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ユーザーストーリー マッピングを使って プロダクトバックログを作ろう

izumii19
October 02, 2021

ユーザーストーリー マッピングを使って プロダクトバックログを作ろう

「スクラムにおけるPOがプロダクトバックログを作成するときに、ユーザーストーリマッピングを使ってプロダクトバックログを作成する」というワークショップをやった際の資料です。
ユーザーストーリマッピングのかんたんな説明が書いてあります

izumii19

October 02, 2021
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Transcript

  1. ユーザーストーリー
    マッピングを使って
    プロダクトバックログを作ろう
    ノーストーチ株式会社
    伊藤いづみ
    @izumii19

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  2. 今日のゴール
    ユーザーストーリーマッピングを体験してみよう
    「プロダクトバックログは一体どうやって作るの? 」という質問を受けることがありま
    すが、実際には色々な方法があると思います。
    今日はプロダクトバックログを作成する方法としてユーザーストーリーマッピングをやっ
    てみましょう。
    2

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  3. 今日のゴール
    プロダクトバックログや、これに関連する知識もおさらいしましょう
    ⚫ プロダクト
    ⚫ プロダクトオーナー
    ⚫ プロダクトゴール
    ⚫ プロダクトバックログ
    ⚫ プロダクトバックログアイテム
    3

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  4. おさらい:プロダクト

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  5. プロダクト
    プロダクト=顧客へ価値を提供する手段
    ⚫ ソフトウェアそのものに価値があるわけではない
    ⚫ 顧客がソフトウェアを利用して問題を解決したり、
    ニーズを満たすことができた時に価値は生まれる
    ⚫ ソフトウェアに加えサービス、サポートなども
    価値に含まれる
    プロダクト=ソフトウェア
    プロダクト⊃ソフトウェア
    5
    ソフト
    ウェア
    サポート
    サービス
    プロダクト

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  6. おさらい:プロダクトオーナー

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  7. プロダクトオーナー
    (スクラムガイド2020より抜粋)
    プロダクトオーナーは、スクラムチームから生み出されるプロダクトの価値を最大化することの結果
    に責任を持つ。
    組織・スクラムチーム・個人によって、その方法はさまざまである。
    プロダクトオーナーは、効果的なプロダクトバックログ管理にも責任を持つ。たとえば、
    プロダクトゴールを策定し、明示的に伝える。
    プロダクトバックログアイテムを作成し、明確に伝える。
    プロダクトバックログアイテムを並び替える。
    プロダクトバックログに透明性があり、見える化され、理解されるようにする。
    上記の作業は、プロダクトオーナーが行うこともできるが、他の人に委任することもできる。
    いずれの場合も、最終的な責任はプロダクトオーナーが持つ。
    7

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  8. プロダクトオーナー
    (スクラムガイド2020より抜粋)
    プロダクトオーナーをうまく機能させるには、組織全体でプロダクトオーナーの決定を尊重しなけれ
    ばならない。
    これらの決定は、プロダクトバックログの内容や並び順、およびスプリントレビューでの検査可能な
    インクリメントによって見える化される。
    プロダクトオーナーは 1 人の人間であり、委員会ではない。
    プロダクトオーナーは、多くのステークホルダーのニーズをプロダクトバックログで表している場合
    がある。
    ステークホルダーがプロダクトバックログを変更したいときは、プロダクトオーナーを説得する
    8

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  9. プロダクトオーナー
    つまり、プロダクトオーナー(PO)は
    ⚫ プロダクトの価値を最大化する
    ⚫ 効果的なプロダクトバックログ (PBL)管理を行う
    • プロダクトゴールを策定し、明示的に伝える
    • プロダクトバックログアイテム (PBI)を作成し、明確に伝える
    • PBIを並び替える
    • PBLに透明性があり、見える化され、理解されるようにする
    ⚫ プロダクトの増加について受け入れるかどうかを判断する
    9

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  10. POが参加するイベント
    10
    今日は
    ここ

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  11. おさらい : プロダクトゴールと
    プロダクトバックログと
    プロダクトバックログアイテム

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  12. プロダクトゴール(PG)とは
    ⚫ プロダクトバックログに対する確約(コミットメント)
    ⚫ プロダクトの将来の状態を表しており、スクラムチームの計画のターゲットになる
    ⚫ プロダクトゴールはプロダクトバックログに含まれる
    ※スクラムガイド2020のアップデートにてプロダクトゴールが導入された
    12
    PBL
    PG

