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BPaaSで進むAIオペレーションの現在地 AI実装が効く領域とスケーラビリティの選定と実装

BPaaSで進むAIオペレーションの現在地 AI実装が効く領域とスケーラビリティの選定と実装

2026年6月27日(土)に実施された「PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2026」での発表資料です。
イベントページ:https://lp-prohis.youtrust.jp/
登壇者:株式会社kubell 藤井 謙太郎

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kubell

June 28, 2026

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Transcript

  1. 2 登壇者 ◾富士通 金融SE  ・基幹システムやERP導入などのプログラマやプロジェクト管理 ◾ PwCコンサルティング合同会社  ・銀行やリース会社向け管理会計プロジェクト、財務会計、IFRS導入  ・IT PMOなど

    ◾ Laboro.AI 執行役員として上場準備フェーズで全社売上責任  ・画像や自然言語、レコメンドなどAI PoCなど50以上、企画や相談100程度  ・AIを活用したアプリ開発やAI受託開発、カメラやIoTなどを活用した事業開発  ・AI戦略や事業戦略策定コンサルティング ◾Pioneer Cross Technology Center CTO室長  ・ナビアプリ開発やエンジニア組織の再編など ◾kubell Bizdev・AIエージェント事業開発  ・新規事業領域の探索、新規プロダクト企画、M&Aの実行など  ・AIエージェント事業立ち上げBizdev、エンジニア、n8n運営など   幅広く担当、役割が拡大中 (@kentaro_fujii_) 藤井 謙太郎 Fujii, Kentaro
  2. 4 事業概要 • 国内最大級のビジネスチャット「Chatwork」を展開。業界のパイオニアであり国内利用者数No.1*1、導入社数は98.9万社*2を突破 • 圧倒的な顧客基盤のあるプラットフォームを背景に、チャット経由で業務を請け負いDXを推進するBPaaS「タクシタ」を展開  ビジネスチャット「Chatwork」 BPaaS (Business Process

    as a Service) • 国内利用者数No.1*1 有料ユーザーの97%が中小企業ユーザー • 日本の1/5を占める導入社数98.9万社以上*2 809万ユーザー • 全業界・全職種の方が日常的に使うプラットフォーム *1 Nielsen NetView Customized Report 2025年7月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査。 調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKSを含む44サービスを株式会社kubellにて選定。 *2 2026年3月末時点 チャット経由で業務を請け負いDXを推進 業務代行 経理・総務・事務な ど幅広い業務に対応 人事・労務など専門 性の高い業務に対応 採用 経理・会計 労務 営業事務 AI・SaaSを徹底活用
  3. 6 AIエージェントの実装で、生産性を劇的に変える ワークフローを設計し、 ハイブリッド体制を構築 膨大な実務知見をAIエージェントに実装し、 ワークフローを自社開発。AIによる自動化と人 の判断を最適に組み合わせ生産性向上を実現。 利用企業は自ら SaaSやAIの活用を 推進することなく

    効果を得られる AIエージェントへの 自然言語での指示 バックオフィス担当・経営者 顧客利用SaaS ・ツール AIエージェント コーディネーター AIエージェント AIエージェント 手動操作 upload BPaaSサービス BPaaS利用企業 API連携 kubell SaaS ・ツール API連携 AIエージェント アシスタントは、 専門知見+ AIエージェントや 各種技術を使いこなし 業務を実行 kubell アシスタント 直接操作 upload
  4. 8 kubellにおけるBPaaSの提供先企業では、アナログな手作業がまだまだ多い 紙での作業や人の目で認識して入力している状況 AIエージェントで業務実装している対象 証憑 (請求書・領収書・納 品書・銀行明細・口座 振替通知書 etc) 内容確認

    承認 データ化 業務SaaSは使用されていな いケースが多い 会計システムは必須で存在 ブラックボックス化しているケースも 銀行と会計SaaS連携、 クレジットカードなど連携し ていないケースも Excel 管理表記入 仕訳登録 後続作業 (証憑紐付け、 抜け漏れ確認) 会計SaaS/システム 業務SaaS領域 部分的な提供も多く存在、業務に応じて提供範囲を変更する必要がある AIが特に効果的なのは非決定論的なデータ化や確認・整理作業 1 2 3 4 5 6 ① 〜 ④ 電子化一覧化の提供 ① ~ ⑥ 会計業務一気通貫での提供 ⑥仕訳への証憑 紐付けのみ提供
  5. 11 経理業務におけるAI適用領域の全体像(サンプル例) インプット 取得 電子化 整理・照合 仕訳 仕訳登録 消込 1

