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トランジションの冒険 自分と世界を変える冒険の書 / Transition Adventure

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トランジションの冒険 自分と世界を変える冒険の書 / Transition Adventure

< Ver.1 >
自分、企業、社会を変える「トランジション」について、冒険をメタファーにしてまとめています。
付録は『望ましい未来への行動変容×トランジションデザイン GUIDEBOOK』です。

ご質問‧ご相談はお気軽に。
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https://note.com/mattsun
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Transcript

  1. スライドの流れ:これが冒険の旅路だ 7 2 Vision ────────── 新しい世界を 描け 3 Transform ──────────

    世界は変えられる ことを⽰せ 4 Transition ────────── ⼈々を巻き込んで 世界を動かせ 5 Align & Activate ────────── 世界とつながり クエストに挑め 1 Observe ────────── 世界の地図を ⼿に⼊れろ
  2. 過 去 と の 相 対 化 未 来 と

    の 相 対 化 異 な る ⽂ 化 ‧ 場 と の 相 対 化 Worksheet: もやもや→相対化→⾔語化 過去 (歴史‧経験談 等) 普遍(=) 現在‧ここ 可変(≠) 異⽂化‧地域(訪れた‧調べたエリア等) 可変(≠) 普遍(=) 未来 (⼩説‧映画‧ゲーム等) 可変(≠) 普遍(=) ポジティブに感じた特徴‧可能性 ネガティブに感じた特徴‧課題 付録のワークシートへ To be continued... 12
  3. 個⼈のクセ、⼼理 14 現状維持バイアス ‧損失回避 変化より「今のまま」が安⼼。 失うことへの恐れが、動き出す ⼒を奪う。 確証バイアス ‧認知的不協和 ⾒たいものしか⾒えない。⽭盾

    に気づいても、信念を守ろうと する。 スイッチングコスト 新しい⾏動には⼿間と慣れが必 要。惰性のままが、最もラクな 選択になる。
  4. 社会、集団のメカニズム 15 「空気」と同調圧⼒ 不確実なことへの 合意形成コスト 答えが⾒えないまま⼈を動かす には、莫⼤なエネルギーがかか る。 わかりやすさと 短期主義

    複雑なことは避けられ、⽬先の 成果が優先される。深い変容が 後回しになる。 周りと違う⾏動をするリスク が、皆の本⾳を沈黙させる。
  5. ビジョンとは、予測‧計画ではなく未来洞察 25 予測 洞察 移⾏の デザイン デザインプロセスの全体像 現状維持の未来 望ましい未来 1.

    課題の 構造化 2. ビジョン デザイン 3.⾏動変容 モデルの発⾒ 4.拡⼤&持続 の戦略と ストーリー 5.ロードマッ プと合意形成 現在
  6. 認知の転換が起こるビジョンには型がある Who型 わたしたちは何者か?に答えるビジョン →アイデンティティ、存在意義を転換させる Where型 どんな世界を⽬指すのか?に答えるビジョン →世界観、社会イメージを転換させる Why型 何のために取り組むのか?に答えるビジョン →⽬的意識、志向を転換させる

    What型 何を創り上げるのか?に答えるビジョン →成果物、協創⽬標の視座を転換させる How型 どうすれば解決できるのか?に答えるビジョン →本質課題の認識を転換させる When型 いつがその時か?に答えるビジョン →時間軸、スピード感を転換させる 28
  7. ト レ ー ド オ フ ゾ ー ン Worksheet:

    ビジョンの余⽩ Step.1から⾒えてきた 対⽐軸‧トレードオフ構造 ⇔ ⇔ ⇔ ⇔ … 求められるビジョンの余⽩ ? 軸A いま現れている動き、ムーブメント フィールドワークやリサーチ結果 軸B トレードオフを越えた社会ビジョン 付録のワークシートへ To be continued... 30
  8. Work: キーワードを基にしたビジョンのステートメント化 企 業 パ ︱ パ ス ‧ ミ

    ッ シ ョ ン ⾃社‧事業ビジョンステートメント 社会ビジョンステートメント ビジョン マップ ⽣成AI等での 簡易ビジュアル化 コピー ライティング 付録のワークシートへ To be continued... 31
  9. ⾃ 社 の 変 容 顧 客 の 変 容

    Worksheet: 相互変容のコアループ 価値判断‧戦略 ⾏動 組織学習 体験 ⾏動 価値観‧習慣 体験 学習‧気付き 環境‧構造 Step.1で注⽬した課題構造 変化を⽣むための理想状態 Step.1で注⽬した課題構造 変化を⽣むための理想状態 付録のワークシートへ To be continued... 41
  10. ダンジョンに深く潜る:ペースレイヤリング 表層の施策だけでは 世界が動かない レイヤー構造で世界を 捉え、本質的な変化‧ インパクトを作る 表層↔深層の変化の連鎖をデザイン 52 NATURE CULTURE

