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CNCFが考えるPlatform - Platforms White Paperについて

CNCFが考えるPlatform - Platforms White Paperについて

Platform Engineering Meetup #3で発表した資料です。
CNCFが出したPlatform White Paperについて解説しています。

Kazuto Kusama

July 20, 2023
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Transcript

  1. Platforms
    White Paper
    CNCFが考えるPlatform

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  2. Kazuto Kusama
    @jacopen
    Senior Solutions Engineer @HashiCorp Japan
    Co-Chair @CloudNative Days
    Organizer @Platform Engineering Meetup
    Founder @Cloud Native Innovators Association
    Tech Strategy Advisor @PITTAN

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  4. 第1回より

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  5. かなり反響がありました
    Publickey @IT

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  6. まだまだ知られていない!
    Interop Tokyo 2023会場
    にて、エーピーコミュニ
    ケーションズさんが実施し
    た調査。
    亀崎さんによるブログも参
    照してください
    https://techblog.ap-com
    .co.jp/entry/2023/06/26
    /160500

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  7. たかが定義、されど定義

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  8. CNCFから出ました
    https://tag-app-delivery.cncf.io/whitepapers/platforms/

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  9. ホワイトペーパーの目的
    本稿は、企業のリーダー、エンタープライズアーキテクト、プラットフォームチー
    ムのリーダーが、クラウドコンピューティングのための社内プラットフォームを提
    唱し、調査し、計画することを支援することを意図している。プラットフォームは
    企業の実際のバリューストリームに大きな影響を与えるが、それは間接的なものに
    過ぎないため、プラットフォームチームの長期的な持続と成功には、リーダーのコ
    ンセンサスとサポートが不可欠である。本稿では、プラットフォームの価値とは何
    か、その価値をどのように測定するか、そして価値を最大化するプラットフォーム
    ・チームをどのように実現するかについて議論することで、そのサポートを可能に
    する。
    https://tag-app-delivery.cncf.io/whitepapers/platforms/#introduction
    を元に翻訳

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  10. ホワイトペーパーの目的
    本稿は、企業のリーダー、エンタープライズアーキテクト、プラットフォームチー
    ムのリーダーが、クラウドコンピューティングのための社内プラットフォームを提
    唱し、調査し、計画することを支援することを意図している。プラットフォームは
    企業の実際のバリューストリームに大きな影響を与えるが、それは間接的なものに
    過ぎないため、プラットフォームチームの長期的な持続と成功には、リーダーのコ
    ンセンサスとサポートが不可欠である。本稿では、プラットフォームの価値とは何
    か、その価値をどのように測定するか、そして価値を最大化するプラットフォーム
    ・チームをどのように実現するかについて議論することで、そのサポートを可能に
    する。
    https://tag-app-delivery.cncf.io/whitepapers/platforms/#introduction
    を元に翻訳
    誰に対して、何のためにあるか

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  11. ホワイトペーパーの目的
    本稿は、企業のリーダー、エンタープライズアーキテクト、プラットフォームチー
    ムのリーダーが、クラウドコンピューティングのための社内プラットフォームを提
    唱し、調査し、計画することを支援することを意図している。プラットフォームは
    企業の実際のバリューストリームに大きな影響を与えるが、それは間接的なものに
    過ぎないため、プラットフォームチームの長期的な持続と成功には、リーダーのコ
    ンセンサスとサポートが不可欠である。本稿では、プラットフォームの価値とは何
    か、その価値をどのように測定するか、そして価値を最大化するプラットフォーム
    ・チームをどのように実現するかについて議論することで、そのサポートを可能に
    する。
    https://tag-app-delivery.cncf.io/whitepapers/platforms/#introduction
    を元に翻訳
    与える価値と課題

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  12. ホワイトペーパーの目的
    本稿は、企業のリーダー、エンタープライズアーキテクト、プラットフォームチー
    ムのリーダーが、クラウドコンピューティングのための社内プラットフォームを提
    唱し、調査し、計画することを支援することを意図している。プラットフォームは
    企業の実際のバリューストリームに大きな影響を与えるが、それは間接的なものに
    過ぎないため、プラットフォームチームの長期的な持続と成功には、リーダーのコ
    ンセンサスとサポートが不可欠である。本稿では、プラットフォームの価値とは何
    か、その価値をどのように測定するか、そして価値を最大化するプラットフォーム
    ・チームをどのように実現するかについて議論することで、そのサポートを可能に
    する。
    https://tag-app-delivery.cncf.io/whitepapers/platforms/#introduction
    を元に翻訳
    しなければいけないこと

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  13. ホワイトペーパーの目的
    本稿は、企業のリーダー、エンタープライズアーキテクト、プラットフォームチー
    ムのリーダーが、クラウドコンピューティングのための社内プラットフォームを提
    唱し、調査し、計画することを支援することを意図している。プラットフォームは
    企業の実際のバリューストリームに大きな影響を与えるが、それは間接的なものに
    過ぎないため、プラットフォームチームの長期的な持続と成功には、リーダーのコ
    ンセンサスとサポートが不可欠である。本稿では、プラットフォームの価値とは何
    か、その価値をどのように測定するか、そして価値を最大化するプラットフォーム
    ・チームをどのように実現するかについて議論することで、そのサポートを可能に
    する。
    https://tag-app-delivery.cncf.io/whitepapers/platforms/#introduction
    を元に翻訳
    考えていくべきこと

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  14. ホワイトペーパーの構成
    1. なぜプラットフォームなのか?
    2. プラットフォームとは
    3. 成功するプラットフォームの特徴
    4. 成功するプラットフォーム・チームの特徴
    5. プラットフォーム導入時の課題
    6. プラットフォームによる成果の測定方法
    7. プラットフォームの能力

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  15. Why platforms?

