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私とR、そしてキャリア

 私とR、そしてキャリア

Japan.R 2021 基調講演1のスライドです。
Event URL: https://japanr.connpass.com/event/230381/

Kazuhiro Maeda

December 04, 2021
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Transcript

  1. 私とR、そしてキャリア
    Japan.R 2021
    kazutan(前田 和寛)
    2021-12-04

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  2. はじめに
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  3. はじめに
    自己紹介
    名前/アカウント
    前田和寛(Maeda Kazuhiro)
    @kazutan
    Twitter
    GitHub
    Qiita, r-wakalang, etc...
    所属
    LINE Fukuoka株式会社
    開発センター - DataLabs - Data Scienceチーム

    マネージャー
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  4. はじめに
    書籍
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  5. はじめに
    担当業務
    LINEグループにあるデータを活用して様々な課題にアプローチ
    サービス関連
    サービスの成長につながる分析
    施策の効果検証など
    オペレーション関連
    オペレーションの可視化
    オペレーションの効率化につながる分析など
    福岡で一緒にEnjoyしませんか?

    http://linefukuoka.blog.jp/archives/81637302_people_engineer_interview.html

    お気軽にご連絡ください
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  6. はじめに
    今日のお話
    今回いただいたお題は「Rユーザーのキャリア」。
    以下のようなお話をします。
    私とRのこれまで
    ターニングポイント
    Rユーザーのキャリア
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  7. はじめに
    初期の自己紹介内容
    SappoRo.R #3での私のスライドより
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  8. 私とRのこれまで
    第1章 「Rでいろいろ分析できるんだ...」
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  9. Rの勉強会などで触れるように
    比較的近くにRユーザーがいた
    でも 勉強会に出てもその後は使わ
    ずの日々
    ドリル形式で1冊写経することにした
    2013年2月頃から
    http://blog.kz-md.net/?cat=126
    なんとなく、分析ができるように
    なった気がした
    第1章 「Rで分析できるんだ」
    kazutan, Rを使う
    Point
    いい本を写経/ドリルするのが一番早かった。手を動かす、大事。
    やったことのログを書いて晒す。明日の自分のために。
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  10. 実はテキストマイニングがしたかった
    共同研究で「やろう」となった
    2013年秋、2014年夏にRで実施し
    た分析結果を発表
    RMeCabでなんとかがんばった
    何度も爆弾を見た
    でも一番苦労したのはデータ操作
    と可視化
    Rで分析する上で絶対に避けられ
    ない
    point
    データ操作と可視化が超重要
    第1章 「Rで分析できるんだ」
    kazutan, Rで分析する
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  11. 昔から分析レポート作成が苦痛
    めんどくさい、ミス怖い etc...
    R Markdown!!!
    Markdownでドキュメントが作れ
    る!
    Rのコードを差し込んで結果が出
    せる!
    2013年春頃から使い始める
    あまりの快適さにハマる
    なにかのスイッチが入った
    第1章 「Rで分析できるんだ」
    kazutan, R Markdownと出会う
    Point
    Rによって分析とレポートがつながった
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  12. 第1章 「Rで分析できるんだ」
    第1章のまとめ
    Rを使うようになる
    Rで分析をするようになる
    R Markdownを使うようになる
    Pointの整理
    最初は写経/ドリルで手を動かして覚える
