可能な 電⼦カルテならではの価値を⽣み出します。 「紙に印刷不要でペーパーレスに運⽤が可能」というのは電⼦カルテの⼀⾯にすぎません。 ペーパーレス化と違う最⼤の理由は情報の構造です。
  6. ©2025 MEDLEY, INC. データベースだからできること 9 情報の連携と⼀元管理 ‧電⼦カルテ(データベース)をハブとして、院内のあらゆる情報が有機的に 連携します。 ‧すべてが⼀⼈の患者データに紐づいて⼀元管理され、情報の転記ミスがなく なり、業務効率が向上します。

    ⾼度な情報の検索‧抽出 ‧データが構造化されているため、複雑な条件での検索や抽出が可能です。 ‧様々な条件でのデータの抽出‧分析は、医院の経営改善や臨床研究、学会発 表など、医療の質向上の強⼒な武器となります。
  7. ©2025 MEDLEY, INC. 責任分界点とは 電⼦カルテの運⽤は、例えるなら⼆⼈三脚です。ベンダーと医療機関、どちらか⼀⽅の⾜が⽌まれば、前に 進むことはできません。この両者の責任範囲の境界線のことを、「責任分界点」と呼びます。 ベンダーの責務 システムの「要件」を満たすこと 医療機関の責務 運⽤の「遵守」を⾏うこと

    「器」と「使い⽅」2つの責任が揃って初めて真価を発揮します ベンダーは、厚⽣労働省、総務省、経済産業省 が作成しているガイドラインという国のルール ブックに則り、安全で信頼できる「器」を提供 する責任があります 医療機関側には、ベンダーが提供した「器」 を、厚⽣労働省のガイドラインに沿って、院内で 定めたルールに従って、⽇々正しく利⽤し、管理 していく責任があります。
  8. ©2025 MEDLEY, INC. 医療機関とベンダーの責任分界点 14 ベンダーは「システムの提供責任」、 医療機関は「システムの運⽤責任」をそれぞれ持ちながら協働して安全管理を⾏う 電⼦カルテの安全な運⽤は、医療機関とベンダーの協働によって成り⽴ちます。厚⽣労働省のQ&Aでも、その責任の所在が明確に⽰されてい ます。(厚⽣労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第

    6.0 版」に関するQ&A) Q:このガイドラインは医療機関だけが読めばよいのか? A:情報システムの管理上の⼀次的な責任は医療機関側にあります。しかし、システムの安全管理は、医療機関とベンダーが協働して初めて 達成されるものです。そのため、ベンダー側もこのガイドラインをよく理解し、医療機関と協⼒して安全な運⽤を果たすことが求められま す。 Q:クラウド型電⼦カルテに認定制度はあるか?業者はどう選べばよいか? A:認定制度は存在しません。 業者を選定する際は、ベンダー向けのガイドライン(総務省‧経済産業省策定)に準拠していることを事業者 ⾃⾝に確認させ、その旨を契約書に盛り込むことが重要です。そして、そのサービスを利⽤した⾃院の運⽤が、厚⽣労働省のガイドラインに 準拠していることを、医療機関⾃らが確認する必要があります。
  9. ©2025 MEDLEY, INC. 医療機関の責務 = 正しい「器」の使い⽅ 医療機関側が担うべき「正しい器の使い⽅」とは⼤きく分けて5つのカテゴリに分類できます。 ルール策定と⽂書化 電⼦カルテ運⽤ルールを定め、それを全員がいつでも確認できる形にすること システム‧環境管理

    電⼦カルテを動かすための院内の端末やネットワーク環境を健全に保つこと ID‧パスワード管理 「誰が記録したか」を証明するための最も重要な鍵を管理すること ⽇常のカルテ⼊⼒‧修正 ⽇々の業務の中で、定められた⼿順を遵守して正確な記録を残すこと スタッフ教育と監督 全スタッフにルール浸透させ、それが守られているか継続的に確認すること
  10. ©2025 MEDLEY, INC. ユースケース:個別指導 個別指導で担当技官が質問します。 「このカルテの変更履歴はどこにありますか。誰が変更したのですか?」 ▪ NG対応例 院⻑:「誰かが⼊⼒したとは思うのですが…。当院ではIDとパスワードを⼀つにしているので、誰が操作したかまでは分 かりません。履歴はどこかにあると思います…。」

