$30 off During Our Annual Pro Sale. View Details »
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
GraphQLにおけるクライアントキャッシュ戦略
Search
KazukiHayase
March 16, 2023
Technology
0
3.5k
GraphQLにおけるクライアントキャッシュ戦略
KazukiHayase
March 16, 2023
Tweet
Share
More Decks by KazukiHayase
See All by KazukiHayase
entのPrivacy機能とgo/astを使って、意図しないDBアクセスを防ぐ
kazukihayase
1
310
go testのキャッシュの仕組みにDeep Diveする
kazukihayase
0
93
要件定義・デザインフェーズでもAIを活用して、コミュニケーションの密度を高める
kazukihayase
0
430
CIでのgolangci-lintの実行を約90%削減した話
kazukihayase
0
520
もし今からGraphQLを採用するなら
kazukihayase
13
5.6k
Goでテストをしやすくするためにやったこと
kazukihayase
1
880
GraphQLクライアントの技術選定 2023冬
kazukihayase
9
7.5k
Introduction and Insights of the Hasura-based Architecture
kazukihayase
0
1.1k
自分だけが頑張るのをやめて、フルスタックなチームを作る
kazukihayase
2
3.5k
Other Decks in Technology
See All in Technology
re:Invent2025 コンテナ系アップデート振り返り(+CloudWatchログのアップデート紹介)
masukawa
0
390
寫了幾年 Code,然後呢?軟體工程師必須重新認識的 DevOps
cheng_wei_chen
1
1.4k
生成AI時代におけるグローバル戦略思考
taka_aki
0
200
チーリンについて
hirotomotaguchi
6
2k
ディメンショナルモデリングを支えるData Vaultについて
10xinc
1
100
mairuでつくるクレデンシャルレス開発環境 / Credential-less development environment using Mailru
mirakui
5
540
学習データって増やせばいいんですか?
ftakahashi
2
460
Reinforcement Fine-tuning 基礎〜実践まで
ch6noota
0
190
ExpoのインダストリーブースでみたAWSが見せる製造業の未来
hamadakoji
0
140
エンジニアとPMのドメイン知識の溝をなくす、 AIネイティブな開発プロセス
applism118
4
1.3k
.NET 10の概要
tomokusaba
0
110
AWS re:Invent 2025で見たGrafana最新機能の紹介
hamadakoji
0
400
Featured
See All Featured
Thoughts on Productivity
jonyablonski
73
5k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
31
6.5k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
46
7.8k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
162
16k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
234
18k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
186
22k
Statistics for Hackers
jakevdp
799
230k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
463
34k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
162
23k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
141
7.2k
Writing Fast Ruby
sferik
630
62k
The Hidden Cost of Media on the Web [PixelPalooza 2025]
tammyeverts
1
100
Transcript
GraphQLにおけるクライアントキャッシュ戦略 2023.03.15リクルート × BASE × バイセル 【第1回フロントエンド勉強会】React & GraphQL 2023.03.15
自己紹介 名前:早瀬和輝 出身:愛知県名古屋市 経歴:BuySell Technologiesに2021年に新卒入社 趣味:開発、マンガ、アニメ、ベース、バスケ Twitter:@KazukiHayase
はじめに • 今回話すのはクライアント側のキャッシュについて • CDNなどのキャッシュについては触れないです
アジェンダ キャッシュの仕組み 01 キャッシュにおける課題 02 課題解決へのアプローチ 03 まとめ 04
アジェンダ キャッシュの仕組み 01 キャッシュにおける課題 02 課題解決へのアプローチ 03 まとめ 04
キャッシュの仕組み • いくつかのGraphQL Clientにはキャッシュ機構が備わっている ◦ Apollo Client, Relay, urql •
キャッシュを活用することで無駄なリクエストが減る • そのためにはキャッシュ機構の正しい理解が必要
キャッシュ機構において重要な要素 データの正規化 01 キャッシュの 利用条件 02