    自分のやったことをメモしてログを残す
    Rでまず重要なのはデータ操作と可視化
    R Markdownで分析とレポートをつなげる
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  13. 私とRのこれまで
    第2章 ぞうさん通信とRコミュニティ
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  14. 自分用のR関連記事ストックがほしく
    てblogにまとめはじめた
    いつしか「ぞうさん通信」と呼ばれる
    ように
    毎週100+の記事を手動収集し、全部目
    を通してた
    かなり広範囲をカバーした
    手元でも実際にR書いてた
    主観で選んで一言コメント
    読んでくれる人が増えてきて嬉し
    かった
    第2章 ぞうさん通信とRコミュニティ
    kazutan, ぞうさん通信を出す
    Point
    広範囲で圧倒的なインプットは視野を広げるきっかけに
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  15. いろんな人とRの話がしたかった
    全国のR勉強会に参加しまくった
    HiRoshima, SappoRo, Tokyo,
    Fukuoka, Kobe, etc...
    自分でもHijiyama.Rを立ち上げた
    年2回、4年間で合計8回開催
    毎回1本以上は発表してた
    ネタを作るモチベーションに
    自分がこれまで何本やったかは数
    えないことにした
    全国のRユーザーとつながった
    気付けばみんなに「ぞうさん」と
    呼ばれるように
    第2章 ぞうさん通信とRコミュニティ
    kazutan, R勉強会に行く
    Point
    日本のRコミュニティネットワークに参加できた
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  16. ライトに雑談できる・相談できるチャ
    ットルームができる
    実は最初はgitterに作られていた
    数日でslackに完全移行
    質問したり、回答したりを繰り返す
    毎日Rが楽しめる
    毎日Rが学べる
    気付いたら常駐するように
    Point
    日々Rに触れられるようになった
    第2章 ぞうさん通信とRコミュニティ
    kazutan, r-wakalangに入る
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  17. 第2章 ぞうさん通信とRコミュニティ
    第2章のまとめ
    ぞうさん通信
    R勉強会に出まくる
    r-wakalangに常駐する
    Pointの整理
    ひたすらインプット、ひたすらアウトプット
    コミュニティ活動でRユーザーネットワーク形成
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  18. 私とRのこれまで
    第3章 R中心思考
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  19. leafletパッケージと出会う
    「Rで地図が作れるじゃん」
    Rで台風の情報を描いた
    めっちゃウケた
    おかげでJapan.R2015で発表する
    機会をもらえた
    以降、htmlwidgets系で遊ぶように
    Point
    「可視化はまずRでやる」と考え
    るようになった
    第3章 R中心思考
    kazutan, Rで地図を書く
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  20. R Markdownはなれてきた
    でもまとまったドキュメントを書
    くのはちょっと大変
    うまくまとめたい
    bookdownパッケージに出会う
    「いい感じにしてほしい」を解決
    するものだった
    早速やってみた
    Japan.R 2016で発表してきた
    第3章 R中心思考
    kazutan, Rで本を作る
    Point
    「ドキュメントはすべてR Markdownでやろう」と考えるようになった
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  21. Win/Mac/UbuntそれぞれR使ってた
    めんどくさい
    いつでも「ぞうさん的R環境」を作り
    たい
    仮想環境を使い始めた
    vagrant, docker
    R環境を構築する技術を学んだ
    ついでにweb hookとか使うのも
    第3章 R中心思考
    kazutan, Rの仮想環境を使う
    Point
    R環境構築から実行までをgitベースでできるようになった
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  22. ガイアが俺に「作れ」とささやいた
    htmlwidgets, rmarkdownなどの
    技術を応用
    kazutan/tubeplayRを作った
    当初は10数行の関数で実現
    現在はいろいろ改良
    今でも仕事に欠かせない
    パッケージ開発をゼロからやった
    モジュール化や設計について学ん