    GOVERNANCE INFRASTRUCTURE COMMERCE FASHION ⾃然環境、社会‧業界構造 ⽂化、コンテクスト、集まる⼈材の特徴 マネジメントスタイル、判断軸‧評価軸 物理インフラ、デジタルインフラ、組織図 ビジネスモデル、戦略‧施策 ⽇々の発信、イベント、⾏動 ↓ 遅い 速い ↑
  11. Work: 変容を拡⼤し、持続させる戦略とストーリーに編集する pathways アクション‧実現したい成果 2030 2040 1. 2. 3. 4.

    5. 順序を再考 Worksheet: 相互変容のコアループ 付録のワークシートへ To be continued... 54
  12. 4つのグランドクエスト 4つのクエストをトレードオフにせず、共に回復‧再⽣していくにはどうすればよいだろうか? 社会の安定と ⾷料‧⽣活 安全保障 ⼈々の ウェル ビーイング ⾃然‧環境の サステナビリ

    ティ ビジネスの 再⽣ Human Business Society Nature ⾼齢化 少⼦化 メンタルヘルス 孤独‧孤⽴ ジェンダー格差 LGBTQ+ 格差‧貧困 ⾷料不⾜ 経済格差 紛争‧戦争 難⺠‧移⺠ 社会分断 都市と地⽅ エネルギー 災害リスク 経済停滞 働き⼿不⾜ ⻑時間労働 企業不祥事 ハラスメント DX‧⽣産性 サプライチェーン脆弱性 インフレ‧物価⾼騰 BX‧事業変⾰ 気候変動 ⽣物多様性喪失 森林破壊 ⼤気汚染 プラスチックごみ ⽔不⾜ 乱獲‧資源枯渇 ⼟地劣化‧砂漠化 化⽯燃料依存 61
  13. 変容ストーリーにお ける マイルストーン Q.そのマイルストーンが 実現している状態とは? (対話) 指標‧達成の判断軸 注意点‧ 不確実性など 1.

    2. 3. 4. 5. 6. Worksheet: マイルストーンごとのイメージ共有と具体化 67 付録のワークシートへ To be continued...
  14. Work: 整合性のチェック(問いの例) 68 未来 プロセス ロジック ハート ⾏動変容‧ トランジション デザイン

    市場性調査、 コンサル‧シンクタンク予想 先⾏する⽬標 参加型デザイン (ワークショップ等) ビジョン (Social & Corporate) 納得感‧共感度は? まだ参加できていない⼈は? 企業パーパス‧ 組織の⽅向性 メンバー‧ ステークホルダー 企業として⽬指している⽅向性や コアな価値観と⽭盾がないか? 売り⼿⽬線に偏っていないか? 様々な考えの⼈を包摂するプランに なっているか? 顧客のベネフィット ‧価値観 ⽬標のスピードやインパクト規模を 実現できる可能性があるか? ✓ 規定の⽬標をアップデートする 必要性はないか? 付録のワークシートへ To be continued...
  15. (活動する) 企業‧組織の中 (変えようとする) 世の中 ビジョン 可能性‧新奇性 確実性‧先例 流⾏‧規範 義務‧ルール イノベーター

    アーリー アダプター アーリー マジョリティ レイト マジョリティ ラガード イノベーター アーリー アダプター アーリー マジョリティ レイト マジョリティ ラガード ⼈によって異なる⾏動の動機 ⼈によって、テーマによって、 ⼼が動く条件やポイントは異なる まずはビジョン‧想いだけで も動き出せる、コアな仲間、 ⽀援者と共に冒険を始動する 実績‧前例ができることで、 後から⼈々や世論もついてくる 72
  16. 冒険者が⽀え合う、トランジションギルド構想 74 トランジションギルド (仮) 仲間探し、クエストの紹介、 学びの共有 etc. 冒険のインフラ、エコシステム 企業‧社内 起業家

    プロジェク ト組織‧ 業界団体 研究者‧ アカデミア メディア ‧⾦融機関 NPO‧政策 起業家 デザイナー ‧コンサル タント
  17. ⾃⼰紹介 85 松村 ⼤貴 システミックデザイナー/Butterfly Lab 代表 東京科学⼤学 研究員 ヤフーで⽶国企業との事業開発やブランディング、東⽇本⼤震災の復興⽀援等に携わった後、2015

