Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

プロジェクト・ファシリテーション入門

 プロジェクト・ファシリテーション入門

特定非営利活動法人AIP様にて2015年に登壇したときの資料です。
        
プロジェクト・マネジメント(PM)が重要であることは多くの企業が理解していることですが、マネジメントだけでなく、体系化したプロジェクト現場を活性化させる為のプロジェクト・ファシリテーション(PF)の重要性が近年高まってきています。
PMは成果を計画的に出して行く為の技術ですが、PFはプロジェクト現場を活性化し、モチベートし、協調関係を作る為に必要な技術です。

プロジェクト・ファシリテーションの定義については下記リンクをご覧ください。
 ●プロジェクト・ファシリテーションとは?
    -- http://www.objectclub.jp/community/pf/
      (オブラブ様のHPが開きます)

プロジェクトをマネジメントする上で、マネージャやリーダーがチームに対してどのようにかかわるか、プロジェクト・ファシリテーションの視点から意識すべき点や具体的な方法を習得します。
具体的な技術とその実践例の紹介と解説は座学を中心に行い、その内容を実践的に得るために体験型の演習を交えて行います。

当講座を受講することで、プロジェクト・ファシリテーションの基礎を理解し、実際に実践できる知識を習得できます。

■講座内容について
 1.プロジェクト・ファシリテーションの基礎
   目的と役割、基本的な考え方
   価値や原則について

 2.プロジェクト・ファシリテーションの活動
   代表的なプラクティスの紹介
   (かんばん、バーンダウンチャート、ふりかえり、朝会、その他)
   実践例の紹介
   実施時の課題と解決のためのポイント

 3.プロジェクトファシリテーションの実践
   プラクティス実践練習
   コミュニケーション技法の練習
   感覚的な能力を利用する練習

More Decks by まつじゅん@松本屋/Matsumoto-ya

Other Decks in Business

Transcript

  1.  プロジェクトをマネジメントする上で 重要なチームを活性化、モチベートし、 協調関係を構築する知識と技術の習得 ◦ 基礎知識  目的と役割、基本的な考え方  プロジェクト・ファシリテーションの価値と原則

    ◦ 活動事例  代表的なプラクティス  かんばん、バーンダウンチャート、ふりかえり、朝会など  事例紹介、実施時の課題と解決のためのヒント ◦ プラクティス体験 本講座の目的 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 2
  2.  午前 ◦ 基礎知識  プロジェクト・ファシリテーションについて  価値および原則について ◦ 活動紹介

     代表的なプラクティス紹介  実践事例紹介  午後 ◦ プロジェクト・ファシリテーションの 体験ワークショップ 本講座の流れ Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 3
  3. プロジェクト・ ファシリテーションとは  新しいチームの形を促進させる働きかけ ◦ その場その場の変化に対応し、チームが協力し合って 創発的に成果を作り出すチーム創造の促進 ◦ 「リーダーシップ・コラボレーション型」を目指す 

    PFの成り立ち ◦ アジャイル + トヨタ生産方式 + ファシリテーション ◦ コーチングなどコミュニケーションに重点  アジャイル・プロセス ◦ XP (eXtreme Programing)、SCRUM、リーン、 ASD (Agile Software Development)  ファシリテーション  トヨタ生産方式(TPS) ◦ 見える化、かんばん、Pull生産・・・ Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 6
  4. ファシリテーションとは  ファシリテーション ◦ 促進する、助ける、円滑にする、場を作る ◦ 個人の能力を最大限に引き出すチームの場作り ◦ 会議の司会案内、議論のプロセスに責任を持つ 

    街づくりのための市民合意形成、 組織改革、プロジェクト推進  ファシリテーターのスキル ◦ ホワイトボードや模造紙などを利用する、ファシリ テーション・グラフィックやレコーディング ◦ 会場全体や机やイスなどの環境デザイン ◦ 状況把握と進行管理などのタイムマネジメント ◦ アイスブレーキングや発散と収束、合意形成 を促すプロセスマネジメント ◦ ポストイットや模造紙にマーカー、トーキングオブ ジェクト、など各種ツールの利用 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 8
  5. コーチングとは  あまり「教え」たり「指示」せず 「質問」や「反映」などを通して 自ら考えて選択し決定することを促す ◦ 質問/認知・承認/反映/要求  クライアントとの信頼関係が重要で、 決意と行動を促進させるため、

