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ストックマークのAI推進について|AI Nativeな業務設計者として、組織のOSを再設計する

ストックマークのAI推進について|AI Nativeな業務設計者として、組織のOSを再設計する

ストックマークが全社で進めているAI推進の思想と取り組みを、社外向けにまとめた資料です。単なるツール導入や業務効率化ではなく、人間とAIが協働する組織を前提に、業務プロセス・組織構造・意思決定のあり方そのものを再設計する——CPO直下で進めている挑戦の現在地と、これから一緒に走ってくれる仲間への招待状です。

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hashiba daiki

May 18, 2026

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Transcript

  1. © Stockmark Inc. 前段 AI推進の歩み 個⼈の試⾏から、全社の取り組みへ 2025 / 3 Devin

    導⼊ — エンジニア個⼈の試⾏が始まる 2025 / 6 Claude Code との出会い — 「組織的に使えないか」と考え始める 2025 / 11 エンジニアリング部⾨で展開開始 → 「Devin question」「プロダクトリクエスト⾃動化」 2026 / 3 全社でやっていく⽅針へ 全社への展開を進めていますが組織があるわけではなく、projectとして推進中 (予算を考えるとゆくゆくは組織にしたいですが)
  2. © Stockmark Inc. 前段 ⽬的:会社の利益に繋げる AI推進は⼿段。⽬的化しない ⽣産性向上 ⇒ 継続的な事業成⻑(利益) 例①

    省⼒化 同じ⼈員構成でも、新規エージェントの開発が並 ⾛して進められる。 → 機会損失の削減‧打ち⼿の幅が広がる。 例② スピード向上 製品を出すスピードが上がる。 → 結果として売り上げ(利益)が増える。
  3. © Stockmark Inc. 前段 ⽣産性向上とは? 業務効率化がイコール⽣産性を向上させるわけではない 業務効率化 ≠ ⽣産性向上 例:コードレビューツールの導⼊

    (1⽇のコードレビューにかける時間 * 対応⼈数 * 営業⽇数) 2時間 * 20⼈ * 20⽇ = 80時間の削減 時給4,000円換算だとツール導⼊費100,000円を 差し引いても220,000円のプラス!!! • 導⼊して実際に220,000円利益がでたか? • 売り上げが上がったか? ⇒実際にすぐに⼈件費が削減できるわけでは ないのでそうならない。 業務効率化⾃体に意味はあるが、それをどう 使うか?が⼤事。
  4. © Stockmark Inc. 例:局所最適化しても、全体の⽣産性は上がらない 開発の⼯程にAIを投⼊!! チケット確認 AI 調査 AI 実装

    確認 AI レビュー リリース ボトルネックになりやすい⼯程(PRD完成まで) ① issue収集 →MRD ‧アイデア出し ‧市場リサーチ ② PRDへの 落とし込み ‧要件定義 ‧仕様整理 ③ prototype への適⽤ ‧検証 ‧ユーザーテスト ④ PRD完成 ‧合意形成 ⑤ 開発 ⑥ リリース後 継続確認 ‧エラー監視 ‧改善点発⾒ ここが詰まっていると、開発が速くなってもスループットは上がらない POINT 開発を速くしても、上流(企画‧要件定義‧合意形成)が詰まっていれ ば全体のスループットは上がらない。 ⽣産性を上げるには、全体からボトル ネックを特定しプロセス全体を改善する → 1週間で10枚捌けていたチケット枚数が倍の20枚に!!!200%の効率化に成功!!! 前段
  5. © Stockmark Inc. チケット確認 調査 実装 確認 レビュー リリース ボトルネックになりやすい⼯程(PRD完成まで)

    ① issue収集 →MRD ‧アイデア出し ‧市場リサーチ ② PRDへの 落とし込み ‧要件定義 ‧仕様整理 ③ prototype への適⽤ ‧検証 ‧ユーザーテスト ④ PRD完成 ‧合意形成 ⑤ 開発 ⑥ リリース後 継続確認 ‧エラー監視 ‧改善点発⾒ 前段 PM:1人 開発:5人 Before
  6. © Stockmark Inc. 開発の⼯程にAIを投⼊!! チケット確認 AI 調査 AI 実装 確認