    これでは、「真正性」の⽋如を⾃ら認めているようなものです。最悪の場合、カルテ記録全体の信頼性が疑われかねませ ん。 ▪ 医療機関が果たすべき対応例 院⻑:「はい、この追記は、7⽉14⽇⾦曜⽇の15時30分に、⻭科医師の『鈴⽊』の個⼈IDでログインし、⾏われた記録で す。紙での印刷には出⼒されませんが、変更履歴は全て電⼦カルテの記録に完全に残っております。」 このように、根拠(ログ等)を⽰して、堂々と回答することが求められます。これが、医療機関が果たすべき「説明責 任」です。 【責任分界点のまとめ】 • ベンダーの責務: 変更履歴や操作ログを正確に記録‧表⽰できる機能を提供した。 • 医療機関の責務: IDの個別管理を徹底し、そのログを⽤いて説明責任を果たした。
  11. ©2025 MEDLEY, INC. ユースケース:システム障害‧災害 電⼦カルテは電気とネットワークで動く以上、システム障害や停電、災害などで使えなくなるリスクは ゼロではありません。院内のネットワークが突然ダウンした場⾯を想像してください。 ▪ NG対応例 受付:「院⻑、⼤変です!カルテが⾒られません!予約も会計も全部ストップです!」 院⻑:「何をやっているんだ!すぐにベンダーに電話して、なんとかさせろ!」

    ▪ 医療機関が果たすべき対応例 受付:「院⻑、ネットワーク障害が発⽣しました。マニュアルに従い、緊急⽤の代替紙カルテに切り替えます。」 院⻑:「よし、頼んだ。私はベンダーに状況を確認し、復旧⾒込みを把握する。復旧後のデータ⼊⼒⼿順も、マニュアル を再確認しておいてくれ。」 このように、有事を想定した事業継続計画(BCP)*1 を準備し、訓練しておくことが極めて重要です。 【責任分界点のまとめ】 • ベンダーの責務: 障害の原因を特定し、システムの復旧に全⼒を尽くす責任。 • 医療機関の責務: システムが使えない間の業務継続計画を策定し、訓練しておく責任。 *1 事業継続計画(BCP)とは⾃然災害などの緊急事態に遭遇した場合でも、損害を最⼩限に抑えつつ、中核となる事業を継続または早期に復旧させるた めの計画です。平常時に⾏うべき活動や、緊急時の事業継続⽅法、⼿段などを定めます。
  12. ©2025 MEDLEY, INC. まとめ:電⼦カルテは「共同責任」で成り⽴つ 電⼦カルテは、導⼊するだけで医院を守ってくれるものではありません。 ベンダーの責務 システムの「要件」を満たすこと 医療機関の責務 運⽤の「遵守」を⾏うこと 法的要件を満たした「システム」という強固な

    エンジンを提供する ⽇々の厳格な「運⽤遵守」という確かなハンド ル操作を⾏う ベンダーと医療機関の「共同責任」が両輪となって電⼦カルテは運⽤されます。それぞれの責務においてルールを策定‧遵守 し、そして有事の際には説明責任を果たすことが電⼦カルテの真価を発揮することになります。 運⽤遵守にあたっては各医療機関様で「運⽤管理規定」等を定め普段からスタッフ全員で共有しておくことが重要です。 では、正しい運⽤管理規定はどのように作成すべきでしょうか?
  13. ©2025 MEDLEY, INC. 医療機関様が定めるべき規程について 厚⽣労働省のガイドラインにおいて、医療機関が医療情報システムの安全管理に関して定める各種⽅針等を実 現するために必要な規程等の整備を求められています。 ‧医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版 企画管理編[Management]