    勇気づけや質問をする •質問され深く考える •自身の考えが整理される •自分の感情を感じ味わう •気づきや行動変容をする コーチング 気づき 行動変容 コーチ クライアント Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 9
  6. なぜプロジェクト ファシリテーションが重要か  移り変わりの速い状況 ◦ 社会の変化へ迅速かつ柔軟な適応  人材育成の課題 ◦ コミュニケーション力の高い人材の育成

    ◦ 自発的な自立した人材の育成 ◦ 優秀な人材の流出  健全なプロジェクト運営 ◦ 品質の確保と向上 ◦ 見積りや納期の精度向上 ◦ 心身ともに健全で人間らしい生活 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 10
  7. PFの価値  対話 ◦ 必要な人と、必要を感じたときすぐ、対面で話をしていますか? ◦ チームとして個人の総和以上の成果を上げるために「対話」を価値とします。  行動 ◦

    あなたの言葉に、行動はともなっていますか? ◦ 価値を現実のものとするためにそして気づきを得るために、「行動」を価値としま す。  気づき ◦ 今日、何かに気づきましたか?気づきを、毎日誰かに話していますか? ◦ 個人そしてチームが成長するために、「気づき」を価値とします。  信頼関係 ◦ あなたはチームのメンバーを信頼していますか? チームのメンバーはあなたを信頼していますか? ◦ 行動を起こす勇気の源として、「信頼関係」を価値とします。  笑顔 ◦ 人からの非難をおそれてびくびくしていませんか? 冗談を言える雰囲気はありますか?今日、みんなの笑顔は見えますか? ◦ 人生の貴重な時間を楽しくすごすために、「笑顔」を価値とします。 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 12
  8. PFの原則  見える化(Management by Sight)  目に見えるようにして、行動につなげる。  リズム(Rhythm) 

    人間活動として定期的なリズムを設計する。  名前づけ(Name and Conquer)  気づいた概念に名前をつけておく。  問題vs. 私たち(Problem vs. us)  「問題」と「人間」を分離する。  カイゼン(Kaizen)  継続的に、今の自分たちにできる小さいことから。 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 13
  9. 動脈=PM 静脈=PF 現状(今) 目前の現実 近い未来 目標 (方向) PMとPFの関係についての考察 PM的視点 可能性

    成長や期待 目標に対する 柔軟性 目標と現状の 最短を線で結ぶ メンバと の一体感 明確な指示 力強い行動 PMとPFは 相補の関係 バランスが重要 PF的視点 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 14
  10. コミュニケーションの質に注目  プロジェクトで起きている “コミュニケーション”上の課題は? ◦ 技術的課題も重要だが、コミュニケーション上 の課題から目を背けていないか? ◦ 個人の問題よりも関係性の問題として 再定義・認識する

     意味的コミュニケーションと 情動的コミュニケーション ◦ 組織やプロジェクトでは意味的に偏っている ◦ 情動の部分が満たされないと人は辛い ◦ 意味的理解に対して情動のバイアスがかかる ◦ 意味も情動も相互補完的に必要である Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 17
  11. 環境面からのアプローチ  「場」を感じる(場の意図や意思の代弁者) ◦ 何が感じられるか、何を感じたか ◦ どのように感じるか、どんな時に感じるか ◦ 感じることと理解・解釈することは違う 

    「場」を変えるために ◦ 自分や環境の存在感を知り場の変化を感じる ◦ 自分自身の使い方を考え実践する ◦ 人や物や事柄の関係性に働きかける  実際の現場に適用する ◦ 現実の課題を再認識する ◦ 自分を活かす行動を決め実践する Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 18
  12. バーンダウンチャート  右肩下がりのグラフ  縦軸に仕事量 横軸に時間  計画線と実績線を 見える化 234

    217 205 180 125 115 83 66 0 50 100 150 200 250 計画 実績 Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 21
  13. PFの効果  笑顔の数  協調的なチームのムードを作り出す  意外なリーダーの出現(人材の開発発掘)  見える、マネジメント 

