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図面資産×AI 眠れる資産を起こす挑戦

図面資産×AI 眠れる資産を起こす挑戦

モノづくり産業をアップデートするAI  LT登壇資料

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青野正寛

April 23, 2026

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  1. モノづくり産業をアップデートするAI — KINTOテクノロジーズ × CADDi 図面資産×AI 眠れる資産を起こす挑戦 設計出身 × Copilot推進者

    × 非ITエンジニア が 図面×AIに本気で向き合う 2026.4.23 1 / 10 Co-created with Claude Opus 4.7 / Copilot Chat (GPT-5.4 Think Deeper)
  2. 2 / 10 青野 正寛 2013/4〜2020/3 航空機の降着/油圧システムの維持設計 2025/4〜現在 WX※1推進リーダー ・設計部門の業務課題解決

    (CADDi窓口含む) ・設計部門のCopilot活用促進 技術系基幹システム※3の維持・更新 LT登壇歴 なんでもCopilot #33 2025.6.11 航空機設計者がResearcherを社内で 広めてみた 生成AI交流会 in KAWARUBA 2025.7.30 リサーチツールを社内に広めてみた 【異業種交流イベント企画~登壇まで】 なんでもCopilot #80 2026.5.13 CopilotとローカルLLMの住み分け(仮) ※1 Work Transformation ※2 Forward Deployed Engineer(AI導入の最後の1マイルを担うエンジニア) 参考:AI時代に突然現れた職種「FDE」とは何者なのか ※3 CAD関連ツール、図面管理システム、文書管理システム等 製造業でも生成AI活用したい! 名古屋LLM MeetUp#7 2025.7.23 Researcherを爆速で社内に広めてみた 〃 空調システムの維持設計&開発設計 2020/4〜2025/3 川崎重工業 航空宇宙システムカンパニー 航空宇宙技術本部 技術戦略総括部 技術管理部 設計データ管理課 2007/4〜2013/3 航空宇宙工学専攻 社内FDE※2のようなもの? 2 / 10 自己紹介 非ITエンジニアが図面×AIに挑む——その背景 2025/6〜2026/2 新規事業創出研修 (テーマ:検図指摘の資産化SaaS) Coming Soon…
  3. 3 / 10 共同化 Socialization 暗黙知→暗黙知 ベテランの背中を見て学ぶ OJTで図面の読み方を習得 表出化 Externalization

    暗黙知→形式知 検図指摘を組織のナレッジに シュレッダーからデータベースへ 内面化 Internalization 形式知→暗黙知 蓄積されたナレッジから 設計者が自律的に学ぶ 連結化 Combination 形式知→形式知 図面番号と設計意図を紐づけ 類似図面検索・流用判定 検図指摘の 資産化 類似図面の 横断活用 設計ルールの 個人体得 現場トラブルシュート OJT 知識 創造 ← 暗黙知 形式知 → 製造業におけるナレッジ活用 製造業における知識創造のSECIモデル 『現地・現物の世界』 『データ・モデルの世界』 今回着目する領域
  4. 4 / 10 現状と目指す姿 課題解決に向けた取り組みを後ほどご紹介 AsIs 現状 ToBe 目指す姿 →

    ・ルールに基づき自動チェック ・必要な図面・情報が集まる 時間軸 例)Tiff図面OCR/ローカルLLMによる図面情報抽出+ 透明文字埋め込みPDFによる様々な切り口(構成品等)での 図面検索 ・チェックが人の目に依存 ・図面番号でしか検索できない図面 例)設計基準はあるのにレビューの目視確認で見落とし 結線図レビューで極小文字の読み取りによる見落とし 個人の効率 近 組織のナレッジ 中 AI時代の設計業務 長 → ・指摘が組織資産に ・類似検索・流用判定ができる 例)検図指摘データベース/CADDi ・指摘が属人化 ・設計ノウハウが横展開できない 例)ベテランの知見が指摘を受けた個人に閉じる → AIが設計プロセスに溶け込む 例)定型はAI・構想は人 人×AIの分業が標準に AIは局所的な便利ツール 例)「使える人だけ使う」Copilot
  5. 現場で起きたこと ── 班長の一言 手順書はある。でも紙に印刷して人が目視確認している——だから見逃す 事象 空調ダクト接手部のホースサイズ間違い → 正規部品調達まで数ヶ月現場作業がストップ 原因 手順書はあった。しかし紙に印刷した図面を