    -P20 ‧組織規程 ‧個⼈情報保護規程 ‧運⽤管理規程 ‧⼈事‧権限規程(認証との関係で対応) 必要な規定 組織の⽅針に応じ対応する規程 ‧情報管理に関する規程 ‧資産管理に関する規程 ‧監査に関する規程 作成するだけでなく、整備を⾏った規程については、関係者に対して周知を図ることが必要です。
  14. ©2025 MEDLEY, INC. 「雛形」と「医院のルール」の決定的な違い 弊社で雛形として提供している「電⼦カルテ運⽤管理規定」。これは、厚⽣労働省のガイドラインに基づいた 「雛形」ですが、そのままでは価値がありません。雛形を医院のルールにする必要があります。 雛形(サンプル)とは? 法律やガイドラインの要件を網羅した「⾒本」 医院のルールとは? 実情に合わせて具体的に内容を決定したもの

    「〇〇を定めること」「××を⾏うこと」と、 やるべきこと(ToDo)が書かれています 「院⻑は◯◯とする」「××は毎週⽉曜⽇に⾏ う」と、誰が、いつ、何を、どうやるかまでを定 めます ベンダーが提供できるのは、あくまで「雛形」までです。その雛形を、⾃院だけの具体的な「医院のルール」 に作り上げる「策定の責任」は、医療機関様にあります。次のページから場⾯をもとに、雛形をもとに医院の ルール作成することの必要性を解説します。
  15. ©2025 MEDLEY, INC. ケース①:管理体制「責任者は誰ですか?」 場⾯:ある⽇、利⽤しているパソコンにセキュリティアラートが表⽰された。受付スタッフは、誰に判断を仰 げばよいか分からず、対応が遅れてしまった。 雛形では 第1-2「当院に運⽤責任者、個⼈情報保護責任者及びシステ ム管理者を置き、院⻑がその任に当たる。」としている 雛形のままでは

    院⻑がすべての責任者を兼務していることは多いですが、 「個⼈情報開⽰の判断」といった具体的な業務の担当者 や、院⻑不在時の代理権者が明確にされていません。結 果、スタッフは「院⻑にしか聞けない」と考え、対応が 滞ってしまいます。 医療機関の「策定‧遵守」責任 【策定の責任】雛形を基に、「当院のシステム管理者は院⻑とする。ただし、⼀次対応と判断は、事務⻑の〇〇が⾏う。〇〇が不在の場合 は、A医師がその任を代⾏する」というように、具体的な担当者と代理権者を指名し、⽂書化します。 【遵守の責任】そのルールを全スタッフに周知し、誰かが「これ、誰に聞けばいいんだっけ?」と迷うことがない状態を維持します。
  16. ©2025 MEDLEY, INC. ケース②:情報の持ち出し「そのPC、持ち出して⼤丈夫?」 場⾯:B医師が、カンファレンスの準備のため、患者の医療情報の⼊ったノートPCをカフェに持ち出し、作業 中に置き引きに遭ってしまった。 雛形では 第1-6「持ち出し対象となる情報若しくは情報機器を規定」 「持ち出す場合は…承認を得ること」「個⼈保有…の機器 の業務利⽤(BYOD)は…安全管理措置を講じること」と定め

    られています。 雛形のままでは 「持ち出し対象」「安全管理措置」の具体的な中⾝が何も 決まっていません。結果、スタッフは個⼈の判断で情報を 持ち出し、紛失‧盗難時の対応も分からず、報告が遅れ、 被害が拡⼤します。 医療機関の「策定‧遵守」責任 【策定の責任】「患者情報等の機密情報の持ち出しは原則禁⽌。例外として、院⻑が許可した暗号化済みのUSBメモリのみ可」など、明確な ルールを策定します。 【遵守の責任】このルールを全スタッフに徹底させ、「ちょっとだけだから」という例外を認めない⽂化を醸成します。
  17. ©2025 MEDLEY, INC. ケース③:真正性の確保「その⼊⼒、誰が責任を持ちますか?」 場⾯:診療が⽴て込み、C医師が⻭科衛⽣⼠に「この病名で、この薬を5⽇分出しておいて」と⼝頭で指⽰。衛 ⽣⼠はC医師のIDでログインし、カルテ⼊⼒と処⽅オーダを代⾏した。 。 雛形では 「代⾏⼊⼒の場合には、必ず確認を⾏なった上で、確定を 実施する。なお、代⾏⼊⼒者ごとにIDを発⾏し、そのIDで