    AI レビュー リリース ① issue収集 →MRD ‧アイデア出し ‧市場リサーチ ② PRDへの 落とし込み ‧要件定義 ‧仕様整理 ③ prototype への適⽤ ‧検証 ‧ユーザーテスト ④ PRD完成 ‧合意形成 ⑤ 開発 ⑥ リリース後 継続確認 ‧エラー監視 ‧改善点発⾒ 前段 PM:1人 開発:5人 開発:3人 PM:1人 + 2人 ② ① ⼈員配置の⾒直し! 業務の変更! After
  7. © Stockmark Inc. 前段 ①AIツールを導⼊できる状態 ルールが整っている。おおよその使い⽅が わかる ②AIを組織的に活⽤している状態 単なるツール導⼊に⽌まらず、業務プロセ スそのものに良い影響を与えている

    ⇒AI Nativeな状態 いろいろ書いてますがざっくり⾔うと、AI Nativeとは 「AIを組織的に使いこなしている状態」 単なるツール導⼊ではなく、AIが機能するよう⼟壌を整える
  8. © Stockmark Inc. 前段 会社の利益に繋げる ⽣産性向上 ≒ 業務プロセスの改善 業務効率化 AI

    Nativeな状態 AIには業務プロセスを変えられるポテンシャルがあると思っており、AI Nativeな状 態にして業務プロセスを改善した結果、⽣産性が向上し会社の利益につながる
  9. © Stockmark Inc. 具体的な進め⽅:2段階で考える 1st step AIが使える状態にする。何ができる かを把握する ‧ AIは使うことによる経験則が⾮常に強い

    ‧ 具体的な利益を得て初めて⾃分ごとになる ‧ 業務効率化を各Unitで作っていく。   具体的なユースケースを作る ‧ 運⽤ルールの整備 2nd step 解像度があがり業務プロセス改善の道 筋が⾒えて、実際に置き換え始める 解像度UP ‧ try & error で徐々に置き換えていく ‧「⼈がやる前提のフロー」から   「AIがやる前提のフロー」へ 現状とこれから 「AIがやる前提のフロー」になる =「AI Nativeな状態」 ※これから Unit という単語がでてきますが 「業務プロセス単位でのまとまり」 という理解でお願いします
  10. © Stockmark Inc. チケット確認 AI 調査 AI 実装 確認 AI

    レビュー リリース ① issue収集 →MRD ‧アイデア出し ‧市場リサーチ ② PRDへの 落とし込み ‧要件定義 ‧仕様整理 ③ prototype への適⽤ ‧検証 ‧ユーザーテスト ④ PRD完成 ‧合意形成 ⑤ 開発 ⑥ リリース後 継続確認 ‧エラー監視 ‧改善点発⾒ ② ① AI AI AI ③ ①AIを主体として開発できる環境を作ったり維持する⼈ ②何を作るか?を決める⼈ ③AIだけでは対応できない業務に対応する⼈(旧来の開発に近い) 業務プロセスの変更例(エンジニアの場合) 現状とこれから 8割ぐらいの業務は置き換えられるのでは
  11. © Stockmark Inc. 残りの2割で、何をするか。 8割の業務はAIに置き換わる。その先にあるのは⸺ 業務とプロダクトと、会社そのものを 劇的に進化させる。 プロダクト AI前提のPdMで、顧客に届く価値 の量と速度が変わる

    組織設計 ⼈とAIが協働する、これまでにな い組織形態をゼロから作る 意思決定 情報処理速度の制約が外れ、経営 アジェンダの動きが桁で変わる 現状とこれから
  12. © Stockmark Inc. FY26 3Q 1st step を半分ぐら いのUnitがクリアし ている状態に

    FY26 4Q FY27 現状とこれから 現状とマイルストーン 2nd stepに進める Unitには進んでもら い、試⾏錯誤しても らう 予算、ルールの作 成。セキュリティな ど含めて安全に使え るように整備する 1st step がまだ完了 していないUnitも完 了できるように進め る 全Unitが2nd stepの 活動を進めている 予算、ルールが決 まっており、安定的 に運⽤が始まってい る 現状 具体的なユースケー スがぽつぽつ作れ始 めた。各Unitへのお 声掛け 3Qからの検証がで きるように予算や ルールを整備した
  13. © Stockmark Inc. FY26 3Q 1st step を半分ぐらいの Unitがクリアしている状 態に

