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AIで変わるPdMの役割──思考する力が武器になる

 AIで変わるPdMの役割──思考する力が武器になる

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Itsuki Kakitani

August 06, 2025
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  1. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. ⽣成AI時代のPdM - 活⽤と未来戦略

    AIで変わるPdMの役割──思考する⼒が武器になる 2025/08/06 株式会社タイミー 柿⾕ 樹
  2. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. ⾃⼰紹介 柿⾕ 樹

    | Itsuki Kakitani 株式会社タイミー プロダクトマネージャー @_kacky バックグランド/ 職歴 • 新規事業開発 (Biz) • 業務⽀援プロダクトの⼤規模開発/グロース (toB特化のPdM) • バーティカルな市場での顧客単価の最⼤化に注⼒ (2-side-platformなので、toCもtoBもやります) 株式会社リクルート 株式会社タイミー 趣味:⼭登り⛰
  3. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 本⽇のテーマ: AIで変わるPdMの役割──思考する⼒が武器になる AIの急速な進化により、「プロダクト開発の前提」が⼤きく変わりつつあり、 PdMの役割も再定義され始めています。

    特に最近感じるのは、PdMの価値が「思考」へとシフトしていること。 本質的な役割に向き合えているかが、これまで以上に問われています。 今回は「AI活⽤」を軸に、PdMのこれからの在り⽅を考えてみたいと思います。
  4. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 本⽇のアジェンダ 3つのポイント 1.

    思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する 2. 思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉に 3. 思考環境を整える ── Bullshit Jobを減らし、意味ある仕事に集中する
  5. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 本⽇のアジェンダ 3つのポイント 1.

    思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する 2. 思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉に 3. 思考環境を整える ── Bullshit Jobを減らし、意味ある仕事に集中する
  6. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 1.思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する

    「思考」は関数的な処理として表現できる ※波頭亮『思考‧論理‧分析』より引⽤ 「思考」とは、思考対象に対して何らかの意味を得るために、 頭の中で情報‧知識を加⼯すること。 X:事象(情報) Y:知識(前提‧常識) f : 思考 意味づけ‧メッセージ‧判断 ⼊⼒ 出⼒
  7. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 1.思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する

    AIの処理は、思考と構造的に類似するが、本質的には異なるもの X:指⽰ (プロンプト‧命令) Y:コンテキスト (設定‧履歴‧知識) f : LLM等での推論 応答 (回答、判断、要約、創造、提案等) X:事象(情報) Y:知識(前提‧常識) f : 思考 意味づけ‧メッセージ‧判断 思考 AIによる 処理 ⼊⼒ 出⼒ AIは不完全な⼊⼒でも“それらしい”出⼒を⽣成できてしまうため、⼈間による品質担保が不可⽋である → 結局は、⼈間の思考が品質担保の前提となる
  8. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 1.思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する

    AIを活かす鍵は、「コンテキスト設計」と「出⼒への審美眼」にあり 「なぜその出⼒なのか」を理解し、AIに任せきりにせず、 説明責任を果たせることが不可⽋。 AIの出⼒は、プロンプトや背景情報の質に⼤きく依存する。 思考を⾔語化し、正しく渡す⼒が求められる。 ①コンテキストを設計する (=⼊⼒の質を⾼める) ②出⼒を⾒極める (=妥当性を判断する)
  9. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 1.思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する

    AIの登場により、アジャイル開発で否定されたドキュメント主義への回帰があるのでは Before:暗黙知ベースの開発 After:AI 駆動の開発 • 対話で⽂脈を共有 • 最⼩限のドキュメント • 認知のズレはチームで補正 • ドキュメントがAIのインプットに • WHYの構造化がPdMの基礎スキルに • PdMは「コンテキスト設計者」になる ただし、ドキュメントへの回帰といいつつ、コミュニケーションで認知のズレを無くす営みは、 チームで活動をする限りにおいては、不変だと思っている。
  10. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 1.思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する

    PdMにより求められるのは、「思考の構造化」と「納得を⽣む対話⼒」ではないか 対AI • 思考を⾔語化し、⽂脈を設計する(=ドキュメント化)   ドキュメントはAIへのインプットであり、チームの共通認識の⼟台 • 思考し、出⼒の妥当性を⾒極める(=審美眼)   「なぜその出⼒なのか」を理解し、説明できることが求められる • 対話によって、納得感と共感を育む   「Why」を腹落ちさせるには、⼈間の⾔葉とストーリーテリングが不可⽋ ここまでの話をまとめてみると 対⼈間
  11. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 本⽇のアジェンダ 3つのポイント 1.

    思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する 2. 思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉に 3. 思考環境を整える ── Bullshit Jobを減らし、意味ある仕事に集中する
  12. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 2.思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉

    ⾼速で⼀次情報に触れ、思考をアップデートし続ける営みが求められる デリバリーが早くなったからこそ、ディスカバリーがますます重要に。 現場の声に触れ、仮説を更新し、構造化する。このサイクルを⽌めない仕組みが鍵になる。 Reserach Release What should we build next? Learn Feedback Discovery Delivery
  13. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 2.思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉

    継続的ディスカバリーを⽀える営みを、効率化‧加速する • インタビューのリードタイムを短縮する ⽇程調整の⾃動化や顧客とのリレーションですぐに話を聞ける状態をつくる • 議事録‧⽰唆抽出をAIで⾃動化する 記録作業を⼿放し、考察に集中できる環境を整える • OSTを育て続ける(Opportunity Solution Trees) 仮説や機会領域の構造化を繰り返し、思考の⼟台をアップデートし続ける ⼤体、書籍『Continuous Discovery Habits』に書いてあるようなことではあるが
  14. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 本⽇のアジェンダ 3つのポイント 1.

    思考する ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する 2. 思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉に 3. 思考環境を整える ── Bullshit Jobを減らし、意味ある仕事に集中する
  15. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 3.思考環境を整える ── Bullshit

    Jobを減らし、意味ある仕事に集中する PdMは「意味をつくる仕事」へシフトしている AIの進化で、進捗管理‧会議要約‧競合調査などの「戦術的な労働」から開放され、 PdMは浮いた時間を「意味の創造」に充てられるように。 本質的な価値に集中するには、Bullshit Jobを減らし、思考しやすい環境を整えることが重要といえる。  問い:チームや組織に対して、どうAI活⽤を進めていくのが良いか。
  16. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. 3.思考環境を整える ── Bullshit

    Jobを減らし、意味ある仕事に集中する チーム‧組織でのAI活⽤の⽅向性は⼤きく2つに分けられるのでは 個⼈ チーム‧組織 ルーティーン 定型化 アドホック 反復作業を ⾃動化する 思考‧創造を 拡張する 集合知に変換し、 再現性を⾼める AI前提の Opsを設計する 🟨 1. 個の成功事例を横展開し、チーム全体の⽣産性を底上げする営み (ex.Cursor rule配布) 🟦 2. Ops設計を⽬的とした営み (ex.n8nやDifyでops設計) 横展開
  17. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. まとめ 1. 思考する

    ── ⽂脈を設計し、出⼒を⾒極め、対話で共有する 2. 思考を⽌めない ── 継続的ディスカバリーが競争⼒の源泉に 3. 思考環境を整える ── Bullshit Jobを減らし、意味ある仕事に集中する
  18. © 2025 Timee, Inc. All rights reserved. We are Hiring!!

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