Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
敢えて生成AIを使わないマネジメント業務
Search
Kazuki Maeda
July 07, 2025
Technology
2
610
敢えて生成AIを使わないマネジメント業務
https://em-yuru-meetup.connpass.com/event/356077/
Kazuki Maeda
July 07, 2025
Tweet
Share
More Decks by Kazuki Maeda
See All by Kazuki Maeda
Amazon Bedrockで実現する 新たな学習体験
kzkmaeda
3
1.4k
日本の教育の未来 を考える テクノロジーは教育をどのように変えるのか
kzkmaeda
1
230
モノリスの認知負荷に立ち向かう、コードの所有者という思想と現実
kzkmaeda
0
230
エンジニアリング価値を黒字化する バリューベース戦略を用いた 技術戦略策定の道のり
kzkmaeda
9
6k
現場の種を事業の芽にする - エンジニア主導のイノベーションを事業戦略に装着する方法 -
kzkmaeda
2
5.9k
生成AIを用いた 新しい学びの体験を 提供するまでの道のり
kzkmaeda
0
310
生成AIによって変わる世界 -可能性とリスクについて考える-
kzkmaeda
2
320
新しいことを組織ではじめる、そしてつづける
kzkmaeda
5
980
20240824_JAWS_PANKRATION_2024
kzkmaeda
0
120
Other Decks in Technology
See All in Technology
Grafana MCPサーバーによるAIエージェント経由でのGrafanaダッシュボード動的生成
hamadakoji
1
1.1k
Kubernetes における cgroup v2 でのOut-Of-Memory 問題の解決
pfn
PRO
0
450
Vault meets Kubernetes
mochizuki875
0
150
kubellが考える戦略と実行を繋ぐ活用ファーストのデータ分析基盤
kubell_hr
0
130
2025年になってもまだMySQLが好き
yoku0825
7
3.1k
ZOZOマッチのアーキテクチャと技術構成
zozotech
PRO
2
1.2k
【 LLMエンジニアがヒューマノイド開発に挑んでみた 】 - 第104回 Machine Learning 15minutes! Hybrid
soneo1127
0
250
役割は変わっても、変わらないもの 〜スクラムマスターからEMへの転身で学んだ信頼構築の本質〜 / How to build trust
shinop
0
150
トヨタ生産方式(TPS)入門
recruitengineers
PRO
6
1.4k
【Grafana Meetup Japan #6】Grafanaをリバプロ配下で動かすときにやること ~ Grafana Liveってなんだ ~
yoshitake945
0
220
DuckDB-Wasmを使って ブラウザ上でRDBMSを動かす
hacusk
1
140
個人CLAUDE.md紹介と設定から学んだこと/introduce-my-claude-md
shibayu36
0
170
Featured
See All Featured
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
161
15k
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
73
5k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
328
39k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
43
7.5k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
185
54k
Speed Design
sergeychernyshev
32
1.1k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
59
9.5k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
44
2.5k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
284
13k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
69
4.8k
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
330
21k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
36
2.5k
Transcript
敢えて生成AI を使わない マネジメント業務 もあるよ EM ゆるミートアップ vol.10 kzk-maeda 2025.07.07
自己紹介 Kazuki Maeda atama plus 株式会社 VPoE / 技術統括 組織マネジメント・技術マネジメントを管掌
生成AI 好きです。逆張りではありません。
業務の中で生成AI を使わない日はない 分野 活用例 プロダクト開発 Claude Code で新プロダクトのプロト作成 コード生成・レビュー支援 情報管理・分析
MCP でドキュメント検索・作成 データ分析の自動化 組織コミュニケーション 組織全体会のサマリ作成 1on1 の内容整理・振り返り 他組織との連携 人事・コーポレートとの議論前の壁打ちなど 専門性が異なるチームとの議論準備
でも、ある業務では 生成AI を使わないことにしている
振り返り面談のための情報収集
一見、生成AI に向いていそうなタスク 生成AI タスク データソース Slack チケット Pull Request ドキュメント
MCP やRAG で収集 情報の統合 要約・抽出 ポジティブフィードバック の基
個人のマネジメントのこだわりとして 「ポジティブなサプライズ」にこだわっているから
ポジティブなサプライズとは? メンバー自身の振り返りから漏れている素晴らしい行動や成果を見つけて 「こういう成果もあったよね」と伝えること メンバー自身も忘れている成果の発見から、表面的でない、真の価値の把握
生成AI ではなぜできないのか?
Lost in the Middle 問題 生成AI に多量のコンテキストを渡すと、その中央に位 置する情報が抜けやすいという問題 参考: Lost
in the Middle (Liu et al., 2023) 例えばMCP を用いて多量の会話ログなどを渡して生成 AI に情報分析させようとした時に、 ポジティブサプライズに寄与しうる重要な情報がロス トしてしまう可能性
暗黙知や構造の欠落 Slack やJIRA などのツールに残っているのは表面 的・断片的なテキスト情報のみ ポジティブサプライズのためには、 ログに残らないような対面コミュニケーショ ンの情報 情報間の有機的な繋がり など、生成AI
が知り得ない情報が多く存在し、 それらを総合してFB に繋げる必要がある
でも、忌避しているのは技術的な問題ではないかも
" 浅い" 意思決定 出典: 生成AI によって増えてきた" 浅い" 意思決定 - Kazuki
Hayakawa
今どうしているのか?
日常的な賞賛文化の醸成 Win Session など、良い言動を日常的に組織で賞賛する文化をつくる その中で、 「ポジティブなサプライズ」対象になりうる行動を見逃さないよう、普段から目を皿にして行動を観 察 振り返り時にこれらの情報から拾い上げる
定期的な情報収集 レトロボードなど、賞賛系の情報が溜まりやす い場所は評価タイミングで全て目を通す 一つ一つ丁寧に確認することで、埋もれがちな 成果を発見
他の業務を生成AI で効率化することで、 「人間らしい」仕事に時間を使える
どうしたら生成AI で代替できるか?
技術的な進化の方向性 暗黙知の取り出し 今はデータとして取り出せない情報を扱えるように なること オフライン含むMTG での会話 偶発的なコラボレーション 非言語的なコミュニケーション 学習サイクルの確立 「ポジティブなサプライズ」に対して生成AI
を学習 させるサイクル ポジティブなサプライズの事例収集 アノテーションと再学習の軽量化 組織文化への適応
多分 mento がなんとかしてくれる
None