    年にハルモニア株式会社を創業。⾷品ロス削減の事業⽴ち上げや、企業へのコンサルティング、ビ ジョンメイキングを⾏う。2025年よりButterfly Labとして、気候変動や都市の未来、産業の転換と いった複雑な課題に対し、⾏動変容デザインとトランジションデザインの観点から共同探求プロジ ェクトに取り組んでいる。クラフトビールと、書店、銭湯をこよなく愛する。 著書『新しい「価格」の教科書』(ダイヤモンド社) https://x.com/dmattsun https://note.com/mattsun https://substack.com/@butterflylab Butterfly Lab株式会社(お問い合わせはこちらへ) https://butterflylab.org/
  18. 参考⽂献‧書籍のリスト • 『事実はなぜ⼈の意⾒を変えられないのか 説得⼒と影響⼒の科学』ターリ‧シャーロット • 『社会はなぜ左と右にわかれるのかÚ対⽴を超えるための道徳⼼理学』ジョナサン‧ハイト • 『「偶然」はどのようにあなたをつくるのか すべてが影響し合う複雑なこの世界を⽣きることの意味』ブライアン‧クラース •

    『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく⾒る習慣』ハンス‧ロスリング • 『誰もがデザインする時代のデザイン ⽇々の営みからソーシャルイノベーションを⽣み出すための思想と実践』エツィオ‧マンズィーニ • 『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』ダニエル‧カーネマン • 『予想どおりに不合理 ⾏動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン‧アリエリー • 『「空気」の研究』⼭本 七平 • 『⾷べすぎる世界Úなぜ私たちは不健康と環境破壊のサイクルから抜け出せないのか』ヘンリー‧ディンブルビー、ジェミマ‧ルイス • 『世界はシステムで動く ― いま起きていることの本質をつかむ考え⽅』ドネラ‧H‧メドウズ • 『システミックデザインの実践 複雑な問題をみんなで解決するためのツールキット』ピーター‧ジョーンズ、クリステル‧ファン‧アール • 『学習する組織Úシステム思考で未来を創造する』ピーター‧M‧センゲ • 『社会変⾰のためのシステム思考実践ガイド―共に解決策を⾒出し、コレクティブ‧インパクトを創造する』デイヴィッド‧ピーター‧ストロー • 『実践システム‧シンキング 論理思考を超える問題解決のスキル』湊宣明 • 『システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり⽅」』前野隆司 • カーネギーメロン⼤学 Transition Design Framework https://transitiondesigninstitute.net/ • Design Council Systemic Design Framework https://www.designcouncil.org.uk/our-resources/systemic-design-framework/ • 『センス‧オブ‧ワンダー』レイチェル‧カーソン、森⽥真⽣ • 『未来をつくる⾔葉Úわかりあえなさをつなぐために』ドミニク‧チェン • 『世界観のデザイン』岩渕正樹 • 『リジェネラティブデザインÚ⼈が関わるほど⾃然も再⽣する暮らし、ビジネス、社会のあり⽅を求めて』greenz.jp • 『未来を実装するÚテクノロジーで社会を変⾰する4つの原則』⾺⽥隆明 86
  19. 参考⽂献‧書籍のリスト • 『NUDGE 実践 ⾏動経済学 完全版』リチャード‧セイラー、キャス‧サンスティーン • 『⾏動を変えるデザイン ―⼼理学と⾏動経済学をプロダクトデザインに活⽤する』ステファン‧ウェンデル •

    『Positive Deviance 学習する組織に進化する問題解決アプローチ』リチャード‧パスカル、ジェリー‧スターニン、モニーク‧スターニン • 『インセンティブ ⾃分と世界をうまく動かす』タイラー‧コーエン • 『ウォートン‧スクール ゲーミフィケーション集中講義』ケビン‧ワーバック • 『トランジション 社会の「あたりまえ」を変える⽅法』松浦 正浩 • 『The Clock Of The Long Now』スチュアート‧ブランド • 『⽇々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン⽂化』エツィオ‧マンズィーニ • 『利他はこうして伝染するÚ⼩さな1歩を⼤きなうねりに変え、優しさが活きる世界をつくる』クリス‧アンダーソン • 『なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論』富永 京⼦ • 『社会問題のつくり⽅ 困った世界を直すには?』荻上チキ • 『コミュニティ‧オーガナイジングÚほしい未来をみんなで創る5つのステップ』鎌⽥ 華乃⼦ • 『クリエイティブデモクラシー 「わたし」から社会を変える、ソーシャルイノベーションのはじめかた』⼀般社団法⼈ 公共とデザイン • 『スタンフォード‧ソーシャルイノベーション‧レビュー ⽇本版 01Úソーシャルイノベーションの始め⽅』SSIR Japan • 『リジェネラティブ‧リーダーシップ』ジャイルズ‧ハッチンス、ローラ‧ストーム • 『⾏政とデザイン 公共セクターに変化をもたらすデザイン思考の使い⽅』アンドレ‧シャミネー • 『両利きの経営 増補改訂版Ú「⼆兎を追う」戦略が未来を切り拓く』チャールズ‧A‧オライリー、マイケル‧L‧タッシュマン • 『両利きの組織をつくるÚ⼤企業病を打破する「攻めと守りの経営」』加藤雅則、チャールズ‧A‧オライリー、ウリケ‧シェーデ • 『イノベーションの普及』エヴェレット‧ロジャーズ • 『キャズム』ジェフリー‧ムーア • 『ティッピング‧ポイント いかにして「⼩さな変化」が「⼤きな変化」を⽣み出すか』マルコム‧グラッドウェル 87
  20. このガイドブックについて 個⼈の⾏動変容から、組織‧社会全体のシステム転換 まで⸺その間をつなぐ5つのステップを軸に構成さ れています。各ステップには実際のプロジェクトで 使えるワークシートを⽤意しています。 フレームワークは厳密に従うためのものではありません。 考え⽅のヒントとして、状況や⽬的に合わせて使ってくださ い。 想定読者 ビジネスリーダー:

    企業の持続可能な変⾰を推進し、新しい事業や市場の形を模 索する⽅ 社会イノベーター: 社会課題の解決に取り組み、プロジェクトを通じて変化を起 こしたい⽅ 政策⽴案者: 社会システムの変化を構想し、実⾏に移したい政府や⾏政関係者 デザイナー‧コンサルタント: ⻑期的な影響を⽣むプロジェクトを推進したい⽅ 未来 プロセス ロジック ハート ⾏動変容‧ トランジション デザイン 市場性調査、 コンサル‧シンクタンク予想 SBTi, TNFD ... 参加型デザイン (ワークショップ等) ビジョン (Social & Corporate) ✓ 先⾏する ⽬標 本ガイドブックの カバーする範囲 92
  21. ⾏動変容×トランジションデザインのステップ 1.Observe 観察 • 現状の「⾏動や状況が変わりづらい」構造的要因を観察 し、可視化する 2.Vision 想像 • 課題が解決された未来像を、共有ビジョンとして描く

    3.Transform 変容 • ⼈々の⾏動が変わり、⾃分たちも変わるミクロなモデル を発⾒する 4.Transition 移⾏ • 変容をマクロに拡⼤し、持続させる戦略とストーリーを 組み⽴てる 5.Align & Activate 始動 • プランと⽬標を具体化し、ステークホルダーの賛同を得 て始動する 現状維持 の未来 望ましい 未来 1. 課題の 構造化 2. ビジョン デザイン 3.⾏動変容 モデルの発⾒ 4.拡⼤&持続 の戦略と ストーリー 5.ロードマッ プと合意形成 移⾏の デザイン デザインプロセスの全体像 94
  22. デザインプロセスの進め⽅(例) リサーチ‧ フィールドワーク 発散‧⼤⼈数 ワークショップ 収束‧少⼈数 コアチームMTG 0.準備‧セッティング 1.Observe 観察

    2.Vision 想像 3.Transform 変容 4.Transition 移⾏ 5.Align & Activate 始動 スコープ‧参加者設定 2 ~ 3h 課題理解‧ 初期仮説構築 2 ~ 3h コアチームで 整理‧収束(以下同) 変容事例調査‧ インタビュー ステークホルダー を集めた議論 発表‧プレゼン キックオフ 実⾏‧社会実装 1⽇で体験する ショート版ならここまで 準備〜発表まで しっかり進めると 3〜4ヶ⽉(⽬安) 状況も変わっていくため まずは全体仮説を組み⽴てる スピードを意識 ▼ 定期的に⾒直し、 仮説を更新していく 95
  23. 向き合い⽅、マインドセット トランジションデザインが向き合う問題は、原因が複合的 に絡み合い、正解のない“Wicked Problem”です。影響範 囲は⾃社だけに閉じず、社会やステークホルダーを巻き込 むコレクティブな動きになります。だからこそ、⽬標を事 前に固定し、計画通りに実⾏するモデルだけでは機能しな い。新しいマインドセットが必要です。 経験を通じた課題&可能性への気付き リーダーが現場の体験から課題の本質と未来の可能性を感じ取り、⽅