    コードの書き方を意識するように
    なった
    第3章 R中心思考
    kazutan, RStudioでYoutubeを再生する
    Point
    「Rで大抵のことはできる」と信じるようになった
    開発と設計を意識するようになった
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  23. 第3章 R中心思考
    第3章のまとめ
    Rを中心に物事を考えるようになった
    「それRでできるかな?」とまず考えるようになった
    「できるならRでやってしまおう」と考えるようになった
    Pointの整理
    「データをどう見せれば有効か」を意識するように
    「ドキュメンテーションのシステム化」という着想
    仮想環境を利用した一連のプロセスを「記述」するという着想
    開発的なコーディングを意識するように
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  24. 私とRのこれまで
    第4章 「分析をメイン業務に」
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  25. 心境の変化
    Rでやってきたことをもっと活か
    したい
    Rやデータをメインで扱う仕事が
    したい
    Fukuoka.Rで声をかけてもらった
    悩んだけど採用試験を受けてみた
    受かった(驚いた)
    LINE Fukuokaのデータサイエンティ
    ストに
    仕事としてRを書くように
    太った
    第4章 「分析をメイン業務に」
    kazutan, 転職する
    Point
    これまでの積み重ねは気付かないところでつながってく
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  26. SQL、実はほぼ初心者だった
    tidydataの思想が近かったのでわ
    りとスムーズに学習できた
    SQLを学ぶことで、Rによるデータ操
    作の組み方も変化
    自分の中で(漠然とだけど)パター
    ン化できるようになった
    SQLで面倒な部分をRで補うように
    両者を組み合わせることで一気に
    効率化
    第4章 「分析をメイン業務に」
    kazutan, RとSQLを組み合わせる
    Point
    Rと他の領域と組み合わせることで、よりできることが広がった
    Rに固執するのではなく、Rも活かすという考えに
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  27. これまで習得したものの集大成
    プロセスのモジュール化
    レポートのシステム化
    Prediction
    本当に必要な可視化を意識
    仮想環境を利用した自動化
    データ操作 etc...
    シンプルなリクエストから自分で全体
    設計
    メンバーと担当を分担してProjectとし
    て達成
    第4章 「分析をメイン業務に」
    kazutan, RをベースにしたKPI予測システムを組む
    Point
    分析をProductとして考えてmanagementすることを学んだ
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  28. 2019年3月からマネージャーに
    複数のプロジェクトをマネジメントす
    るように
    自分のタスクを1箇所で管理するため
    にTrelloを利用
    カスタマイズしやすくて便利
    REST APIが提供されている
    RからTrelloを管理
    カード(ticket)管理
    検索ツール開発
    業務量予測など
    Point
    ManagementもRで解決できる
    第4章 「分析をメイン業務に」
    kazutan, Rでタスク管理をし始める
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  29. 第4章 「分析をメイン業務に」
    第4章のまとめ
    分析をメインの仕事にした
    データ操作の幅が広がった
    大きめの分析productを組めるようになった
    めんどうなことはRにやらせるようになった
    Pointの整理
    Rを多言語/システムと組み合わせる
    分析Productの設計と構築技術
    Management issueもRで解決
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  30. ターニングポイント
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  31. 岐路はいくつかあった
    スキル獲得とキャリアの選択肢
    いろいろなスキルを獲得していった
    ある程度スキルがスタックされると、キャリアとしての選択肢が発生した
    ターニングポイントに
    その度に選択を繰り返してきた
    私のターニングポイント
    岐路1: 2013年頃
    Skill Stack: Rの基本, R Markdown, etc...
    岐路2: 2016年頃
    Skill Stack: 仮想環境, パッケージ開発, Shiny, etc...
    岐路3: 2017年頃
    Skill Stack: tidyverse, issue-solution, etc...
    岐路4: 2019年頃
    Skill Stack: PdM, PjM, desigin of data-utilization...
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  32. 統計系に寄せていく?
    MCMC回す
    因果推論お勉強
    機械学習お勉強
    時系列解析お勉強
    etc...
    R自体に寄せていく?
    R言語を勉强する
    R Markdownを検討する
    プログラミング
    dplyr, ggplot2
    etc...
    岐路1: 統計系に寄せていくか?
    2013年頃、Rで分析ができるようになってきた
    統計系は研究とかしていくのに有効だから継続していこう
    でも正直R自体が面白くなってきた、楽しいのが大事!
    統計は勉強しつつ、Rを思いっきりやってみよう
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  33. 分析やRメインでいく?
    いろいろな分析を勉强する
    Rのデータ操作を精錬させる
    可視化やレポーティング技術をを精錬
    させる
    etc...
    エンジニアリングにシフト?
    server-sideを勉强する
    Shiny開発を勉强する
    JavaScriptやDBなどアプリケーション
    開発を勉强する
    etc...
    岐路2: エンジニア系に寄せていくか?
    2016年頃、Dockerやパッケージ開発などに触れて再燃した
    エンジニアリングをメインでやっていくには、今までのスキルスタックではホップし過
    ぎな懸念があった
    まだまだRでできること/やりたいことはたくさんあった
    メインはR。必要や興味が派生すればエンジニアリングを。
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  34. 大学教員を継続?
    学生指導ができる
    研究活動を継続
    これまでを維持できる
    etc...
    企業で分析職に?
    一日中データ分析できる
    分析がダイレクトに結果につながる
    新しい分野にチャレンジできる
    etc...
    岐路3: アカデミアか? 分析職か?
    2017年秋、Fukuoka.Rで「うちのData Scientist、受けませんか?」と声をか
    けてもらった
    正直なところ、自分が分析職を遂行できるか自信はなかった
    でも、データを扱って分析することは私にとって一番楽しいことだった
    いままでRでやってきたことをより活かせるのは分析職の方
    「父ちゃんな、データ分析で飯を食っていこうと思うんだ」
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  35. As a player?
    直接データを扱う
    コードを実際に書く
    成果や達成が感じやすい
    As a Manager?
    PjM, PdM, チームのマネジメント
    分析Productの設計や提案
    関われる範囲/レイヤーが広がる
    岐路4: Playerか? Managerか?
    2019年春、DSのチームのManagerに

