Upgrade to PRO for Only $50/Year—Limited-Time Offer! 🔥

AIがコードを書く時代にエンジニア組織が事業に貢献する仕組み / How engineerin...

Avatar for BPStudy BPStudy
December 23, 2025

AIがコードを書く時代にエンジニア組織が事業に貢献する仕組み / How engineering organizations can contribute to business in an age where AI writes code

2025年12月22日(月) に開催されたBPStudy#220〜エンジニア組織が事業に貢献するための仕組みづくりとは( https://bpstudy.connpass.com/event/376395/ ) の資料です。

Avatar for BPStudy

BPStudy

December 23, 2025
Tweet

More Decks by BPStudy

Other Decks in Business

Transcript

  1. 2 Life Quest Alliance 福永 博⾂ Life Quest Alliance 合同会社

    代表 2000.03 :駒澤大学文学部卒業 2000.04〜 :CAICAテクノロジーズ プログラミングを学ぶ 2003.11〜:楽天グループ株式会社 楽天市場の開発・運用・組織マネジ メントに携わる 2022.12〜:Life Quest Alliance合同会社 中小企業を中心にコンサルティング 業務改善 w/ 人財育成 ウェルスダイナミクス コンサルタント 米国NLP&Coaching研究所 認定NLPプロフェッショナルコーチ 7つの習慣・実践会 認定ファシリテーター
  2. 3 Life Quest Alliance 『楽天で学んだ会社を急成⻑させるPDCA-S』 楽天での19年間の仕組み化の実践経験を1冊の本にまとめました 第1部 企業が成長する仕組み化 第1章 なぜPDCAだけでは成長できないのか

    第2章 新たな組織成長メソッド「PDCA-S」の全貌 第3章 仕組み化がもたらす真の価値 – 急成長の鍵 第4章 よくある課題とその解決策 第2部 PDCA-Sの実践 第5章 仮説:目的を必達する計画立案 第6章 実行:成果を最大化する時間管理とチーム設計 第7章 検証:成長のための学びと改善 第8章 仕組化:成果を生む人の「違い」を言語化して再現する 第3部 成長する組織の裏側にある仕組み化の実践知 第9章 トップのビジョンが組織を動かす 第10章 成功と失敗を共有する力 第11章 ルールの整備で無駄を省く 第12章 進化し続け生産性を上げる 第4部 明日からできる仕組み化の実践 第13章 部下を育てるデリゲーション 第14章 効果的な報連相 第15章 AI活用による生産性の向上 第16章 誰もが力を発揮できる職場作り 日本能率協会マネジメントセンター
  3. 4 Life Quest Alliance Why 仕組み化? PDCAを回している企業は多くあるが、うまく行ったことを仕組み化して誰でもでき るようにしているところは少ない 楽天の成功のコンセプト 1.

    常に改善、常に前進 2. Professionalism の徹底 3. 仮説→実行→検証 4. 顧客満足度の最大化 5. スピード!!スピード!!スピード!! → 仕組化
  4. 5 Life Quest Alliance 楽天の躍進とともに歩んだ成⻑ 1997:楽天市場サービス開始 2000:株式公開 2002:楽天ポイントプログラム開始 2004:プロ野球参入 2005:楽天カード発行開始

    2006:楽天経済圏構想を発表 2008:台湾楽天市場サービス開始 2009:楽天銀行誕生 2010:楽天Edy誕生 2011:楽天市場流通総額1兆円達成 2012:社内公用語英語化 2013:東証一部上場 2016:70カ国籍以上の人材雇用 2017:FCバロセロナとパートナーシップ 楽天カード国内取扱高No.1 2018:包括的物流サービスの開始 2019:楽天モバイル事業開始 2021:モバイルネットワークを海外へ展開 2023:プラチナバンド獲得 ※参考:楽天の歴史|楽天グループ株式会社 2022年 退職:コンサルタント 2009年 マネージャ昇進 2016年 部長昇進 2003年 入社:Webアプリエンジニア • 買い物かごリプレース • 店舗系システムリプレース • 楽天オークション • 買い物かごリプレース2 • 海外版楽天市場API • 楽天市場開発組織マネジメント • 社員の急増 • 組織の膨張 • 文化の崩壊危機 • 海外社員との摩擦
  5. 6 Life Quest Alliance エンジニア or マネージャー 私の結論: 自分より優秀なエンジニアを多く管理することで 自分の限界を超えた仕事ができるはずと思い