    向性を⽰す。分析より先に、直感と意志がある。 ソリューションとしての参加型デザインプロセス 正解を決めてから動くのではなく、プロセスそのものを解決策として 設計する。共創と試⾏錯誤が形をつくっていく。 創発的なムーブメントとしての実⾏ 直線的な計画遂⾏ではなく、共感者を巻き込みながら広がっていく。 道程で気付きを得た⼈が、次の変容リーダーになる。 経験を通じた 課題&可能性 への気付き ソリューション としての 参加型デザイ ンプロセス 創発的な ムーブメント としての実⾏ ⼀元的な⽬標 ‧問題設定 エキスパートによる 戦略‧計画 予⾒可能性と コントロール下の実⾏ 96
  24. ステップ2:Vision 想像 課題が解決されたときの望ましい未来像を描き、チームとステー クホルダーが共に向かうための「旗印」をつくるステップです。 ビジョンは理想論ではありません。現実の課題構造を深く理解し た上で、そこに収まらない「余⽩」を⾒つけ、そこに未来を描く 作業です。既存の取り組みや対⽴軸を超えたところに、本当のビ ジョンが現れます。 ワークの例 1.

    課題のリアルを体験‧⾏動‧⾝体で学ぶ: 観察ステップで得た洞察をさらに深め、現場の実態や当事者の声を体感します。 2. ビジョンの余⽩を定義する: ⼆軸のマトリクスなどを⽤い、既存の取り組みや考えが収まらない「未開の領域」を⾒つ け出します。 3. 未来像の想像‧キーワード抽出: チームで未来のストーリーを具体化し、それを象徴する⾔葉や要素を抽出します。 4. ビジョンステートメントライティング: 未来像を簡潔かつ⼒強い⾔葉にまとめ、共有可能なビジョンとして完成させます。 このステップの成果は、チーム全体が「どんな状態を⽬指すのか」を共有で きていること。熱量と⽅向性が揃った状態で、次のTransformへ進みます。 体験‧⾏動で学ぶ ビジョンの余⽩ 姿の想像‧キーワード抽出 ビジョンステートメント 102
  25. ト レ ー ド オ フ ゾ ー ン Worksheet:

    ビジョンの余⽩ Step.1から⾒えてきた 対⽐軸‧トレードオフ構造 ⇔ ⇔ ⇔ ⇔ … 求められるビジョンの余⽩ ? 軸A いま現れている動き、ムーブメント フィールドワークやリサーチ結果 軸B トレードオフを越えた社会ビジョン 103
  26. Worksheet: 課題が解決された未来像の想像とキーワード抽出 Worksheet: ビジョンの余⽩ ビジョンマップ Q.今から 年後、課題が解決された社会はどんな姿だろうか? ブレイクスルー キーワード Q.トレードオフを越えるための

    カギとなるものは? ビジョンタイトル 社会の⽬標‧ムード 恋愛‧家族‧コミュニティ観 悩み‧コンプレックス ⽣活‧⾷事 ⾃然‧⽣物 働き⽅‧帰属意識 企業のあり⽅‧⾃社の役割 産業‧業界 105
  27. Work: キーワードを基にしたビジョンのステートメント化 企 業 パ ︱ パ ス ‧ ミ

    ッ シ ョ ン ⾃社‧事業ビジョンステートメント 社会ビジョンステートメント ビジョン マップ ⽣成AI等での 簡易ビジュアル化 コピー ライティング 106
  28. ポイント:あちらとこちらを越えた新しいアイデンティティ ビジョンを描くプロセスは、究極的に「あちら」と「こちら」の分断を乗 り越えることに⾏き着きます。誰かを思い通りに変えることはできませ ん。変えられるのは「⾃分」や「私たち」だけです。 ⽣産者と消費者、新規事業部⾨と既存事業部⾨、経営者と従業員、マイノ リティとマジョリティnこれらの関係において、線を引いたまま「彼 ら」を変えようとしても変化は⽣まれません。私たちにできることは、そ の境界を広げ、「私たち」の範囲を再定義することです。 ステップ1で制作したシステムマッピングを⾒直すと、これまで向こう岸 の存在に⾒えていた⾃社、顧客、取引先が、同じ地平に⽴ち、共通の課題

    を解決しようとする仲間として捉え直せるかもしれません。 ⾜元の⽴場や意⾒は異なっていても、⻑期的なビジョンや普遍的な課題認 識を共有することで、「私たち」と「彼ら」の境界は薄れ、共創の意識が ⽣まれます。そして、「私たち」が拡張されることで、変化を推進する規 模と⼒は⼤きくなり、共に未来へ進む基盤が形成されます。 「私たち」が拡張されるほど、変化の規模と⼒は⼤きくなる。分断を超え た共有ビジョンは、そこから⽣まれます。 私たち 彼ら 「私たち」の境界を広げていく 107
  29. ステップ3:Transform 変容 ⼈々の⾏動が実際に変わり、その過程で⾃分たち⾃⾝も変わる⸺ そのミクロなモデルを発⾒するステップです。変化は理論では起き ません。「⾏動→体験→気付き→価値観‧習慣の変化」という循環 を実際に回すことで、変容の兆しを捉えます。重要なのは、相⼿を 変えようとするのではなく、⾏動を起こした側(私たち)⾃⾝が先 に変わることを前提にしている点です。この相互変容のコアループ が機能し始めたとき、変化は組織‧社会へと拡⼤する⼒を持ちま す。

