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スケールするというのはどういうことなのか

Kurochan
October 22, 2023

 スケールするというのはどういうことなのか

社内の勉強会で発表しました

Kurochan

October 22, 2023
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Transcript

  1. スケールアップ • 処理するリソースをより単体性能の⾼いものに置き換える • リソース = サーバ等 • 1秒間に100リクエスト処理できるサーバを200リクエスト処理できるものに交換するなど •

    交換するだけで性能向上が⾒込めるので簡単 • スケールアップはわりとすぐに限界が来る • そんなに都合のいいマシンは世の中に存在しないから • CPU 4 コアのマシンを96コアのマシンにすることはできても、1024コアのマシンは⾮現実的 • (あったとしても現代においては⾮常に⾼額でコスパが悪すぎる) • そのサーバが故障したときの影響がデカくなる(リスク集中)
  2. アムダールの法則 • アムダールの法則 • N = 並列度 • P =

    並列化できる割合 • S(N) = 性能向上率 • 製品を1個つくるのに100単位時間かかり、95%が並列化可能な場合 • 2並列だと1.95個 • 4並列だと3.47個 • 10並列だと6.89個 • 1,000並列だと19.62個 • 10,000並列だと19.96個 • 100,000並列だと19.99個 (全然効率上がってない…!🥺)
  3. アムダールの法則 • アムダールの法則 • N = 並列度 • P =

    並列化できる割合 • S(N) = 性能向上率 • 並列化不能な部分がある場合は⾼速化に 
 限度がある! • 横軸の数字が⼤きくなっても縦軸の数字が 
 途中からほぼ伸びなくなることに注⽬🥺 • Nが極限になる(めちゃくちゃ並列数上げる)と • S = 1 / ( 1 - P) で性能が頭打ちになる • ⼈間の仕事も⼀緒!
  4. 失敗が許容できないシステム • 絶対にリクエストの失敗が許されないシステムを考えてみる • ユーザがN⼈いてそれぞれ1リクエストする場合 • N = 100 :

    1 0 0 回に1回の失敗が許されない • N = 1 , 000 : 1 , 00 0 回に1回の失敗が許されない • N = 10 , 000 : 10,000回に1回の失敗が許されない🔥 • 失敗を許容しない場合、ユーザ数が増えるほどシステムの要件が厳しくなる • 無理 • たまに失敗するのは諦めるしかないのか…?🤔
  5. 失敗を許容する = 諦める? • 例: 100回に1回エラーが発⽣するサーバ • エラーの発⽣確率 = 1%

    • クライアントが1回リトライしてもエラーになる確率 = 1% x 1 % = 0 . 01 % • クライアントが2回リトライしてもエラーになる確率 = 1% x 1 % x 1 % = 0 . 0 001 % • エラーが確率的に発⽣する場合、リトライすれば成功しそう! • 必ずしも 失敗を許容する = 諦める ということではない • もちろんエラー率99%とかだとリトライしてもあまり意味がない 失敗 リトライ 成功
  6. 何も考えずにリトライすると… • とあるクライアント • サーバがエラーレスポンスを返したのですぐにリトライしました • またエラーだったのでリトライを10回繰り返しました • サーバが障害によりレスポンス不能だった場合に、 


    クライアントが100台居た場合に何が起きるか • 10回リトライ x 1 00 台 = 1000リクエスト • サーバが障害になるとトラフィックが1,000倍になる🔥 • 回復不能!負のループ!
  7. バックオフ • 何も考えずに即時リトライすることの危険性を回避する⼿法 • ⼀定期間待ってからリトライする • バックオフ • 「⼀定期間」を指数関数的に伸ばしていくことが⼀般的(Exponential Backo

    ff ) • サーバ障害発⽣時のクライアントの例: • 失敗→2秒後にリトライ→4秒後→8秒後、16秒後、32秒後、64秒後、128秒後… • 即座にリトライしてもダメだった場合、リトライの量が爆発しないように 
 待機時間を伸ばしていくことでサーバを守る
  8. ジッター • 同じタイミングにクライアントからのアクセスが集中すると困る • リトライ時に間隔をあけても多数のクライアントのアクセス周期が集中すると 困る • リトライにゆらぎ(ジッター, Jitter)を与える •

    例: リクエスト失敗→2秒+0〜3秒後にリトライ→4秒+0〜3秒後、8秒+0〜3秒後… • 徐々に周期がズレていくはず • リトライ以外でもジッターは有効 • Push通知の送信タイミングにジッターを加えることでアクセスのスパイクを緩和するなど
  9. 冪等でない処理を冪等にする技術 • 冪等にするための⼿法の⼀例 • 決済: • 🙅 危険な例: 100円の決済が成功したかわからないのでリトライした •

    🙆 安全な例: 100円の決済(ID=abc)が成功したかわからないのでリトライした • 決済にIDが付与されていると、同じリクエストが来たかどうか判別可能 • サーバは同じリクエストが2回来たことを検知したら「すでに受け付けました」というレ スポンスを返却して処理をスキップすればいい • クライアントは成功した確証が得られなければリトライすればいい
  10. ⾮同期処理 • 必ずその場で処理する必要がないものは「あとまわし」にする • ⼈間の例: • 受け付け番号を発⾏して、処理が完了したら呼び出す • サーバの例: •

    クライアントからのリクエストを即座に処理せず、キューに⼊れて処理IDのみ発⾏する • 定期的に進捗を問い合わせて、完了してたら結果が得られる(ポーリング) 処理して あとでね(ID= 1 23 ) あとでやる キュー キューから取り出す