    アクセスし、ログを残すこと。」と定められています。 雛形のままでは ルールを知っていても、多忙を理由に「今回だけは仕⽅な い」と、他⼈のIDでの代理⼊⼒(なりすまし)が横⾏する 可能性があります。これでは、万が⼀ミスがあった場合に 誰の責任なのかを、ログから追跡することができません。 医療機関の「策定‧遵守」責任 【策定の責任】「代⾏⼊⼒は、必ず⼊⼒者⾃⾝のIDで⾏う」「代⾏⼊⼒後、指⽰した医師は内容を確認し、⾃⾝のIDで確定作業を⾏う」な ど、具体的で実践可能な⼿順を定めます。 【遵守の責任】他⼈のIDでのログインが重⼤な規定違反であることを繰り返し教育するなど監督責任を果たします。
  18. ©2025 MEDLEY, INC. ケース④:⾮常時の対策「もしも、カルテが⾒られなくなったら?」 場⾯:⼤規模な停電と通信障害が発⽣。クラウド型の電⼦カルテにアクセスできなくなり、予約患者の来院時 間も、前回の治療内容も分からず、院内はパニックになった。 。 雛形では 第1-8「事業継続計画(BCP)に従って運⽤を⾏うこと」「ど のような状態を⾮常時とみなすかについては、運⽤責任者

    が判断すること」と定められています。 雛形のままでは 「BCPに従う」と書かれていても、その肝⼼のBCP⾃体が策 定されていません。結果、何が「⾮常時」なのかの判断基 準もなく、誰が指⽰を出すのかも分からず、スタッフは右 往左往するだけになります。 医療機関の「策定‧遵守」責任 【策定の責任】「震度5以上の地震、1時間以上の停電」などを⾮常時と定義し、その際の⾏動計画(BCP)を⽂書で策定します。「緊急⽤ の紙カルテと筆記⽤具の保管場所を決めておく」など、具体的なアクションプランを定めます。 【遵守の責任】策定したBCPを基に、年1回は防災訓練をするなど訓練を通じて、「もしも」の時に何をすべきかを体で覚えている状態にし ます。
  19. ©2025 MEDLEY, INC. 規定を「医院の⽂化」に昇華させるためのステップ 1. 現状分析 まず、現在の院内のシステム運⽤状況と⼈員体制を客観的に分析します。「誰が何をどのように⾏っているか」を正確に把握す ることが出発点です。 2.ルールの具体化 雛形の各項⽬について、「当院では誰が‧いつ‧どのように実施するか」を明記した具体的なルールを策定します。特に責任者

    と代理者、判断基準を明確にします。 3.全員への周知と教育 策定したルールを全スタッフに周知し、なぜそのルールが必要なのかを理解してもらいます。定期的な研修を通じて、知識を更 新します。 4.定期的な⾒直しと改善 運⽤してみて不具合があれば、速やかにルールを⾒直します。また、法改正やシステム更新の際にも、規定を更新します。最低 でも年1回は内容を再確認しましょう。
  20. ©2025 MEDLEY, INC. 雛形から「医院の盾」へ 「運⽤管理規定」は、ベンダーから渡される書類ではありません。⾃院の実情に合わせ た具体的なルールへと作り上げ、それを全員が実践することで初めて、医院を守る「⽣き た盾」となります。 策定の責任 ⾃院の実情に合わせて、具体的なルール へと作り上げる責任は医療機関側にあり

