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東京都新型コロナ対策サイトのアクセシビリティ改善を語る

Rikiya Ihara
October 18, 2020
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 東京都新型コロナ対策サイトのアクセシビリティ改善を語る

Rikiya Ihara

October 18, 2020
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Transcript

  1. 自己紹介
 サイオステクノロジー株式会社 
 チーフ・デザイン・オフィサー。
 HCD-Net 認定人間中心設計スペシャリスト。
 
 主に金融系システムのユーザーインターフェイス設計・デ ザインなどを専門にしている。また、アクセシビリティ関連 として日本DAISYコンソーシアムに参加するなど、読みや

    すさ・理解しやすさに関して興味・関心があり活動をして いる。
 freee株式会社 デザイナー。 
 HCD-Net 評議委員および認定人間中心設計専門家。
 
 ウェブアクセシビリティ基盤委員会 WG1委員。共著書に 『デザイニングWebアクセシビリティ 』、監訳書に『コーディ ングWebアクセシビリティ』『インクルーシブ HTML+CSS&JavaScript』がある。
 クリエイティブユニットmokuva所属。 
 伊原 力也
 伊藤 俊輔
 @magi1125
 @shunito

  2. アクセシビリティとは
 • access + ability = アクセスできる度合い
 • 多様な状況に対する、情報にアクセスするためのルートの幅広さ
 •

    「アクセシビリティの向上」とは、利用方法の選択肢を広げ、
 使える状況を広げる取り組みのこと

  3. ポイント
 • 多数のコントリビューターがいる場合に、アクセシビリティを意識してもらい、新しい 問題を作ってしまわないような仕組みとして有効
 • できれば開発の初期段階で設定し、共通認識を持ちながら進められるとよい
 • 開発が落ち着いてきたらチェック項目を減らすなど、チェック対象の見直しなどもで きるようにするとなおよい
 •

    機械的なテストで発見できないアクセシビリティ上の問題も多数あるので、有識者 による試験も組み合わせる
 
 gov.ukによる2017年の報告によれば、ツールにより特性はあるが機械的な検査により発見出来るアクセシビリティ上の問題は17% ~37%とのこと。

  4. 拡張性と基準とトーン&マナーから導かれる要件
 • 4段階までのデータ系列を想定する:
 それぞれを塗りで見分けられ、白背景とも見分けられること 
 • 塗りの上に文字が乗ることを想定する:
 塗り色と上に載る文字とのコントラストを4.5:1確保すること 
 •

    塗り色は凡例の文字色としても使用を想定する:
 白背景と凡例文字色とのコントラストを4.5:1確保すること 
 • 「躍動、繁栄、潤い、安らぎ」のイメージを踏襲:
 生死を連想させる色(≒黒)、危険を煽るような色は回避する 
 • それぞれの数値を正しく公平に伝える:
 薄い塗り+囲み、一部模様付き、一部異なる色相などは 
 部分強調の意図が出るおそれがあるので回避する 
 🤯
  5. ruby実装の課題
 1. サイトの開発が活発で、多数のテキスト指定個所をルビ用コンポーネントに置き換えるにあたり コンフリクトが多数発生。
 2. ルビにより表示される要素の高さが変わり、レイアウトの崩れが各所発生したこと。また、最新 のレイアウトの適応や確認に追いつけなくなっていった。 
 3. 言語切り替えの際にブラウザ側ですべてのテキストの置き換えを行うため、ルビへの変換もそ

    のタイミングで行う必要があり、パフォーマンス面での懸念があったこと。 
 パフォーマンス面については、体感的には多少遅いものの許容範囲で動いているようでしたがス マートフォンなどでの検証の手もたりず、そのままとなっています。 
 
 初期設計時にうまく取り込むことで、より簡単に対応できる可能性がありますので、次の課題として記 憶しておきたい。

  6. 俺たちの戦いはこれからだ!
 • まだIssueはいくつか残っています、そして…
 • いまこの瞬間においてどの程度アクセシブルなのか?再試験が必要そう
 • アクセシビリティを継続的に維持するにはどうしたら良いか?
 • 有識者や女将や改善PR出してみる人を増やすにはどうしたら良いか?
 •

    各地域ごとの対策サイトをアクセシブルするにはどうしたらいいか?
 • 今後新しく何かが生まれたり広まったりするときに、
 より効率よくアクセシビリティを高めていくにはどうしたら良いか?

  7. Code of Conduct (行動規約) と参加時のお願い
 • サミットは参加者・セッション登壇者・スタッフみ んなでつくるイベントです 
 


    • 誰もが参加しやすいサミットを「ともに考え、と もにつくる」ことを目指しています 
 
 • お互い敬意を持って、価値観を認め合いなが ら、建設的に意見を交わしましょう 
 
 • それぞれが文化的および個人的なバックグラ ウンドがあることを理解するように努めましょう 
 • Github - Code of Conduct 
 https://github.com/codeforjapan/codeofcond uct
 • HackMD - Code of Conduct https://hackmd.io/@codeforjapan/CodeOfCon duct 
 • オンライン版の注意点(抜粋) 
 ◦ それぞれが文化的および個人的なバックグラウンド があることを理解するように努めましょう 
 • 困った時は…
 ◦ メール: [email protected] 
 ◦ Slack: jinnouchi ・ takesada_c4j
 #cfjsummit

  8. Code of Conduct (行動規約) と参加時のお願い
 • サミットは参加者・セッション登壇者・スタッフみ んなでつくるイベントです 
 


    • 誰もが参加しやすいサミットを「ともに考え、と もにつくる」ことを目指しています 
 
 • お互い敬意を持って、価値観を認め合いなが ら、建設的に意見を交わしましょう 
 
 • それぞれが文化的および個人的なバックグラ ウンドがあることを理解するように努めましょう 
 • Github - Code of Conduct 
 https://github.com/codeforjapan/codeofcond uct
 • HackMD - Code of Conduct https://hackmd.io/@codeforjapan/CodeOfCon duct 
 • オンライン版の注意点(抜粋) 
 ◦ それぞれが文化的および個人的なバックグラウンド があることを理解するように努めましょう 
 • 困った時は…
 ◦ メール: [email protected] 
 ◦ Slack: jinnouchi ・ takesada_c4j
 #cfjsummit