    早く分かるリスク(隠さない)  実感できる改善(くりかえしふりかえり)  自ら気づき、自ら行動することを、価値と する文化  すぐ始められる!  効果は、人材開発に関することが大きい Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 25
  14. 導入のポイント  簡単なものから、やってみる  そのままではうまく行かないことが多いが、 工夫し続けることで徐々に定着する  相手に押し付けない(必ず反力を生む)  現場の若い人を必ず巻き込み、一緒にやる

     現状を全否定せず、今の最善とし、良い点を生 かしつつ、改善できる点を模索する  改善の過程で、アイディアやヒントとして使い 解決法として押し付けない  ポストイットや模造紙くらい、自分で買おう (自分への投資でもあり時間がもったいない)  人生の楽しみの一部であると考える(Life Hacks) Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 26
  15.  プロジェクト・ファシリテーター協会 ◦ http://www.pf-i.org/ ◦ http://www.facebook.com/ProjectFacilitator  オブラブ ◦ プロジェクトファシリテーション

     http://objectclub.jp/community/pf/ ◦ プロジェクトファシリテーションの価値と原則編  http://objectclub.jp/download/files/pf/ProjectFacilitatio nValuePrinciple.pdf ◦ プロジェクトファシリテーション実践編  ふりかえりガイ http://objectclub.jp/download/files/pf/RetrospectiveMe etingGuide.pdf  見える化ガイド http://objectclub.jp/download/files/pf/ManagementBy SeeingGuide.pdf  朝会ガイド http://objectclub.jp/download/files/pf/MorningMeeting Guide.pdf  プロジェクトファシリテーションを 推進する会 ◦ http://projectfacilitationproject.go2.jp/wiki/  特定非営利活動法人 国際ファシリテーション協会 ◦ http://www.gnf.jp/index.html  特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会 ◦ https://www.faj.or.jp/  国際コーチ連盟 ◦ http://www.coachfederation.org/  CTI Japan ◦ http://www.thecoaches.co.jp/  書籍 ◦ 『ファシリテーション・グラフィック』、堀公俊, 加藤彰 (著) 日本経済新聞社、ISBN: 4532312884 ◦ 『ザ・ファシリテーター』、森時彦 ダイヤモンド社、SBN: 4478360715 ◦ 『ザ・ファシリテーター2』 、森時彦 ダイヤモンド社、ISBN: 4478360952 ◦ 『アジャイルサムライ』、Jonathan Rasmusson (著), 西村直人, 角谷信太郎 (監訳), 近藤修平, 角掛拓未 (翻訳) オーム社、ISBN: 4274068560 ◦ 『リーン開発の本質』、メアリー・ポッペンディーク, トム・ポッペ ンディーク (著), 高嶋優子, 天野勝, 平鍋健児 (翻訳) 日経BP社、ISBN: 4822283506 ◦ 『コーチング入門』、本間正人, 松瀬理保 (著) 日本経済新聞社、ISBN: 4532110912 ◦ 『コーチングバイブル』、ヘンリー キムジーハウス, キャレン キム ジーハウス, フィル サンダール (著), CITジャパン (翻訳) 東洋経済新報社、ISBN: 4492557156 ◦ 『これだけ! KPT』、天野勝、 すばる舎リンケージ、ISBN: 4799102753 ◦ 『ソフトウェア開発を成功させる チームビルディング』、岡島幸男 ソフトバンククリエイティブ、ISBN: 4797352434 ◦ 『プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」』、岡島幸男 ソフトバンククリエイティブ、ISBN: 4797333502 ◦ 『システム開発現場の』、 新岡優子/前川直也/西河誠/小田美奈子/上田雅美 技術評論社、ISBN: 4774133655 ◦ 『ITプロジェクトを失敗させる方法』、中村文彦 ソフトリサーチセンター、ISBN: 4883732533 ◦ 『ワークショップデザイン―知をつむぐ対話の場づくり(ファシリ テーション・スキルズ)』、堀公俊/加藤彰 日本経済新聞出版社、ISBN: 4532314038  連絡先 ◦ [email protected] / http://www.pf-i.org 参考文献・参考URL Copyright (c) 2014-2015 プロジェクト・ファシリテーター協会 27