    ます。曖昧さを排除し、誰が‧いつ‧何 を‧どうするかを明確にしましょう。 遵守の責任 策定したルールを、スタッフ全員が理解 し、実践し続ける⽂化を醸成することが 重要です。「⾯倒だから今回だけは...」 という例外を認めない姿勢が医院を守り ます。 ぜひこの機会に、お⼿元の雛形をもとに院内でディスカッションしてみてください。 「うちの医院の場合、システム管理者は誰が適任だろう?」「情報の持ち出しは、どこ まで許可するべきだろうか?」そうして作り上げた「私たちのルール」こそが、これか らの医院経営における、何よりの財産となるはずです。
  21. ©2025 MEDLEY, INC. ビジョンの全体像:全国医療情報プラットフォームの創設 29 電⼦カルテの導⼊‧運⽤は、国が推進する「医療DX令 和ビジョン2030」において、電⼦カルテは、国⺠⼀⼈ ひとりがより質の⾼い医療を受けるための、社会全体の 情報基盤として位置づけられています。 この中核をなすのが、「全国医療情報プラットフォー

    ム」の創設です。これは、全国の医療機関や薬局などを オンラインでつなぎ、必要な医療情報を安全かつ効果的 に交換‧共有するためのネットワークです。 この構想の基盤となるのが、既に普及が進んでいる「オ ンライン資格確認等システム」です。マイナンバーカー ドを保険証として利⽤するこの仕組みが、プラット フォームへの⼊り⼝となります。患者本⼈の同意のも と、このシステムを通じて薬剤情報や特定健診情報を閲 覧できるようになったように、今後はさらに多くの医療 情報が、このプラットフォーム上で共有されていくこと になります。
  22. ©2025 MEDLEY, INC. この流れを受け、政府は「標準型電⼦カルテ」の開発と普及を後押ししており、 2030年までに電⼦カルテの普及率を100%に近づけるという⽬標を掲げています。 最重要課題:電⼦カルテ情報の標準化 30 全国医療情報プラットフォームを機能させるために重要なのが電⼦カルテに記録された情報です。しかし、その情報がバラバラの形式では、 意味を成しません。そこで重要になるのが「電⼦カルテ情報の標準化」です。 ⽂書情報等の標準化

    ‧カルテの記載形式や交換規約を、国際標 準規格である「HL7 FHIR」等を⽤いて共通 化する。 データ項⽬の標準化 ‧傷病名、アレルギー、薬剤情報といった 重要項⽬のデータ形式を標準化する。 ⽤語等の標準化 ‧検査名や医薬品名などのコードを標準マ スターとして統⼀する。 ⽬的:どのベンダーの電⼦カルテを使っていても、必要な情報が正確に、かつ円滑に医療機関間で共有できる状態を実現する
  23. ©2025 MEDLEY, INC. まとめ:⻭科電⼦カルテとは何か 31 ⻭科電⼦カルテとは、以下の3つの側⾯を併せ持つ「医療情報システム」であると定義できます。 法的要件を満たした「診療録」 真正性‧⾒読性‧保存性がシステムによって担保されている 情報を構造化した「データベース」 単なる紙の模倣ではなく、データ連携と活⽤の基盤となる

    院内業務‧国の医療DXを⽀える「社会インフラ」 全国医療情報プラットフォームに接続し、標準化された情報 を共有する、国⺠医療の基盤 個別指導などの場で、電⼦カルテの正当性を説明するためには、この本質的な理解が不可⽋です。「これは単なるワープロではなく、国の定 める要件を満たした、法的根拠のある診療録です」と毅然と説明できること。それこそが、電⼦カルテを正しく理解し、活⽤している証と ⾔えます。
  24. ⻭科診療所経営においてDentisが選ばれる4つの理由 34 Dentisは、⻭科診療所経営におけるあらゆるニーズにお応えすることが可能です。 一連の診療業務が画面一つで完結 流れるような操作感 個別ニーズに合わせた導入支援 安心立ち上げサポート 経営に優しい リーズナブルな価格設計 All