    進め⽅の例 N=1インタビュー: 現場の個別の声を通じて、変化の可能性や「⾒えない課題」を深掘りします。 相互変容のコアループ: 「⾏動 → 体験 → 気付き → 価値観や習慣の変化」というプロセスを相互に繰り返しな がら、⾃社や顧客が変容していくモデルです。これは、単に⽣活者の⾏動を変えよう とするアプローチとは異なり、⾏動を起こした側(私たち)⾃⾝から変容することを 前提としています。 最⼩単位での検証(プロトタイピング): 仮説通りの⾏動変容が再現するかを確認する、⼩規模な実験を⾏います。 フィールドワーク‧ N=1インタビュー 相互変容のコアループ 最⼩単位での検証 (プロトタイピング) 109
  30. Worksheet: N=1 インタビュー ⾏動‧体験 Q3.どんな体験、きっかけがあった? 学習‧気付き Q2.どんな考え⽅の変化があった? 価値観‧習慣 Q1.今のライフスタイルは? 影響

    影響 質問 質問 ビジョン マップ ‧ビジョンに近い働き⽅や ライフスタイルの⼈はどこ にいるだろうか? ‧その⼈はどのように⾏動 や習慣を変えてきたのだろ うか? 110
  31. ⾃ 社 の 変 容 顧 客 の 変 容

    Worksheet: 相互変容のコアループ 価値判断‧戦略 ⾏動 組織学習 体験 ⾏動 価値観‧習慣 体験 学習‧気付き 環境‧構造 Step.1で注⽬した課題構造 変化を⽣むための理想状態 Step.1で注⽬した課題構造 変化を⽣むための理想状態 111
  32. ⾃ 社 の 変 容 顧 客 の 変 容

    Worksheet: 相互変容のコアループ 価値判断‧戦略 ⾏動 組織学習 体験 ⾏動 価値観‧習慣 体験 学習‧気付き 環境‧構造 Step.1で注⽬した課題構造 変化を⽣むための理想状態 Step.1で注⽬した課題構造 変化を⽣むための理想状態 ②顧客の変容ループ ③キーとなる環境や構造の変化 ④顧客とともに変容する ⾃社のループ ①⽬指す変容の設定 112
  33. Work: 最⼩単位での検証(プロトタイピング) ⾔葉や理論だけでは、⼈も組織も変わりません。⼩さく「やって みる」ことで初めて⾒えてくる洞察があります。このステップで は、「say-doギャップ」⸺⾔っていることと実際の⾏動のズレ— —を前提に、リアルな状況に根ざした検証を⾏います。 最⼩単位でできることの例 ドッグフーディング(⾃分たちで体験する) ⾃らが仮説やコンセプトを体験し、ユーザー視点や現実的なフィードバ ックを得る⽅法です。

    社内や知⼈でのテストを⾏う ⾝近なメンバーや信頼できる知⼈を対象に、簡易的なプロトタイプを試 すことで、初期の反応やフィードバックを収集します。 トライアルイベント‧試⾷会 ⼩規模なイベントや試⾷会などを通じて、実際のユーザーに仮説やアイ デアを体験してもらいます。 ⼩さく始めることで、最⼩限のコストとリスクで確かな学びを蓄 積できます。 113
  34. ステップ4:Transition 移⾏ ステップ3で発⾒したミクロな変容モデルを、マクロなスケ ールへと拡⼤し、持続させる戦略とストーリーを組み⽴て るステップです。 変化は必ず「壁」にぶつかります。認知‧経済‧⼼理‧制度⸺それぞれ 異なる壁には、それぞれの越え⽅とパートナーがいます。変容の壁を具 体化し、乗り越えるアクションと協⼒者を整理することで、変容の道筋 (Pathways)が⾒えてきます。 進め⽅の例:

