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Azure Stack Hub を導入して分かった10のこと / 10 things I learned after installing Azure Stack Hub

kongou-ae
December 09, 2019

Azure Stack Hub を導入して分かった10のこと / 10 things I learned after installing Azure Stack Hub

kongou-ae

December 09, 2019
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Transcript

  1. Azure Stack Hub を
    導入して分かった10のこと

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  2. 自己紹介
    松本雄介
    • 三井情報株式会社
    • Azure と Azure Stack Hub を担当
    • Azure Stack Hub を自社に導入して、約2年間運用中
    • 改善要望を Microsoft 本社の開発チームにフィードバック
    • Microsoft MVP for Microsoft Azure(2019/05~)

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  3. 自己紹介
    Azure Stack Integrated system の情報を発信中
    • 個人ブログ(aimless.jp)
    • Azure Stack Advent Calendar 2018
    • なれる!Azure Stack Operator
    • Azure Stack Integrated systems を検討・導入する際のポイント

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  4. 本日のセッションの目的
    提案と導入、運用の経験に基づいた「リアルな情報」を共有する
    1. Azure Stack Hub を使ってみて「良い!」と思ったポイント
    2. Azure Stack Hub を検討する際のポイント
    3. Azure Stack Hub を運用する際のポイント

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  5. 本日のセッションのゴール
    1. 「自分の組織に Azure Stack Hub を導入するとしたら?」を具体
    的に考えられるようになる

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  6. 本日のセッションのゴール
    1. 「自分の組織に Azure Stack Hub を導入するとしたら?」を具体
    的に考えられるようになる
    2. Azure Stack Hub の導入費用を来期の予算に計上する

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  7. お断り
    • 本セッションは、Azure Stack Hub に詳しいエンジニア個人の意見
    を述べたものです
    • 所属会社の意見を代表するものではありません

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  8. 「良い!」と思ったポイント
    地味なものを含む

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  9. 1.セルフサービスかつオンデマンド
    セルフサービスは良い
    • Azure と同じ「セルフサービスかつオンデマンド」な仕組みを標準装備
    • オンプレミスでも「早く初めて、早く失敗する」を実践できる
    • “速さこそ有能なのが文化の基本法則”
    • 「Excel 申請書を提出すると、1週間後に管理者から仮想マシンが提供さ
    れる」文化は機会損失

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  10. 2.Azure と使い勝手が同じ
    オンプレミスとパブリッククラウドで一石二鳥を狙う
    • パブリッククラウドのエンジニアが、オンプレミスにも対応できる
    • オンプレミスでの経験をパブリッククラウドに生かせる
    パブリック
    Azure
    オンプレミス
    Azure Stack Hub

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  11. 3.仮想基盤ではなく IaaS
    便利な機能がサービスとして標準で組み込まれている
    • Network Security Group:仮想マシン単位のファイアウォール
    • Load Balancer:シンプルな負荷分散装置
    • Table Storage:No SQL データストア
    • Blob Storage:オブジェクトストレージ

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  12. 4.自動化しやすい
    Azure と一貫性のある API がもたらす自動化
    • Azure Stack Hub は Azure と一貫性のある API を標準装備
    • オンプレミスで Infrastructure as code を簡単に実践できる
    • ARM テンプレート
    • PowerShell
    • Ansible
    • Terraform
    • AKS engine

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  13. 5.「手元にある」という漠然とした安心感
    設定を間違えても外部から攻撃を受けにくい
    • すべての人がパブリッククラウドを必ず正しく設定できるのか?
    • ファイアウォールや権限の設定を間違えると、知らないうちに外部の悪
    意あるユーザから攻撃を受ける・・
    • パブリッククラウドに慣れていない人の第一歩に最適

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  14. 6.Windows Server のライセンスが明瞭会計
    オンプレだけど従量課金
    • ¥5.152/vCPU/時間の従量課金で Windows Server を使える
    • 小難しいライセンスを気にせず Windows Server を使えるのは便利
    • Azure と同様、CAL を気にする必要もなし

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  15. まとめ
    Azure Stack Hub を使ってみて「良い!」と思ったポイント
    1. セルフサービスかつオンデマンド
    2. Azure と使い勝手が同じ
    3. 仮想基盤ではなく IaaS
    4. 自動化しやすい
    5. 「クラウドだけど手元にある」という漠然とした安心感
    6. Windows Server のライセンスが明瞭会計