    in 1 連動 Reasonable 安価 Supportive 伴走 •予約・問診、レセコン、サブカルテを同 じインターフェース(システム)で操 作 可 能になることにより、流れるような業 務 体験が実現できます。 •新規のご開業でも、他社製品の入れ替え でも対応が可能となります。 •クラウド型のシステムなので買い替えが 不要。導入も低価格、さらに長く使うほ どお得になります。 paperless 設計 従来の紙カルテ庫を作らない 新しい空間デザイン •電子カルテの導入により、日々のカルテ 出しの削減だけでなく院内にカルテ庫の 設置が不要となります。 ©MEDLEY, INC.
  25. 3~6ヶ月 機器連携 テスト 安⼼⽴ち上げサポート 37 初回部門 打ち合わせ ハード ・NW整備 マスタ整備

    操作指導 保守 本番 稼働 御開業のスケジュールに沿って、導入支援を実施しております。 レセコン載せ替えの場合、下記サポート+データ移行を実施しております。 届出(新規開業のみ) レセプト 請求 ©MEDLEY, INC. 患者データ移行 利用中のレセコンでのデータ登録・更新 Dentisに データ移行 Dentisに 手動登録 診療録データ移行 利用中のレセコンでのデータ登録・更新 (過去2年分) Dentisに データ移行 利用中の レセコンでの レセプト請求 Dentisに データ移行 データ移⾏の実施スケジュールは各担当者との 導⼊⽀援中に策定させていただきます。
  26. リーズナブルな価格設計 38 ©MEDLEY, INC. クラウド型のシステムなので、オンプレリースと異なり、5年ごとの買い替え不要。 導⼊時より圧倒的に低コスト、さらに使⽤期間が⻑くなるほどコストメリットがあります。 シンプルな料⾦体系 初期費⽤は導⼊時の⼀括払いで、その後は⼀定の⽉額費⽤のみ。 機能の⾃動アップデートによる追加費⽤はかかりません。 ※

    新サービスの提供の場合には、別途発⽣の可能性がございます。 損益分岐点 (15年) iPad‧PC、何台でもOK 医院でご利⽤いただく、PC‧iPad等の端末に制限がございません。 外来規模の拡⼤や、訪問診療でも⾃由に端末数を⽤意いただくことができます。 ※ 端末は医療機関様でご⽤意いただく必要がございます。
  27. 導⼊事例のご紹介 39 ©MEDLEY, INC. Dentisを導⼊している⻭科医院の事例をご紹介しております。 https://dentis-cloud.com/case 〜インタビューより抜粋〜 ・大阪府 つしま歯科様 開業される方には

    お勧めできる と思います。 実際にクラウド型の電子カルテを運用してみて、場所にとら われないのはすごく便利 だと思います。患者様からお問い 合わせがあるときに医院にいなくても、端末があればすぐカ ルテをみることができるため、即対応ができるのはすごくいい ですね。 ・青森県 やまうち歯科医院様 はじめてデジタルな予約管理システムを検討されている先生 には本当におすすめしたい ですね。費用対効果が高く、十 分な機能が使えますし、フォロー体制もしっかり しています。 ・広島県 プロソデンタルクリ ニック様 クラウド型の電子カルテシス テムでかつ、 Web予約などワ ンパッケージで連動している のは大きいですね。医院でなく とも事前にカルテやパントモ、 CTを確認しておいていただけ るのはクラウドならではだと思 いますし、情報共有のコストも 下げられます。 ・愛知県 松岡歯科様 アプリ登録が完了後は診療中 などに「次回予約は、ご自身で アプリでできます」と説明してい ます。 Dentisなら複数アプリを入れる ことなく、様々な機能が iPadで 完結できます。医療DXと言って も不便だと使われなくなります が、Dentisであれば医療DXは 実現できると思います。
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