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数字を上げることが 目的になっていませんか?/engineer festival 2023 Link and Motivation

数字を上げることが 目的になっていませんか?/engineer festival 2023 Link and Motivation

エンジニア文化祭 2023
登壇資料(2023/03/03)
『数字を上げることが 目的になっていませんか?
Four Keysによる開発生産性向上で陥った3つの失敗』
https://scout.forkwell.com/event/engineer-festival-2023/
#Forkwell文化祭_A #リンクアンドモチベーション #リンモチ
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【株式会社リンクアンドモチベーション】
■お問い合わせ
 [email protected]
■Entrancebook
 https://note.com/lmi/n/n179505e048f4
■テックブログ
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■登壇者 川津インタビュー
 https://www.wantedly.com/companies/lmi/post_articles/431391
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Transcript

  1. 2 © Link and Motivation 自己紹介 川津 雄介 株式会社リンクアンドモチベーション SRE

    • 前職は某複写機メーカーでエンジニアしてた • OSレイヤーからWeb/モバイルまで何でもやる • 中途の採用活動もします • リンクアンドモチベーションではSREとして開発 室全体の生産性向上に注力! https://github.com/megmogmog1965 https://qiita.com/megmogmog1965
  2. 8 © Link and Motivation 弊社開発組織の歴史 2016 2018 2019 2022

    2022 末 モチベーションクラウド のリリース 開発組織内製化のスタート (Four Keys = Low レベル) コミュニケーションクラウド のリリース ストレッチクラウド のリリース Four Keys メトリクス High レベルに到達 2020 SRE チームの誕生 弊社の開発組織は誕生して5年目です!
  3. 9 © Link and Motivation SRE チームの遷移 (Team Topologies 風に言うと...)

    4つのチームタイプ ※ 出典:「チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計」より
  4. 10 © Link and Motivation SRE チームの遷移 (Team Topologies 風に言うと...)

    インタラクションモード (チーム間の関わり方を示す) ※ 出典:「チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計」より
  5. 11 © Link and Motivation 1年前 → Medium レベル インフラや

    CI/CD (仕組み) を一方的に提供していた。
  6. 14 © Link and Motivation Four Keys メトリクス 出典: https://cloud.google.com/blog/products/devops-sre/dora-2022-accelerate-state-of-devops-report-now-

    out?hl=en Four Key メトリクスは Google Cloud の DevOps Research and Assessment(DORA) チームが実施した研究が出典のソフトウェア開発チームのパフォーマンスを示す 4 つの指標です。
  7. 15 © Link and Motivation Four Keys メトリクス 出典: https://cloud.google.com/blog/products/devops-sre/dora-2022-accelerate-state-of-devops-report-now-

    out?hl=en 「速度」と「安定性」の指標。お互いが密接な関係にありバランスが重要です。 デプロイ頻度 リードタイム MTTR 変更障害率 デプロイが原因で本番環境で障害が発生す る割合(%) 組織が本番環境での障害から回復するのに かかる平均時間 First commit から本番環境稼働までの所 要時間 本番環境へのリリースの頻度 速度 安定性
  8. 18 © Link and Motivation 遠い (苦手) 近い (得意) インフラの仕組みだけで解決できる限界

    SRE アプリ開発者 インフラ CI / CD メトリクス SRE (インフラエンジニア発) は、どうしてもインフラ側から改善しがち。 ブランチング モデル テストコード E2E テスト アプリコード
  9. 22 © Link and Motivation SRE と開発者が協働して進めるには? 1 2 3

    開発生産性・メトリクスの基準を統一する 改善活動をみんなの目標にする 数値を上げる意味・目的を共有する
  10. 27 © Link and Motivation 生産性課題を特定する為に必要な情報 量・頻度・正確さ の掛け算。 量 頻度

    正確さ 課題の分析をする為に、様々な面 の情報が取得できている事 最新の情報が毎日更新・記録で きている事 情報が正確で信頼できる事
  11. 28 © Link and Motivation ① 情報の量 今月の PR は

    100 件でした 25 th% は「0〜3日」 XXX さんの PR は7日超えが多い 今月のリードタイムは「7日」 もっと細かく・視点を変えて見ると...
  12. 29 © Link and Motivation ② 情報の更新頻度 振り返りの期間は多種多様。 (相対・絶対 /

    日・週・月) 11月 第2週 12月 第3週 第4週 今日 過去2週間 (相対) 1週目 2週目 月で振り返りたい
  13. 30 © Link and Motivation ② 情報の更新頻度 振り返りの期間は多種多様。 (相対・絶対 /

    日・週・月) 11月 第2週 12月 第3週 第4週 今日 過去2週間 (相対) 1週目 2週目 月で振り返りたい 毎日メトリクス集計できているとベスト
  14. 31 © Link and Motivation ③ 情報の正確さ 情報 (ミス 0%)

    機械 人間 情報 (ミス 5%) 開発者 (頻度低くても) ミスの可能性があると見る 気を無くす 自動 手作業 ❌
  15. 33 © Link and Motivation メトリクス・ダッシュボード自動化に求められる要件 全自動 リアルタイム性 変更容易性 ダッシュボード要件