    2 3 4 5 6 iPaaS / API連携 メール添付/ ストレージ/ 会計SaaSと連携 など各チャネル から収集 AI OCR 多様な非定型 書式を構造化 データへ 自動変換 (人の確認前 提) 照合・検索AI インプットと過 去アウトプット のマッチング・ 突合 (人の確認前 提) 仕訳パターン 適用・作成 照合内容から得 たパターンをも とに仕訳案を自 動作成 (人の確認前 提) SaaS連携 API 会計SaaSに直接 API登録。API連 携が困難なケー スは手動登録 銀行・ SaaS連携 銀行API等と連 携する会計SaaS 機能を利用。 銀行連携困難は 個別対応 AI AI AI 自動化が容易 AI活用必須領域 AI + 非AIを活用 定型処理はAPIで自動化し判断・パターンが多い領域にAIを適用
  6. 12 どのようなAIエージェントが存在しているのか 電子化 OCRによるデータ化 整理・照合 過去パターンの検索 仕訳 エージェントによる仕訳作成 文書分割 エージェント

    レシート分割 エージェント 文書分類 エージェント 文書別OCR エージェント 文書を読み取り構造化する • Agentic Workflowでルーティ ング処理。当然手書きもOK • テナントごとのコンテキスト を考慮 類似仕訳の検索 (全文検索) OCR後の証憑 データマッチング (RAG) 過去アウトプットと照合する • BPOは顧客の代行であり前例踏 襲、税理士と異なる業務特性 • 仕訳は、顧客固有の慣習が存在す るため過去例が重要となる • 証憑から仕訳まで一気通貫データ を用いてマッチング 借方科目判定 エージェント 貸方科目判定 エージェント 補助科目判定 エージェント 摘要生成 エージェント 取引先判定 エージェント 部門判定 エージェント 仕訳に必要な情報を判定する • 顧客のビジネス概要や過去例 のコンテキストを判定 • 非常に長いWorkflowロジッ クを個別機能に細分化 AIを適用する電子化、整理・照合、仕訳のプロセスを要素分解し、 実際の業務で必要になったものからエージェント+非AI決定論ロジックで構築 1 2 3
  7. 13 AIエージェントの設計ポイント① Agentic Workflowを中心とした 決定論的なアプローチ 汎用化と顧客ごとカスタムの両立 AIエージェントを”なんでも出来る魔法”として扱うのではなく 現実的によくあるフローとそれ以外に分けて設計している 経理業務は、上流業務プロセスは決定論で分岐可能 安定性や運用性を重視しAgentic

    Workflowが中心 汎用性で対応しきれないものはカスタム対応 カスタムしやすいように共通プロセスを段階的に拡充 分岐後 エージェントB ルーティング LLM  分岐後 エージェントA • 多層のルーティング処理から分岐し、サブ エージェントや後続エージェントを並列実行 • ブレが多い領域は蓄積したデータを用いて、 Reflectionやアンサンブル型のLLMで構成さ れるエージェントで精度を改善 汎用 プロセス 顧客 コンテキスト注入 汎用 プロセス アプローチ1 コンテキスト考慮で エージェントが対応 アプローチ2 対応困難やフォーマット 変換など個別処理 個別 プロセス • 顧客ごとに異なる出力は、コンテキスト考慮によ るエージェント対応と別プロセスなのでカスタム 開発を行う2系統で対応 • 個別案件ごとに高速なFDE的な対応により 汎用プロセスの拡充も高速に並行実施
  8. 14 業種別ドメインレイヤー (ドメイン適用) 顧客共通レイヤー (標準サービス・モジュラー) オペレーションデータ (記録・最適化) ユーザー企業別ドメインレイヤー (データ・プロンプト・自動最適) 参考)オペレーション全体の“アーキテクチャ”