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  16. 検討時のポイント

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  17. Azure Stack Hub の機能だけでなく
    Azure Stack Hub を使う組織の文化にも目を向ける

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  18. 検討時のポイント:パブリッククラウドという文化との適合率
    従来の仮想基盤とパブリッククラウドの間には「断絶」がある
    • 単なる基盤の入替ではなく、パブリッククラウドという文化圏への移行
    • 従来の仮想基盤の実装・考え方をそのまま引っ越せない可能性がある
    Microsoft
    Azure
    Microsoft
    Azure Stack
    Hub
    Hyper-V
    パブリッククラウド文化圏 仮想基盤文化圏
    道が無い!?

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  19. 検討時のポイント:パブリッククラウドという文化との適合率
    Azure Stack Hub を使いこなせるかはクラウドとの適合率次第
    • 適合 = パブリッククラウドの特徴をポジティブ・ネガティブのどちら
    で捉えるか
    • パブリッククラウドの特徴の例
    • 新しいサービスがリリースされ続ける
    • サービスが改善されつづける
    • サービスの仕様が明確

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  20. 検討時のポイント:パブリッククラウドという文化との適合率
    Azure Stack Hub を使いこなせるかはクラウドとの適合率次第
    • 適合 = パブリッククラウドの特徴をポジティブ・ネガティブのどちら
    で捉えるか
    ポジティブ ネガティブ
    新しいサービスがリリースされ続ける 便利なサービスを増やしてくれる 新しいことを学び続けなければならない
    サービスが改善され続ける プロバイダが勝手に改善してくれる プロバイダの都合で変化を求められる
    サービスの仕様が明確 検討事項が少なくて済む サービス仕様にあわせなければならない

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  21. 検討時のポイント:パブリッククラウドという文化との適合率
    Azure Stack Hub を使いこなせるかはクラウドとの適合率次第
    • 「オンプレでもパブリッククラウドしたい!」と思ったら、今すぐ買う
    • ポジティブでもネガティブでもない中立の場合、落ち着いて買う
    • 猛烈にネガティブな印象を持った場合、踏みとどまる or 覚悟を決める

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  22. 適切な費用を算出するために
    Azure Stack Hub の周辺にも目を向ける

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  23. 検討時のポイント:基盤からインターネットへのアクセス
    Azure Stack Hub の前提条件を踏まえ、セキュリティ担当と調整
    1. Web プロキシを利用できない
    2. ワイルドカードな FQDN にアクセスする
    3. HTTPS 通信に対する SSL Interception(SSL 複号化)は不可

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  24. 検討時のポイント:基盤からインターネットへのアクセス
    前提条件と組織の環境を踏まえて、適切な構成・設定を検討する
    パターン Firewall 透過プロキシ 既存プロキシ連携
    構成
    通信経路 ダイレクト 透過 Proxy 経由 多段 Proxy 経由
    インターネット
    Firewall
    インターネット
    Firewall
    透過 Proxy
    インターネット
    Firewall
    Web Proxy
    透過 Proxy

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  25. 検討時のポイント:仮想マシンとの通信方法
    仮想マシンと直接通信したい場合、VPN 接続+ルーティングが必須
    • 同じネットワークなのに VPN しなければならない
    • Azure Stack Hub 内に VLAN を引き込むのは無理
    Azure Stack
    Public VIPs Virtual Network
    On-premise
    認証・運用監視
    クライアント Dst Nexthop
    0.0.0.0/0 VPN GW
    VPN GW
    VPN 装置

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  26. 検討時のポイント:仮想マシンとの通信方法
    仮想マシンと直接通信したい場合、VPN 接続+ルーティングが必須
    • 高帯域が必要な場合は、IaaS に仮想アプライアンスを立てる
    • 仮想アプライアンスによってはライセンスが必要
    Azure Stack
    Public VIPs Virtual Network
    Dst Nexthop
    0.0.0.0/0 NVA
    NVA
    On-premise
    認証・運用監視
    クライアント VPN 装置

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  27. 検討時のポイント:仮想マシンとの通信方法
    なんでも VPN 経由にしない。パブリッククラウドなデザインにする
    Azure Stack
    Public VIPs Virtual Network
    Dst Nexthop
    0.0.0.0/0 Internet
    認証・運用監視 VPN GW
    VPN GW
    On-premise
    認証・運用監視
    クライアント VPN 装置