    見たい時に見たい情報が得られな いと、開発者は見る気を無くす メトリクスを計測する事自体が SRE の負担 (トイル) になっては ならない メトリクスの具体的な計測方法は、 利用しているツールだけでなく、開 発組織の状況によって常に変わる
  16. 36 © Link and Motivation Dashboard アーキテクチャ 収集 データ加工 →

    可視化 GitHub スプシ Google Sheets Google Looker Studio
  17. 37 © Link and Motivation Dashboard アーキテクチャ 収集 データ加工 →

    可視化 GitHub スプシ Google Sheets Google Looker Studio リードタイム デプロイ頻度 MTTR 変更障害率 毎日同期 (SQL みたいに) 1行 = 1レコード
  18. 38 © Link and Motivation Dashboard アーキテクチャ 収集 データ加工 →

    可視化 GitHub スプシ Google Sheets Google Looker Studio データの加工 (Excel芸) は不要 毎日同期
  19. 39 © Link and Motivation Dashboard アーキテクチャ 収集 データ加工 →

    可視化 GitHub スプシ Google Sheets Google Looker Studio ノーコードで ダッシュボード化 毎日同期
  20. 40 © Link and Motivation データの収集について Looker Studio は Google

    Sheets の1行を1レコードとして扱える。 ※ RDB の SQL みたいな感じ. タイトル 作成者 URL First commit Merged バグ修正 B さん https://… 2022-10- 23T02:00:00Z 2022-10-27T04:00:00Z リファクタ B さん https://… 2022-10- 26T04:00:00Z 2022-10-28T05:00:00Z Typo C さん https://… 2022-10- 28T05:00:00Z 2022-10-28T06:00:00Z 1行 = 1レコード 複数レコードから一つの統計値を算出する MEDIAN(4日, 2日, 1日) リードタイム = 2日
  21. 46 © Link and Motivation 遠い (苦手) 近い (得意) アプリケーション領域の改善

    SRE アプリ開発者 インフラ CI / CD ブランチング モデル テストコード E2E テスト アプリコード メトリクス アプリケーション領域の改善には、開発者の協力が必須!
  22. 47 © Link and Motivation チーム間の断絶 開発チーム ⇔ SRE チーム

    間の断絶! コミュニケーションパス が希薄 チームそれぞれの 仕事・目標の達成 が最優先 SRE だけでは 生産性向上できない
  23. 48 © Link and Motivation チーム間の断絶 開発チーム ⇔ SRE チーム

    間の断絶! コミュニケーションパス が希薄 チームそれぞれの 仕事・目標の達成 が最優先 SRE だけでは 生産性向上できない 改善の為の明確な チーム・役割・責務を決める
  24. 50 © Link and Motivation 各チームから協力者を選出 横断チームを結成する! 開発チーム A 開発チーム

    B 開発チーム C 各ストリームアラインドチーム から活動に興味高そうな人を選出 各ストリームアラインドチーム から活動に興味高そうな人を選出 各ストリームアラインドチーム から活動に興味高そうな人を選出
  25. 51 © Link and Motivation 開発者のミッション・目標と結節 開発チーム A 開発チーム B

    開発チーム C 事業部目標 個人目標 弊社の 2022/4Q の 事業部全体の目標に 生産性向上が入っていた ボランティアではなく 正式に個人の仕事にする
  26. 60 © Link and Motivation 実際にあった怖い話 (リードタイム) とある PR を1ヶ月放置していた。

    実装開始 1ヶ月前 1週前 放置期間 (※別件で忙しかった) 実装再開 (1ヶ月経って) やっと再開できるぞ!
  27. 61 © Link and Motivation 実際にあった怖い話 (リードタイム) 再開する際に気を効かせてくれて、PR (ブランチ) を作りなおす!

    実装開始 1ヶ月前 PR を 作り直す 1週前 リリース 放置期間 (※別件で忙しかった) 実装再開 3日前 当日 リードタイム = 3日 !? (リードタイムの為に) PR を作りなおそう!
  28. 62 © Link and Motivation 実際にあった怖い話 (リードタイム) 再開する際に気を効かせてくれて、PR (ブランチ) を作りなおす!

