Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
PLDI '21論文読み会: High Performance Correctly Round...
Search
Idein
June 08, 2022
Research
0
1.4k
PLDI '21論文読み会: High Performance Correctly Rounded Math Libraries for 32-bit Floating Point Representations
Idein
June 08, 2022
Tweet
Share
More Decks by Idein
See All by Idein
PLDI '21論文読み会: DNNFusion: Accelerating Deep Neural Networks Execution with Advanced Operator Fusion
ideininc
1
1.7k
PLDI '21論文読み会: AKG: Automatic Kernel Generation for Neural Processing Units using Polyhedral Transformations
ideininc
0
1.5k
PLDI '21論文読み会: Specification Synthesis with Constrainted Horn Clauses
ideininc
0
1.4k
PLDI '21論文読み会: Cyclic Program Synthesis
ideininc
0
1.4k
PLDI '21論文読み会: Quantum Abstract Interpretation
ideininc
0
1.4k
PLDI '21論文読み会: Provable Repair of Deep Neural Networks
ideininc
2
1.6k
Idein会社紹介資料(積極採用中)
ideininc
0
33k
Other Decks in Research
See All in Research
ミニ四駆AI用制御装置の事例紹介
aks3g
0
180
多様かつ継続的に変化する環境に適応する情報システム/thesis-defense-presentation
monochromegane
1
590
クロスセクター効果研究会 熊本都市交通リノベーション~「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」の実現へ~
trafficbrain
0
290
Whoisの闇
hirachan
3
160
[ECCV2024読み会] 衛星画像からの地上画像生成
elith
1
900
Weekly AI Agents News! 11月号 プロダクト/ニュースのアーカイブ
masatoto
0
200
2024/10/30 産総研AIセミナー発表資料
keisuke198619
1
380
Weekly AI Agents News! 10月号 論文のアーカイブ
masatoto
1
400
熊本から日本の都市交通政策を立て直す~「車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍」の実現へ~@公共交通マーケティング研究会リスタートセミナー
trafficbrain
0
180
国際会議ACL2024参加報告
chemical_tree
1
350
Zipf 白色化:タイプとトークンの区別がもたらす良質な埋め込み空間と損失関数
eumesy
PRO
8
1k
精度を無視しない推薦多様化の評価指標
kuri8ive
1
290
Featured
See All Featured
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
335
57k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
53
13k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
169
14k
A better future with KSS
kneath
238
17k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
132
33k
KATA
mclloyd
29
14k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
280
13k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
28
900
Optimizing for Happiness
mojombo
376
70k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
20k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
PRO
28
8.3k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
95
17k
Transcript
High Performance Correctly Rounded Math Libraries for 32-bit Floating Point
Representations PLDI2021読み会@Idein 2021/09/24 藤井裕也
概要 • 正しく丸められた32bitの数学ライブラリを実装する ◦ 正しく丸められた、とは ▪ 正しい実数から32bitに丸めた値のこと ◦ よく使われているライブラリには誤った出力がある ◦