    変容の壁とアクション‧パートナー: 変化を拡⼤する上で現れる抵抗や障壁を想定し、それを乗り越えるためのアクションと 協⼒すべきパートナーを明確にします。 Pathwaysの整理: ⼩さな変化が⼤きな変容へとつながる道筋を整理します。例えば、初期の成功体験を共 有し、共感者を増やしながら次第に広げていくストーリーです。 変容の戦略とストーリーへの編集: これまでのプロセスで得た知⾒を「変容のストーリー」として整理し、チームやステー クホルダーに共有します。 変容の壁を越えていく アクション&パートナー 変容のPathwaysの整理 変容の戦略と ストーリーへの編集 115
  35. NATURE CULTURE GOVERNANCE INFRASTRUCTURE COMMERCE FASHION ポイント:ペースレイヤリング、システムのレイヤー構造を想像する ペースレイヤリングとは、社会や組織を「変化のス ピードが異なる複数の層」として捉える視点です。 ⽇々の発信やイベントは速く変わる。ビジネスモデ

    ルや戦略はやや遅い。インフラ‧⽂化‧ガバナンス になるほど、変化には時間がかかります。しかしそ の影響は、システム全体に及びます。 どのレイヤーに働きかけるかで、変容の深度と持続性は変 わります。表層だけの変化は元に戻りやすい。より深い レイヤーへの介⼊ほど時間はかかりますが、それだけ根 本的な転換をもたらします。「なぜこの施策は定着しな いのか」⸺その問いに、構造的な視点をもたらします。 ⾃然環境、社会‧業界構造 ⽂化、コンテクスト、集まる⼈材の特徴 マネジメントスタイル、判断軸‧評価軸 物理インフラ、デジタルインフラ、組織図 ビジネスモデル、戦略‧施策 ⽇々の発信、イベント、⾏動 ↓ 遅い 速い ↑ スチュアート‧ブランド The Clock of the Long Now 118
  36. ⾃社 顧客 ビジョン 可能性‧新奇性 確実性‧先例 流⾏‧規範 義務‧ルール イノベーター アーリー アダプター

    アーリー マジョリティ レイト マジョリティ ラガード イノベーター アーリー アダプター アーリー マジョリティ レイト マジョリティ ラガード ポイント:層によって異なる⾏動の動機‧条件を⾒分ける 変容をスケールさせるとき、最初から全体を動かそう としても機能しません。⾏動の動機と条件は、⼈によ って異なるからです。 まず変化を起こしやすいイノベーター層‧早期共感者に焦 点を当て、⼩さな成功を積み重ねます。その体験や成果が 伝わることで、次の層が動き始めます。共感と体験を通じ て変容の価値が広がるにつれ、ムーブメントとして波及し ていきます。 ⼀律のアプローチではなく、層ごとの動機と条件を⾒極め て順序⽴てること。それが変容を「部分」から「全体」へ と広げる鍵です。これは戦略であると同時に、「私たち」 の範囲を少しずつ拡張していく営みでもあります。 層によって異なる ⾏動条件のイメージ 122
  37. ステップ5: Align & Activate 始動 ここまでのプロセスで描いてきたビジョンと戦略を、具体的なプ ランと⽬標に落とし込み、ステークホルダーの賛同を得て実⾏を 始動させるステップです。 このステップはゴールではなく、変容のスタートラインです。⽬ 標とマイルストーンを具体化し、プロジェクトの整合性と実現可

    能性を確認する。ビジョンとプロセスを共有することでステーク ホルダーの共感と賛同を引き出し、「私たち」全体で動き始める 体制を整えます。 進め⽅の例: マイルストーンの具体化と整合性のチェック: 変容のストーリーからマイルストーンの達成状態を想像し、具体化します。 プレゼンテーションやデモンストレーション: チーム内外に向けて成果や未来像を共有し、ステークホルダーを巻き込む宣 ⾔や呼びかけを⾏います。 変容のスタート: デザインプロセスはここで終わりではなく、始まりです。⼩さな⼀歩を踏み 出し、フィードバックを受けながら進化させていく姿勢で臨みます。 マイルストーン設定 ‧整合性チェック プレゼンテーション 変容のスタート 124
  38. Work: 整合性のチェック(問いの例) 未来 プロセス ロジック ハート ⾏動変容‧ トランジション デザイン 市場性調査、

    コンサル‧シンクタンク予想 先⾏する⽬標 参加型デザイン (ワークショップ等) ビジョン (Social & Corporate) 納得感‧共感度は? まだ参加できていない⼈は? 企業パーパス‧ 組織の⽅向性 メンバー‧ ステークホルダー 企業として⽬指している⽅向性や コアな価値観と⽭盾がないか? 売り⼿⽬線に偏っていないか? 様々な考えの⼈を包摂するプランに なっているか? 顧客のベネフィット ‧価値観 ⽬標のスピードやインパクト規模を 実現できる可能性があるか? ✓ 規定の⽬標をアップデートする 必要性はないか? 126
  39. プレゼンテーション:デザインのゴール=変容のスタートライン これまで描いてきた変容のストーリーとロジックを、仮説として解像度⾼ く⽰す場です。単なる結果報告ではなく、プロセスに参加していなかった ⼈にも追体験的‧参加的に伝わる⼯夫が求められます。 課題の構造化からビジョン構築、変容のループ発⾒まで⸺そのプロセス を「ナラティブ」として伝えます。「なぜこの変容が必要か」「どのよう に考え、取り組んだか」というストーリー性が、⼈の共感と当事者意識を 引き出します。 伝え⽅の⼯夫: 1.

