Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
俺はビッグエンディアンでテストがしたいんだ!
Search
kenjihanada
February 22, 2019
Technology
0
2.7k
俺はビッグエンディアンでテストがしたいんだ!
by kawashin73
kenjihanada
February 22, 2019
Tweet
Share
More Decks by kenjihanada
See All by kenjihanada
Akatsuki Summer Internship 2019 インターン成果発表
kenjihanada
0
2.2k
ゼロから始めるGo Modules
kenjihanada
0
2.7k
MMOの作り方
kenjihanada
0
2.7k
今風トゥーンシェーディング
kenjihanada
0
2.9k
お父さんが教えるプログラミング教育
kenjihanada
0
2.6k
Other Decks in Technology
See All in Technology
未経験者・初心者に贈る!40分でわかるAndroidアプリ開発の今と大事なポイント
operando
5
750
Modern Linux
oracle4engineer
PRO
0
160
データ分析エージェント Socrates の育て方
na0
6
2.1k
「何となくテストする」を卒業するためにプロダクトが動く仕組みを理解しよう
kawabeaver
0
430
はじめてのOSS開発からみえたGo言語の強み
shibukazu
3
970
Webアプリケーションにオブザーバビリティを実装するRust入門ガイド
nwiizo
7
880
自作JSエンジンに推しプロポーザルを実装したい!
sajikix
1
190
Evolución del razonamiento matemático de GPT-4.1 a GPT-5 - Data Aventura Summit 2025 & VSCode DevDays
lauchacarro
0
210
下手な強制、ダメ!絶対! 「ガードレール」を「檻」にさせない"ガバナンス"の取り方とは?
tsukaman
2
460
Oracle Cloud Infrastructure IaaS 新機能アップデート 2025/06 - 2025/08
oracle4engineer
PRO
0
110
AIエージェントで90秒の広告動画を制作!台本・音声・映像・編集をつなぐAWS最新アーキテクチャの実践
nasuvitz
3
340
普通のチームがスクラムを会得するたった一つの冴えたやり方 / the best way to scrum
okamototakuyasr2
0
110
Featured
See All Featured
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
339
57k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
53
2.9k
Optimizing for Happiness
mojombo
379
70k
Building an army of robots
kneath
306
46k
Navigating Team Friction
lara
189
15k
Balancing Empowerment & Direction
lara
3
620
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
30
9.7k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
40
2k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
113
20k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.8k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
53k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Transcript
俺はビッグエンディアンでテス トがしたいんだ! @kawasin73
言語の壁をぶっ壊す
自己紹介 かわしん @kawasin73 東京大学工学部システム創成学科 3年生 (2年半休学してました) DMM.com のCTO室で、Go言語でデータベースを作るインターン この1年半くらいGo。それまでは、Rails、iOS、Android、Webフロントなど 趣味は特にない(強いて挙げれば蟻の飼育)
ビットベクトルライブラリを作ってテストした Go 言語で マシンエンディアンに関わらず 指定されたエンディアンで動く ビットベクトルライブラリを作ってテストを行った https://github.com/kawasin73/bitset ビットベクトル:[]bool の省メモリ版データ構造
エンディアンとは
エンディアンはバイトの並び順(バイトオーダーとも) 例えば uint64 は 8 バイトの数値。その中身がどのように配置されているか ビッグエンディアン 0x0123456789abcdef → 0x01
| 0x23 | 0x45 | 0x67 | 0x89 | 0xab | 0xcd | 0xef リトルエンディアン → 0xef | 0xcd | 0xab | 0x89 | 0x67 | 0x45 | 0x23 | 0x01 エンディアンとは
エンディアンはどう決まるのか エンディアンは CPU によって違う。 amd64 (Intel) など → リトルエンディアン arm
など → ビッグエンディアン CPU によっては切り替えることもできる
エンディアンはいつ気にするのか? バイナリで外部とのやりとり(ファイル読み書き、ネットワーク通信)する時 エンディアンが違うと正しい値を読み取れない。 ビッグエンディアンの uint64(1) → リトルエンディアンのuint64(72057594037927936) 普通は、ネットワークライブラリがエンディアン処理をしているので、気にする必要はな い。
Go でのエンディアン "encoding/binary" パッケージが用意されている binary.BigEndian.PutUint64(bytes, v) binary.LittleEndian.Uint64(bytes) Go ではエンディアンは露出しない。uint64 のビットの順番は環境に寄らず同じ
課題 ファイルへの読み書きを頻繁に行う時 毎回エンディアン処理を行うのはオーバーヘッドになる。
言語の壁をぶっ壊す
unsafe.Pointer だ!!
unsafe.Pointer マシンエンディアンで直接扱うために、unsafe.Pointer を使って []byte から []uint64 に 強制キャストをしている。
壊したので unsafe.Pointer によって壊したので、どのエンディアンの環境でも正しく動くかをテストす る必要がある。
俺はビッグエンディアンでテス トがしたいんだ! @kawasin73 本編
Travis CI で自動テスト Travis CI の CPU アーキテクチャは amd64 (リトルエンディアン)のみ
Travis CI でビッグエンディアンでテストする手法を探す → QEMU でビッグエンディアンの CPU をエミュレートする
qemu で go test Linux で Go の実行環境をインストールできるのは以下のCPUアーキテクチャ amd64, 386,
arm, arm64, s390x, ppc64le この中で、ビッグエンディアンなのは s390x https://golang.org/doc/install#requirements ※ arm はリトルエンディアン、armbe がビッグエンディアン
qemu-ppc64-static で go test 無慈悲なエラー
なんでや
go test はできない 原因は不明。Go が悪いのか qemu が悪いのか。 qemu が特定の CPU
命令に対応していない? 行き詰まった。
救世主
おい、テストを コンパイルできるらしいぞ
コンパイルできると可能性が広がる ビッグエンディアンに対応している ppc64, mips, mips64, s390x ppc64 だとうまくいった
結論
None
よっしゃ https://travis-ci.com/kawasin73/bitset/jobs/172066523
参考資料 ブログ記事 https://kawasin73.hatenablog.com/entry/2018/12/01/172708 対応した github issue https://github.com/kawasin73/bitset/issues/5