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  13. プロダクトバックログ(PBL)とは
    ⚫ プロダクトバックログアイテム(PBI)を集めたリスト
    ⚫ スクラムチームが行う作業の唯一の情報源である
    ⚫ PBIが優先順の高い順番に並んでいる*1
    ⚫ 優先順位の高いPBIには詳細な記述が必要
    優先順位の低いPBIは曖昧でも良い
    (定期的な見直しは必要)
    ⚫ PBIの並べ替えについてはPOが責任を持つ
    *1 一般的にはビジネス価値の高いものが上位に来る傾向にある
    13
    PBI
    PBI
    PBI
    PBL
    PG

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  14. プロダクトバックログアイテム(PBI)とは
    ⚫ プロダクトゴールを達成する「何か(what)」
    ⚫ POが価値があると判断したものはなんでもPBI
    機能タスク/不具合対応/技術改善/ スキルアップ
    顧客に見える部分/見えない部分
    ソフトウェア以外のもの(インフラとか)
    将来の価値をうむもの(検証、学習、実験)
    14
    PBI
    PBI
    PBI
    PBL
    PG

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  15. プロダクトバックログアイテム(PBI)とは
    ⚫ 良いPBIの基準
    • 見積もり可能
    • 受け入れ基準が明確
    • 1スプリント内で終わる大きさ
    • デモ手順を決めることができる
    • 可能な限り独立
    15
    PBI
    PBI
    PBI
    PBL
    PG

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  16. 1:PBLの作り方

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  17. PBLはどうやってつくる?
    ⚫ 作り方に決まりはなくやり方は色々あります!
    ⚫ ユーザーストーリーを書いて作る方法が広く知られている
    ⚫ 今回は以下の方法でTry!
    1. PGを理解する : インセプションデッキ
    2. PBLを作成する : ユーザーストーリーマッピング
    17

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  18. 1.プロダクトのゴールを理解する
    インセプションデッキ
    18
    • 我々はなぜここにいるのか
    • エレベーターピッチ
    • パッケージデザイン
    • やらないことリスト
    • 「ご近所さん」を探せ
    why
    • 技術的な解決策
    • 夜も眠れない問題
    • 期間を明確にする
    • トレードオフスライダー
    • 何がどれだけ必要か
    how
    今日はこれ

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  19. エレベータピッチ
    ⚫ ごく短い時間でプロジェクトやアイディアの本質を伝える
    ⚫ 誰のために何を作るのかを明快にする
    (あらゆる人の望みに応えるものを作るわけではない)
    19

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  20. エレベータピッチ
    20

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  21. 2.ユーザーストーリーマッピング
    やり方
    1. ユーザストーリーを書く
    2. ナラティブフローを作る
    3. 別のストーリーを探る
    4. ナラティブフローを整理する
    5. バックボーンを抽出
    6. MVPリリースを切り出す
    7. リリーススライスを引く
    21

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  22. 2-1. ユーザーストーリーを書く
    ⚫ 顧客が実現したいと思っているフューチャー*1
    ⚫ 書き方に決まりはない(よく使うテンプレはあるよ)
    *1 フューチャー=顧客の価値。お金を払ってでも欲しいと思えるもの
    *2 こういうのも顧客の価値。テンプレにこだわらず価値であれば書き出しておく
    22
    ストーリーカード
    [ユーザーの種類]として
    [達成したいゴール]をしたい
    なぜなら[理由・目的]だからだ
    制約*2
    ○秒以内に
    表示できること
    ストーリーカード
    [一般ユーザー]として
    [買った本を簡単に管理]したい
    なぜなら
    [同じ本をダブって買いたくない]
    からだ

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  23. 2-2. ナラティブフローを作る
    ⚫ ユーザーストーリーを並べて物語を作る
    ⚫ マップの左から右へ向かうフロー
    ⚫ 「まず私はこれをした」「” それから私は”これをした」
    23
    制約
    ストーリー
    カード
    ストーリー
    カード
    ストーリー
    カード
    ストーリー
    カード
    これは
    置いといて
    ・・・
    まず私は
    これをした
    それから私は
    これをした
    それから私は… それから私は…

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  24. 2-3.別のストーリーを探る
    ⚫ ナラティブフロー以外のバリエーション
    • ユーザー別
    • シチュエーション
    • 詳細、代替え、制約、例外など
    24
    制約
    詳細
    詳細
    制約 制約
    ナラティブフロー
    新規登録者
    一般ユーザー
    A-1
    A-2
    ユーザーに
    よる違い
    非機能っぽい
    やつとか
    大きい
    ストーリーの
    分割
    新しく
    出てきた
    ストーリー
    例外
    Sign in