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  16. 何故プラットフォームなのか
    ここで書かれているのは、PFEM#1で話し
    た内容とほぼ同じ
    ● 過去いろいろなプロセス改善により開
    発チームの生産性・アジリティは高
    まっていった
    ● インフラも開発もさまざまな仕組みが
    提供された結果、認知負荷が高まった
    ● 開発者を本来の業務に集中させる、組
    織全体での重複する作業を減らす仕組
    みが必要
    ● そこでクラウドネイティブ向けのプ
    ラットフォームが必要

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  17. What is a platform

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  18. プラットフォームとは何か
    ● プラットフォームは、プラットフォームのユーザーのニーズに従って定義さ
    れ、提供される、統合された機能のコレクション
    ● さまざまなアプリケーションに対して、典型的な機能やサービスを利用・統
    合するための一貫したエクスペリエンスを保証する横断的なレイヤー
    ● 優れたプラットフォームは、ウェブポータル、プロジェクトテンプレート、
    セルフサービスAPIなど、その機能やサービスを使用・管理するための一貫し
    たユーザーエクスペリエンスを提供する。

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  19. プラットフォームとは何か
    ● プラットフォームがサポートする機能とシナリオは、利害関係者とユーザー
    のニーズによって決定されるべき
    ● プラットフォームがこれらの必要な機能を提供する一方で、プラットフォー
    ムチームが常に自ら実装すべきではないことに注意
    ● マネージドサービスプロバイダーや社内の専門チームが、裏付けとなる実装
    を提供。プラットフォームは、提供される実装に一貫性を持たせ、組織の要
    件を満たす最も薄い合理的なレイヤーとなる
    ● とりわけシンプルな「プラットフォーム」は、クラウドプロバイダーの機能
    を利用するための操作手順へのリンクを持つウィキページといえる

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  20. プラットフォームの成熟度
    ● ベーシックなプラットフォームは、CIのRunner、データベース、シークレッ
    トストアなどを利用するための一貫したエクスペリエンスを提供
    ● プラットフォームが成熟するにつれて、セルフサービス可能なテンプレート
    も提供するようになる。

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  21. ユースケース
    ● オンデマンドでVM、ストレージ、データベース、認証などをプロビジョニン
    グし、利用できる。
    ● オンデマンドでスペースをプロビジョニングし、パイプラインやタスクの実
    行、成果物や設定の保存、テレメトリーの収集に利用できる。
    ● サードパーティ製ソフトウェアの管理者は、データベースなどの必要な依存
    関係をオンデマンドでプロビジョニングし、そのソフトウェアを簡単にイン
    ストールして実行できる。
    ● 開発者は、ウェブ開発やMLOpsなど特定のシナリオに必要なランタイムと開
    発時のサービスを組み合わせたテンプレートから、完全な環境をプロビジョ
    ニングできる。
    ● 開発者と管理者は、自動化された計測とダッシュボードを通じて、デプロイ
    されたサービスの機能、パフォーマンス、コストを観察できる。

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  22. Attributes of successful platforms

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  23. 成功するプラットフォームの特徴
    ● Platform as a product
    ● ユーザーエクスペリエンス
    ● ドキュメントとオンボーディング
    ● セルフサービス
    ● 認知負荷の軽減
    ● オプショナルで、コンポーザブル
    ● セキュアバイデフォルト

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  24. Attributes of successful platform teams

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  25. 成功するプラットフォーム・チームの特徴
    ● プラットフォーム・チームは、Webポータル、カスタムAPI、テンプレートな
    ど、プラットフォームへのインターフェースとそのエクスペリエンスを担当
    ● プラットフォーム・チームは、インフラやサポートチームと協力して一貫し
    たエクスペリエンスを定義し、プロダクトチームからフィードバックを収集
    し、要求を満たしていることを確認する

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  26. プラットフォーム・チームの仕事
    ● プラットフォームのユーザー要件を調査し、ロードマップを計画
    ● プラットフォームが提案する価値の提唱、マーケティング、宣伝を行う
    ● ポータル、API、ドキュメンテーション、テンプレート、CLIツールなど、機
    能やサービスを利用するためのインターフェースを管理・開発する
    最も重要なことは、プラットフォーム・チームは、プラットフォームを継続的に改
    善するために、ユーザーの要求について学ばなければならない。