正確なライブラリもあるが性能が低い • 著者らの16bit版のライブラリが存在する ◦ 32bitにそのまま適用するにはいくつか課題がある • この論文では16bit版の手法を改良して32bit版を実装する ◦ floatとposit32の両方 ▪ posit32: 0付近の精度が高いような浮動小数点の規格
先行研究の問題点 • mini-max approach ◦ すべての入力に対する誤差のうち、最大の誤差を最小化する ◦ 誤差発生ポイントがいくつかある ▪ range
reduction ▪ output compensation ▪ 多項式の評価 • RLIBM ◦ 16bit版の著者らの実装 ◦ 上記の誤差発生ポイントを抑えて、結果的に誤差がないようにしている ◦ 線形計画問題にしてLP solverで解いている ▪ 32bitだと制約の数が多すぎる
論文のキモ • 16bit版の手法を改良して、LP solverで解けるようにする • いろんな手段でLPの制約の数を減らしていく ◦ counterexample guided polynomial
generation ◦ piecewise polynominal ◦ range reductionの改良
改良点1: counterexample guided polynomial generation • 入力を全部試さず、サンプリングする • サンプリングした入力でLPを解いて多項式を生成して、全入 力をテスト
• テストに落ちる入力があればサンプルに加えてLPを解く...を 繰り返し
改良点2: piecewise polynomials • 入力をsub-domainに分割して、各sub-domainに対して個別 の多項式を生成 • 入力の範囲とそれに対応する多項式を表で持っておく
改良点3: range reductionの改良 • 実装する数学関数の特性を使う ◦ そのため、関数ごとに別の方法を考えなければならない • 論文中ではsinの例で説明している ◦
他の例は別論文になっているらしい
sin(𝛑x)の例 • 32bit = 40億通り以上の入力 • 32bit floatではsin(𝛑x)は以下の3つの範囲に分けられる • 一番上のパターンだけで8億通り近くあるので、range
reductionを使う
sin(𝛑x)の例 range reduction (1/2) • sinの三角関数や周期関数の特性を使って考慮すべき入力を 減らす • ◦ ◦
J = K + L (Kは整数部分、Lは小数部分) • [0.5, 1)は[0, 0.5)の鏡像なので、入力は[0,0.5)だけ考えれば 良い • これでもまだ1億8400万通りくらい入力がある
sin(𝛑x)の例 range reduction (2/2) • ◦ L’ = N/512 +
R • sinpi(N/512)とcospi(N/512)は事前に計算しておく • • 入力は0から1/512の範囲まで減らせたが、cosも必要になっ た
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (1/5) 1. 正しいライブラリを使って、各入力に対する正解値を求める 2. range reductionの結果狭くなった入力Rに対する正解値を求 める 3.
入力をsub-domainに分割する 4. 各sub-domainに対する多項式を生成する
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (2/5) • 正しいライブラリを使って、各入力に対する正解値の範囲を 求める ◦ rounding intervalと呼んでいる •
まず32bitでの正解値を求める • doubleの精度で、丸めると正解値になる上限と下限を求める
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (3/5) • range reductionの結果の入力Rに対する正解値を求める • 範囲は狭まったが、sinpi(R)とcospi(R) (R ∈[0,1/512))
が必 要になった • 32bitで正しい結果になるsinpi(R)とcospi(R)を求める ◦ sinpi(R)とcospi(R)の結果が32bitで正しいことは不十分 ◦ sinpi(R)とcospi(R)を使った結果の式が32bitで正しい必要がある
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (4/5) • 入力をsub-domainに分割する ◦ 入力を減らしたとはいえ、まだ1億1千万通りもある ◦ ビットパターンで入力を分割する •
sub-domainのインデックスのbitはMSBから始めない ◦ 事前に範囲を絞ったので、R=0以外の入力は左から6bit分共通している
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (5/5) • 各sub-domainに対する多項式を生成する 1. 入力をいくつかサンプルしてLP solverで解く 2. 得られた多項式でsub-domainの入力全部をテストする
3. 正しくない答えになった入力があれば、サンプルに加えて1に 戻る
精度の評価 (32bit float)
精度の評価 (posit32) • posit32向けのライブラリは無いが、精度が良い0付近でも doubleと同じ • doubleのライブラリと比較
多項式生成にかかった時間 (float) 2.10GHz Intel Xeon Gold 6230Rで実行
多項式生成にかかった時間 (posit32)
実行時間の評価 • 平均してglibcの1.1倍、intelの1.5倍速い ◦ ベクトル化するとintelのライブラリのほうが速くなるが誤差がすごい増えるらし い
まとめ • 32bitの数学ライブラリを作成した ◦ 正確に丸められている ◦ 既存のライブラリより高速に動作する ◦ posit32向けのライブラリは初