    実装開始 1ヶ月前 PR を 作り直す 1週前 リリース 放置期間 (※別件で忙しかった) 実装再開 3日前 当日 リードタイム = 3日 !? (リードタイムの為に) PR を作りなおそう! 「リードタイムを3日にする」 が目的になっている
  29. 64 © Link and Motivation リードタイム (値) が表す意味 リードタイムの定義は「First Commit

    → リリース」までの日数。 First Commit 5日前 1日前 リリース 一つの PR・Feature を リリースするのに掛かった日数 master マージ 当日 機能? プロジェクト?
  30. 65 © Link and Motivation リードタイム (値) が表す意味 実装 機能

    A 実装 リリース リリース 実装 リリース 実装 リリース 最近は、スモールリリース・Feature toggle という手があるよね。 リードタイム → 大 機能 B リードタイム → 小 リードタイム → 小 リードタイム → 小
  31. 66 © Link and Motivation リードタイム (値) が表す意味 実装 機能

    A 実装 リリース リリース 実装 リリース 実装 リリース 最近は、スモールリリース・Feature toggle という手があるよね。 リードタイム → 大 機能 B リードタイム → 小 リードタイム → 小 リードタイム → 小 リードタイムの単位は 「機能」ではなく「PR」である!
  32. 67 © Link and Motivation 1 PR PR 大 vs

    小 PR を小さくすると、レビュー&テスト品質が上がる。 1 PR 1 PR 1 PR 実装とその影響範囲を見きれず 設計観点のチェックになる コードの1行までレビューできる 変更影響の特定が難しく、 全件リグレッションテストが多発 変更に対し最小のテストを実施 ✅ ✅ ❌ ❌
  33. 68 © Link and Motivation PR 大 vs 小 巨大な

    PR あるある コードがコンフリクトして大変 A がマージされないと B がテスト開始できない リリース日程調整でコミュニケーションコスト高
  34. 69 © Link and Motivation PR 大 vs 小 PR

    が十分に小さいと... コンフリクトしない / しても簡単に直すだけ 自分の Feature のテストだけしたらいい リリース日程調整は不要
  35. 71 © Link and Motivation リードタイム短縮の目的 障害を減らしたい リリースの複雑性 を減らしたい スモールリリース・Feature

    toggle をする リードタイム ≦ 3日 目的 手段 目標 ※ 弊社の開発組織のケースでの一例です。 全ての開発組織で一概にそうとは限りません。 ① ②
  36. 72 © Link and Motivation リードタイム短縮の目的 障害を減らしたい リリースの複雑性 を減らしたい スモールリリース・Feature

    toggle をする リードタイム ≦ 3日 目的 手段 目標 目的に立ち戻る為に 繰り返し伝える!
  37. 73 © Link and Motivation e.g. Rails アップデート ビッグバンリリース ※

    リリースめちゃ怖〜 スモールリリース PR 数 変更ファイル / PR 1〜2 PR(s) 100 files PR 数 変更ファイル / PR 80 PR(s) 1〜2 files 弊社 Rails アップデートの今と昔。
  38. 74 © Link and Motivation e.g. Rails アップデート 小さな互換性のあるリリースを繰り返す。 互換

    リリース 1回目 80回目 最終 リリース 新・旧 どちらの Rails Version でも動く 互換コードを先行リリースする 互換 リリース 最後の1回 最後にやっと Rails の Version を上げる + 一部の非互換コード ・・・ (スモールリリース) ・・・ x8 0 ・・・
  39. 77 © Link and Motivation 開発者みんなで「協働」して改善を進める為に 1 2 3 メトリクス集計は自動化&ダッシュボード化しよう!

    改善活動の横断チームを作り、ちゃんと仕事化 (目標) する! 数値を追うのではなく、目的・目指す姿を明確にしよう!
  40. 78 © Link and Motivation 開発者体験 = 幸せ が高い組織 「理想の姿」を証明する為の「数値」であれ

    スピード・気軽さ リリースのシンプルさ 品質の高さ • リリース調整「〜はいつ出 す?」は大変 • 一つ遅れると、全部再調 整! • 小さな改善をすぐにリリース できる • リリース承認等のプロセスで 時間が掛かる • 障害が発生すれば、対応に コストを払う • 気軽なリリースができなくなる
  41. 79 © Link and Motivation 開発者体験 = 幸せ が高い組織 「理想の姿」を証明する為の「数値」であれ

    スピード・気軽さ リリースのシンプルさ 品質の高さ • リリース調整「〜はいつ出 す?」は大変 • 一つ遅れると、全部再調 整! • 小さな改善をすぐにリリース できる • リリース承認等のプロセスで 時間が掛かる • 障害が発生すれば、対応に コストを払う • 気軽なリリースができなくなる 速度 安定性 表裏一体 開発メトリクス
  42. 80 © Link and Motivation 開発者体験 = 幸せ が高い組織 「理想の姿」を証明する為の「数値」であれ

    スピード・気軽さ リリースの複雑さ 品質の高さ • リリース調整「〜はいつ出 す?」は大変 • 一つ遅れると、全部再調 整! • 小さな改善をすぐにリリース できる • リリース承認等のプロセスで 時間が掛かる • 障害が発生すれば、対応に コストを払う • 気軽なリリースができなくなる 速度 安定性 表裏一体 開発メトリクス 理想の姿へどの位到達したか メトリクス = 達成指標
  43. 82 © Link and Motivation お知らせ • エンジニアリングマネージャー • プロダクトマネージャー

    • テックリード • サーバーサイドエンジニア • フロントエンドエンジニア • SRE • QAエンジニア • データエンジニア • CRM • UXデザイナー 週1でテックブログを更新中! まずはカジュアルにお話しましょう! 積極採用中です!