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  25. 2-4.ナラティブフローを整理
    ⚫ 別なストーリーを探っている中で出てきたストーリー、レベル合わせ
    ⚫ 順番の見直し
    25
    制約
    制約 制約
    ナラティブフロー
    新規登録者
    一般ユーザー
    A-1
    A-2
    追加
    入れ替え レベル合わせ
    Sign in
    例外

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  26. ⚫ 共通の目標に向かうタスクを集約する(アクティビティの作成)
    2-5.バックボーンを抽出
    26
    制約
    制約 制約
    ナラティブフロー
    新規登録者
    一般ユーザー
    A-1
    A-2
    ユーザーは
    使用する
    準備を行う
    ユーザーの
    情報を
    管理する
    本の情報を
    管理する
    アプリの
    使い方
    を知る
    バックボーン
    Sign in
    アクティビティ
    例外

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  27. ⚫ Minimum Viable Product(MVP:望まれる成果を実現できる最小の製品)
    2-6. MVPリリースを切り出す
    27
    制約
    制約 制約
    ナラティブフロー
    新規登録者
    一般ユーザー
    A-1 A-2
    ユーザーは
    使用する
    準備を行う
    ユーザーの
    情報を
    管理する
    本の情報を
    管理する
    アプリの
    使い方
    を知る
    バックボーン
    Sign in
    MVP
    最初のリリース!
    例外

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  28. ⚫ 特的の目標を実現しやすいようにタスクをスライスする
    2-7.リリーススライスを引く
    28
    ナラティブフロー
    A-1 A-2
    ユーザーは
    使用する
    準備を行う
    ユーザーの
    情報を
    管理する
    本の情報を
    管理する
    アプリの
    使い方
    を知る
    バックボーン
    Sign in
    リリース1
    制約
    制約 制約
    例外
    やらない!
    リリース2
    リリース3
    MVP
    新規ユーザー向け
    機能
    操作性の向上

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  29. 2-8.ユーザーストーリーマップ完成
    29
    ナラティブフロー
    (物語)
    A-1 A-2
    ユーザーは
    使用する
    準備を行う
    ユーザーの
    情報を
    管理する
    本の情報を
    管理する
    アプリの
    使い方
    を知る
    バックボーン
    (骨格)
    Sign in
    リリース1
    MVP
    制約
    制約 制約
    リリース3 例外
    リリース2
    優先順位

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  30. PBLにする
    30
    1 2
    4 5
    リリース1
    MVP
    リリース3

    8
    リリース2 7
    各リリースの中でも
    優先順位をつける
    PBL
    PG
    1
    2
    4
    5
    7

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  31. この形に近づけよう
    ⚫ 優先順位の高いPBIには詳細な記述が必要
    ⚫ 優先順位の低いPBIは曖昧でも良い
    ⚫ 見積もり可能
    ⚫ 受け入れ基準が明確
    ⚫ 1スプリント内で終わる大きさ
    ⚫ デモ手順を決めることができる
    ⚫ 可能な限り独立
    良いPBIになっているか確認
    31
    PBL
    PG
    1
    2
    4
    5
    7

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  32. ユーザーストーリーマッピングの良いところ
    1. プロセス:3つのC
    Card:カードに書く、Conversation:会話する、Confirmation:確認する
    2. 全体像を把握しやすい
    3. ユーザー視点でストーリーを語ることができる
    4. 追加、削除、入れ替えが容易なので最新を保ちやすい
    5. ストーリのレベル・粒度を揃えやすい
    6. 言葉が消えていくを防ぐ
    大切なのはドキュメントを書くことではなく
    会話から生まれる共通理解
    32

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  33. 大切なのは
    会話から生まれる共通理解

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  34. Enjoy ユーザーストーリーマッピング!

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  35. 参考資料
    ⚫ ユーザーストーリーマッピング
    ⚫ SCRUM BOOT CAMP THE BOOK
    ⚫ アジャイルサムライ−達人開発者への道−
    ⚫ 5分で分かるスクラム用語集
    ⚫ プロダクトバックログ項目の明確化の必要性
    インセプションデッキのテンプレート
    ⚫ 簡単!楽しい!5分でわかるユーザーストーリーマッピング(User Story
    Mapping)
    35

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  36. おまけ:実際にやってみたマップ
    36

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