Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
基幹システムの変更を楽で安全にする
Search
増田 亨
PRO
January 17, 2022
Programming
4
3.7k
基幹システムの変更を楽で安全にする
大規模な基幹システムの再構築にドメイン駆動設計を適用する取り組みの簡単な紹介です。
増田 亨
PRO
January 17, 2022
Tweet
Share
More Decks by 増田 亨
See All by 増田 亨
ソフトウェア設計とAI技術の活用
masuda220
PRO
30
7.6k
AI時代の『ドメイン駆動設計をはじめよう』
masuda220
PRO
38
19k
事業戦略を理解してソフトウェアを設計する
masuda220
PRO
26
7k
これだけは知っておきたいクラス設計の基礎知識 version 2
masuda220
PRO
27
8.2k
ビジネスモデリング道場 目的と背景
masuda220
PRO
12
1.9k
ソフトウェアエンジニアの成長
masuda220
PRO
14
2.6k
分散型アーキテクチャとドメイン駆動設計
masuda220
PRO
9
3.9k
ソフトウェア開発の複雑さに立ち向かう
masuda220
PRO
13
16k
『ドメイン駆動設計をはじめよう』のモデリングアプローチ
masuda220
PRO
9
1.3k
Other Decks in Programming
See All in Programming
Bedrock AgentCore ObservabilityによるAIエージェントの運用
licux
9
710
decksh - a little language for decks
ajstarks
4
21k
KessokuでDIでもgoroutineを活用する / Go Connect #6
mazrean
0
100
GUI操作LLMの最新動向: UI-TARSと関連論文紹介
kfujikawa
0
980
Google I/O recap web編 大分Web祭り2025
kponda
0
2.9k
LLMは麻雀を知らなすぎるから俺が教育してやる
po3rin
3
2.2k
一人でAIプロダクトを作るための工夫 〜技術選定・開発プロセス編〜 / I want AI to work harder
rkaga
12
2.7k
STUNMESH-go: Wireguard NAT穿隧工具的源起與介紹
tjjh89017
0
380
兎に角、コードレビュー
mitohato14
0
140
0から始めるモジュラーモノリス-クリーンなモノリスを目指して
sushi0120
1
310
オープンセミナー2025@広島「君はどこで動かすか?」アンケート結果
satoshi256kbyte
0
130
オホーツクでコミュニティを立ち上げた理由―地方出身プログラマの挑戦 / TechRAMEN 2025 Conference
lemonade_37
2
480
Featured
See All Featured
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
95
14k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
525
40k
Writing Fast Ruby
sferik
628
62k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
44
2.4k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
Making Projects Easy
brettharned
117
6.3k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
126
53k
Code Review Best Practice
trishagee
69
19k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
367
19k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
338
57k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
31
2.2k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
26k
Transcript
基幹システムの 変更を楽で安全にする 2022年1月17日 有限会社システム設計 増田
基幹システムを作り変える 大手損害保険会社の基幹システム • 開発費用の総額1200億円? 年商2000億円規模の通販会社の基幹システム • 開発費用 数十億円 × 数回
• 年間IT費用 数十億円/年
共通のテーマ • ビジネスの要求に応えるシステム変更スピード向上 • ソフトウェア開発コスト(初期・拡張)の削減 • 修正コストの削減
NRIでの実証実験 現行システム実績 今回の試作 初期開発 開発規模 183 千行 97 千行 設計書ボリューム
153本 1枚 (規定集・マニュアルを使用) 変更要求 への対応 モジュール数 追加3 修正65 追加1 修正2 変更規模 5 千行 9 百行 設計書ボリューム 26 枚 0 枚 (業務マニュアル改訂版を使用) 「NRI ドメイン駆動設計」で検索すると 実験の報告書をダウンロードできます。
実際にどう進めているか
現場でやっていること why の合意形成 「良い設計は悪い設計より変更が楽で安全」 ・悪い設計で失っているものの言語化・数値化 ・良い設計で得られるものの言語化・数値化 how の認識合わせ ・ビジネスルール(計算判断ロジック)中心の構造 ・事実の記録中心のテーブル設計
・一覧網羅ではなく濃淡づけとカテゴライズ what の体験学習 ・ドメインオブジェトを実際に書いて動かす ・イミュータブルなテーブル設計で実際に動かす ・一覧の分類、要点の絞り込み、ノイズの除去
変更を楽に安全にするための設計方針 ドメインモデルパターン 組み立て思考で開発 イミュータブル データモデル トランザクション スクリプトパターン ミュータブル データモデル 分解思考で開発
ドメインモデルパターンへの切り替え トランザクションスクリプトパターン ドメインモデルパターン 入出力中心(画面+データベース操作) ビジネスルール(計算判断ロジック)中心 手続き的なプログラミング (データクラスと機能クラス) オブジェクト指向プログラミング (ロジックとデータのカプセル化) 外部設計書
⇒ 内部設計書 規程集・業務マニュアル⇒クラス設計 入出力項目定義⇒入出力処理の記述 計算判断ロジックの記述⇒必要な入出力
イミュータブルデータモデルへの切り替え ミュータブルデータモデル イミュータブルデータモデル 状態の変更と参照が中心 事実の記録が中心 SELECT FOR UPDATE INSERT DELETE
大きなテーブル 小さなテーブル 制約はずし/制約のがれ 制約の徹底 (主キー・外部キー・一意・NOT NULL)
開発のやり方の切り替え 分解思考で開発 組み立て思考で開発 最終形を確定 最終形を仮置き 機能一覧・画面一覧・テーブル一覧 主要な要素・全体の枠組み・構造の軸 分業・分担 協業・補完 標準化・均一化
重みづけ・濃淡・取捨選択
手を動かして習得・納得・手ごたえ
実際に手を動かして習得する/実証する クラス定義 using Java github issue/project テーブル定義 using DDL 詳細設計書
概念ER図 テーブル定義書 WBS・ガントチャート 機能一覧