Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
マツコの知らない「数学」の世界
Search
h.crane
December 26, 2019
Technology
0
360
マツコの知らない「数学」の世界
マツコの知らない「数学」の世界
エンジニアとして知っておきたい計算量O(n)のお話
h.crane
December 26, 2019
Tweet
Share
More Decks by h.crane
See All by h.crane
Getting started with controlling LEGO using Swift
hcrane
1
1.1k
Swift 5.9 と C++ の互換性
hcrane
1
680
Live on iOSDC2023
hcrane
4
1.3k
自販機で1000円を使い切りたいんじゃ!
hcrane
0
130
Vision.framework - 商品画像からのテキスト検出と並列化実装への試み
hcrane
1
740
DevRel/Japan 2023 - 1つの事業部だけで行う DevRel とは
hcrane
0
980
R2-D2をiOSで動かす
hcrane
2
3k
iOSDC2022 - SwiftUI in UIKit で開発する世界
hcrane
6
6.9k
iOSDC2022 - iPadOSDC Japan 2022
hcrane
2
3.9k
Other Decks in Technology
See All in Technology
2/18/25: Java meets AI: Build LLM-Powered Apps with LangChain4j
edeandrea
PRO
0
120
データ資産をシームレスに伝達するためのイベント駆動型アーキテクチャ
kakehashi
PRO
2
540
OpenID Connect for Identity Assurance の概要と翻訳版のご紹介 / 20250219-BizDay17-OIDC4IDA-Intro
oidfj
0
280
トラシューアニマルになろう ~開発者だからこそできる、安定したサービス作りの秘訣~
jacopen
2
2k
CZII - CryoET Object Identification 参加振り返り・解法共有
tattaka
0
380
Oracle Cloud Infrastructure:2025年2月度サービス・アップデート
oracle4engineer
PRO
1
220
Platform Engineeringは自由のめまい
nwiizo
4
2.1k
Building Products in the LLM Era
ymatsuwitter
10
5.5k
SA Night #2 FinatextのSA思想/SA Night #2 Finatext session
satoshiimai
1
140
組織貢献をするフリーランスエンジニアという生き方
n_takehata
1
1.3k
N=1から解き明かすAWS ソリューションアーキテクトの魅力
kiiwami
0
130
Tech Blogを書きやすい環境づくり
lycorptech_jp
PRO
1
240
Featured
See All Featured
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
100
18k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
328
24k
A Philosophy of Restraint
colly
203
16k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
94
13k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
26
5.1k
Making Projects Easy
brettharned
116
6k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
34
3.1k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
44
13k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
174
51k
Embracing the Ebb and Flow
colly
84
4.6k
Fontdeck: Realign not Redesign
paulrobertlloyd
83
5.4k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
32
6.4k
Transcript
マツコの知らない「数学」の世界 〜 エンジニアとして知っておきたい計算量O(n)のお話 〜 Hiromu Tsuruta
こんな記事がバズってました
動的計画法によるDVDのディスク分割の改善
何でバズってるの?
アルゴリズムを使って実際に業務改善をしている!
・家族の「写真や動画」をDVDにして注文できる機能がある ・「写真や動画」は1枚に収まらないので複数のディスクに分割する ⇨ 「月ごとに分けて各ディスクに入れていく」というアルゴリズム 【前提】
1月の思い出 データベース 2月の思い出 3月の思い出 12月の思い出 ・・・・・ 12枚 【現状】
ディスクの枚数をもっと減らせないのか ⇨ ユーザーから問い合わせが寄せられていた 【課題】
どうやって減らす?
月ごとではなく最適化して入れる!
1月の思い出 データベース 2月の思い出 3月の思い出 12月の思い出 ・・・・・ 12枚よりは少ない 【解決例】
最適化する = データを分割する
ディスクの枚数課題を解決!
ではありません
ただ、分割すれば良いと言うものではない!
なんで?
データ分割の計算量を意識する必要がある
None
ユーザー サーバー ① アルバムの注文 ④ 注文枚数を表示 サーバー/データ ② 枚数の計算を実行 ③
計算結果を返す 〜 注文フロー 〜
計算が遅いとユーザーの画面反映も遅れる
UXの低下・機会損失
ユーザー サーバー ① アルバムの注文 ④ 注文枚数を表示 サーバー/データ ② 枚数の計算を実行 ③
計算結果を返す 〜 注文フロー 〜 この部分をなんとかしたい!
計算量を抑えました
O(MN²) から O(MN log N) まで減らし 最終的に O(NM²) までになりました (1
≦ N ≦ 10⁵, 1 ≦ M ≦ 50)
ん?
O とは?
ランダウの記号 ギリシア文字の O(オミクロン)を用いて表される 大文字をビッグオー、小文字をスモールオーと呼んだりもする 数学においてはオーダーという呼び方をする 計算量を大雑把に評価する(見積もる)際に使用する example O(n) :オーダーのエヌ O(log
n) :オーダーのログエヌ
具体例を見てみよう!
Example.1 「世界のナベアツ」
None
ナベアツは線形探索しているだけ!
線形探索とは?
・検索アルゴリズムの1つ ・リストや配列に入ったデータの検索を行う ・先頭から順に比較を行い、見つかれば終了する
「世界のナベアツ」パターン - 3の倍数 or 3が付くなら true - それ以外は false を必ず1回ずつ確認を行っている
and 40までしか探索しない
「世界のナベアツ」= O(40)
「世界のナベアツ」が 100 まで探索する場合は?
「世界のナベアツ」= O(100)
「世界のナベアツ」が n まで探索する場合は?
「世界のナベアツ」= O(n)
話を戻すと、、 結局、計算量は減ってるの? (ここから普通に数学なのでつまらなかったらすいません)
O(MN²) ⇨ O(MN log N) ⇨ O(NM²) 先の話では、、 計算量を以下の順番で減らした O(NM²)
≦ O(MN log N) ≦ O(MN²) (1 ≦ N ≦ 10⁵, 1 ≦ M ≦ 50)
全然わからん、、から 具体的な数字に落とし込んでみよう!
取りうる最大値を代入する
1 ≦ N ≦ 10⁵ 1 ≦ M ≦ 50
1 ≦ M ≦ 50 1 ≦ M ≦ 10
* 5 1 ≦ M ≦ 10 * 5 ≦ 10 * 10 Mの範囲をNに合わせて拡張する 上記のことから 1 ≦ M ≦ 10²
O(NM²) ≦ O(MN log N) ≦ O(MN²) O(MN²) ≦ O(10²
* (10⁵)²) ≦ O(10² * 10¹⁰) ≦ O(10¹²) O(MN log N) ≦ O(10² * 10⁵ * log10⁵) ≦ O(10⁷ * 10⁵) ≦ O(10¹²) O(NM²) ≦ O(10⁵ * (10²)²) ≦ O(10⁵ * 10⁴) ≦ O(10⁹) N = 10⁵, M = 10²
O(NM²) ≦ O(MN log N) ≦ O(MN²) O(10⁹) ≦ O(10¹²)
≦ O(10¹²) 10⁹ ≦ 10¹² ≦ 10¹²
確かに計算上は計算量が小さくなっている!
どうやって小さくしているの? というのはバズっていた記事にある アルゴリズムを読んでください (この資料はあくまでもO(オーダー)について説明に焦点を当てています)
fin