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質問の難易度情報を用いたQAサイトにおける最適な回答者提示

 質問の難易度情報を用いたQAサイトにおける最適な回答者提示

堀江将隆, 山本和英. 質問の難易度情報を用いたQAサイトにおける最適な回答者提示. 言語処理学会第18回年次大会, pp.1320-1323 (2012.3)

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  1. 4 目的 • 質問に対し最適な回答者を全ユーザから探し て提示し回答してもらうこと • 目的達成のため以下の条件設定 • Yahoo!知恵袋にて投稿された質問と回答者を対象 •

    全ユーザ:対象の質問に回答したユーザ • 最適な回答者:ベストアンサー回答ユーザ 対象の質問の回答者からベストアンサーを投 稿した回答者を選択する評価実験を行う
  2. 6 質問難易度 • 質問への回答のしやすさを表す 難しい質問 易しい質問 難しい質問 易しい質問 難易度が一致 難しい質問に多く

    回答してきたユーザ 易しい質問に多く 回答してきたユーザ 詳細な回答や、専門的 な回答を求めている 難易度が一致 質問者は難易度が合った回答を求めている 回答者は得意な難易度がある 質問者 回答者 難易度が一致していれば良い回答が可能 単純な回答や、誰もが分 かる回答を求めている
  3. 7 質問難易度を決定する要素 • 質問者が求めている回答の抽象度 • 回答が1つに決まっている質問は答えやすい • 回答候補が複数ある質問は答えにくい • 質問に必要な知識

    • 周知の事実に関する話題であれば答えやすい • 専門性の高い話題は答えにくい • 質問文の情報の不十分さ • 詳細な設定や条件があると回答を導きやすい • 単純で曖昧な質問は答えにくい
  4. 8 質問難易度を決定する要素 • 質問者が求めている回答の抽象度 • 回答が1つに決まっている質問は答えやすい • 回答候補が複数ある質問は答えにくい • 質問に必要な知識

    • 周知の事実に関する話題であれば答えやすい • 専門性の高い話題は答えにくい • 質問文の情報の不十分さ • 詳細な設定や条件があると回答を導きやすい • 単純で曖昧な質問は答えにくい
  5. 12 抽象度とベストアンサー率の関係 抽象度 質問数 BA NA BA率 1 80 32

    48 0.40 2 14 3 11 0.21 3 5 1 4 0.20 合計 99 36 63 0.36 BA:ベストアンサー回答、NA:ベストアンサー以外の回答 BA率:BA数/質問数
  6. 15 出現割合リスト作成の流れ 抽象度1 抽象度2 抽象度3 出現頻度 割合 出現頻度 割合 出現頻度

    割合 名前 28 0.81 1 0.04 4 0.14 対処 1 0.03 16 0.88 2 0.09 好き 4 0.05 3 0.06 53 0.88 質問文 抽象度 ごとに分類 単語の 出現頻度計算 抽象度1 質問文 抽象度2 質問文 抽象度3 質問文 抽象度1 出現頻度 抽象度2 出現頻度 抽象度3 出現頻度 単語の 出現頻度 単語の 出現割合計算 出現割合 リスト 割合の値をスコアとして使用 ・出現割合リストの例
  7. 16 抽象度推定手法の流れ 抽象度 スコア 抽象度1 抽象度2 抽象度3 アニメ +0.29 +0

    +0.71 どれが +0.4 +0.3 +0.3 一番 +0.32 +0.23 +0.45 勧め +0.05 +0 +0.95 スコア の合計 =1.06 =0.53 =2.41 質問:アニメでどれが一番お勧めですか? 出力:抽象度3 質問 抽象度判定 出現割合リスト 単語 出現割合 参照 質問の抽象度 例: 閾値=0.8の場合、0.95×出現数  抽象度1の重み=1.5の場合、 1.5×抽象度1スコアの合計
  8. 17 文章表現辞書を用いた手法 対応する抽象度 文章表現 抽象度1 はどういう意味でしょうか は誰でしょうか 抽象度2 どうしたらいいのでしょうか 方法はありますか

    抽象度3 どう思いますか お勧めでしょうか • 抽象度を決める基準となる質問内容を含む文 の文末表現・特定の表現を人手で抽出 • 文章表現辞書を作成 文章表現を含む文は対応する抽象度と判定
  9. 18 抽象度推定実験 • 使用データ:Yahoo!知恵袋の質問1900件 • 準備の為のデータセットA(950件) • 実験の為のデータセットB(950件) • データセットAを用いて、

    • 出現割合リストと文章表現辞書を作成 • 最適な閾値と重みを決定 • 実験はデータセットBを用いる • 出現割合リストを用いた手法 • 文章表現と出現割合リストを組み合わせた手法 • 人手で付与した抽象度と出力した抽象度が 一致した場合を正解
  10. 19 抽象度推定実験結果 • 重み・閾値を設定することにより正解率が12ポイント向上 閾値は0.8、抽象度1の重みを大きく設定 • 文章表現辞書を使うことで、3ポイント向上 • 文章表現を用いた手法では、適合率8割 再現率2割

    • 各抽象度スコアの差が大きい質問は精度が高い 抽象度はスコアの大きい語によって推定可能 出現割合 出現割合 +閾値・重み 文章表現 正解率 48.2% 60.3% 63.2%
  11. 20 回答者選択手法の流れ1 • 回答者の過去の回答した全ての質問に対して、抽象 度を付与 • 回答者の各抽象度に属する質問の割合を計算 • 質問文に対しても同様に抽象度を付与 質問と回答者の抽象度判定

    出現割合リスト 単語 参照 出現割合 対象の 質問文 回答者A の質問文 回答者B の質問文 回答者C の質問文 質問文 の抽象度 回答者Cの 抽象度スコア 回答者Aの 抽象度スコア 回答者Bの 抽象度スコア
  12. 21 回答者選択手法の流れ2 • 質問文の抽象度と一致する回答者の抽象度に属す る質問の割合スコアが最大の回答者を出力する 最大のスコアを持つユーザを出力 質問文 の抽象度 回答者Cの 抽象度スコア

    回答者B 抽象度:3 回答者Aの 抽象度スコア 回答者Bの 抽象度スコア 抽象度1:0.3 抽象度2:0.6 抽象度3:0.1 抽象度1:0.1 抽象度2:0.1 抽象度3:0.8 抽象度1:0.5 抽象度2:0.3 抽象度3:0.2
  13. 22 回答者選択実験 実験方法 • 質問と回答者の回答履歴を使用し、ベストアン サー回答者を選択 • 比較のために、 ランダムに選択したユーザ、ベストアンサー率が最大の ユーザを出力する手法で実験

    実験データ • Yahoo!知恵袋の全てのカテゴリを対象 • 回答者が3人から5人の質問1000件 評価方法 • ベストアンサーを回答したユーザを正解
  14. 23 回答者選択実験結果 • 抽象度手法:低い精度 質問と正解回答者の最大抽象度一致:478件 → 抽象度は有効 → 複数人から選択できていない • ベストアンサー率:高い精度

    • 2つの結果を比較すると、それぞれで正解が 異なる ランダム ベストアンサー率 抽象度 (質問難易度) 正解率 27.8% 46.4% 28.5%
  15. 24 まとめ • 最適な回答者の提示手法を提案 • 最適なユーザを探す手がかり  質問者と対応するユーザ-難易度情報 • 抽象度を推定する実験 •

    抽象度(難易度情報)を用いた回答者選択実験 ・回答者選択手法として高い精度ではない ・抽象度(質問難易度情報)は最適なユーザを  探す為に有益な情報である