    デモンストレーション(体験を通じて伝える): 変容のアイデアや成果物をポップアップストアや展⽰、料理、試作品など、リ アルな形で⽰すことで、五感を通じて実感を⽣み出します。 2. フィクション(未来を想像してもらう): まだ実現していない未来を、短いエッセイやSF的ストーリー、漫画、コンセプ トムービーといったクリエイティブな⼿法で描き、⼈々に「変化した世界」を イメージさせます。 少⼈数にはストーリーを丁寧に、⼤⼈数やパブリックには短く鮮明に。プ レゼンテーションは、仮説が現実の動きへと変わる瞬間です。 ストーリー + ロジック デモンストレ ーション フィクション 127
  40. 最初の⼀歩のガイド 1. 社内やチームの理解が得られない: このガイドブックを共有し、読書会や勉強会を開いてみましょう。 共通の⾔語と認識をつくることが、仲間とプロジェクトの⼟台になります。 2. もやもやはあるけれどテーマがはっきりしない: 「もやもや→相対化→⾔語化」のシートを活⽤しましょう。本を読み、旅に出て、異なる分野の⼈と対話する。 問いは、経験の蓄積とともに解像度が上がります。 3.

    何から始めて良いかわからない: ステップ1「Observe」から始め、ワークシートを使って考えや感覚を棚卸しするところから。 チームでワークショップを開くことで、最初の⼀歩が踏み出せます。 4. やり切れる⾃信がない: ⾏動変容とトランジションデザインは、社会全体のムーブメントです。各地でプロジェクトが⽴ち上がり、知⾒を共有し合うことで「変わりやすい社会」が 育っていきます。成功も失敗も、その資産になります。 著者⾃⾝も機会をつくり続けます。ぜひ参加したり、声をかけてください。 129
  41. 解くべき問題をどう⾒つけるか? デザインプロセスを始める前に、「何を変えたいの か」を⾔葉にすることが重要です。出発点となる問 いは「私たちがデザイン‧実現したい変化とは何 か?」⸺これを具体的なテーマとして整理するこ とが、プロジェクトの軸をつくります。 多くの場合、最初は「もやもや」です。この状態を打破するの は、様々な可能性や現実と相対化しながら考えを深めること。 「もやもや→相対化→⾔語化」という流れをワークシートや対話 を通じて進めていきます。

    相対化は⼀朝⼀⼣では進みません。旅をしたり、本を読んだり、 異なる価値観の⼈と出会ったりすることで、⾃分の中に複数の世 界観が蓄積されていきます。問いの解像度は、経験とともに上が るものです。 具体性あるテーマのフレーム Why: ◯◯のために、 toBe: 社会/組織が◯◯となっていくことが重要なので、 toDo: ◯◯という行動/選択を、増やして/減らしていきたい もやもや (初期的な知覚) ⾔語化 相対化 130
  42. 過 去 と の 相 対 化 未 来 と

    の 相 対 化 異 な る ⽂ 化 ‧ 場 と の 相 対 化 Worksheet: もやもや→相対化→⾔語化 過去 (歴史‧経験談 等) 普遍(=) 現在‧ここ 可変(≠) 異⽂化‧地域(訪れた‧調べたエリア等) 可変(≠) 普遍(=) 未来 (⼩説‧映画‧ゲーム等) 可変(≠) 普遍(=) ポジティブに感じた特徴‧可能性 ネガティブに感じた特徴‧課題 131
  43. 過 去 と の 相 対 化 未 来 と

    の 相 対 化 異 な る ⽂ 化 ‧ 場 と の 相 対 化 Worksheet: もやもや→相対化→⾔語化 過去 (歴史‧経験談 等) 普遍(=) 現在‧ここ 可変(≠) 異⽂化‧地域(訪れた‧調べたエリア等) 可変(≠) 普遍(=) 未来 (⼩説‧映画‧ゲーム等) 可変(≠) 普遍(=) ポジティブに感じた特徴‧可能性 ネガティブに感じた特徴‧課題 ①現在地と異なる⽂化や世界を識り、 気付いた共通点(普遍性)や相違点(可変性) を書いていく ②過去、未来、異⽂化との相対化によって 浮かび上がる現在‧ここの可能性や課題を ⾔葉にしていく 132