データの正規化 • レスポンスデータは正規化されてキャッシュに保存される • 正規化することで ◦ キャッシュへのアクセスが早くなる ◦ データサイズを小さくすることができる
正規化の流れ 1. Queryの結果を個別のオブジェクトに分割 2. 分割したオブジェクトに一意な識別子を割り当て 3. フラットなデータ構造に格納
正規化の流れの例 右図のような SchemaとQueryを考える ※ Apollo Clientを例に解説しますが、 他のClientでも大枠の流れは同じです
正規化の流れの例 Queryの実行結果として 右図のようなレスポンスを受け取る
正規化の流れの例 1. Queryの結果を個別の オブジェクトに分割 2. 分割したオブジェクトに一意 な識別子を割り当て 3. フラットなデータ構造に格納
正規化の流れの例 1. Queryの結果を個別の オブジェクトに分割 2. 分割したオブジェクトに一意 な識別子を割り当て 3. フラットなデータ構造に格納 Task:1
Task:2 Task:3
正規化の流れの例 1. Queryの結果を個別の オブジェクトに分割 2. 分割したオブジェクトに一意 な識別子を割り当て 3. フラットなデータ構造に格納
キャッシュの利用条件 • データが全てキャッシュにある場合はキャッシュを利用 • 一部でもデータがキャッシュにない場合はリクエストを実行
キャッシュの利用条件 • FetchTasks→FetchTasks2 ◦ キャッシュが利用できない ◦ リクエストは2回 • FetchTasks2→FetchTasks ◦
キャッシュが利用できる ◦ リクエストは1回
アジェンダ キャッシュの仕組み 01 キャッシュにおける課題 02 課題解決へのアプローチ 03 まとめ 04
キャッシュにおける課題 一部でもデータがキャッシュにない場合はリクエストが実行される Queryの定義によっては全くキャッシュが利用されない
キャッシュにおける課題 逆に常にキャッシュが利用されるようにしようとすると 考慮するべきことが多い
キャッシュにおける課題 仮に常にキャッシュが利用されるようにしようとすると • Queryの実行順序を工夫する • オブジェクト単位でQueryをまとめる • アプリケーション全体でQueryを使い回す
できなくはないが、、
個人的にはデメリットの方が大きいと判断
キャッシュにおける課題 • Queryの実行順序を工夫する ◦ →実行順序まで考慮するのは現実的ではない • オブジェクト単位でQueryをまとめる ◦ →オーバーフェッチにつながる、RESTとほぼ変わらない •
アプリケーション全体でQueryを使い回す ◦ →Query変更時の影響範囲が広い
アジェンダ キャッシュの仕組み 01 キャッシュにおける課題 02 課題解決へのアプローチ 03 まとめ 04
課題解決へのアプローチ ページ単位での キャッシュ最適 化 01 データを 3種類に分類 02
ページ単位でのキャッシュ最適化 • ページ単位でキャッシュ最適化を考える • アプリケーション全体でのキャッシュの利用は考慮しない ◦ Queryによってはキャッシュが利用される場合もある
ページ単位でのキャッシュ最適化 ページを跨いだキャッシュの利用を考慮しないことで • ページで使用するデータを宣言的に定義できる ◦ GraphQLの良さを最大限活かす • ページ同士が疎結合になる ◦ Queryの変更の影響範囲が閉じる
データを3種類に分類 データを3種類に分類して、分類ごとにQueryを定義 することでキャッシュを利用しやすくする
データを3種類に分類 コンテンツデータ マスタデータ 汎用マスタデータ 01 02 03
コンテンツデータ • コンテンツ表示用のデータ • アクションに応じてQueryを定義する ◦ e.g. 初回表示、検索、モーダル ◦ 1ページに複数のQueryが定義されていることもある
• 同じアクションであればキャッシュが利用される
マスタデータ • マスタデータやメタデータなどのシステム的に必要なデータ • 最初のレンダリング時のみリクエストが必要 • 2回目以降はキャッシュを利用する
汎用マスタデータ • 基本的には使用しない ◦ コンテンツデータ・マスタデータのみの運用をまずは考える • アプリケーション全体で利用するかつサイズの大きいデータ • どうしてもアプリケーション全体でキャッシュしたい際に使用 •
オーバーフェッチを許容
データ分類フロー ユーザーのアクションによって取得データが変わるか? コンテンツデータ マスタデータ 汎用マスタデータ Yes ページごとで重複して取得する事に パフォーマンス上の懸念があるか? No Yes
No
全体像 PageComponentA PageComponentA ContentQuery PageComponentA MasterQuery GeneralMasterQuery PageComponentB PageComponentB ContentQuery
PageComponentB MasterQuery ページコンポーネントごとに コンテンツ・マスタデータのQueryを定義 汎用マスタデータのQueryは コンポーネントの外で定義
データ分類の例 タスク検索画面
コンテンツデータ • タスクの検索結果のデータ • 検索の度に表示内容が変わる • 同じ検索条件ならキャッシュ を利用
マスタデータ • 検索で利用する選択肢データ • 検索結果に関係なくデータは 同じ • 初回以降はキャッシュを利用
汎用マスタデータ • 検索で利用する選択肢データ • 数千規模のデータかつ 他の画面でも使うと仮定 • この画面のみの利用であれば マスタデータに含める
アジェンダ キャッシュの仕組み 01 キャッシュにおける課題 02 課題解決へのアプローチ 03 まとめ 04
まとめ • キャッシュの仕組みを踏まえた上での戦略 ◦ ページ単位でのキャッシュ最適化 ◦ データを3種類に分類 • GraphQLの良さを生かしつつ、キャッシュも活用できる •
ただし懸念はある ◦ 汎用データが増えすぎると今回紹介した課題が再度浮上する
THANK YOU