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スケールするプロダクトを支える組織マネジメント

 スケールするプロダクトを支える組織マネジメント

pmjp.slack.comオフ会#6 発表資料

浜中 慶/ HAMANAKA, Kei

December 02, 2016
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Transcript

  1. 2 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 自己紹介 浜中

    慶 クラウドインフラ部 部長 Webサービス事業の新規サービス企画担当から キャリアをスタート デザイン制作担当、システム開発担当を経て 2012年よりクラウド事業に参画。 インフラ部門の課長を経て2015年から クラウド事業(IaaS/PaaS)の商品戦略全般と クラウドインフラ部の部門マネジメントを担当
  2. 3 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. ニフティ社のクラウド事業 1980年代〜

    1990年代〜 2000年代〜 2010年代〜 1,000万人のインターネットライフを支えるクラウド パソコン通信事業 ISP事業 Webサービス事業 クラウド事業 ISPやWebサービスで培ったノウハウやインフラ 資産を活かし、2010年よりクラウド事業を開始
  3. 6 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. プロダクトマネジメントを組織論的なアプローチで実施した内容について ※組織マネジメント話がメインでプロダクト自体の話は少ないです

    今日の発表内容 フェイズによってマネジメント手法を変更 (事業規模:売上10億/年→50億/年) テーマ 1. プロダクト立ち上げ期から拡大期への移行方法 2. 100人オーバー組織のプロダクトマネジメント
  4. 7 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. [前提] ニフティクラウドの組織構成

    エンジニアが企画するスタイル - 技術者向けインフラサービスのため、技術的なバックグラウンドが必須 - ビジネスドリブンな企画はマーケティング部門が推進するケースもある (例:低価格VMサービス、など) - ブランディングなどの全体調整はマーケティング部門が実施 専業プロダクトマネージャー職はいない - IaaSは、インフラ部門が運用しつつサービス企画も行う - この辺りは今後の課題
  5. 9 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 課長&異動 別事業部の

    エンジニアだった自分 偉い人 はじまり 2012年、ニフティクラウド(IaaS)の企画運用部門のマネージャーに就任
  6. 10 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 就任当初のビジネス・組織状況 当時のビジネス状況

    ・サービス立ち上げから2年経過 ・クラウド普及の波の到来に伴いビジネス・サービス規模が急拡大 ・上記伴いメンバーも増加 チーム状況 ・IaaSインフラの企画運用チーム(メンバー:約10名) ・新規のサービス開発がリリース時よりも停滞するようになった - 人数は圧倒的に増加している - 停滞により、メンバーのフラストレーション・焦燥感が高まる - 「リリース時より仕事がし辛くなっている」
  7. 13 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 課題の一例 –

    プロダクト開発関連 新規サービス開発が進まない問題 プロダクトを次のステップに進めるためには チーム構造で変化を起こす必要あり (PMとして解決すべき優先度の高い課題は組織マネジメントにあると判断) ・新規サービス企画は大量にストックがあるが、具現化がしづらい状況 - AWSなどの先行プロダクトの存在 - 「思念(アイデア)のみが存在し、表現ができない状態」は焦燥感を高める ・開発リソースの補充が解決策に見えるが…、そんなに簡単ではない ▪課題(例) 1) リリース後2年経ち、運用作業が増加の一途 →攻めタイプの人材も運用を実施せざる 2) 人数が増えたことでメンバー間の認識の相違が顕著になり、 一つ一つの作業が時間がかかる(特に、立ち上げメンバーと途中加入メンバー)
  8. 14 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 事例:チーム構造で変化を起こす 新規開発

    新領域への取り組み チーム内での協議の結果、チーム体制を3つの役割に変更 運用改善 運用自動化の推進 ※変更にあたり、メンバーの指向性や特性を踏まえた上で、丁寧な議論をした上での変更が大事 数値分析 正しいことを数値的に定義 企画運用 一体型チーム
  9. 15 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 事例:チーム構造で変化を起こす プロダクトの拡大を支える基盤を構築

    1)運用作業が増えたので 新規開発にリソースを割けない 感覚を数値化。誰もが理解できる 指標を定義し議論を減らす 数値定義 2)人数が増えたことで認識があってない (立ち上げメンバーと途中加入メンバー) 自動化を積極推進、運用属人性の低減と アプリエンジニアのインフラ運用参画 運用自動化 ※このテーマを深掘りした別発表時の資料 https://goo.gl/SRdbNn
  10. 16 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 1. プロダクト立ち上げ期から拡大期への移行