    マネージャの道を選ぶ でも、自分の特性(現場 or 管理)を見極めた上で キャリアを選ぶのがいいよ
  6. 10 Life Quest Alliance AIがコードを書く時代のエンジニアの役割 コードを書く効率はもうAIにかなわない 成果の基準を Output から Outcome

    に変えていく必要がある 書いたコードの質・量 システムデザイン How What After Before コードがもたらす価値 • ビジネス貢献 • 生産性(コスト<利益) • サービス品質 製鉄所 エンジニア 鉄を加工 作った鉄で 何を作るか? Why
  7. 11 Life Quest Alliance エンジニア組織として成すべきこと エンジニア組織は会社のミッションを達成するために存在する 戦略 落 と し

    込 ん で い く 戦術 戦略共有会 • 3〜6ヶ月に1度開催 • 今期の戦略を伝える場 • 上位部署から順次開催(具体化) • タスクへ落とし込まれる 日々の仕事に意味ができる ミッションツリー
  8. 12 Life Quest Alliance 開発だけしていればいいわけではない 運用まで考えた開発ができなければ、事業会社の社員でいる意味はない 開発と同じくらい運用も大切 委託会社 • 開発完了が一旦のゴール

    • 運用工数がかかるほど儲かる 自社開発 • 開発完了はスタート • 運用工数がかからないほど儲かる 運用 = 売上 運用 = コスト 「楽天は運用の会社」 by 三木谷浩史
  9. 16 Life Quest Alliance 1. 会議8分の1の法則 集まることに意味はない 何の目的で会議を、どう開催するのかを設計する 会議時間 参加人数

    開催回数 x 1/2 議論が必要な議題だけを扱う 発言する人だけ参加する 議論する時だけ開催する x 1/2 x 1/2 会議コスト 8分の1 • 定例会議の開催数の削減 • 意思決定MTGすら削減 • エンジニアは開発に時間を使える
  10. 17 Life Quest Alliance 1. 会議8分の1の法則 – 会議時間・回数を削減する仕組み 決裁者・相談者双方が協力することで、会議は効率化する x-

    -xx 営業本部定例会 ◯重要案件の数値報告 今月実績 目標 達成率 前月比 売上合計 12,800,000 円 15,000,000 円 . % + . % 受注件数 42 件 50 件 . % +3 件 平均受注単価 304,761 円 - - + . % ◯ 決裁・相談事項 議題 . 9月のキャンペーン施策について【鈴木】( 分) 6月のキャンペーン結果に基づき、9月の施策を以下の通り検討いたしました。 6月のキャンペーン結果概要:  配信件数 :2,000 件  開封率 : . %  成約件数 :22 件  課題 :顧客が商品理解に時間がかかり、成約率が伸びなかった。 9 月のキャンペーン施策案 施策案 概要 コスト感 開封率 利益率 総合 案1 限定割引コード配布 500 円/件:△ 目標 %:◯ %:✕ △ 案2 無料レポート DL+追客 200 円/件:◯ 目標 %:△ %:◯ ◯ 案3 オンライン相談会への招待 1,200 円/件:✕ 目標 %:△ %:△ ✕  レコメンド案 :案 2  理由 :顧客の理解を促進し、質の高い見込み客の獲得につながる。  懸念 :短期的な顧客獲得は他の施策より弱い点があり、追客の体制を整える必要がある ◯ 重要報告事項 議題 . フォーム修正による問い合わせ件数の改善報告【田中】( 分) 指標 改善前(5月) 改善後(6月) 前月比 訪問数 1,200 件 1,250 件 +50 件(+ . %) 入力完了数 件 件 + 件(+ . %) CVR . % . % + . pt(+ . %)  フォームの改善によって CVR が大きく向上。  類似ページでも同様の最適化を試験導入予定(4 月中) ◯ 共有事項 議題 . 全社交流会について 10 月に実施する全社交流会について、次回実行委員会候補者リストをお持ちいたします。 以上 重要案件の数値報告 決裁・相談事項 重要報告事項 共有事項 • KPIやテスト結果など、現状をみんなで共有する • 決裁者:事前に目を通し、事前承認する 質問のあるもののみ議題として扱う • 相談者:事前承認が得られるだけの情報を記載する • 全員に認識してもらいたいことを記載する • 会議が開かれなくても必ず読んでおく • 各自確認しておけば良い内容
  11. 18 Life Quest Alliance 2. ⽇々の仕事に仕組み化を⼊れ込む 日常の業務の中に、ちょっとだけ改善を追加していく 5 5 5