    共通的に実行する業務(共通化業務) 多くの業務で再利用する業務の型 インボイスチェック・OCRチェック・ ストレージupload・通知・証憑収集 業種や領域に特化したドメイン業務 与信チェック・レセプト対応・ 法務事例リサーチ ユーザー企業特有のコンテキスト 業務の型を変更せずに自律エージェン トやプロンプト最適化などで対応 領域別に特化に必要なデータ 最適化に必要な企業独自データをプロ セスを通じて蓄積、記録 標準化されたオペレーションサービスでは、業務を共通化・モジュラー化してアーキテク チャ構造に設計する。N=1の個別ケースは、柔軟な共通フレームで吸収か人が対応 転送 OCR 通知 同期 ドメイン 固有プロセス
  9. 15 優先順位 AIエージェントの設計ポイント② 精度・安定性 トークンコスト 速度 最優先 許容範囲 で管理 非優先

    BPaaSのBPO業務では、UI上の即時レスポンスは不要 人は非同期での実行中に別作業を進められる。まずは正確である ことが最重要。人の修正・確認コストの低減を重視 精度・安定性によるコスト増より、こなせる量の方が重要 LLMのトークンコストが多少上昇したとしても、人手による確認・ 修正負荷を最小化し、受注可能な業務ボリュームを拡大できるメ リットの方が大きい(人員配置の最適化が前提) 非同期処理が前提のため、リアルタイム性の重要性は低い 速さそのものが目的ではなく、精度・安定性を満たす前提で速度を 改善していく AIエージェントは、精度・トークンコスト・速度がトレードオフ BPaaSのサービス特性から精度・安定性が最重要の考え方
  10. 17 アーキテクチャとしての特性 処理する証憑の数(1社あたり) 50 - 500枚 出力する仕訳数(1社あたり) 50 - 500件

    経理の業務は、“月末・月初”の特に“営業日2日目から1-2週目”までに集中 次に振込が多い“五・十日”や給与振込日にバッチ的に処理が行われる特性 業務の横で実行している・寝て起きたら確認できる状態が理想 複数のテナントに対して、大量のLLM処理を 非同期でスケーラブルに稼働できるアーキテクチャ設計が必須 急に集中的なリクエストが立ち上がる 直列処理ではなく非同期がマスト ※ イメージであり実測定ではありません
  11. 18 AIエージェントの実行アーキテクチャ データ化→検索→仕訳エージェントと順次拡張中 ポイント1 非同期:多種のAgentic WorkflowベースのAIエージェントを非同期で大量に実行     エージェントの処理ステータスを管理し、スケーラブルな処理を実現 ポイント2

    LLM実装:LLMの開発フレームワークに可能な限り依存せず独自の共通処理で構築 ★ポイント1:非同期 大量のマルチモーダル処理を吸収 ★ポイント2: LLMの開発フレームワークへの 依存性を可能な限り低減
  12. 21 悩ましいポイント  メリット  • 個別ニーズに完全にフィット • 汎用プラットフォームを認知する必要なし • 立ち上がりが早い  デメリット

    • 再利用性が乏しい • スケールすると保守運用が難しい • 個人の知見に依存する Claude Codeなどによる 爆速な個別開発 汎用型プラットフォームによる カスタム混在対応  メリット  • 横展開・再利用がしやすい • スケールしても保守がしやすい  デメリット • 基盤作りに先行投資が必要 • 個別ニーズに高速対応が困難 • 抽象化の設計難易度が高い カスタムや個別対応の範囲がやや異なる 状況に合わせて両方のアプローチで対応(大変ですが)
  13. 23 実際に行っていること 仮説や個別ケースで幹となる 業務で構築 イメージや共通言語が持てる 多数の実案件に適用 個別カスタム対応 実際に動かし対応可否を判断 最大公約数を確認 共通化をしていく範囲を見極め

    対応範囲を決定 汎用プロセスのプラットフォームへの 反映方法と実装 1 2 3 4 泥臭い繰り返しに よる段階拡充 kubellグループの顧客基盤を活かし、幅広いユースケースに対して、高速に改善サ イクルを回すことで、サービス基盤を拡充中