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  28. 検討時のポイント:仮想マシンのバックアップ
    良質なバックアップには、エージェントベースのバックアップが必須
    • Azure VM Backup(定期的にスナップショットを取る)が未実装
    • 稼働中の仮想マシンに対するスナップショットが未サポート

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  29. 検討時のポイント:仮想マシンのバックアップ
    良質なバックアップには、エージェントベースのバックアップが必須
    • 使い慣れたバックアップソリューションを採用する
    • 将来に備えて、Azure Stack Hub のスナップショットを自動取得できる
    ソリューションを検討する

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  30. Azure Stack Hub は同じではない

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  31. 検討時のポイント:運用しやすい OEM ベンダを使う
    ハードウェア周りの運用方法は OEM ベンダごとに違う
    • Azure Stack Hub のソフトウェア部分はどの OEM ベンダでも一緒。
    • ソフトウェア部分の運用はとてもシンプル
    • Azure Stack Hub はハードウェア部分は OEM ベンダごとに異なる
    • 「ハードウェア周りの運用がシンプルかどうか」が OEM ベンダを選ぶ
    一つのポイント

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  32. まとめ
    Azure Stack Hub を検討する際のポイント
    7. パブリッククラウドという文化との適合率
    8. 基盤からインターネットへのアクセス
    9. 仮想マシンとの通信方法
    10. 仮想マシンのバックアップ
    11. 運用しやすい OEM ベンダを使う

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  33. 運用時のポイント

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  34. 運用時のポイント:アップデートに伴う設定変更を覚悟する
    ごくまれに、重めのアップデートが入る・・・
    • Azure Stack は進化し続ける
    • 進化の過程で既存の設定に対する変更を伴う場合がある
    • Extension host の導入に伴うサーバ証明書の追加(1808)
    • バックアップファイルの暗号化方式が文字列から証明書に(1901)
    • /20のアドレスが追加で必要(1910)
    • 運用費用の見積もり時に注意

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  35. 運用時のポイント:Azure Stack Hub の理解者になる
    最低限の運用は、慣れれば誰にでもできる
    • アップデートは高度に自動化されている
    • Microsoft がリモートで障害対応を支援してくれる

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  36. 運用時のポイント:Azure Stack Hub の理解者になる
    Azure Stack Hub を効果的に利用するには?
    • Azure Stack Hub はアップデートとともに進化していく
    • この進化を正しく理解して、組織に展開できるかどうかがキモ

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  37. 運用時のポイント:Azure Stack Hub の理解者になる
    ✓ 導入直後は Azure Stack Hub を使いこなせた
    ✓ Azure Stack Hub の進化を組織に
    展開できていない。もったいない状態
    Azure Stack Hub のもたらす価値
    利用できている価値
    価値
    時間

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  38. 運用時のポイント:Azure Stack Hub の理解者になる
    ✓ 導入直後は Azure Stack Hub を使いこなせた
    ✓ Azure Stack Hub の進化を組織に
    展開できていない。もったいない状態
    Azure Stack Hub のもたらす価値
    利用できている価値
    価値
    時間
    Azure Stack Hub のもたらす価値
    利用できている価値
    ✓ 良き Azure Stack Hub Operator がいる状態
    ✓ Azure Stack Hub の進化を組織に展開できている。
    Azure Stack Hub を使いこなしている良い状態
    or
    価値
    時間

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  39. まとめ

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  40. まとめ
    Azure Stack Hub を使ってみて「良い!」と思ったポイント
    1. セルフサービスかつオンデマンド
    2. Azure と使い勝手が同じ
    3. 仮想基盤ではなく IaaS
    4. 自動化しやすい
    5. 「クラウドだけど手元にある」という漠然とした安心感
    6. Windows Server のライセンスが明瞭会計

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  41. まとめ
    Azure Stack Hub を検討する際のポイント
    7. パブリッククラウドという文化との適合率
    8. 基盤からインターネットへのアクセス
    9. 仮想マシンとの通信方法
    10. 仮想マシンのバックアップ
    11. 運用しやすい OEM ベンダを使う

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  42. まとめ
    Azure Stack Hub を運用する際のポイント
    12. アップデートに伴う設定変更を覚悟する
    13. Azure Stack Hub の理解者になる

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