    当初は Player:Manager = 50:50
    くらい
    期待される役割や発揮できる側面がシフトしたのを感じた
    分析productの設計が面白かった
    Rはいつでも側にいる。自分が起動させれば。
    今はManagementでEnjoyを作っていく
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  36. 私の中で大事だったこと
    岐路1: 2013年頃 - 統計系に寄せていくか?
    Skill Stack: Rの基本, R Markdown, etc...
    -> 統計は勉強しつつ、Rを思いっきりやってみよう
    岐路2: 2016年頃 - エンジニア系に寄せていくか?
    Skill Stack: 仮想環境, パッケージ開発, Shiny, etc...
    -> メインはR。必要や興味が派生すればエンジニアリングを
    岐路3: 2017年頃 - アカデミアか? 分析職か?
    Skill Stack: tidyverse, issue-solution, etc...
    -> データ分析を仕事にする
    岐路4: 2019年頃 - Playerか? Managerか?
    Skill Stack: PdM, PjM, desigin of data-utilization...
    -> 今はManagementでEnjoyを作っていく
    「私の中でのEnjoyの最適化」をやってきた

    そして、これからもやっていきます
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  37. Rユーザーのキャリア
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  38. 結局、偶然と選択
    Rユーザーに限らず、キャリアは結局「偶然と選択」の繰り返し
    天の時
    なんだかんだでタイミングは大事
    家庭の都合と声をかけてもらったタイミング
    地の利
    remoteの時代でも拠点は影響
    故郷でもある福岡の街が大好きです
    人の和
    出会いは貴重
    感謝とリスペクトを
    自分を振り返ってみて、ちょっとだけコメントを
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  39. とにかくインプット&アウトプット
    スキルを獲得することで、次のキャリアへの選択肢が発生する
    ひたすらインプット
    ぞうさん通信が私に与えた影響は非常に大きい
    関連しそうなものは片っ端から読み漁った
    ひたすらアウトプット
    まずは手を動かす
    ブログとかでいいのでメモする
    いちばん大切な読者は「未来の自分」
    やったことは知らぬ間に繋がっていきます。

    アンテナはめいいっぱい広げる
    そして自分が振り返れるように。
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  40. コミュニティ活動を
    Rコミュニティはとても楽しいコミュニティです!
    ネットワークは重要
    「この人と働きたい」とお互い思うかどうか
    コミュニティ活動はそれを加速させる
    ともにEnjoyできる仲間を
    仲間がいると乗算になる
    R全能の神にはなれない
    Collaborationの基盤がRコミュニティ
    コミュニティが活発になれば、それだけ新しいことも増えていく
    知見の蓄積が加速する
    まずはちいさなエントリーをしよう。
    Rコミュニティはあなたの発表を待ってます。

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  41. 自分で自分に制限を設定しない
    キャリアを考える上で一番大事なのは想像力
    「あんなこといいな、できたらいいな」がスタート
    「一日中Rやデータをいじっていたいな」が私の岐路になった
    「RStudioでYouTubeを再生する」なんて誰も想像しなかった
    でも思いついたので作った
    VLOOKUPを教えていた自分がML案件のPdMをするなんて想像できなかった
    でも一歩ずつスキルを獲得してやるようになった
    「どうせできない、無理」はただの呪い。
    制限をなくして「いいな」を想像しよう。
    Enjoyに向けて最適化をしよう。
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  42. Enjoy!
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