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  27. プラットフォーム・チームの仕事
    ユーザーの要求を知る方法としては、ユーザーインタビュー、ハッカソン、イ
    シュートラッキングやアンケート、Observabilityツールによる使用状況の観測な
    どがある。
    例えば、プラットフォームチームは、ユーザーが機能をリクエストするための
    フォームを公開したり、今後のロードマップを共有したり、優先順位を決めるため
    にユーザーの利用パターンをレビューしたりすることができる。

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  28. プラットフォーム・チームの仕事
    マーケティングも重要。
    大々的なアナウンス、魅力的なデモ、定期的なフィードバックやコミュニケーショ
    ンセッションなどの社内マーケティング活動をする。
    もしプラットフォームがユーザーの要望にマッチしていれば、喜んで使ってくれる
    はず。

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  29. Challenges when implementing platforms

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  30. プラットフォーム・チームが意識すべきこと
    ● プラットフォームを製品のように扱い、ユーザーとともに開発しなければな
    らない
    ● 優先順位と最初のパートナーチームを慎重に選択する。
    ● 経営陣の支持を得て、価値を示さなければならない。

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  31. Platform as a product
    ● プラットフォームを製品のように扱い、ユーザーとともに開発しなければな
    らない
    ● プラットフォームチームは、フィードバックを集め、ニーズを理解するため
    に、最初からプロダクトマネージャーを含めるべきである。
    https://speakerdeck.com/jacopen/shi-jie-nikua-rerupuratutohuomutimuwotukuru

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  32. 一緒にやっていくチームの選択
    ● 優先順位と最初のパートナーチームを慎重に選択する。
    ● 最初は、少数の熱心で熟練した開発チームに焦点を当てる。そのようなチー
    ムからの詳細なフィードバックは、体験を向上させる。また、そのような
    チームの人々は、プラットフォームの支持者となり他の人に対して広めてい
    くのに役立つ
    https://speakerdeck.com/tcnksm/platform-engineering-at-mercari

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  33. 経営陣の支持を得て、価値を示さなければならない
    ● 多くの経営者は、ITインフラをコストとして認識しており、プラットフォー
    ムに割り当てられるコストやリソースを抑制しようとする可能性がある
    ● プラットフォームチームは、ビジネスへの直接的な影響と関係を示し、プ
    ラットフォームチームがビジネスサイドへの戦略的パートナーであることを
    示す必要がある。
    https://speakerdeck.com/kenojiri/platform-team-and-internal-politics-platform-engineering-meetup-number-2

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  34. How to measure the success of platforms

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  35. プラットフォームの効果の測定
    ● 優れたプロダクトマネジメントは、プロダクトのパフォーマンスの定量的・
    定性的な測定にかかっている。プラットフォーム・チームは継続的にフィー
    ドバックを収集し、ユーザーアクティビティを測定する必要がある
    ● 一方で、労力をかけ過ぎるべきではない。ここでは測定方法を提案するが、
    最初は簡単なアンケートやユーザー行動分析でいいかもしれない

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  36. ユーザーの満足度と生産性
    ユーザーの満足度と生産性を反映する指標には、以下のようなものがある
    ● アクティブユーザーとリテンション
    ○ プロビジョニングされた機能数、ユーザーの増加/解約
    ● ネット・プロモーター・スコア(NPS)または製品に対するユーザーの満足
    度を測るその他の調査
    ● SPACEフレームワーク
    ○ Satisfaction and well-being
    ○ Performance
    ○ Activity
    ○ Communication and collaboration
    ○ Efficiency and flow

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  37. 組織の効率性
    プラットフォームに求められるものは、共通のニーズを効率的に提供すること。共
    通作業の削減におけるプラットフォームの効果を測定するには、以下のような指標
    を考慮する
    ● データベースやテスト環境などの構築をリクエストしてから提供されるまで
    の待ち時間
    ● 全く新しいサービスを構築し、本番環境にデプロイするまでの待ち時間
    ● 新規ユーザーが最初のコード変更をプロダクトにコミットするまでの時間

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  38. プロダクトと機能のデリバリー
    プラットフォームの最終的な目的は、ビジネス価値を素早く顧客に提供すること。
    そのため、ビジネスの中心であるプロダクトや機能のリリースへの影響を測定す
    る。
    GoogleのDevOps Research and Assessment (DORA)研究所は、以下のメトリク
    スを追跡することを提案している (※ Four Keysとよばれるやつ)
    ● Deployment Frequency
    ● MTTR(Mean Time to Recover)
    ● Change Failure Rate
    ● Lead time for Change

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  39. Capabilities of platforms

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  40. 原文を読んでください!

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  41. プラットフォームの能力
    このセクションではプラットフォームの機能例が記されている。また、関連する
    CNCFプロダクトも紹介されている
    あくでも重要なのは、ニーズにマッチしたプラットフォームを作ることであり、こ
    こで紹介されている機能を実装することに囚われすぎてはいけない

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  42. まとめ

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  43. CNCF Platforms White Paperは
    ● めちゃくちゃよく纏まっている!
    ● 何故プラットフォームなのか、本質を理解するのに最も適した資料
    ● いきなりプラクティスから入るのではなく、まずはこれを読んで根底を理解
    した上で取り組んでいくのがお勧め

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