    施策について ・運用自動化 - クラウドは構築作業、構成変更作業が多数 - メンバー特性(新技術・アプリ志向、若年層)、採用活動のし易さ →過去ナレッジを活かした施策ではなく、新方針に舵切り ・数値定義 - クラウド運用は常識やベストプラクティスが無い新しい領域 - 数値化が新旧メンバーのお互いの理解を助ける、ノウハウ共有につながる →両施策とも事業特性や自社リソース状況、フェーズに合わせ判断 チーム構造変更時に考慮したポイント ・期待役割をメンバーに明確に共有できるかどうか - 1on1 、数人でのディスカッション ・大幅なチーム構造変更は頻繁には行わない - ベストな変更案は無いという前提認識
  11. 17 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 2. 100人over組織の

    プロダクトマネジメント(現在進行系)
  12. 18 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. サービス立ち上げから4,5年後 当時のビジネス状況

    ・クラウドは一過性のブームではなく、社会インフラへと拡大 - クラウド需要の波を捉え、ビジネス・サービスは順調に成長 - しかしグローバルベンダーの拡大も留まらない 組織状況 ・部メンバー:約30名〜現在50名、事業部内の関係者は170名程度 ・プロダクトの更なる拡大 - IaaS/PaaS/mBaaS/IoT/ソリューション - リージョン数(国内/海外)7、OEM提供数:9、チャネル(直販/パートナー)の拡大 - 全機能の詳細把握コストが跳ね上がった (簡易紹介資料で100ページ超え) ・メンバー内の意識差・認識差が更に顕著に - 目指す方向性、ビジョンなどの大枠から、細かいレベルまで様々 - 「昔ならxxという判断はあり得なかった」 ・個々人が当事者意識、全体感を保つことの難しさ - 担当領域のサイロ化(立ち上げ期との比較)
  13. 21 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 実施中の施策:プロダクト戦略の定義と共有 商品戦略合宿

    (部門横断PJ) 可視化 共有 プロダクト戦略の可視化 ・各種分析(SWOT分析、マーケット分析)から、プロダクトの方向性まで言語化 ・視覚的、感覚的に聞き手の記憶に残る工夫 ※今までも存在はしたが、更にわかりやすさ、伝えやすさを重視した内容にリニューアル
  14. 22 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 実施中の施策:権限の移譲による期待役割の明確化 サーバー

    リーダー (PM) 課長 部長 PM制の導入(兼業) ・担当システムごとの企画は戦略に沿った形で各チームで立案 └プロダクト全体の基本戦略、個別テーマは前述の合宿等で定義 ・・・ ・・・ ネットワーク ・・・ ・・・ 新サーバー タイプの企画 新LBの企画 システムごとの改善サイクルを小さく回せる体制をつくる (担当システムごとのサイロ化は部課長で抑制)
  15. 23 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. 100人over組織のプロダクトマネジメント 意識していること

    ・サービスのビジョンを明確に語る - 身の丈以上の夢と、実現具体性 - メンバーを同じ方向性に向かせるための努力を惜しまない - 直感的なわかりやすさの重要性(グラフィック、語感、動画など) ・期待役割の説明と自分ごと化(権限の移譲) - 権限と責任、自由と制約のバランス ・チーム編成はフォーメーション設計 - 攻め人材と守り人材の配置 - フォーメーションをリーダー(PM)と認識合わせ - チーム構成を決めた段階でマネジメントの仕事は一旦終了
  16. 24 Copyright © NIFTY Corporation All Rights Reserved. まとめ ・プロダクト戦略の実現において組織マネジメントは非常に大きいファクター

    ・プロダクト拡大に伴い、既存の方法論が通用しないケースが徐々に発生する - どれだけ早く課題を発見して適切な対応が取れるかが大事 ・その上で1on1は重要なコミュニケーション手法のひとつ - 自分が一度に掌握できる人数で議論することがポイント 拡大するマネジメントを支える組織マネジメント、 その組織で更に拡大するプロダクトを作りたい人はぜひお声がけください! We are hiring! F: kei.hamanaka T: @kei.hamanaka