    5 5 5 15 13 13 7 7 2 15 13 13 7 7 3 12 28 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 初めて 都度対応 マニュアル化 マニュアル化後 自動化 自動化後 対 応 時 間 ( 分 ) 問い合わせ対応時間の変遷 応答 対応 調査 改善作業 Script化 時間短縮 マニュアル化 誰でもできる化 25分短縮 かつ デリゲーション可能 Script化 Script化後 II IV III I II IV III I II I 現実は… II IV III I
  12. 19 Life Quest Alliance 3. 運⽤のルール化 会社としてルール化することで、マネージャーも含めて仕組み化や改善に時間を使い やすくなる 楽天では、VOC対応をルール化 •

    月次:事業とVOCの棚卸しをして「やる」「やらない」「優先順位」を決める • 週次:金曜日はプロジェクトの開発を止めてVOCに対応する部署も VOC(Voice of Customer) • サービスを利用したエンドユーザーの声 • クレーム 宝の山
  13. 20 Life Quest Alliance 4. 成功したときほど分析せよ 成功する確度を上げることで、失敗で消費される時間を減らす 次に上手く行くかは、やってみないと分からない 自らの実績があるので、必ず上手く行く 失敗の原因分析

    成功の原因分析 KPT • Keep(続けるべきこと) • Problem(課題) • Try(次にやること) 続けられるよう仕組み化する • マニュアルに入れる • チェックリストをつくる • Notionでテンプレート化する • 会議の議題にいれる …etc.
  14. 23 Life Quest Alliance 事業KPIを⽀える開発のKPI エンジニア組織の予算は事業の利益から出ている 資本 開発 利益 開発

    利益 開発 利益 会社のお金を使って 開発しているので 利益を出すのは当たり前 事業利益を最大化するための開発KPIは何か? 例えば • システム稼働率 • バグ発生率 • デプロイ回数 …etc. 事業KPIを支える 共通の目的を追う
  15. 24 Life Quest Alliance 事業とつくる開発計画 事業 開発 対等 パワーバランスはイーブン パワーバランスが整う以前

    • 開発が強かった時期:営業が作りたいサービスを作ってもらえない • 営業が強かった時期:営業のやりたいことに開発が振り回される • 売上目標 • ユーザーからの要望 • 新規事業 • システム開発プロジェクト • 日々の運用 • EOL、セキュリティ対応
  16. 25 Life Quest Alliance 事業とつくる開発計画 計画を共につくることで事業と共創関係を築く 事業 開発 対等 パワーバランスはイーブン

    • 売上目標 • ユーザーからの要望 • 新規事業 • システム開発プロジェクト • 日々の運用 • EOL、セキュリティ対応 お互いの情報を シェアし合う 事業と開発で開発計画を立てていく 難しい けどね!
  17. 26 Life Quest Alliance 事業との共創の効果 エンジニア組織として、会社の売上を事業と共に作る関係を構築する 事業と開発の合議で開発優先順位、計画を立てられる コントローラブルな計画 What/Whyの理解促進 共に売上をつくる意識

    課長レイヤーの仲が良ければ、現場は上手く行く 営業と一緒に店舗さんを回り、顧客理解ができる機会 の増加 スーパーセールなどイベント時の一致団結感
  18. 27 Life Quest Alliance Wrap UP – まとめ AI時代にはビジネス視点でモノをつくれるエンジニア組織になるための仕組みを整え よう!

    1. エンジニア組織として成すべきこと p 戦略共有会 2. 忙しい日々の中に時間を作る p 会議8分の1の法則 p 日々の業務にちょっとだけ改善を入れ込む p 改善をルール化 p 成功したときほど分析する 3. 事業のWhat/Whyに応える(事業との相互依存) p 事業KPIを支える開発KPIの設定 p 事業と開発で計画を立てる 皆さんの状況に合わせて できることを考えて ぜひ実行してみましょう