Lessons of Ancient Greece”, A World of Ideas, 1988 • ヌスバウムは古代ギリシャをスタート地点に倫理学、政治哲学、フェミニズムなど多岐にわたる影響力をも つ現代アメリカを代表する哲学者です。この対談で、ヌスバウムはアガメムノンを題材にギリシャ悲劇にお ける道徳的なジレンを指摘しています。価値の多元性とその帰結が見事に表現されています。全文が公開さ れており、動画もYouTubeにあります。ヌスバウム自身の語りに非常に説得力があるので、英語がある程度 できる方は是非動画を見てみてください。この文献リストで一番おすすめです。 • https://billmoyers.com/content/martha-nussbaum / https://www.youtube.com/watch?v=tWfK1E4L--c • アイスキュロス著、久保正彰訳(1998)『アガメムノーン』岩波書店 • 題材としたアガメムノーンの和訳です。ギリシャにおける三大悲劇詩人による悲劇の名作です。壮絶な呪わ れたドラマは現代の私たちにも衝撃的で、ページを繰る手が止まらない一作です。解説が充実しており、前 提知識を補いながら読めます。発表ではアガメムノーンは悲劇の主人公であり気の毒な雰囲気ですが、実際 はけっこうろくでもないです。 • ヨーゼフ・シュンペーター著、大野一訳『資本主義、社会主義、民主主義 Ⅰ』日経BP社 • 経済学の巨人であるシュンペーターがそれぞれの社会のあり方とその可能性について語った本です。「創造 的破壊」をはじめて本格的に語り、有名にしたのがこの作品です。それ以外にも社会や経済についての広範 な議論が比較的読みやすくされています。一方で予言の書としては現代のコンピューターを中心とした高度 な知識産業から見ると外してないか?ってところもあるので、その対比をしながら読むと楽しいはずです。