    FY26 4Q 現状とこれから 具体的にお願いしたいこと 2nd stepに進めるUnitに は進んでもらい、試⾏錯 誤してもらう 予算、ルールの作成。 セキュリティなど含めて 安全に使えるように整備 する 1st step がまだ完了して いないUnitも完了できる ように進める AI推進のチームが頑張る 範囲
  14. © Stockmark Inc. FY26 3Q 1st step を半分ぐらいの Unitがクリアしている状 態に

    FY26 4Q 現状とこれから 具体的にお願いしたいこと 2nd stepに進めるUnitに は進んでもらい、試⾏錯 誤してもらう 予算、ルールの作成。 セキュリティなど含めて 安全に使えるように整備 する 1st step がまだ完了して いないUnitも完了できる ように進める 各業務のドメインエキス パートと共にAI-Nativeな 業務の提案‧設計‧定着 を推進していく
  15. © Stockmark Inc. 現状とこれから:まとめ AI推進の⽬標‧活動意義 「ストックマークをAI Nativeにする」 AI推進のFY26下期⽬標 「AI Nativeを⽬指せる状態にする」

    AI Nativeに向けては2段階stepがある ①実際に使ってみて何ができるか理解する。業務が楽になる ②業務のプロセスごと変更するようなチャレンジ
  16. © Stockmark Inc. AI推進メンバーの役割 ドメインエキスパートと並⾛し、AI Nativeな業務を「提案‧設計‧定着」まで⼀気通貫で推進する 提案 業務を読み解き、仮説を⽴てる 現場のドメインエキスパートと⼀緒 に、どの業務プロセスをAI

    Nativeに再 設計すべきか仮説を⽴てる。業務理解 +AIで可能なことの解像度の両⽅が必 要。 設計 エージェント‧RAGで実装する ワークフロー、エージェント、RAG bot を設計‧実装。プロダクション品質で 動かす。⼩さなPoCではなく、業務とし て使われる仕組みを作る。 定着 運⽤‧組織を変える 運⽤ルール‧計測指標‧組織側の意思 決定プロセスまで含めて再設計し、 「使われ続ける状態」にする。ここま でできて初めて、業務プロセスが本当 に変わる。 AI推進メンバー = AI技術者 × 業務設計者 × 推進者 の三位⼀体ロール さいごに
  17. © Stockmark Inc. 「攻守バランス型」を求めています AIエンジニアリングと、組織を動かす推進⼒の両⽅を備えた⼈ 攻めのAIスキル AIを実装で 組み込んできた経験 エージェント機能やRAG botの⾃社開

    発‧運⽤。 「個⼈で触ってみた」ではなく、 ユーザーが実際に使うものを作っ て、運⽤してきた経験。 守りのエンジニアリング 動かし続けられる 基盤を作れる 簡易的なクラウドインフラ構築、シ ステム運⽤の基礎。 AIを業務に組み込む際、⾃分で動か し続けられる地盤を作れる⼒。 推進⼒ 技術だけでは 業務は変わらない 周囲を巻き込む密なコミュニケー ション。 社内調整‧マネジメント経験。⼈と 組織を動かして、変化を実装できる ⼒。 さいごに
  18. © Stockmark Inc. 参考 ザ‧ゴール DeNA AI Day2026より 政治と規制をハックする 第⼆次産業⾰命:蒸気→電気

    蒸気機関→電気モーター だけでは⽣産性 向上とはならなかった。電気の特徴に合 わせた仕組み全体の変化が必要だった。 蒸気機関は動⼒源が⼤きく作業順になっ ていなかった & 摩擦によるロスが⼤き かった。電⼒は⼩型 & ロスが少なく作業 順の配置にできた。 「さて、私⾃⾝も相当にAIネイ ティブな働き⽅が進み、業務の効 率化を実感しています。 しかし、分かったこともありま す。作業が楽になった分、空いた 時間にさらに仕事を詰め込んでし まうのです。」 「ロボットを使って、 ⼯場の⽣産性は本当に 上がったのかね」