    人が目視で確認 → 微細なサイズ差を見逃し 暫定 対策 ホースサイズ選定ツールを整備し 選定ミスを防ぐ仕組みを追加 班長 「済んだことはしょうがない。現場はこっちが何とかする から、二度とこんなことが起きないようにしてくれ」 心の中で思っていたこと 手順書もある。ロジックもシンプル。 手順通りにチェックするだけなら 人よりルールベース(場合によってはAIも)の方が 絶対に精度が高い。 紙×目視のレビュー文化を変えないと、 今回の間違いは永遠に繰り返される 恒久対策の方向性 ルールベース / AI による自動チェックを見据えた 紙ベースの図面関連業務のデジタル化 5 / 10
  6. 6 / 10 CADDiで解決できる課題がある。でも壁がある。 解決策(CADDi)はある。クラウドの壁がある。だからローカルで動かす CADDiで解決できること ✓ 類似図面の検索・流用判定 ✓ 検図の自動チェック

    ✓ 図面番号とキーワードの紐づけ 説明会:多数参加、質問も活発 → 関心・期待は高い! でも結局クラウドのセキュリティで 止まる……を繰り返している クラウドの壁 図面をクラウドに アップロードできない 説明会→窓口担当→ セキュリティ議論が堂々巡り 「セキュリティ」が 図面データ活用の 免罪符になっている だからローカルLLM 図面をクラウドに上げられないなら オンプレ・ローカルで動かせばいい ローカルLLMの目的は 「思考停止の解除」 AIってすごい → 限界も体感 → クラウドも使おう → 図面データ利活用の機運を 高めたい
  7. 3本柱で動いた 机上論ではなく実際に動いた——周知・資源確保・実績の3本柱 1 周知活動 Copilot推進活動のチャンネル を活用し、ローカルLLMに関す る情報を発信・収集 2 計算資源確保 3

    実績作り ・OCR、生成AIによる図面情 報の読み取り ・業務課題解決 7 / 10 社内外のコミュニティのつながり により計算資源確保 ・CopilotとローカルLLMの使い分け ・ローカルLLM導入ハンズオン ・ローカルLLMデモ ・業務課題を抱える部門へのヒアリング ・社内のR&D部門(社内コミュニティ での意見交換をきっかけに利用提案を もらう) ・ローカルLLMスターターキット(社外コ ミュニティの参加メンバーからの紹介) いずれも、普段の業務・コミュニケーション・試行錯誤・プライベートの延長線上 ・OCRによる図面読み取り+PDFへの 文字情報埋め込み ・CopilotとローカルLLMでの図面読み 取り比較検証 ・作業指示書自動作成
  8. 実績作り ─ ローカルでここまでできる ローカルでCopilotを超えた——現在地の報告 Copilot(GPT-5.4 Think Deeper) ✓ 部品表を正確に読み取り ✓

    寸法・公差の抽出 ✓ 図面情報を構造化して出力 評価:図面情報を正確に抽出 図面のクラウドアップロードが可能なら 一定のユースケースで活用可能 VS ローカルLLM(Qwen3.5 122B) ✓ 部品表・組図を正確に読み取り ✓ 寸法・公差の抽出 ★ カタログ部品の解説を自動追加 ★ 機構の動作原理まで解説 評価:Copilotを上回る出力 ローカルでここまで来た ✓ 図面情報を構造化して出力 8 / 10
  9. 実績作り ─ ユーザーサイドの要件定義 「こういうものが欲しい」をモックアップで示す コンセプト "個人のレビュー体験を、組織全体の学習資産に変える" meviy 図面バラシシリーズのX投稿 (図面+専門家の検図コメント)を Gemini

    Visionで解析しSQLiteに蓄積 この先にやりたいこと 検図ノウハウはその場限りで引き継がれない → 今回作成したモックアップはベテランの暗黙知を形式知 に変える第一歩 できること(概念実証) [検索] キーワード検索 部品名・材料・加工法・指摘内容で横断検索 [AI] AIアドバイス生成 図面+コメントから新人向け解説生成 [分析] 成長ダッシュボード 指摘カテゴリ頻度・繰り返しミス可視化 [収集] 自動収集・解析 URLを入れるだけで図面・リプライを自動取得 vibe codingによる概念実証 9 / 10 Xのポスト
  10. 変えるのに必要なのは技術だけでなく繋がり AIの進歩に人・組織がついていくというのは並大抵の努力では不可能。 一部が食らいつくだけでは会社は変わらない。 変えるのは「技術だけ」ではなく、巻き込む人との繋がり。 コミュニティとの繋がり ・社外コミュニティでの交流から始まっ たローカルLLMスターターキットの導入 ・社内の他事業部門に点在するDX・ DS人材との交流で情報収集の地盤 が固まった

    社内の繋がり ・業務改善の一環として他部門と 連携・協力 ・設計部門ヒアリングで現場の需 要把握 今日生まれる繋がり ・今日参加されている皆さんと図面 ×AIを議論したい ・モノづくりの未来を一緒に考えたい 今日の話が少しでも気づきになれば嬉しいです。懇親会でぜひ話しかけてください。