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360度写真を使った 屋内地図の作成

360度写真を使った 屋内地図の作成

屋内環境を共有したい場合に、ベースの地図が精密ではないもの(デフォルメされた地図)を元に、360度写真を使用して屋内を把握する方法を紹介します。 リコーTHETAのような手頃な価格の360度カメラが登場し、ワンショットで360度写真を簡単に撮影できるようになりました。 屋外であれば、GoogleストリートビューやMapirrayに投稿して共有する方法もありますが、屋内の場合は正確な地図(フロアマップ)がないため、緯度経度情報に載せることができません。 Leaflet+A-Frameを使用して360度写真を活用し、行ったことがない環境でも屋内環境把握できることを目標にしました。

Kawajiri Takayuki

September 21, 2023
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Transcript

  1. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 川尻 貴之 自己紹介 Kawajiri Takayuki

    ・MIERUNE入って1年ちょっと ・前職は、JR北海道のグループ会社 ・趣味は、車でドリフト。去年からオフ ロードバイクにもハマってます。 GISエンジニア
  2. ©Project PLATEAU / MLIT Japan QGIS事業紹介 QGIS •位置データの閲覧・解析が できる、オープンソースの デスクトップGISソフト

    •商用ソフトより使いやすく 多機能 •産学官問わず、国内外で 広く使用されている
  3. © 地理院地図 全国最新写真(シームレス) Python MIERUNEのソリューション QGIS DEM 点群 3D MapTiler

    PLATEAU オープンソース 位置情報 可視化 住所検索 ルート検索 気象データ GTFS LiDAR FOSS4G OSGeo OpenStreetMap MapLibre Deck.gl Cesium Mapbox OpenLayers OpenMapTiles GeoDjango Amazon Location Service AWS Leaflet Minecraft 衛星データ 機械学習 ベクトルタイル Cloud-Optimzied STAC オープンデータ
  4. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 01 屋内地図の現状 •パソコンのChromeで表示 •JR札幌 大丸(百貨店)

    1層のみ 他のフロア情報も同じレイヤに 表示されている GoogleMapでは
  5. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 01 屋内地図の現状 •Androidのマップアプリ •札幌 大丸(百貨店) フロアが選択できる。

    一部ユーザーが登録した360度 写真も表示できる。 (一部の商業施設等のみ) GoogleMapでは
  6. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 01 屋内地図の現状 ・都営大江戸線「都庁前駅」 3Dモデルや、点群で作られて いる物もある。

    東京都のデジタルツインでは G空間情報センター 都営大江戸線 都庁前駅 3D点群データ公開ページ
  7. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 01 屋内地図の現状 •新千歳空港のフロアマップ ある程度、建物のデータに沿ったマップ NorthUpではない。緯度経度無し

    フロアマップ内でのズームはできる 実際の商業施設では2 https://www.new-chitose-airport.jp/ja/tmap/floor/?floor=3f&facility=Lounge&area=domestic
  8. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 01 屋内地図の現状 •屋内で自分の位置を知りたいと思った時(屋内測位) •緯度経度+高さ(フロア階数)があるのが理想 •屋内なので、GPSは使えません。

    •iBeacon、WiFi測位、IMES等あるが、統一された規格はない。 →オープンな技術(OSに分け隔てなく)屋内測位することは、   現状できない。 屋内測位の状況
  9. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 01 屋内地図の現状 •精密なものは求めていない。 ◦ 建築図面、CAD図がない場合もある。

    •商業施設のフロアマップの様なレベルで十分。 •写真等の追加でわかりやすくはしたい。 •企業によっては、Closeな状態で管理したい。 →Googleストリートビューの屋内版があるとよい ロケーションオーナーから見た屋内地図
  10. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 02 作ったシステムの紹介 • 360度写真を表示するには、専用のビューアー等が必要 • オンラインのビューアーはたくさんある。

    ◦ Googleフォト、Facebook、LINE等々 ◦ Mapillaryも対応 ◦ https://www.mapillary.com/app/?lat=44.32768060000001&lng=143.3772361&z=17&pKey=761658165291622&x=0.8109975852947684&y=0.41631864407568003&zoom=0 • 今回はCloseな環境、視線方向を地図上へ表示することを考え • A-FrameというWebVRフレームワークを使用した。 360度写真の説明
  11. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 02 作ったシステムの紹介 • WebVRコンテンツを作成するためのオープン ソースのウェブフレームワークです。 •

    HTMLのようなシンプルなマークアップを使用し て、3Dのバーチャルリアルティ (VR) シーンを簡 単に作成・表示することができます。 • 1ソースで、ブラウザ、スマホ、VRゴーグル等に対 応できるのが特徴です。 A-Frameの説明 https://aframe.io/
  12. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 02 作ったシステムの紹介 • フロアマップは、画像。 • Leafletを使い画像上XY座標を管理

    • 地点(写真)をフロアマップ上に配置でき る • 右画面に選択した位置の360度写真が 表示される。(マウスドラックで視線を動 かすことが可能) フロアマップの表示
  13. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 03 副産物、発展形 目からウロコ的な使い方 (位置に紐づけた写真整理) フロアマップを、広角で 撮影した写真にする。

    近づいて撮った写真を地点と して登録して、写真を整理。 以前は写真を、 撮影日毎の フォルダに 入れっぱなしで、 後からドコを 拡大した写真か わからなく なっていた。
  14. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 04 まとめ • 外部には公開したくないが、屋内図+360度写真が見れるのは便利。 • 普段行けない所を、行ったことがない人に説明するには十分。

    • 360度カメラ小さいので、屋根裏等入りにくい箇所も把握できて良い。 • 360度写真を見ると、大体の距離がわかるので、下見等を省くことができ る。 • レイアウト変更前後で撮影しておいて、復旧の際非常に助かった。 エンドユーザーからのお声
  15. ©Project PLATEAU / MLIT Japan 04 まとめ •位置情報技術者としては、 緯度経度が無いと地図でないと思いがちだが、ニーズを汲み取って、 手軽に屋内状況を把握できるシステムを作れた。 •すべてオープンソースの技術で実現

    •将来的には緯度経度に沿った屋内地図になるだろうが、         つなぎのデフォルメされた屋内地図も需要があると思います。 まとめ